村田社長!!!
お元気ですか?
お忙しそうですね〜。
お暇になったらでいいのですが、
石膏ボードの周波数ごとの吸音特性って
ご存知内でしょうか?
ご存知でしたら、教えて下さい。
すいません、何とかこちらで調査しました。
ご迷惑をおかけしました。
ご返事書けなくて申し分けございません、来週あたりに私なりの考えを書き込みます。
一般の建築音響の書物に書かれている石膏ボードの音響特性は、リスニングルームでは適用できません。
メーカーから取り寄せました。
チヨダウーテからです!!
村田社長こんにちは。
この間ルームチューンを進めていった末、
当初設定した大量の吸音材は、この3年間で
ほとんど撤去しました。
部屋が落ち着いたせいですが、ここで問題が
発生しました。
声を出すと、声以外の低い周波数が遅れてついてきます。
これは“出ている音ではない”ということになります。
突き詰めていくと、どうも石膏ボードが独特の共振を
しているようです。これを取り去るのに
なくなくゴムハンマーで壁を叩きまくり、
部屋に共振する場所を探し出し、レゾナンスチップを
貼りまくりました。
だいぶ癖が取れてきたのですが、根本的な解決になって
いないように思えます。
2×4の構造ですので455mmピッチに縦に構造材が
入っています。石膏ボードを外して木の良質なものに
張り替えればいいのでしょうが、遮音の問題と
金融公庫の防火規定の関係で
やり変えは難しそうです。
この状態で、表面にはる素材などをアドバイスいただけ
たら幸いなのですが・・・
購入させていただいたLVパネル 調子がいいです。
その後なにかいいものがあるみたいですね〜。
ここで紹介していただけると幸いなのですが・・・
安達といいます。
私のところの壁は全くオーディオ的に配慮した作りにはなっていないので、果せるかな盛大に鳴る壁があります。大体オーケストラの大太鼓あたりの音域なんですが、叩くとまるで打楽器さながらに鳴るのです。
まだ引っ越したばかりで壁の対策にまで頭も手も回らないのですが、材質は多分石膏ボード。
これは今後の対策テーマになりそうです。
データを示して石膏ボードの特性を記載するつもりだったのですが、安達さんから分かりやすいレポートを頂きましたので、その補足でお茶を濁すことにしました、とにかくオーディオルームに石膏ボードを使ってはいけないのですから。
既に使われている場合、手軽な改善方法はLVパネルなどで覆いをする方法しか思いつきません。特にスピーカー周りです。
さてその特性ですが、石膏ボードを単体で壁貼りしたときの特性は、その吸音特性データの周波数特性に似かよった100〜200Hzを中心にした輻射音が放射されると思って下さい。分割振動なので打ち消し効果もあり、リスニングポイントにマイクロフォンを置いて測定しても、その結果には殆ど反映されません、しかしその面積が大きいため耳には多大な影響を及ぼします。スピーカーの再生音が確実にブーミーになります。
一般に振動や、共振で音のエネルギを熱に変える吸音体の振動音が直接耳に届いてはいけません。必ず中高音の反射体を同じ方向に置き、ミッドバスの輻射音と合成したときに、そのエネルギバランス(周波数特性)がフラットになるように調整するのがチューニングのセオリーであり、失敗の無い方法です。
<補足>
壁からの反射が中高音乱反射のとき、音楽が明るく楽しくなります。ガラスやボードなど平面反射のとき、ミッドバスがブーミーに広がる暗い音になりがちです。石膏ボードの上にコンパネを重ね張りすると、中高音に多少の改善が見られますが、本質は改善されません。かと言ってカーテンなどの吸音材も音楽から楽しさを奪ってしまいます。
石膏ボードの上にコンパネを重ね張りすると、中高音に多少の改善が見られますが、本質は改善されません。
村田社長、こんばんは。↑の理屈を少しご説明いただけま
すでしょうか??
個々のオーディオルームは固有の音質を持っていますが、その原因は下記の組み合わさり方の違いによるものです。低い周波数から並べると、
1.壁、床、天井の振動
2.フラッターエコー
3.表面反射の周波数特性と反射の方向
この3つが部屋の音質のキャラクターを作る基本要素で、低音域については更に下記の要素が加わります。
4.部屋の寸法比で決まる基準振動モードのどの位置にリスニングポイントを持ってくるか。
http://homepage2.nifty.com/hotei/room/chpt02/chpt02.htm
の「10畳の節面」、「セッティング」参照。
5.スピーカーからの直接音と、壁・床からの反射音の位相干渉。
--続く--
根本的な壁の振動モードと言われると
確かに表面上対策をしても、難しいかもしれませんね。
住宅の仕事をしている関係で、防火上の石膏ボードは
外せませんので、悩むところです。
表面の材料は、どの位の厚みがあれば、カバーできるで
しょうか?もしかして、難しい??
すいません、勉強不足で・・・
ついつい、表面の材料が大半を占めるような気がして
しまいまして・・・
部屋の振動には二つの種類があります。前記5つの要素の中の「1.壁、床、天井の振動」は下地の桟の間隔と壁材の種類と厚さで決まる振動です。
桟の間隔を狭くすると振動しにくくなると同時に、振動周波数が高くなります。
壁材を重くすると振動しにくくなると同時に、振動周波数が低くなります。
桟の間隔は一般に90cmまたは45cm間隔で入れますが、オーディオルームであれば30cm間隔が最低条件です。しかも間隔をランダムにして振動周波数を分散させます。あまりバラバラにするとタッカー(釘)を打つ位置が分からなくなるので、25cm、30cm、35cmが良いと思います。
25の倍数は
25,50,75,100,125,150,175,200,225,250,275・・・
30の倍数は
30,60,90,120,150,180,210,240,270・・・
35の倍数は
35,70,105,140,175,210,245,280・・・
で同じ数字があまり出ません、また施工時の誤差を含めて考えればほぼバラバラになります。コンパネのサイズは91cmですから、26,30,35になるでしょう。
板の厚さは表面に針葉樹(松)のコンパネ、その下にプラスター(石膏)ボード、更に下に広葉樹(ラワン)のコンパネが最低条件で、できればプラスターと針葉樹コンパネを更に各一枚加えた5層構造が理想です。
床はしっかり根太を入れ、壁以上に頑丈に作って下さい。根太の間隔の考え方も壁と同じですが、スピーカーの設置位置付近の床にはもう一工夫の奥の手があります。
スピーカーの手前(リスナー側)で床を一旦切断し、スピーカーを置く位置付近の床を独立させるのです。左右と後ろの壁にも直接振動が伝わらないように隙間を空けます。隙間にゴムやウレタンを充填します。
床や壁が振動するとスピーカーのように音を出すと考えて下さい。ボイスコイルの逆起電力で制動が効くスピーカーとは全く違うダンピングの悪いブーミーな雰囲気を垂れ流します。
壁・床・天井の表面積の合計と、ウーファーの振動板の2倍(2台)の面積を比べると、小型のオーディオルームでも500倍以上の面積差があります。壁振動が極僅かであってもスピーカーの面積に換算すると500倍の振幅になるのだ、と考えると、部屋を振動させてはいけないことがご理解頂けると思います。いくら丈夫に作っても振動がゼロにはならないので、その周波数も分散させる必要があります。下地の間隔を分散させなければならない理由です。