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スレッドNo.266

LFEの低音遅延(D.Cube2)

村田社長、先日はD.Cube2を納品いただきありがとうございました。あの神技のような調整の早さには驚くしかなかったです。
D.Cube2を追加した感想は、まず音が自然になることです(クラシック等の場合)。ホールトーンも豊かになり、教会録音での「音の壁」も再現されるようになりました。
まだあまり触っていないのでとりあえずの感想ですが、私はAVもやっており、LFEのことで質問があります。メインSPの低域拡張はフェーズドメインによりD.Cube2の設置場所はそんなに問われないですが、フェーズドメインを使っていないLFEの場合、低音の遅延はどのくらいあるのでしょうか? またLFEにおいては普通のサブウーハ同様かなりリスナー寄りにおいて位相を合わせる必要があるのでしょうか?
ご多忙のところ失礼しますが、宜しくお願い致します。

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### ホールトーン ###

DSPによる直線位相のFIRフィルター(周波数に拘わらずディレータイムが一定)でスピーカーの周波数特性を補正すると、フィルターのタップ長の1/2の長さの信号処理時間がかかり、その分サブウーファーの音が遅れます。

"ディレーで位相を合わせる(動画シミュレーション)の項参照”
http://www.salogic.com/home.files/exclusive/exclusive-data.htm#move-simulation

のように、フィルターの遅れに更にディレーを加え、その遅れがクロス周波数の1波長の整数倍に一致するように設定すると、聴感では位相が合ったように聞えます。この方法はホーンスピーカーの位相整合に従来から使われている手法の応用です。
http://www.salogic.com/home.files/solution/multi.htm

そして同時に更に二つのメリットを生みます。
■1.人の聴覚は僅かに時間のずれた同音量の二つの音(クロスポイントではメイン&サブ同音量)を聴くと、先に聞こえた音の印象をより強く認識します。従ってサブウーファーを追加してもメインスピーカーの音色が変わりません。

■2.フランスやドイツの残響時間が10秒もあるような大教会の礼拝堂では、足元から胸まで幾十にも重なった揺らぎのような超低音の湖に浸かり、中高音が空から降ってくるような神秘的な音を体験することができます。そしてその音がクラシックのコンサートホールの音作りの原点である事が自ずと理解できるのです。つまり超低音の領域に位相のうねりがあると、コンサートホールのイリュージョンが再現されるであろう事が想像できるのです。

フェーズ・ドメイン方式はクロスポイントの位相だけを合わせる方式ですが、クロスより上の領域は100dB/octの急峻なフィルターにより音が重ならないため、位相干渉は起こりません。クロスより下の領域はメインウーファーの低域の切れが甘いとき位相干渉が発生します、しかしこの位相干渉による超低音の揺らぎは、コンサートホールのイリュージョンをオーディオルームに再現するプラスの効果を発揮するのです。

<●注1>D.Cubeが組みあがると、テスト用の安物のスピーカーを接続して恐る恐る火入れをします。アンプのパワーが大きいのでトラブルがあると1〜2秒でボイスコイルから白煙が出るからです。
LFE入力にCDを接続し首尾良く音が出始めると、ピッチの定まらない、飛び跳ねながら声を出しているような音が必ず出ます。
LFEでは中高音もスピーカーから再生され、安物のスピーカーでは再生できない(音にならない)超低音で音全体が揺すられているため、車の運転中に救急車とすれ違ったときに感じるドップラー効果の塊のような音になります。つまり音のピッチが明確に判断できる50Hz(程度でしょう)以上の音は、サブウーファーから出してはいけないのです。
サブウーファー単体で音楽を聴いたとき、楽曲のタイトルが判別できるようではサブウーファーとして失格です。メインスピーカーの音がピッチの干渉でドロドロします。



### LFEの位相 ###

■AVのLFEから出力される効果音は、MA処理で画像に合わせて後から嵌め込まれた超低音のエフェクトで、映画のセリフや音楽と位相の依存関係はありません。1フレーム(1/30秒)以内のズレであれば判別できない筈である。と考えた結果がアナログ処理によるリアルタイムLFE回路です。

画像とのタイミングですから数msec(1/100秒以下)のずれは許容範囲と考えて良いと思います。アナログ処理はこれほどの遅れを生じないので、特段の測定はしていません、次の測定の機会に、念のため測定をしてHPに掲載しようと思います。

D.Cubeではありませんが、HPに測定例があります。大方のサブウーファーのバスレフポートの共鳴音を無視したときの発音ディレーはこの程度です。

”DW7をパワードサブウーファとして使うときのグループディレー参照”
http://www.salogic.com/home.files/exclusive/exclusive-data.htm#dw7

スピーカーユニットの発音ディレーは口径の大小を問わず、ほぼ 15/100000秒程度です。

”ALTEC 515B のグループディレー参照”
http://www.salogic.com/home.files/exclusive/exclusive-data.htm#altec515b

■メインスピーカーとサブウーファーの距離の差が3.4mあると時間ずれが1/100秒です。12畳程度の部屋でサブウーファーをLFEだけに使うのであれば配置の考慮も不要です。
ピュアオーディオの位相整合を中心に考えてD.Cubeを配置してかまいません。

<●注1> D.CubeのLFE入力には位相制御回路が無いので、AVのフロントの音をLFEとミックスしてD.CubeのLFEにいれると、位相マッチングが不可能になります。
AVシステムでオーディオを兼ねる場合は、フロントの音はD.CubeのAudio入力に入れてください、AVプロセッサーのフロントRCA出力には予備のRCAがないので、別途パラケーブルが必要になります。
http://www.salogic.com/home.files/dcub.files/dcub03.htm

<●注2> AV用に作られたサブウーファーは、LFEの効果音がセリフや音楽と位相の依存関係がないことを前提に設計されています。音楽用に使おうと考えるのが邪道であると思います。
にも拘わらずオーディオ雑誌が音楽用に使ってその音質を評価し、あたかもサブウーファーが有効であるかのような論評をしたところに大きな誤解が生じ、サブウーファー不用論を生んだものです。

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早速のご回答ありがとうございます。
LFEにおいて心配だったのが、1)LFEとフロント・センターSPで位相整合を取る必要がある成分があるのか、2)D.Cube2の入力の初動感度がどのくらいか、という2点が少し心配だったのです。現在AVアンプが使用できないので自分の耳で判断する事も出来ず、今回質問させていただきました。
ご回答の通りであれば、特に心配はいらないということですね。ありがとうございました。

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