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スレッドNo.346

新製品は?

● FIR(直線位相)イコライザー
● FIRデジタルプリアンプ
● FIRデジタルチャネルディバイダー
100〜1000dB/oct

の発売の目処はいかがなものでしょうか?

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私も首を長くして待ってます。

もしかして、TIのクロックの高い石の出荷待ちでしょうか?

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サーロジックの村田です。新製品が遅れていて申し訳ございません。理由は二つあり、一つはお察しの通りDSPの能力不足です。これはDSPの数で解決できるものなので、FIRのチャンデバは試作(P1-KitのDSPで作った)を終了しています。
http://www.salogic.com/photo/ChDev1.htm

DSPを使った製品は操作系を変更するだけで中身は同じですから、イコライザー、デジタルプり、チャンデバ共に完成していると言えなくはありません。また操作パネルに沢山のツマミやスイッチが必要になるので、パソコンの画面を操作パネルにせざるを得なくなりますが、1台に全てを入れることも可能です。ただ現行品のDSP1個では計算速度に余裕がなく、複数個にするとコストが下がらず、96kHz/24bitのFIR機器の製品化を躊躇しています。

二つ目は、あまりの景気の悪さです。もう少し景気が良ければ多少のコストアップは許容範囲でしょうから、むしろこちらの要因が大きいですね。

弊社のDSPシステムはゼネコンや放送関連の研究所に1000万円超で納品していたものをダウンサイジングしたもので、DSPの性能UPによりプロ向けの数百万円のものであれば何時でも出荷可能です。しかしきっとお客様のご希望価格が30万円代程度であろうと予測していますので、50台程度の数が見込めないと製品化が難しいのです。製品として発表してしまうと売れないうちに陳腐化してしまうに違いないと危惧しています。

最近ルームチューニングのためにお客様宅に伺う機会が多いのですが、せっかくの高価なオーディオ機器がその能力を発揮できずにいるケースを良く拝見します。昨今のように景気が悪い時期は、小額の費用で済む音質の改善法をお勧めするのがベストだと思い、ルームチューニングアイテムの開発に時間を割いているのもFIR機器の開発が遅れている要因です。

オーディオ機器を買い換えたり、ケーブルを交換すると音の解像度や音質が変化します。適切なルームチューニングを実施すると、それに加え、楽器個々の立体的な存在感が変化し、コンサートホールの広さが再現できるようになります。しかも費用は機器買い換えの1/10位のものです。

FIRのデジタル信号処理はアナログやIIRのデジタル信号処理では不可能であった直線位相を実現することができます。例えばIIRのチャネル・デバイダーはSPユニット毎にディレータイムを設定することでクロスポイントの位相を合わせることができます、しかしその周辺の周波数では位相が全く合わないのです。従って遮断しきれていないSPからの音漏れが位相干渉を起こし、音像の立体感を損ないます。位相的要素も含めて実音に微妙にからみつく残響音の表情がコンサートホールの個性になるのですが、その個性も希薄になり、ホールの緊張感や空気感が乏しい音になってしまうのです。

今の時期にルームチューニングの必要性を理解していただき、実施していただくことができれば、景気が回復し、社会不安が解消したときに、FIR機器の素晴らしさを実感して頂けると思います。

入り難いけれどもDSPの入手は不可能ではありません、外観にこだわらないカスタム・メイドでよろしければご提供は可能です。一品生産なので市販のケースを利用して作らざるを得ず、P1Kitのような外観になります。コストはご希望内容にもよりますが、DSP1個で済む範囲の機能であれば30万円台が可能と思います。

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いろいろ聞きたい、聞いてもらいたいところですが、とりあえず二つ。

1:ソフト(操作環境)はどうしてるのでしょうか
ファームではなく、PC上のソフトの話です。出来れば、TactのRCSのようにイコライジング・チャンネルディバイダ-が同時に操作できるような統合されたものが嬉しいところです。あと、接続はUSB(出来れば2.0)でUSBオーディオにも対応してもらえるとなお嬉しいところです。

2:一つのDSP(600M?)で出来ることってどれくらいなのでしょうか。FIRフィルタのタップ数をどれくらいに取るか、にもよると思うのですが、個人的には1Hz単位、300dB/octでも十分に思えます。サンプリングレイト次第で変わりそうですが、目安だけでも。

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週に2回の出張チューニングのために時間が取れませんので、簡単なことから順不同でお答えし、残りは後日追加します。

> 一つのDSP(600M?)で出来ることってどれくらいなのでしょうか。
■ まず日本TIのC64xのスペックが下記です。
http://www.tij.co.jp/jsc/docs/dsps/product/c6000/index.htm

600MHzのC64xで16ビットのMMACが2,400,000,000回/secです。64xのプログラムを書いた実績は無いので、考え違いがあるかもしれませんが、Hiend Audioに必須の32bit-MACCでは 1,200,000,000回/secと思います。つまり一秒間に12億回の積和演算が実行できます。

FS=96kHzの1クロック以内に実行できる積和演算は(概算なので 96k-->100kとして計算)、1,200,000,000/100,000=12,000回です。つまりモノーラルで 12,000TAP、ステレオで 6,000TAPのFIRフィルターが実現できます。

チャネル・デバイダーを実現するためのタップ数は、そのクロスポイントの周波数に逆比例するので、クロス周波数が低いほど沢山のタップを必要とします。概算ですが一番低いクロスポイントが 300Hz以上であれば、3Wayステレオが可能と思います。

> 個人的には1Hz単位、300dB/octでも十分に思えます。
■ 1Hz単位の任意特性のFIRフィルタ、または 1Hz毎にポイントのあるFIRのGEQを想定されているのだと思いますが、FS=96kHz、ステレオ仕様での計算結果は下記のようになります。

<任意特性のFIRフィルター>
必要タップ数:131,072TAP
C64x-600MHzの能力:6,000TAP
C64xの必要数:131,072/6,000=22個

<FIR-グラフィックイコライザ>
必要タップ数:917,504TAP
C64x-600MHzの能力:6,000TAP
C64xの必要数:917,504/6,000=153個

タップ数は下記システムによる検証データを元に計算し直したものです。
http://www.salogic.com/home.files/solution/omni-mix.htm

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> 週に2回の出張チューニングのために時間が取れませんので、簡単なことから順不同でお答えし、残りは後日追加します。
>
> > 一つのDSP(600M?)で出来ることってどれくらいなのでしょうか。
> ■ まず日本TIのC64xのスペックが下記です。
> http://www.tij.co.jp/jsc/docs/dsps/product/c6000/index.htm
>
> 600MHzのC64xで16ビットのMMACが2,400,000,000回/secです。64xのプログラムを書いた実績は無いので、考え違いがあるかもしれませんが、Hiend Audioに必須の32bit-MACCでは 1,200,000,000回/secと思います。つまり一秒間に12億回の積和演算が実行できます。
>
> FS=96kHzの1クロック以内に実行できる積和演算は(概算なので 96k-->100kとして計算)、1,200,000,000/100,000=12,000回です。つまりモノーラルで 12,000TAP、ステレオで 6,000TAPのFIRフィルターが実現できます。
>
> チャネル・デバイダーを実現するためのタップ数は、そのクロスポイントの周波数に逆比例するので、クロス周波数が低いほど沢山のタップを必要とします。概算ですが一番低いクロスポイントが 300Hz以上であれば、3Wayステレオが可能と思います。
>
> > 個人的には1Hz単位、300dB/octでも十分に思えます。
> ■ 1Hz単位の任意特性のFIRフィルタ、または 1Hz毎にポイントのあるFIRのGEQを想定されているのだと思いますが、FS=96kHz、ステレオ仕様での計算結果は下記のようになります。
>
> <任意特性のFIRフィルター>
> 必要タップ数:131,072TAP
> C64x-600MHzの能力:6,000TAP
> C64xの必要数:131,072/6,000=22個
>
> <FIR-グラフィックイコライザ>
> 必要タップ数:917,504TAP
> C64x-600MHzの能力:6,000TAP
> C64xの必要数:917,504/6,000=153個
>
> タップ数は下記システムによる検証データを元に計算し直したものです。
> http://www.salogic.com/home.files/solution/omni-mix.htm

FPGAのXilinx Virtex-II Proを使ってみてはいかがでしょう?300MHz、8ビット演算で1 Trillion MACs/sを記録するそうです。仮に32ビット演算させると、
2500億回の積和演算が実行できます。
つまり1個のチップでステレオ1250,000TAPのFIRフィルターが実現できます。そうすると任意特性のFIRフィルターとFIR-グラフィックイコライザが1つのチップで実現することになります。

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FPGAのXilinx Virtex-II ProをHPで調べてみましたが、中程度の能力のもので、

@180,000円程度(XC2VP70,2003年第2四半期における25,000個購入時の単価)です。チップ単価と開発費の制約で民生機に使うのは無理と思います。

オーディオ用で1Hz毎に上げ下げができるGEQが必要とすれば、定在波による部屋のF特のあばれの修正でしょうか?、1〜20kHzで20,000ポイント、1〜40kHzなら40,000ポイントのGEQになります。

http://www.club.sense.panasonic.co.jp/club/technics/consulting/listening7/listening7_1.html
にあるように、定在波の節の部分は位相干渉により音が無いエリアです。従って直線位相のEQでどれだけUPしてもF特の修正はできません。100dBUPすれば、打ち消し音も100dBUPし結果0のままです。市販のGEQでF特が修正できるように見えるのは、アナログあるいはIIRで位相がでたらめだからで、ディップのポイントの隣の山による位相干渉でF特が平らになったように見えるだけです。

1980〜90年代に施工された録音スタジオには必ずGEQが備えられていました、しかしレコーディングエンジニアに受け入れられず、使われた例はありません。綺麗な位相干渉が出る狭い空間ではGEQが有効に働かないのと同時に、音源の位相がでたらめになり、楽器、特にエコーの奥行きが欠落し、バランスが取れなくなるからです。

反射音の影響を消すために一番大事な直接音(SPの音)をいじってはいけないと考えるのが妥当です。部屋の音は部屋のチューニングで直した方が良い結果を生みますし、ずっと安上がりです。

PAではGEQが多用されますがハウリングの防止がメインであり、音質調整ではありません。但し広い空間で無数の干渉音により干渉自体が白色化されているのでF特調整も可能と思います。

FIRフィルターが絶大な能力を発揮するのは直線位相のチャネルデバイダーと直線位相のGEQ(音源の音質調整)です。そしてこの用途に使うFIRフィルターの係数ファイル(周波数特性を決定するもの)設計のポイントは、低音域をいかに短いタップでコントロールするかであり、オーディオ各社の企業秘密でもあります。従って長大タップのFIRフィルターの応用製品をサーロジックの民生品として商品化する予定はいまのところありません。予算無制限の業務用の特機であれば製作可能です。下記がその一例です。
http://www.salogic.com/home.files/solution/omni-mix.htm
http://www.noe.co.jp/news/03/03meca2.html

長大タップのFIRフィルターはFIRフィルターの欠点が聴覚の許容範囲を超えてしまうため音がよくありません。どのあたりが限界かについてはっきりした文献はないと思いますが、短いに越したことはありません。サーロジックがサブウーファを徹底的に追求したのは、FIRフィルターによる超低音の制御法が確立できれば、他の帯域は自ずと答えが得られるからです。

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チャンデバは是非欲しいですね。
現在はJBL S−9500ですが、将来的には
ウエストレイクを導入しようとしています。
そうなると、どうしても欲しいのです。
気長に待つしかないですね〜。

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