MENU
346,114

スレッドNo.51

マルチウエイ・スピーカーシステムの位相の合わせ方 という記事に関して。

ホームページの中に“マルチウエイ・スピーカーシステムの位相の合わせ方 ”という記事がありました。
私は、マルチアンプを目指していたのですが、マルチが出来ないとしたら、この位相合わせがもう1つの目的になっています。サーロジックの製品は、ちょっとマニアックで
難しいため、どのように使用していいかわかりません。
これまたお願い。わかり易いように説明していただければ幸いです。

引用して返信編集・削除(未編集)

スピーカーシステムをマルチウエイにするとアナログで処理する限り、周波数特性が良くなる反面、位相特性が悪くなります。

周波数特性と位相特性を比べたとき、オーディオにとって、どちらを合わせることがより重要かと云うと、間違い無く重要なのは位相特性です。

同じメーカーの同じ形式のギターでも、周波数特性は微妙に違うのが当たり前であり、メーカーが違えば全く異なる音質になります。また演奏者の力量により発音される周波数特性の分布も変化します。従って周波数特性に絶対値は無いのです。だから周波数レンジが狭かったり、フラットではない周波数特性のビンテージスピーカーが現代でも通用するのです。

位相特性は言葉を変えれば時間特性です。ギターをオクターブ奏法で二本の弦を同時に弾いたとき、その音を生で聴くリスナーには2本の弦の音が同時に届きます。

その音をCDから再生して聴いたとき、再生系に位相回転があると二つの音が同時に届かないのです。

人の聴覚にはCDの1サンプリングの時間である22μsecのずれを判別する能力があります。

例えば500Hzがクロスオーバーの2Wayのスピーカーシステムで、ウーファーとスコーカーの間に90°の位相ズレがあるとします。その90°を時間に換算すると、500Hzですから1波の時間は1秒の500分の1で、更に位相ズレが90°ですから、その4分の1の時間ズレで、計算すると
1000msec/500=2msec
2msec/4=500μsec
となります。CDの1サンプルの22μsec比で500μsec/22μ=22.7倍となります。

クロスポイントのウーファーとスコーカーから再生される音は、CDのサンプルデータに換算すれば22個もずれた音を聴くに等しいのです。

ギターの音は存在するが、何処で演奏しているのか分からない、というホーン型マルチで良く耳にする再生音になります。一つの楽器の音が同時に耳に届かないのですから、楽器の佇まいが再現されるはずがありません。

レコーディングコンソールには必ずイコライザーが付いています。昔のプリアンプに付いていたようなシェルビング・タイプ(HiとLoをだらだら上下するイコライザ)とグラフィック・タイプの2種類です。

音の質感を大事にするエンジニアは可能な限りシェルビング・イコライザーで音質を決め、グラフィック・イコライザの使用は極力避けます。
シェルビングの位相回転は緩く滑らかで、聴覚で位相回転が判別できないからであろうと私は思っています。
グラフィックの位相回転は鋭く急激で、隣り合ったキーの時間も変えてしまうため、オーディオ的には非常に不快な音がします。
楽器の佇まいや、楽器の奥行きが消し飛んでしまいます。
http://www.salogic.com/home.files/solution/solution.htm
に詳細があります。

以上で再生系のクロスオーバーポイントの位相も必ず合わせなければならないことがお分かりいただけたと思います。

長くなったので一旦休憩です。 -- 続く --

次はどうやって合わせるか、その方法です。

引用して返信編集・削除(未編集)

測定機を持っていないアマチュアの手に負える位相整合の方法は、ユニットの移動だけであろうと思います。
ユニットを移動したときに、どのような物理現象が起るのかが理解できていれば、聴覚だけでマルチスピーカーの位相整合ができます。そしてFIR形式のデジタルチャネルデバイダーを使えば、スピーカーを固定したままクロスオーバーポイントを含む全ての帯域で位相整合をとることができるのです。ホーン型のマルチウエイシステムから、シングルコーンに匹敵するピンポイントの定位と楽器の佇まい、距離感のはっきり見える残響音が再現できる可能性が生まれるのです。

500Hzクロスオーバーの2Wayシステムを例題とします。

音は空気中を約344m/秒で伝わります、500Hzであれば344mの間に500グループの音の疎密が並びます。従って1個の粗密の長さ=344/500=0.688mで、この値が500Hzの音の波長です。

ウーファーボックスを固定して、スコーカーが前後に移動できるような棚板を設け、その上を滑らしながらスコーカーを移動し、音の良い(楽器の輪郭が見える)ポイントに印を付けると、その印の間隔は必ず0.688mになります。

印の位置では、ウーファーが送り出す500Hzの空気の粗密波とスコーカーが送り出す500Hzの空気の粗密波の位相(位置)が一致または同期しているのです。

http://www.salogic.com/home.files/exclusive/exclusive-data.htm
の最後付近に掲載してあるスピーカーユニットの動画による振動シミュレーションを見てください。このシミュレーションはデジタル・ディレーによる位相整合ですが、スコーカーの移動でも同じ現象が起ります。

Solutionのマルチウエイ・スピーカーシステムの位相の合わせ方も参照してください。
http://www.salogic.com/home.files/solution/multi.htm
が更に詳しい説明です。

引用して返信編集・削除(未編集)

このスレッドに返信

ロケットBBS

Page Top