天井の改装?
おはようございます。東京のNです。
お久しぶりです。
下の総合サムネイルの部屋ですが、
http://www.salogic.com/home-select.files/home-54.htm
この度母(建築士)が、天井の形状に違和感があるので、天井を通常通り(平面天井)に改装しようとしているのですが、音響的にはどうなのでしょうか?今のままの方が良いのでしょうか?
アドバイスいただければ幸いです。
オーディオルームの完成度を左右する要素が6種類あります。
--------------------------
■悪玉パラメータ■
1.定在波
2.フラッターエコー
3.壁振動
4.反射率の断層
■善玉パラメータ■
5.初期反射音
6.残響音
--------------------------
そして善玉の効果を発揮させるためには、悪玉を可能な限り排除する必要があります。
●悪玉にも序列があって、最悪が壁振動、ブーミングの原因です。壁振動があるかぎり、壁振動と無関係な対策をいくら施しても、音が変わるだけで改善の役にはたたず、焼け石に水のドブにカネを捨てるような効果しか得られません。
●壁振動を排除するとフラッターが頭角を現し(壁振動により覆い隠されていたものが聞こえるようになる)、音の透明度の低下、癇に障る刺激音、音場が狭くモノーラル的な定位、などがフラッターによるものであることが認識出来るようになります。
以上二つが典型的な悪玉で、定在波と反射率の断層は上記二つに比べればおまけのようなもので、善玉パラメータと組み合わせてうまく使いこなせば再生音の障害にはなりません。
使いこなしの説明は非常に困難で、部屋によりケースバイケースですから、個別のルームチューン事例から読み取ってください。
最近の事例ではSPキャビネットとGallery-bassoの間に置くタオル〜バスタオル程度の吸音材が典型例で、
http://www.salogic.com/home-select.files/home-122.htm
この幅の床から壁・天井のグルリの枠内は吸音材を置くことで音の解像度か上がる確率が高いエリアです。つまり反射率の断層は少量をうまく使いこなすと善玉的な働きもあります。増やし過ぎると不快な圧迫感の原因になるので注意が必要です。
●定在波はオーディオハウス・キットの設計にあたり徹底的にシミュレーションしてみましたが、シミュレーションに於ける音源位置、リスナー位置を移動すると結果がどんどん変わってしまいます。
SPの種類や大きさが変われば設置ポイントも変わるし、リスナー位置だってピンポイントではないのですから、最適な定在波を得るための設計など不可能との結論に達しました。しかし下記は有効な共通項です。
壁際にリスニングポイントを設定すると総じて伝送特性の凸凹が小さくなり、低音域が豊かになる(定在波による低音域はリスナーを包み込む包容力のある低音で、ブーミーとは無関係な音楽再生上では好ましい音)。
従ってリスニングポイントを壁際に設定すれば、伝送特性がフラットで低音感豊かなリスニングルームになる。
1.横長配置(必然的にリスニングポイントは壁際になる)
2.縦長配置では、音の良いエリアが一点だけになる設計を避け、部屋中がリスニングエリアになる音場を作る。--> SV1800spを設置する。
その上で、通常のリスニングポイントをオーディオ的な爽快感が得られる音にルームチューンで追い込み、後ろの壁際にもリスニングベンチを置く。
その日の気分に合わせてリスニング位置を移動する。
●●さてご質問いただいた天井の形状ですが、質の悪さで定評のあるフラッターエコーの発生と密接な関連があります。
現状は切妻天井で、部屋のセンターライン付近だけにフラッターエコーが発生します。
http://www.salogic.com/home-select.files/home-54-sub.htm
フラットな天井では部屋中にフラッターエコーが発生する可能性があり、現状の音をキープするには床にJoserを置くなどの方法と、
http://www.salogic.com/home-select.files/home-50.htm
スカラホールを組み合わせての対応が必要になります。
作り直すなら、傾斜天井または鋸刃形状をお勧めします。
丁寧なご回答ありがとうございました。
音響的には今の天井を作り直さない方が良いということですね。
横長配置も検討してみます。