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スレッドNo.70

五者合同学習会

 9日11時より、ラポール日教済・山中ホールで恒例の学習会が開催され、主催者の挨拶、基調報告に続いて二本の講演があった。今年は午前に地方公務員退職者協議会事務局長の川端邦彦さん、午後に全国被爆二世団体連絡協議会事務局長・日教組被爆二世教職員の会副会長の平野克博さんがそれぞれ以下のテーマで話された。
 川端さんの演題は「大砲NO!バターYES!社会保障を育て 守るために」である。表題の意味は政治経済の議論でよく使われる比喩で、「国家が限られた資源を、軍事力(大砲)に使うのか、生活・福祉(バター)に使うのか」という選択を表す言葉。日本の25年度一般会計予算を見ると社会保障が33.2%と他を圧している。防衛費7.5%を倍増するには他の予算を切り込むことになるが、最大経費である社会保障費がターゲットになる。
 25年年金制度改正について政府が示した制度改正検討事項は次の3点で、⒈現役期と年金制度の関わり(勤労者皆保険、子育て支援等)、⒉家族と年金制度の関わり(いわゆる「年収の壁」、第3号被保険者等)、⒊高齢期と年金制度の関わり(高齢期の働き方、マクロ経済的スライドの調整期間の一致等)である。これらの問題点と改善点を取り上げられた後、公的年金保険の成り立ちと現状、日本社会と社会保障などについても簡潔に解説された。
(写真は川端邦彦さん)

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 平野克博さんの演題は「被爆二世として生きる」である。平野さんは母親が広島で被爆したことで被爆二世になったわけだが、あまり自覚がなかったという。それは実体験がなく、援護も受けられず、放射能の影響があるかどうかも分からなかったからだ。
 厚労省は1979年に被爆二世健康診断を実施したが、単年度予算措置で法的根拠はなかった。1988年に全国被爆二世団体連絡協議会が結成され、健康不安解消を国に要求し続けている。国は現在まで一貫して「放射線被害の遺伝的影響があるという科学的知見が示されていないので援護はしない」と回答を繰り返すのみ。2017年に被爆二世の援護を求める集団訴訟を広島地裁と長崎地裁へ提訴し裁判闘争に踏み切る。この訴訟を通して被爆二世問題を社会的に明らかにし、すべての被爆二世を援護の対象とすることだ。
 2022年長崎地裁、2023年広島地裁判決ともに、原爆による放射線の遺伝的影響についてはその可能性を否定できないにとどまるであった。さらに2024年福岡高裁判決では「原爆による放射線の遺伝的影響は証明されていない」、同年広島高裁判決では「被爆者援護法は原爆放射線により健康被害が生ずる可能性がある事情の下に置かれていた者を援護の対象としている。二世に対する遺伝的影響に関し被爆者とは顕著な差異がある」というものだった。今後の取り組みとしては、裁判闘争をばねに国民的課題に押し上げ、国会での法制化を目指していくとのことだ。
(写真は平野克博さん)

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