旧名野川村北川集落の興味のあるアカミタンポポ
こんにちは。
先の投稿から連投で失礼いたします。
仁淀川町の北川集落は牧野富太郎が多くの植物を観察した記録のある場所なので勉強によく通っていますが、舗装道路沿いに総苞外片の開出具合が2-3のアカミタンポポを観ました。
早速タンポポ調査のWebページで「総苞」の項目は"上にななめになる"と"横になる"で、「タネ」は"赤褐色"にチェックを入れて検索してみると59件がヒットし、高知全体で観られるものの、特に仁淀川町で多くサンプリングされていることが分かりました。
情報の蓄積具合に圧倒されました。
AKR1948 様、コメント有難うございます。
改めて地図を見返すと北川集落というのは不適切で、その手前の下北川集落に当たります。
奥の北川集落にはセイヨウタンポポがよく咲いていました。
2020年の調査で国道33号線沿いの50332151メッシュにてアカミの記録があるため、南東の風が吹けば二ノ滝、下北川方面に種が飛んでいくのかもしれません。
一方で深い谷筋のため、山の位置関係を踏まえると国道から二ノ滝、下北川方面へ吹き抜ける南東の風が吹くものだろうかとも思います。
高齢化の進んでいる小集落ではありますが行くたびに車とすれ違う程度には往来がありますから、地元の方の車や靴に着いて入ったのかもしれませんね。
頑張って奥へ奥へ行っている途中なのかもしれません。一回進出してしまえばアカミタンポポにとって殖えるのは造作もないでしょう。
一方で安田町の例を考えると若干この拡大の仮説に疑問を覚えます。
安田町の50331779メッシュや50341080メッシュでは2020年の調査でアカミタンポポが出ていますが、その奥では確認されていないようです。実際今年私がこの県道12号線に沿ってサンプリングしていった際も、アカミタンポポはこの辺りに限定され、馬路村の方に拡がっているということはありませんでした。
風通しは仁淀川町よりもずっとよさそうである上、車の往来も活発に思われますが、アカミタンポポは5年でそう拡がれなかったようです。
車や靴に付着して拡大するというのは、案外たんぽぽにとってはそうそう無い貴重な拡大の機会なのかもしれません。
風散布の植物の分布拡大を考える上でも、継続して実施されているこのたんぽぽ調査の重要性を実感している今日この頃です。
仁淀川町の在来総苞型のアカミタンポポについては、前回調査で仁淀川町潰溜から県境までの国道と、右岸側の大度ダム公園付近を調査しました。国道沿いに多かったので、国道33号経由で入ってきているのかな?と考えましたが、北川集落にもあるとなると、そんな単純な話ではなさそうですね。この形状のアカミタンポポは県下に広くみられるというより、仁淀川町に特異的に見られる気がします。写真は2020年4月22日に大度ダム公園で写したものです。
このアカミタンポポと同所に生えているセイヨウタンポポは頭花が5.5 cmと大きめで、葉身はクシバタンポポのような裂け方をしています (写真)。種子は褐色で、総苞外片は強く反曲します。
先ほどの投稿はちょうど4つの頭花と1つの綿毛が写っていますが、向かって左側の縦に2つ並んだ頭花の下の方のがセイヨウタンポポで、残りは綿毛を含めアカミタンポポです。
セイヨウタンポポも頭花の大きさや葉の裂け方に注目してみると色々な姿をしており、まれに見慣れない姿のものを観るとワクワクします。