みなさま、タンポポ調査にご尽力いただき、誠にありがとうございます。
2月はサンプルがほとんど届かず、今回の本調査はサンプル数が少ないかな、、、と思っていましたが、
3月下旬から徐々に増え始め、今や事務所前のタンポポ受付けBOXの前を通るたびに、サンプルが届いている状態です!
週2日、アルバイトさんにサンプル整理とデータ入力を手伝ってもらっていますが、全然処理が追いついていません。。。
皆様には調査の進捗状況の最新をアップできず、ご不便をおかけしています。
調査終了まで残り1ヶ月ちょっとですが、引き続きご協力よろしくお願いいたします!
安芸市から土佐町にかけての山間部に分布するタンポポです。山村の人口流出に伴う環境の変化で絶滅が危惧されています。
香美市のクシバタンポポの調査に入りました。
前回確認した位置情報と記憶を頼りに、メッシュにこだわらず全生育地を調査し、おおよその個体数を確認するという方針で調査にあたっています。
昨日は既知の9か所の生育地を調査し、7か所で現存を確認、2か所は確認できませんでした。
行く先々で廃屋が増えており、厳しい状況になっていることを痛感しました。
なお、調査した生育地は次のとおりです。物部地区に調査に入られる方は、重複を避け、未調査の場所を調査していただけるとありがたいです。
香北町西川久保川(M5033-36-64)、物部町頓定(M5033-46-19)物部町山崎神社の前(M5033-46-19)、物部町押谷佐岡(M5033-47-42)、物部町仙頭宇筒舞(M5033-47-22)、物部町押谷(M5033-47-52 広範囲に分布)物部町根木屋(M5033-47-53)
物部町山崎影山崎(5033-47-33)物部町仙頭則友(5033-47-33)この2か所は生育を確認できませんでした。
写真は宇筒舞の道路の石垣に2株生えるうちの1株。何とか消滅せずにいました。
土佐市高岡町の仁淀川右岸のカンサイタンポポ分布域を確認するために、分布の西端の個体を確認しようとしました。
ところが、堤防へ行ってみると、花が全然見えません。まだ花期が終わっているはずはないし・・・と思い、草むらへ入って詳しく見てみると、すでに完全に花を閉じてお休みになっておられました。
まだ2時にはなっていません。今日は特に暑かったので、早寝をしたのでしょうか?
働き方改革の先陣を務めている花ですね。
タンポポの花茎を折ると白い乳液が出てきます。白いのは、天然ゴムの成分が含まれているからだそうです。
タンポポを調査していると、花が終わり種になると花茎がグンと伸びるのが分かります。先日行った大月町のタンポポの花茎は70cmくらい伸びていました。
種になると花茎が伸びるのは、風を多く受け遠くに飛ばしたいからでしょう。
では、どんな仕組みで伸ばすことができるのか?一つは、気温と関係があるのではないかと考えました。なぜなら、気温が高くなると花茎が高くなる傾向が見られるからです。また、天然ゴムの成分ということから、温めると柔らかくなり伸びるのではないでしょうか。蝶などが羽化した時、羽に体液が管を通って羽を伸ばして行くのにも似ています。また、花茎は空洞なので、タケノコのように伸ばしやすいのではないでしょうか。二つめは、水分です。乾燥した場所が好きなようなタンポポですが、雨の翌日は、グンと伸びてきます。狭く浅く調べてみましたが、私の知りたいことについて載ってなかったので勝手に考えました。
タンポポに関する疑問について、いろいろ考えてみるのは楽しいですね。考えた結果について、正しい答えかどうかを確認してみることも必要だと思います。
そんなのに最もピッタリのHPがあります。日本植物整理学会のみんなの広場、植物Q&Aです。
ピッタリではありませんが、どのような仕組みで茎が寝たり、伸びたりするのかという疑問に対する答えです。
https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=3156
答えが専門的で、そのうえ少しはしょられていて、分かりにくいです。
講談社の文庫版BLUE BACKS 「植物の謎」(本体1000円 税別)には図入りで詳しく書かれています。
なお、「なんのために茎をのばすか?」については「難しくて答えることができません」とありました。
昨日、日高村の休耕畑で見たタンポポのお花畑です。
タンポポは、栽培してみると結構気難しいですが、自然のままではこのようなお花畑を作るのですね。
シロバナタンポポとセイヨウタンポポの対比も面白かったです。