シロバナタンポポ総苞の多型
シロバナタンポポは高知県ではごく普通にみられるタンポポです。
無融合生殖をおこない、単一のクローンとされていますが、「本当にクローン?」と疑いたくなるほど、総苞は多型です。
写真左の端の3本のものは、総苞外片はやや開出し、一部は反り返る、よく見かけるタイプです。ただ、詳細に観察すると、3本のうちの左の端のものは総苞外片の一部が葉状に大きくなっています。
写真左から2番目のものは、総苞外片の長さが内片の3/4ほどあり、大きくて、厚みのあるタイプです。土佐市積善寺の果樹園で見かけました。
写真左から3番目のものは、外片の長さは内片の1/2程度で、角状突起が大きいタイプです。高知市朝倉の草地で、春の早い時期に見かけました。
この2番目と3番目のものはケイリンシロタンポポではないかと疑い、専門家の方にサンプルを送りDNA解析をしていただきましたが、結果はシロバナタンポポでした。
写真右の端のものは、外片が内辺に圧着し、内片の1/3程度で、角状突起はほとんどありません。こちらの方はキビシロタンポポではないかと疑い、調べましたがキビシロタンポポではありませんでした。高知市鏡で広く見受けられます。
単一クローンと言われながら場所や開花期によってこんなに違います。シロバナタンポポも詳しく観察してみると面白いです。