きっこさん、猫髭さん、皆さんこんばんは。伊勢路の雲も面白いですねえ。
八年ぶりくらいに、介護していたお客の未亡人に(御主人は余命四ヶ月を宣告されていたが、わたくしが介護して四年も生きてくれた)主人の思い出を俳句で詠みたいとせがまれて是非なく唯一の俳句弟子となったお婆さんと二人で井草八幡と善福寺池を吟行したが、善福寺川緑地公園よりも軽鴨の姿は少なく、いつも5月22日頃に軽鴨の子どもが生まれるのにここは少ないと行き交う散歩者と話していると妙正寺池で雛を見かけたという話を聞いて、え、わたくしは妙正寺池から来たけれど川まで見なかったと雛情報を交換して、今年の夏は五月から額の花が咲き始めて山法師も満開で、春もいろいろな花がこんなに早く咲くのは初めてだと話していたら、俳句弟子が猫髭さんが介護してくれて主人が長生きしてくれた理由がわかったような気がすると言う。だって、初対面の人たちばかりなのにみんな知り合いだったかのように話を交わして感謝されて、犬までなついて、子どもは一生懸命向うから話かけてくるし、それに好奇心が子どもに伝わってみんな笑顔で手を振ってくれてるのって、猫髭さんは雰囲気があるのよ、このひとだったら親身に話を聞いてくれて同じ目線で思ってくれると、と言った。命を預けてもいいと初対面でも信じさせる雰囲気があるのよ。物凄い物知りなのにそれが嫌味じゃなくてみんな笑顔でありがとうと感謝してくれるんだから。猫髭さんと吟行するととっても楽しいとはしゃいでいたが、俳句を詠んでるときは話しかけても耳に入らないほど集中しているから、あたしも猫髭さんの集中力ほしいわあと、聖教新聞に投稿すると息巻いていた。何でも坪内捻典が選者だというので、じゃあ餡ぱんの句を詠めば採られるよと馬鹿なことを教えたが、捻典さんは本気で餡ぱんは春の季語であると言っていたから、夏の餡ぱんを詠むと面白がって受けるかもとつい乗ってしまった。
花楝(あふち)見上げて齧る漉し餡ぱん 猫
>二本箸で挟んで食べると切れてしまうことありますが、切れたりしないのでずっと食べやすい
そのことよ。一本箸で食べる理由のひとつにそのことが書いてありました。なるほどなあ。