高尾山のムサシアブミ(武蔵鐙)
久しぶりの投稿です。
初夏から秋口にかけて、里山でひと際異形を放つ野草にマムシ草がある。
毒々しい見た目から、人気が高いとは言えない野草だ。その仲間に同じテンナンショウ属のムサシアブミ(武蔵鐙)がある。
かの伊勢物語にも名前が登場する、地味だが奥ゆかしい野草だ。茶道の茶花としても使われるらしい。本物を見た事はなかった。
ネット情報で、この時期高尾山で見る事が出来る事を知った。
蛇滝ルート上、見つける事が出来た。鮮やかな色彩で咲く花でもないので、探せば見つかる程度だ。でもやはり美しい。
余談だが、日本の美学の巨星、千利休と古田織部のこんな贈答歌がある。
武蔵鐙 さすかに道の 遠けれは
とはぬもゆかし とふもうれしし
返し
御音信 途絶え途絶えず 武蔵鐙
さすがに遠き 道ぞと思えば
勿論、本歌は伊勢物語である。
高尾山彷徨山行 その2
高尾山中某所、表参道から少し外れた場所、草生した古い石碑の前、ミヤコワスレの群生があった。
誰かが植えた後、年を経て増えたのだろうか。かの順徳院の故事に習い。京の都を追われた貴人の鎮魂の為に。
他愛も無い想像が膨らむ。
そんなこちらの感傷等何も知らないところで、美しく咲いている。
高尾山もひと度メインルートを離れれば、いたって静かな山だ。鳥の囀りと木々を抜ける風の音しか聞こえない。
遠くでホトトギスが鳴いている。
徒然て 都忘れて 棲む身にも
日は昇リたり 時鳥鳴く