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WBGTの測定を養護教諭がどこまで担うべきかは、多くの学校で悩ましい問題だと思います。
環境省が行った「全国の学校における暑さ指数(WBGT)情報の活用状況調査」では、測定者は学校によってさまざまで、養護教諭だけでなく、教頭、教務主任、体育教員などが担当している事例があります。また、「保健室前は養護教諭、体育は体育教員、部活動は顧問」というように、活動場所や担当者によって分担している学校も紹介されています。文部科学省の「学校における熱中症対策ガイドライン作成の手引き」でも、例えば朝の測定や学校全体の対応については管理職が判断し、体育や部活動については学級担任、教科担任、部活動顧問等が活動場所のWBGTを確認するという役割分担の例が示されています。つまり、「WBGTを測定する=養護教諭の仕事」と一律に考える必要はないのではないでしょうか。
養護教諭は「すべてのWBGTを測定する人」というよりも、「熱中症予防について専門的な立場から学校全体の体制づくりに関わる人」と考えるのがよいと思います。測定は管理職、教務、体育科、部活動顧問等で分担し、養護教諭は測定結果の見方や熱中症予防について助言するとともに、保健室で把握した生徒の健康状態などを踏まえて必要な対策を提案するという形です。
実際、自治体でもこうした方向へのICT活用が始まっています。横須賀市では2025年度から、市立中学校23校等に「熱中症予防対策システム」を導入し、WBGTをセンサーで自動計測してクラウドに保存し、全教職員が端末やスマートフォンから確認できる仕組みを整えています。測定のために毎回担当者が現場へ出向くのではなく、「必要な人が必要な時に情報を確認する」という発想です。
また、川崎市の熱中症対策指針では、グラウンド、体育館、プールなど「実際の活動場所」でWBGTを測定し、その数値だけでなく、測定者、活動内容、対応・対策まで記録し、教職員で共有することとしています。つまり、測定値を掲示して終わりではなく、「その数値を見て何をするか」までを学校として決めることが重要なのだと思います。
例えば、「WBGTが一定値を超えた場合は屋外部活動を中止する」「活動時間を朝夕に変更する」「体育の内容を変更する」「体育館での活動を休止する」など、学校独自の基準を設けておくことも有効だと思います。文部科学省も、WBGTに応じて活動内容の変更、時間変更、延期・中止などを判断することを示しています。
その意味では、「2時間ごとに養護教諭が3か所を測定する」という方法が本当に最も効果的なのか、一度学校全体で検討してもよいのではないでしょうか。環境省のWBGT情報や気象情報を学校のクラウド等で共有し、体育や部活動の担当者が活動前・活動中に確認する仕組みも考えられます。
養護教諭が保健室を空けてまで一人で測定を続けるのではなく、「測定する人」「判断する人」「実際に活動を変更する人」を学校全体で分担する仕組みをつくることが、これからの熱中症対策と養護教諭の働き方の両面から重要なのではないかと思います。
参考文献:
環境省「全国の学校における暑さ指数(WBGT)情報の活用状況調査」
環境省「暑さ指数(WBGT)電子情報提供サービス」
文部科学省「熱中症事故の防止について」
文部科学省「公立学校施設の空調(冷房)設備設置状況」
昨今の気候変動?、特に夏の暑さは私(団塊の世代)には想像だにしなかったことです。さらに学校現場の環境、児童生徒のライフスタイル、健康状況などなど、その変化には脅威さえ覚えるほどです。当然WBGTについても知りませんでした。調べましたら、熱中症の危険度を判断する暑さ指数だそうですね。ただ、計測する法律上の義務はない。しかし、安全配慮義務の観点から実質的な実施が強く求められているようです。
そこでご相談の件ですが、今や学校運営も組織的に実施していくことが常識となり、昔と異なり養護教諭としても働きやすくなってきたのではないでしょうか(一人で抱え込む必要がなくなった)。
まず、学校宛に「WBGT測定を実施せよ」という通知などが届き、養護教諭に知らされますね。養護教諭は保健主事などの関係職員と相談し、職員会議にかけるべき準備をします。
養護教諭として準備することは ①WBGT測定の意義と目的 ②測定計の取り扱いと利用法 ③熱中症などの疾病・症状の説明 ④本校生徒の健康状況 などでしょう。
測定する人、測定する時間や回数は、保健主事や保健体育の教員などから提案してもらうなどがよいと思います。中学校ということで、運動部活動も盛んでしょうし、夏休み中のことも考慮が必要でしょう。
最後に「この測定結果を何かに活用していますか」ですが、ということは、毎日何回も測定しているのに何の活用もしなかった、あるいは熱中症予防対策として活用できなかった(必要なかった)ということでしょうか。そのへんもきちんと検証し、測定計なしでの安全配慮(熱中症予等)が充実しているのであればそれでよいと思います。
いくら言ってもダメ管理職はいます。したがって、相談者さんが出来ることだけ実施するで良いと思います。
1日のうちで1番暑くなるだろう時間帯に1回だけ測定するか、グラウンド1カ所だけ測定するとか、なるべく疲弊しない最低ラインを確保した実施にしましょう。全てやっていたら他の仕事がなおざりになってしまいます。
もし、未測定に不満を言う人がいたら「学校の安全は養護教諭ひとりで守るものでしょうか。養護教諭ひとりでは限界が有ります」と答え、学校の全職員へ改めて危機意識を持ってもらいましょう。
近隣では測定器を各部活に配布し、顧問が測定して、顧問の判断・責任におおて活動の実施をしている学校が多いように思います。が、測定器は安くは無いので、うちの学校では買えず、養護教諭の私一人が測定しています。
いつのまにか測定しなくなった管理職はひどいですね。同じような環境ですね、お気持ちお察しします。養護教諭がひとりで負担を背負うことがないように現場が変わって欲しいです。
私の学校でも人の手で巡回して計測しています。養護教諭、教頭、スクールサポートスタッフ、保健委員で分担していますが、計測に行く人が熱中症になりそうです。それに、センサーでできることなので、分担よりも、センサーを導入してほしいと思っています。導入して、自動一元管理する学校も出てきているので、羨ましいと思っています。養護教諭が保健室を空けるリスクをなるべくゼロにするだけでなく測定データの自動記録により安全管理の証拠が残り、事故防止の学校リスクマネジメントとして非常に有効だと思います。とはいうものの、現実は、負担が大きい状況がありますよね。でも負担が大きいということを伝えるだけでは、計測を拒否していると捉えられてもいけないので、児童生徒の安全確保(保健室の不在リスク)との両立が難しいことを管理職に伝えて、分担してもらうのが良いと思います。
