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スレッドNo.1451

3次実対称行列のある命題

平面幾何を解析的に探究していた際に次のような命題(予想)に出会いました。
平面幾何ではなくただの代数の命題です。
真偽が知りたくて証明してみたけれど、場合分けしたりしてかなり手間取りました。
(私の証明にミスがなければ真です。)
ひょっとしたらもっと簡単に示す方法があるのかもしれないと思ったので、もし何かひらめいた方がいたら教えてください。
私がした証明はしばらくしてから書き込もうと思います。
(ただし、PCに打ち込む気力があれば、ですが……。)



t(・)で転置を表すことにします。
行列Aのi,j成分をa[i,j]のように書きます。

Aをランク2の半正定値3次実対称行列とし、Aの固有値0に対する固有ベクトルをbとする。
Pは3次実対称行列で、Pの余因子行列をadj(P)とする。
このとき、Σ[i=1..3]Σ[j=1..3]a[i,j]p[i,j]=0 ならば t(b)adj(P)b≦0 である。



わかりにくいと思うので、上の命題に具体的数値※を入れて一例を作ってみたものも載せておきます。
(私が証明の道筋を考えるときに使用した具体例です。)

u,v,w,x,y,z ∈ R ,
u+v+w=x+y+z ⇒ uv+vw+wu-x^2-y^2-z^2+2(xy+yz+zx-ux-vy-wz)≦0 .


A=((1,-1/2,-1/2),(-1/2,1,-1/2),(-1/2,-1/2,1)) ,
t(b)=(1,1,1) ,
P=((u,z,y),(z,v,x),(y,x,w)) .

引用して返信編集・削除(未編集)

固有ベクトル b は正規化されていると思っていいんですよね?
好きなものを採用していいとなると、虚数倍したものを持ってこれちゃいますし。

多分これでできてると思いますが、大丈夫かな?


(1) A が対角行列で a[3,3] = 0 の場合

A = diag( λ[1], λ[2], 0 ) とします。
A はランク2で正定値なので、λ[1] と λ[2] は正の数です。

このとき仮定は λ[1]*p[1,1] + λ[2]*p[2,2] = 0 となり、変形すると、
2*λ[1]*λ[2]*p[1,1]*p[2,2] = - (λ[1]*p[1,1])^2 - (λ[2]*p[2,2])^2 ≦ 0
2*λ[1]*λ[2] は正なので、p[1,1]*p[2,2] ≦ 0 となります。

また、b = t( 0, 0, ±1 ) より、t(b)*adj(P)*b は単純に adj(P) の [3,3] 成分を意味するので、
t(b)*adj(P)*b = p[1,1]*p[2,2] - p[1,2]^2 ≦ 0
となります。
等号成立は p[1,1] = p[2,2] = p[1,2] = 0 のときに限ります。
b と垂直な平面が P によって b と平行な直線または点に変換されること、と言え変えられますね。


(2) A がそれ以外の場合

A は実対称行列なので直交行列 M で対角化でき、
D = t(M)*A*M となります。
ただし、D は対角行列であり、d[3,3] = 0 となるように対角化することします。
A が 3 次の半正定値ランク 2 なので D も 3 次の半正定値ランク 2 で、また D は対角行列ですから明らかに対称行列です。
またこのとき、t(M)*b は D の固有値 0 に対応する固有ベクトルです。

ここで、Q = t(M)*P*M とおくと、これは 3 次実対称行列です。
変形すると、P = M*Q*t(M) です。

このとき、
tr(t(D)*Q) = tr(D*Q) = tr(t(M)*A*P*M) = tr(A*P) = tr(t(A)*P)
また
t(b)*adj(P)*b
= t(b)*adj(M*Q*t(M))*b
= t(b)*adj(t(M))*adj(Q)*adj(M)*b
= t(b)*M*adj(Q)*t(M)*b
= t(t(M)*b)*adj(Q)*t(M)*b
となるので、D を A と、Q を P と、t(M)*b を b と読み替えることで (1) に帰着します。

等号成立条件は、t(M)*b と垂直な平面が Q = t(M)*P*M によって t(M)*b と平行な直線または点に変換されること、
つまり、結局、b と垂直な平面が P によって b と平行な直線または点に変換されること、です。


もとの幾何の問題が何かはわかりませんけど、何か意味のありそうな条件に見えますね。

引用して返信編集・削除(未編集)

DD++さん、ありがとうございます。
とても参考になりました。

前回投稿した後に再考している中で
「対角化したら1パターンのみ考えるだけでいいのでは?」
と思っていたところだったので、実際その通りに証明できることがわかってよかったです。
私が行った証明は場合分けしたうえでの成分計算ごり押しみたいな感じなので、
もっと本質を突いた証明がありそうだと思って書き込んだのでした。



> 固有ベクトル b は正規化されていると思っていいんですよね?
> 好きなものを採用していいとなると、虚数倍したものを持ってこれちゃいますし。

もともと私はすべて実数範囲で計算していたので、「固有ベクトルbは実ベクトル」とする条件を明示し忘れました。
申し訳ありません。
実数で正規化されている場合が示されれば b を実数倍しても成り立つことは明らかなので、これで大丈夫です。



> tr(t(D)*Q) = tr(D*Q) = tr(t(M)*A*P*M) = tr(A*P) = tr(t(A)*P)

Σ[i=1..3]Σ[j=1..3]a[i,j]p[i,j] が tr(t(A)P) と書けることには気づきませんでした。
じつは前回書き込んだ後で、Σ[i=1..3]Σ[j=1..3]a[i,j]p[i,j] よりも Σ[i=1..3]Σ[j=1..3]a[i,j]p[j,i] の方が
(座標計算上)本質に近い計算だと感じていたのですが、この式を見てその感覚が正しかったとはっきりとわかりました。



> もとの幾何の問題が何かはわかりませんけど、何か意味のありそうな条件に見えますね。

もともとこの命題が幾何の問題だったというわけではないです。

詳細はこのスレッドの本題から外れるので省きます。(以下、削除しました。2023/10/8 りらひい)

引用して返信編集・削除(編集済: 2023年10月08日 18:04)

斉次座標系には明るくないので頓珍漢なことを言ってたらすみませんが、

> 直線 t(l)x=0 と直線 t(m)x=0 が直交する ⇔ t(l)Am=0

これって、座標系を空間的に捉えれば、まさに
「b と垂直な平面が P によって b と平行な直線または点に変換されること」
この例の文字割り当てで言えば
「m と垂直な平面が A によって m と平行な直線または点に変換されること」
という話ではないんですか?

引用して返信編集・削除(未編集)

若干の訂正。
「b は正規化されていると思って」という前振りを入れましたが、
冷静に考えると正規化されていても実数とは限りませんね。
「実数で正規化されている」だったことにしてください。

実数限定で話をしたいという同じ内容を偶然にもお互い記述し忘れた形なので、あまり問題はないはずですが、記事の正確性のために訂正しておきます。

引用して返信編集・削除(未編集)

No.1461でDD++さんが言いたいことがどんなことなのかをずっと考えているのですが、
どうしても意味がつかめません。すみません。

もともとの命題の等号成立条件
「b と垂直な平面が P によって b と平行な直線または点に変換されること」
に関しては理解できます。
等号成立条件は任意の実ベクトルcを用いて
P = (b*t(c)+c*t(b))/2
と表されることといえるため、bと垂直なベクトルをnとすると
P*n = (b*t(c)*n+c*t(b)*n)/2 = {(t(c)*n)/2}*b
となることからわかります。

残りの内容がどんな意味合いなのかわかりませんでした。



そもそも私が余計な内容を書き込んだことがよくなかったと反省しています。
No.1460の後半、「もともとこの命題が……」以降はこのスレッドでの本題から大きく外れすぎているので削除したいと思います。
申し訳ございません。

引用して返信編集・削除(未編集)

DD++さんの証明を参考にすることで、真偽がわからず保留となっていた次の命題も対角化を利用して証明できました。
ありがとうございます。

Aをランク2の半正定値3次実対称行列とする。
Pは3次実対称行列とする。
このとき、Σ[i=1..3]Σ[j=1..3]a[i,j]p[j,i]=0 ならば
Pは不定値行列(半正定値でも半負定値でもない行列)またはランクが1以下の行列である。

引用して返信編集・削除(未編集)

私も書いていてなんか違和感あったんですが、間違いにやっと気付きました。

「b と垂直な平面が P によって b と平行な直線または点に変換されること」
は、私は式としては
「b と垂直な任意のベクトル l, m に対して t(l)*P*m=0 」
をイメージしていました。

ならば、この例の文字割り当てで言うならば、m ではなく、l とも m とも垂直な第三のベクトル n に対して成り立つと記述するべきでした。
すみません。

まあ、記述を修正したとしても元々ただの無根拠な思いつきで書いたものでしかなく、変に掘ってみても何の価値もない可能性が高いです。


> DD++さんの証明を参考にすることで、真偽がわからず保留となっていた次の命題も対角化を利用して証明できました。

思わぬ副産物があったようで、お役に立てて嬉しく思います。

引用して返信編集・削除(未編集)

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