因数分解できない多項式?
pを素数として, p=a_0+a_1×10+・・・+a_n×10^nを10進数表示とします。
このとき,f(X)=a_0+a_1X+・・・a_nX^nは整数係数の範囲で因数分解できますか?
次数が 1 以上の整数係数の多項式として
P(x), Q(x),R(x) が与えられていて
P(x) = Q(x)*R(x)
を満たしているものとします。
また、P(x) の全ての係数は 0 から 9 までの整数とします。
P(10) が素数となることはありますか?
という課題を意図されているのでしょうか?
P(X) = a_n*X^n +・・・+a_1*X^1 +a_0
Q(X) = b_k*X^k +・・・+b_1*X^1 +b_0
R(X) = c_m*X^m +・・・+c_1*X^1 +c_0
n = k +m
k > 0 ,m > 0
P(X) = Q(X)*R(X)
とします。
また、P(X), Q(X), R(X) の全ての係数は整数とします。かつ、P(X) の全ての係数は 0 から 9 までの整数とします。 ただし、a_n, b_k, c_m は 0 にはならず、全て正とします。
p = P(10) が素数となるかどうかについて検討します。
準備①
Q(X), R(X) の全ての係数について、その絶対値は 9 以下です。
なんとなればこれらの係数のうちひとつでも 10 以上であれば、P(X)の係数のうち少なくともひとつについて、その絶対値が 10 を超えてしまうからです。これは条件にあいません。
以下、背理法を使います。
すなわち、p が素数と仮定すると矛盾することを示したいと思います。
さて p が素数なので
P(10) = Q(10)*R(10) は素数です。
一般性を失うことなく、R(10)を 1 とできます。すなわち
r(X) を多項式として
r(10) = 0
R(X) = r(X) +1
と定義することとなります。
P(X) = Q(X)*R(X) = Q(X)*(r(X) +1)
となりますが、
P(10) = Q(10)
とも言えます。
ところであらかじめ準備しておいたように
Q(X) の全ての係数について、その絶対値は 9 以下です。
しかも、P(X) の次数よりも、Q(X) の次数のほうが小さいことは定義より明らかです。
これらのことから
P(10) の桁数はQ(10)の桁数よりも大であるはずです。
しかしながらさきにみたように一方において
P(10) = Q(10)
なので、矛盾します。
背理法により、
仮定していたところの
「p = P(10) が素数である」は
偽であるとわかりました。
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以上、なんだか気持ち悪くスジワルなのですが
間違っている点あるいはこうしたほうがもっとスッキリするといった御批正を頂きたく存じます。よろしくお願いいたします。
> Q(X), R(X) の全ての係数について、その絶対値は 9 以下です。
> なんとなればこれらの係数のうちひとつでも 10 以上であれば、P(X)の係数のうち少なくともひとつについて、その絶対値が 10 を超えてしまうからです。これは条件にあいません。
これは言えないのでは?
例えば
(x^2-x+1)(2x^2+10x+9)=2x^4+8x^3+x^2+x+9
のような例があります。
らすかるさん。
ご指摘を有難うございます。
ううむ。
自力で証明することはあきらめました。
Cohn's irreducibility criterion の特殊なばあいなのですね。Arthur Cohn の既約判定法?
OEIS に関連するかもしれない数列があります。
https://oeis.org/A253280
とりあえずp≦10億の素数について調べましたが、すべて既約でした。
よって成り立ちそうではあります。
https://mast.queensu.ca/~murty/murty.pdf
こちらに詳しい記載があるようです。