ネイピア数の近似
「棋士デビュー70年の加藤一二三九段(84)が詰め将棋出題65年間継続でギネス記録、って全数字綺麗に出てるなぁ」という大発見がShiromaruさんによってX(旧ツイッター)で報告され話題となりました。URLは以下。
x.com/siromaru460/status/1859445122246816091?t=ZZ_dzmTIWt4uTDqThlkKCA&s=19
このツイートをうけてサイエンスライター兼 vtuber の彩恵りり氏(@Science_Release)氏が紹介したネイピア数の、0から9までをかぶらずにヒトモジづつ使った近似方法がとてつもなかったので皆様にご紹介します。
引用
e≈(1+0.2^(9^(7×6)))^(5^(3^(84)))
ネイピア数と小数点以下8368澗4289溝8906穣8425秭9438垓1759京0916兆4450億0188万7164桁まで一致する近似値
(Daniel Bamberger (2024) による)
引用終わり
引用は x.com/Science_Release/status/1859877878701424740?t=O15lpwQYZYWpwwlEeZCTYw&s=19 より。
Daniel Bambergerによるオリジナルはこの投稿のDenganの名前のURLジャンプの先のページで確認できますが、こちらはよりディープかつ趣味的なデータベースになっています。
※ 0.2=1/5だから、
言い換えると
N=5^(3^84)に対して
e≒(1+1/N)^N
ですね。
との解説が @hironino さんによりツイッター上で披露されました。
1~9にこだわってみました。
(15768/3942)×(12345/9876)=13485/2697
(18534/9267)×(17469/5823)=34182/5697
(17469/5823)×(31689/4527)×(65934/1782)=748251/963=615384/792
なお昔ここに投稿されていた記事をメモしていたノートを見直していたら
たぶん2017年ごろ
DD++氏が
e≈(1+.2^(3^84))^(5^(9^(6*7)))
を投稿されていたと思います。
またこれを
(1+9^(-4^(6*7)))^(3^(2^85))
(1+2^(-76))^(4^38+.5)
等にもでき、円周率πも
π≈2^5^.4-.6-(.3^9/7)^.8^.1
(((2^7+8)/(90-1))^5.4+.6)*.3 (りらひい氏発見)
(8-(1+.6/(.2*.5+9))/(.3+7))*.4 (らすかる氏発見)
などの常連さんの驚くべき技が紹介されていました。
「小町算で無理数近似」の記事ですかね。
> "DD++"さんが書かれました:
> 「小町算で無理数近似」の記事ですかね。
この部分を読み返していたら
ネイピア数と小数点以下8368澗4289溝8906穣8425秭9438垓1759京0916兆4450億0188万7164桁まで一致する近似値
の精度がどうやって導けたのかの謎が
マクローリン展開が
1/e*(1+x)^(1/x)=1-1/2*x+11/24*x^2-7/16*x^3+2447/5760*x^4-959/2304*x^5+O(x^6)
これから
e-(1+x)^1/x≒1/2*e*x
これにx=.2^(3^84)=(1/5)^(3^84) なる微小な値を取ることで
両辺のlog[10]をとると右辺が
gp > log(exp(1)/2)/log(10)-3^84*log(5)/log(10)
%139 = -8368428989068425943817590916445001887164.5053429251
正にeとの誤差が
1/10^(8368428989068425943817590916445001887164)
つまり
8368澗4289溝8906穣8425秭9438垓1759京0916兆4450億0188万7164桁まで一致ということを示す。
という計算なのですね。