平方数の逆数和
[1]
a^2+b^2=c^2
の関係式を満たす整数(a,b,c)はよく知られている組合せであるが
1/a^2+1/b^2=1/c^2
を満たす(a,b,c)を探すと
1/65^2+1/156^2=1/60^2
など存在はするが探そうとするとなかなか苦労する。
そこで
1/a^2+1/b^2=1/c^2
の他の実例をいくつか発見願う。
一方
[2]a^2+b^2+c^2=d^2
を満たす整数組(a,b,c,d)は
1^2+4^2+8^2=9^2
2^2+3^2+6^2=7^2
3^2+6^2+22^2=23^2
4^2+7^2+32^2=33^2
等の様に
(a<b<cで d=c+1)
でのパターンを真似て
1/a^2+1/b^2+1/c^2=1/d^2
なら
1/7^2+1/14^2+1/21^2=1/6^2
1/9^2+1/18^2+1/72^2=1/8^2
1/13^2+1/39^2+1/52^2=1/12^2
1/19^2+1/57^2+1/342^2=1/18^2
1/31^2+1/155^2+1/186^2=1/30^2
などの様に
(ただし 0<a<b<c でd=a-1)
の条件下での他の実例を探し出してほしい。
さらに
[3]1/a^2+1/b^2+1/c^2+1/d^2=1/e^2
(ただし 0<a<b<c<d でe=a-1)
の例を一つは見つけて下さい。
p^2+q^2=r^2 が成り立つとき
a=pr, b=qr, c=pq とすれば
1/a^2+1/b^2=1/c^2 が成り立ちますね。
p^2+q^2=r^2が成り立つp,q,rの一般式は
p=m^2-n^2, q=2mn, r=m^2+n^2
と表せますので、
1/a^2+1/b^2=1/c^2が成り立つa,b,cの一般式は
a=(m^2-n^2)(m^2+n^2)=m^4-n^4
b=2mn(m^2+n^2)
c=2mn(m^2-n^2)
と表せることになります。
同様に
p^2+q^2+r^2=s^2 が成り立つとき
a=pqs, b=prs, c=qrs, d=pqr とすれば
1/a^2+1/b^2+1/c^2=1/d^2 が成り立ち、
p^2+q^2+r^2=s^2の一般式は
p=|k^2+m^2-n^2|, q=2kn, r=2mn, s=k^2+m^2+n^2
と表せます。
# この式の値を共通因数で割れば互いに素な全解が得られると思っていますが、
# 証明していませんので、もしかしたら全解は得られないかも知れません。
よって
1/a^2+1/b^2+1/c^2=1/d^2の一般式は
a=2kn|k^2+m^2-n^2|(k^2+m^2+n^2)
b=2mn|k^2+m^2-n^2|(k^2+m^2+n^2)
c=4kmn^2(k^2+m^2+n^2)
d=4kmn^2|k^2+m^2-n^2|
を共通因数で割って
a=k|k^2+m^2-n^2|(k^2+m^2+n^2)
b=m|k^2+m^2-n^2|(k^2+m^2+n^2)
c=2kmn(k^2+m^2+n^2)
d=2kmn|k^2+m^2-n^2|
とすれば、(全解かどうかはわかりませんが)解はいくらでも生成できますね。
5項の場合も、
(k^2+l^2+m^2-n^2)^2+(2kn)^2+(2ln)^2+(2mn)^2=(k^2+l^2+m^2-n^2)^2
を使えば同様にできると思います。
一般式が作れるとは思ってもみませんでした。
ピタゴラス数からのアクロバティックな変形の妙技、感動しました。
自分なりに平方数の逆数での関係式をいろいろ作っていく中で特に美しく感じたものに
1/333^2+1/444^2+1/555^2+1/740^2+1/888^2+1/999^2=1/216^2(=1/6^6)
を発見した時は小躍りして喜びました。
また今年に因み
1/62^2+1/93^2+1/155^2+1/186^2+1/217^2+1/279^2+1/434^2+1/465^2+1/651^2+1/930^2=1/45^2(=1/2025)
も成立可能
平方数の逆数和では様々な等式が起こせそうです。
4個の平方和の場合を使おうと思って
もし
p^2+q^2+r^2+s^2=t^2
を満たす自然数(p,q,r,s,t)
を見つけておけば
a=p*q*r*t
b=q*r*s*t
c=r*s*p*t
d=s*p*q*t
と置けば
1/a^2+1/b^2;1/c^2+1/d^2
=(1/(p*q*r)^2+1/(q*r*s)^2+1/(r*s*p)^2+1/(s*p*q)^2)/t^2
=(s^2+p^2+q^2+r^2)/(p*q*r*s)^2/t^2
=1/(p*q*r*s)^2
なので
e=p*q*r*sと置けば
1/a^2+1/b^2+1/c^2+1/d^2=1/e^2
が成立する。
ここに一般的に
(k^2+l^2+m^2-n^2)^2+(2*k*n)^2+(2*l*n)^2+(2*m*n)^2=(k^2+l^2+m^2+n^2)^2
が成立するので
p=k^2+l^2+m^2-n^2
q=2*k*n
r=2*l*n
s=2*m*n
t=k^2+l^2+m^2+n^2
と置いてこれらを上のa,b,c,d,eへそれぞれ代入して共通因子4*k*n^2を払うと
a(k.l.m,n)=l*((k^2+l^2+m^2)^2-n^4)
b(k,l,m,n)=2*l*m*n*(k^2+l^2+m^2+n^2)
c(k,l,m,n)=l*m*((k^2+l^2+m^2)^2-n^4)
d(k,l,m,n)=m*((k^2+l^2+m^2)^2-n^4)
e(k,l,m,n)=2*l*m*n*(k^2+l^2+m^2-n^2)
になると思う。
そこで
a(2,2,3,4)=66
b(2,2,3,4)=1584
c(2,2,3,4)=198
d(2,2,3,4)=99
e(2,2,3,4)=48
ところが
1/66^2+1/1584^2+1/198^2+1/99^2=299/836352
となり
1/48^2=1/2304
と一致しない?
これが何故発生するのか?
また
1/4^2=1/5^2+1/7^2+1/28^2+1/35^2
が起こるのですが、この式は上の公式で求まるのでしょうか?
最後の3行を除く回答
> 共通因子4*k*n^2を払うと
c=r*s*p*tはkで割り切れないと思います。
よって共通因子は4*n^2であり、正しくは
a(k,l,m,n)=l*k*((k^2+l^2+m^2)^2-n^4)
b(k,l,m,n)=2*k*l*m*n*(k^2+l^2+m^2+n^2)
c(k,l,m,n)=l*m*((k^2+l^2+m^2)^2-n^4)
d(k,l,m,n)=k*m*((k^2+l^2+m^2)^2-n^4)
e(k,l,m,n)=2*k*l*m*n*(k^2+l^2+m^2-n^2)
となり、これによって計算される
a(2,2,3,4)=132
b(2,2,3,4)=3168
c(2,2,3,4)=198
d(2,2,3,4)=198
e(2,2,3,4)=96
から
1/132^2+1/3168^2+1/198^2+1/198^2=1/96^2
が成り立つことがわかります。
最後の3行の回答
> また
> 1/4^2=1/5^2+1/7^2+1/28^2+1/35^2
> が起こるのですが、この式は上の公式で求まるのでしょうか?
a(k,l,m,n)=l*k*|(k^2+l^2+m^2)^2-n^4|
b(k,l,m,n)=2*k*l*m*n*(k^2+l^2+m^2+n^2)
c(k,l,m,n)=l*m*|(k^2+l^2+m^2)^2-n^4|
d(k,l,m,n)=k*m*|(k^2+l^2+m^2)^2-n^4|
e(k,l,m,n)=2*k*l*m*n*|k^2+l^2+m^2-n^2|
のように負にならないように絶対値を付けておけば、
a(2,10,14,20)=1400000
b(2,10,14,20)=7840000
c(2,10,14,20)=9800000
d(2,10,14,20)=1960000
e(2,10,14,20)=1120000
となり、これを最大公約数の280000で割れば
(a,b,c,d,e)=(5,28,35,7,4)が得られますね。
あ~~~
思い込んでると間違いに気付けない!
修正してこれから求まる(a,b,c,d,e)の5組を点検していたら、多くの場合共通の数を含むことが起こりやすく
異なる5個に限定していたらe=1~1000の間には僅かに20パターンほどしかなく。特にe=960では
1/1008^2+1/3360^2+1/10080^2+1/20160^2=1/960^2
1/1296^2+1/1728^2+1/2592^2+1/12960^2=1/960^2
1/1260^2+1/1680^2+1/4032^2+1/5040^2=1/960^2
1/1290^2+1/1548^2+1/3870^2+1/123840^2=1/960^2
1/1206^2+1/1608^2+1/9648^2+1/192960^2=1/960^2
の様に5通りも作り方が発生した。
もう少し少ない数では
1/23^2+1/46^2+1/92^2+1/230^2=1/20^2
1/46^2+1/92^2+1/184^2=1/460^2=1/40^2
1/62^2+1/310^2+1/465^2+1/620^2=1/60^2
1/74^2+1/148^2+1/185^2+1/222^2=1/60^2
1/148^2+1/296^2+1/370^2+1/444^2=1/120^2
1/155^2+1/248^2+1/310^2+1/930^2=1/120^2
1/185^2+1/370^2+1/740^2+1/1184^2=1/160^2
1/222^2+1/444^2+1/555^2+1/666^2=1/180^2
などが起きました。
らすかるさんの投稿後になったので、これらも公式より発生可能なのですね。
1/23^2+1/46^2+1/92^2+1/230^2=1/20^2 は (k,l,m,n)=(1,2,4,5)
1/46^2+1/92^2+1/184^2=1/460^2=1/40^2 は 可約(上の2倍)
1/62^2+1/310^2+1/465^2+1/620^2=1/60^2 は (k,l,m,n)=(2,3,15,14)
1/74^2+1/148^2+1/185^2+1/222^2=1/60^2 は (k,l,m,n)=(2,3,6,5)
1/148^2+1/296^2+1/370^2+1/444^2=1/120^2 は 可約(上の2倍)
1/155^2+1/248^2+1/310^2+1/930^2=1/120^2 は (k,l,m,n)=(1,3,6,4)
1/185^2+1/370^2+1/740^2+1/1184^2=1/160^2 は (k,l,m,n)=(1,2,4,4)
1/222^2+1/444^2+1/555^2+1/666^2=1/180^2 は 可約(4つ上の3倍)
ですね。
それから1/4^2=1/5^2+1/7^2+1/28^2+1/35^2 は (k,l,m,n)=(1,5,7,10) で十分でした。
(結果を4375で割る)