5/1更新 クイズ&パズル「最大値2」に関して
以下の話はどこかで既出かもしれませんが……
概要のみ書きます。
三角形ABCの形に切った紙を用意して直線PS,PQ,SRで紙を折り返すことで、
3つの三角形APS,PBQ,CSRの面積の合計と長方形PQRSの面積を比較する。
折った後の紙の先端A,B,Cの位置をA',B',C'とする。
(あ) A'が長方形PQRSの内部にあるとき。
折った後の3つの三角形は、長方形全体を覆っていて、かつ
長方形の内側で紙が二重になっているところがある(A',B',C'を結んだ内側の領域)。
また、B'近辺やC'近辺が長方形の外部に出る場合もある。
よって、3つの三角形の面積の合計は長方形の面積より大きい。
すなわち、長方形PQRSの面積は元の三角形ABCの面積の半分より小さい。
(い) A'が線分QR上にあるとき。
A',B',C'は同じ点となり、
折った後の3つの三角形を合わせるとちょうど長方形と一致する。
よって、3つの三角形の面積の合計は長方形の面積と等しい。
すなわち、長方形PQRSの面積は元の三角形ABCの面積の半分である。
(う) A'が長方形PQRSの外部にあるとき。
折った後の3つの三角形は、長方形全体と
長方形外部にできる三角形A'B'C'を合わせたものである。
よって、3つの三角形の面積の合計は長方形の面積より大きい。
すなわち、長方形PQRSの面積は元の三角形ABCの面積の半分より小さい。
(あ),(い),(う)より、長方形の面積が最大になるのは(い)の場合で、
このときの長方形PQRSの面積は三角形ABCの面積の1/2である。
あとは何らかの方法で三角形ABCの面積がわかればよい。
きちんとした解答にするためには、
・折り紙ではなく、線対称な点として議論する。
・点Pにおける角度の議論から3点P,A',B'が一直線上にあることを示す。3点S,A',C'も同様。
・面積の不等式を作るために、図形をちゃんと分割する。
などが必要で、結構面倒くさいです。
なお、この方法は∠B,∠Cが鋭角ならばどんな三角形でも使えます。