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スレッドNo.2044

カークマンの問題

はじめまして、ナカノです。
元々数学には無知にもかかわらず、以前このサイトをたまたま見つけ、いろんな記事を見てたら少しずつ数学の面白さを感じ始め、今では本サイト以外にも他の数学サイトに入り浸り、投稿するまでになりましたまでになりした。中でもカークマンの問題は面白く、ブロックデザインという高校では習わなかった分野はお気に入りです。今回は自分なりにブロックデザインを作成する手順を見つけたので見てください😊

https://mathlog.info/articles/gZIAjg3NYuY3HzADwIYS

引用して返信編集・削除(未編集)

https://mathlog.info/articles/gZIAjg3NYuY3HzADwIYS
https://mathlog.info/articles/3652

を拝見しました。

N=4(=2^2)の場合はGF(4)(=GF(2^2))上のアフィン平面について、「私の備忘録 > カークマンの組分け」の中にあった「カークマン女学生麻雀大会」(平成30年3月9日付け)の16人の女学生の場合の(v,b,r,k,λ)=(16,20,5,4,1)のブロックデザインにおいて記載されているように、

(0,0) (1,0) (a,0) (b,0)
(0,1) (1,1) (a,1) (b,1)
(0,a) (1,a) (a,a) (b,a)
(0,b) (1,b) (a,b) (b,b)

の16個の点を含みます。ここで、a^2+a+1=0,b=a+1です。

N=4の場合の射影平面ですが、有限体GF(4)上の3次元の同次座標を(x,y,z)とすると、z≠0の場合は、射影関係により有限体GF(4)上の2次元のアフィン座標(x/z,y/z)と対応して、16個の点からなり、z=0の場合は無限遠点で、(kx,ky,0)(k=1,a,b)を同一視すると、(1,0,0),(0,1,0),(1,1,0),(1,a,0),(a,1,0)の5個の点からなるので、合計すると21(=4^2+4+1)個の点から成ります。
z≠0の場合は(kx,ky,kz)(k=1,a,b)を同一視するので、(x,y,1)で代表して、以下のように1~16の番号をつけます。

1:(0,0,1) 2:(1,0,1) 3:(a,0,1) 4:(b,0,1)
5:(0,1,1) 6:(1,1,1) 7:(a,1,1) 8:(b,1,1)
9:(0,a,1) 10:(1,a,1) 11:(a,a,1) 12:(b,a,1)
13:(0,b,1) 14:(1,b,1) 15:(a,b,1) 16:(b,b,1)

そして、残りの5個の無限遠点については、1-2-3-4を結ぶ「直線」の延長上の無限遠点に17という番号をつけ、以下、1-5-9-13,1-6-11-16,1-8-10-15,1-7-12-14を結ぶ「直線」の延長上の無限遠点に順次18,19,20,21と番号をつけていきます。

1:(0,0,1)- 2:(1,0,1)- 3:(a,0,1)- 4:(b,0,1)-17:(1,0,0)
1:(0,0,1)- 5:(0,1,1)- 9:(0,a,1)-13:(0,b,1)-18:(0,1,0)
1:(0,0,1)- 6:(1,1,1)-11:(a,a,1)-16:(b,b,1)-19:(1,1,0)
1:(0,0,1)- 8:(b,1,1)-10:(1,a,1)-15:(a,b,1)-20:(1,a,0)
1:(0,0,1)- 7:(a,1,1)-12:(b,a,1)-14:(1,b,1)-21:(1,b,0)

 この射影平面上の「直線」は以下の21本となります。

1-2-3-4-17,5-6-7-8-17,9-10-11-12-17,13-14-15-16-17,
1-5-9-13-18,2-6-10-14-18,3-7-11-15-18,4-8-12-16-18,
1-6-11-16-19,2-5-12-15-19,3-9-8-14-19,4-7-10-13-19,
1-8-10-15-20,2-7-9-16-20,3-6-12-13-20,4-5-11-14-20,
1-7-12-14-21,2-8-11-13-21,3-5-10-16-21,4-6-9-15-21,
17-18-19-20-21

21本の「直線」上にはいずれも5点が乗っており、「班編成」についての平成30年1月29日付けでのGAIさんからのコメントで、「入居者n^2-n+1名の老人ホームではn人がグループで毎日散歩へ出掛けるルールがある。但し、道案内のため昨日散歩へ参加したn人のうち必ず1人は次の散歩グループの班長として次も参加するものとする。このことをn^2-n+1日間続けたとき、どの人も計n回散歩に出掛けたことになると言い、またどの人も他のn^2-n人と一緒に散歩したことがあると言った」のn=5の場合のグループの作り方に相当します。

GF(3)上の3次元射影空間のブロックデザインについては、「私の備忘録 > カークマンの組分け」の中にあった「カークマン女学生麻雀大会」(平成30年3月9日付け)の40人の女学生の場合の(v,b,r,k,λ)=(40,130,13,4,1)の場合に相当します。

有限体GF(3)上の4次元の同次座標を(x,y,z,w)とすると、w≠0の場合は、射影関係により有限体GF(3)上の3次元のアフィン座標(x/w,y/w,z/w)と対応して、27個の点からなり、w=0の場合は無限遠点で、(x,y,z,0)と(2x,2y,2z,0)を同一視して13個の点からなるので、合計すると40(=3^3+3^2+3+1)個の点から成ります。

w≠0の場合は(kx,ky,kz,kw)(k=1,2)を同一視するので、(x,y,z,1)で代表して、以下のように1~27の番号をつけます。

1:(0,0,0,1) 2:(1,0,0,1) 3:(2,0,0,1)
4:(0,1,0,1) 5:(1,1,0,1) 6:(2,1,0,1)
7:(0,2,0,1) 8:(1,2,0,1) 9:(2,2,0,1)

10:(0,0,1,1) 11:(1,0,1,1) 12:(2,0,1,1)
13:(0,1,1,1) 14:(1,1,1,1) 15:(2,1,1,1)
16:(0,2,1,1) 17:(1,2,1,1) 18:(2,2,1,1)

19:(0,0,2,1) 20:(1,0,2,1) 21:(2,0,2,1)
22:(0,1,2,1) 23:(1,1,2,1) 24:(2,1,2,1)
25:(0,2,2,1) 26:(1,2,2,1) 27:(2,2,2,1)

残りの13個の無限遠点について以下のように28~40の番号をつけます。1-10-19を結ぶ直線の延長上の無限遠点に28という番号をつけ、以下、1-11-21,1-12-20,…の直線の延長上の無限遠点に順次29,30,…と番号をつけていきます。

1:(0,0,0,1)-10:(0,0,1,1)-19:(0,0,2,1)-28:(0,0,1,0)
1:(0,0,0,1)-11:(1,0,1,1)-21:(2,0,2,1)-29:(1,0,1,0)
1:(0,0,0,1)-12:(2,0,1,1)-20:(1,0,2,1)-30:(2,0,1,0)
1:(0,0,0,1)-13:(0,1,1,1)-25:(0,2,2,1)-31:(0,1,1,0)
1:(0,0,0,1)-14:(1,1,1,1)-27:(2,2,2,1)-32:(1,1,1,0)
1:(0,0,0,1)-15:(2,1,1,1)-26:(1,2,2,1)-33:(2,1,1,0)
1:(0,0,0,1)-16:(0,2,1,1)-22:(0,1,2,1)-34:(0,2,1,0)
1:(0,0,0,1)-17:(1,2,1,1)-24:(2,1,2,1)-35:(1,2,1,0)
1:(0,0,0,1)-18:(2,2,1,1)-23:(1,1,2,1)-36:(2,2,1,0)
1:(0,0,0,1)- 2:(1,0,0,1)- 3:(2,0,0,1)-37:(1,0,0,0)
1:(0,0,0,1)- 4:(0,1,0,1)- 7:(0,2,0,1)-38:(0,1,0,0)
1:(0,0,0,1)- 5:(1,1,0,1)- 9:(2,2,0,1)-39:(1,1,0,0)
1:(0,0,0,1)- 6:(2,1,0,1)- 8:(1,2,0,1)-40:(2,1,0,0)

無限遠点28には、直線1-10-19,2-11-20,3-12-21,4-13-22,5-14-23,6-15-24,7-16-25,8-17-26,9-18-27の9本の直線が通り、同様に無限遠点29~40についてもアフィン空間上の点から9本ずつの直線が通るので、まず、13×9=117本の直線が含まれます。それに加えて、無限遠点を相互に結ぶ以下の13本の直線が追加されるので、合計130本の直線が含まれます。

37-38-39-40,28-29-30-37,28-31-34-38,
28-32-36-39,31-32-33-37,29-32-35-38,
34-35-36-37,30-33-36-38,28-33-35-40,
30-32-34-40,29-33-34-39,30-31-35-39,29-31-36-40

このようにしてつくった有限体GF(3)上の3次元射影空間は、40個の点と130本の直線を含んでいて、(40,4,1)-デザインとなり、任意の異なる2個の点に対し、その2個の点を全て含むブロックの元はちょうど1個であるという条件も満たすので、2-(40,4,1)-デザインとなります。

130本の直線を10本の直線からなる13組の平行類へ分類するパターンから、40人の女子学生の10卓への13日間の組み分けのパターンが得られるので、Magma Free Online Calculatorの力を借りて求めると、一例として、

1日目
{1,2,3,37},{10,14,18,39},{21,23,25,40},{4,13,22,28},{8,16,27,30},{9,12,24,31},{6,17,19,33},{5,11,26,34},{7,15,20,36},{29,32,35,38}
2日目
{16,17,18,37},{19,22,25,38},{1,6,8,40},{5,14,23,28},{3,10,20,29},{7,11,24,32},{2,13,27,33},{9,15,21,34},{4,12,26,36},{30,31,35,39}
3日目
{7,8,9,37},{20,23,26,38},{10,15,17,40},{2,12,19,29},{6,14,22,30},{1,13,25,31},{5,16,21,33},{3,18,24,34},{4,11,27,35},{28,32,36,39}
4日目
{19,20,21,37},{3,4,8,39},{12,14,16,40},{6,13,23,29},{7,18,26,30},{2,15,25,32},{9,11,22,33},{1,17,24,35},{5,10,27,36},{28,31,34,38}
5日目
{12,15,18,38},{19,23,27,39},{2,4,9,40},{8,17,26,28},{1,11,21,29},{5,13,24,30},{7,10,22,31},{6,16,20,32},{3,14,25,33},{34,35,36,37}
6日目
{1,10,19,28},{5,15,22,29},{9,17,25,30},{8,11,23,31},{3,13,26,32},{4,18,20,33},{6,12,27,34},{7,14,21,35},{2,16,24,36},{37,38,39,40}
7日目
{22,23,24,37},{11,14,17,38},{2,6,7,39},{9,16,26,29},{1,12,20,30},{3,15,27,31},{5,18,19,32},{4,10,25,34},{8,13,21,36},{28,33,35,40}
8日目
{10,11,12,37},{21,22,26,39},{3,5,7,40},{6,15,24,28},{8,18,25,29},{4,16,19,31},{1,14,27,32},{2,17,23,34},{9,13,20,35},{30,33,36,38}
9日目
{2,5,8,38},{20,24,25,39},{11,13,18,40},{3,12,21,28},{7,17,27,29},{4,15,23,30},{1,16,22,34},{6,10,26,35},{9,14,19,36},{31,32,33,37}
10日目
{25,26,27,37},{10,13,16,38},{1,5,9,39},{2,11,20,28},{4,14,24,29},{6,18,21,31},{7,12,23,33},{8,15,19,35},{3,17,22,36},{30,32,34,40}
11日目
{3,6,9,38},{11,15,16,39},{20,22,27,40},{2,14,26,31},{4,17,21,32},{8,10,24,33},{7,13,19,34},{5,12,25,35},{1,18,23,36},{28,29,30,37}
12日目
{4,5,6,37},{21,24,27,38},{12,13,17,39},{7,16,25,28},{3,11,19,30},{9,10,23,32},{1,15,26,33},{8,14,20,34},{2,18,22,35},{29,31,36,40}
13日目
{13,14,15,37},{1,4,7,38},{19,24,26,40},{9,18,27,28},{2,10,21,30},{5,17,20,31},{8,12,22,32},{3,16,23,35},{6,11,25,36},{29,33,34,39}

となります。

カークマンの話で出てきたアーサー・ケイリーですが、八元数のことをケイリー数ともいって、これは、ジョン・グレイヴスとは独立に八元数を発見したアーサー・ケイリーに因んでいます。八元数には7つの虚数単位がありますが、7つの虚数単位の相互の積を記憶する方法で、ファノ平面((7,3,1)-デザイン)が用いられています。

引用して返信編集・削除(編集済: 2024年08月08日 23:28)

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