小学生陸上選手に速く走るコツを教える。その時に陥りやすい、いわば『指導の落とし穴』があります。「効果のある言葉」と、「もっとひどくなる言葉」がある。日々そう感じています。
その1つが「リキむな!」
コーチに大きな声でそう叫ばれると、選手は必ずリキみます。小学生はまだ、リキまない走り方は意識してはできません。だから「リキむな」と言われてもどうすればリキまないのかが分からない。
「リラックスしろ!」も同じ。
(リラックスしなくちゃ)と焦りに焦り、リキんでしまう。
オリンピックに出た選手が、思うような結果が出なかった時にインタビューに答える。その時、一番多い返事が「リキんでしまいました」「無駄な力が入ってしまいました」。
大学の先生がそんな分析をしたらしいです。一流アスリートでさえそうなら、小学生がリキまないわけがありません。
では、リキんでいる小学生にどんなアドバイスをすればよいか。
別の視点を与えるのがひとつの効果的な方法です。
リキんでいる時は呼吸が止まっていることが多いので、「息をはいて」がいいかもしれません。息をはいたら自然に吸える。
呼吸が整えばリキみも減るでしょう。
もう一つの提案が「重心を上げる」ような言葉。
でも
これが難しいのです。重心は目に見えないし、走っている最中の小学生には「ジューシンをあげろ」と聞こえる。プロレスファンの小学生なら(サンダーライガーがいるの?)と思うかもしれません。
それぐらい『重心』という言葉は聴き馴染みがない。 (続く)
OJACは、選手が自分で考えることを大切にしています。それは、全部を自分で決めなさい、ということではありません。
分からないことは自分でコーチに質問すればいいのです
4/29の練習
ある選手がコーチに尋ねました
「今よりもっと速く走るにはどうすればいいですか」
コーチの答えは「今のままでいい」
フォームで直す点はないので、焦ることなく練習していけばよいということです
でも
それは『今の時点で』という意味
小学生は成長期なので、グングン背が伸び筋肉がついてくる。そうするとふさわしいフォームも変わる。「今のままでいい」とコーチから聞いて(ずっと今のままでいいんだ)と安心してはいけないのです。
でも
自分から質問ができるほどの探究心を持っているこの選手には、そんな心配は杞憂かもしれません
OJACでは、選手が自分で選択した種目を練習する時間があります
ある選手
ハードルに挑戦
一本目は跳び越すタイミングが合わず、走るフォームも崩れてしまいました
わたしは「一台目が合わなかったね」と、ただありのままを伝えました
彼はすぐにもう一度挑戦
バランスのよいフォームでハードルを跳び越しゴールしたのです
驚きました
コーチはひと言もアドバイスしていないのに、その選手は自分で考えてフォームを直したのです
わたしは再び、事実をそのまま伝えました
「スピードが乗ったいいフォームだった」
そばで彼のお父さんが見ていました
私が「5分で良くなりましたね」と言うと「ビックリしました」とのこと
選手が自分で考えてフォームを修正する
それは小学生でも可能なのですね
OJACの練習を5/6(土)に行います。9:00〜11:00 神崎山陸上競技場にて。300円を集めます。小3〜小6が対象です。また、大会案内を5・6年生にお届けしていますが、お申し込みやご質問は5/6までにメールでojac@goo.jpにどうぞ。お子さまのスポーツライフのお手伝いができればうれしいです
4/22(土)の練習で説明した陸上大会についてのご質問・ご希望はメールでojac@goo.jpにどうぞ。選手保護者の皆さんが直接大会にエントリーされるのは今はお控え願います。