3月21日でよませ温泉スキー場クローズとなりました。あと数回どこかで計測するかもしれませんが、おもなデータは、計測できているので、あとは、スキー場でなく、庭とか公園での機能別計測となります。
今シーズンの目標は「1本滑った直後に今の滑りをモニターしてフィードバックできるシステム」でしたが、できませんでした。
直後確認できたのは、データが無事計測できたかどうかの指標をチェックすることだけでした。
原因:C#のリアルタイムシリアル受信で、BlueToothの送受信がうまくいかなかった点にあります。マルチタスクとBlueToothSPPが同期できてないみたいで、これを解決するには、数か月かかりそうなので、今シーズンの目標を下げてハード中心で進めました。
更に、タブレットがBlueTooth 2CHを同時受信して、ログ処理するCPU能力がないことがわかって、端末が無い状態になったのも大きい原因です。しょうがないので、スマホ2台を左右でBlueTooth受信してログしてモニターと操作をしてました。
成果1:Teensy4.1とBlueToothでのログシステムの動作は、トラブルがほとんど発生せずに、動作できました。
成果2:アンテナは、ヘリカルでも受信性能が大丈夫なことがわかりました。しかし、防水、耐久性に課題があります。
成果3:BNO055でも±5度誤差で板のHeading角が測定できていることがわかりました。pitch rollも役立ちました。
成果4:実装をレガースタイプにして計測準備時間が30分程度に短縮できました。しかし、システムの水濡れのリスクが高まってしまったので、来シーズンは、別の実装方式を考えます。
成果5:STA2022までは、横滑り角を中心に解析してきたのですが、2023年からは、FALLLINEとスキー角付け角とスキー操作の
パラメータをいれて、滑り方の参考になるデータを提供するアイデアがでました。
感想:F9PとIMUを組み合わせることで、膨大なデータが得られるのですが、それを有用に処理する手間が膨大で、
1週間分のデータを処理するプログラムを作るのに6か月かかりそうです。
2月15日にSTA23システムで初測定できました。右スキーだけの測定ですが、過去2年のデータを上回る信頼性と新たなセンシングで良いデータとれました。これで2023年版のスキー計測は、成功できる確信がでました。
2023年の目玉は、信頼性向上、使い勝手向上、スキー板の傾き測定追加、スキー板のたわみ測定追加です。
良かった点1:データ抜け落ち率が小さい、0.5%以下でした。
=>2021年では、数%から10%も落ちていたのですが、マイコンを高性能化、システムをレガースに組み込んで結線の固定化を徹底したのが良かったです。
良かった点2:センサFusion IMU BNO055でスキーの姿勢角yaw,pitch,rollがそこそこの精度で、RTKデータと照合できた。
=>過去のIMUでは、板に直接取り付けていたので、振動で全然ダメだったのですが、今回は、レガースに内蔵させて、足の甲部分に取り付けて激しい振動がない状態で、なおかつ、センサFUSION内蔵のBNO055で処理された姿勢角が測定できたのがよかった。
=>RTKのターン挙動データとスキーの傾き(pitch角)がぴったりと合ってました。傾きがゼロになった時点で、スキーターンの切り替えが完了して次のターンにはいる動作がRTKとIMUでぴったり合っていました。
良かった点3:スキー板のたわみとして前後に固定してあるアンテナ間距離を測定してターンのときに距離変化があるかみました。
=>踏み込んだターンでは、3cmくらい距離が短くなるデータがでましたので、ある程度たわみが測定できていると思います。
たわみの強弱がどこまで測定できるかはこれからの課題です。
http://shinshu-makers.net/shinshu_makers/2023/02/16/%e3%80%90sta23%e3%80%91%e6%b8%ac%e5%ae%9a%e3%83%87%e3%83%bc%e3%82%bf%e8%a6%8b%e4%ba%8b%e3%81%ab%e7%8b%99%e3%81%84%e9%80%9a%e3%82%8a%e3%81%ab%e3%81%aa%e3%81%a3%e3%81%9f%ef%bc%9cbno055%e4%bd%bf%e3%81%88/
ここ数日、善意の基準局へ接続できないので、どうしたのか、NC_NAGANO様に聞いてみたら、RTK2GOで接続方法変更があったそうで、慌てて、新で、確認しました。今までは、username passwordは空欄でよかったのですが、
今回から usernameにユーザーのメルアド、 pass none と記入しないと接続できないということです。
私の接続顛末記は、こちらです。https://tinyurl.com/2oezlbom
4月以降、STA22の開発中断していて、ちっとも進歩してないのですが、そろそろスキーシーズンの準備しないと間に合わなくなるので、STA22を作り始めます。
やること1:実験サイトの変更による確認
松本市自宅から、長野市実家に移動したので、実家の庭先でのRTK精度(基線長解析)を測定します。
実家庭のどの場所でどのくらいの精度がでるか基準値を測定しておきます。
やること2:システム構成の可能性検討
現時点で、難易度が高いと思える課題をピックアップして、基礎実験していきます。
やること3:冬の実験室の整備
まだ、実験機材を運んできたままで、制作できる 場所がないので、部屋の整備をします。
2月3月に、松本の開発機材の半分を長野市の拠点に移動させました。しかし、長野市の拠点整備が全然できてないので、
本格的な開発は、未だ、長野市ではできない状態です。松本-長野間を通いで整備していたのでは、時間を食うので、
9月からは、長野市拠点に住み込みながら、整備作業をしてます。
冬までには、RTKの開発は、全部長野拠点でできるように整備することを目標に進めてます。
今冬は、飯縄リゾートスキー場で、スキーターンアナライザの開発を行う予定ですが、ソフトとシステムの開発が6か月遅れですので、2023年から本格稼働となります。