次のレイブを目指すために険しい山道を走る登場人物たちを見て、「そこまでして踊りたい!?」「軍からも警告されてるし家に帰ったほうが良くない!?」と思った。最初は。
でも分かった。彼らはきっと帰る場所がないのだ。過去に(肉体的にも精神的にも)大きな傷を負った者同士で小さなコミュニティを築き、各地のレイブを転々とし、マリファナを吸いながら踊り続ける旅をしているのだ。
彼らは優しい。お互いを家族だと思い、娘を探すルイス&エステバンにも協力し、仲間として受け入れる懐の広さを持つ。
なのにあんな…地雷原で呆気なく命を落とすことになるなんて。
人生って無慈悲だ。何の前触れもなく、予想外な形で死ぬことなんてよくあることなんだと、改めて痛感。
はじめ、レイブ会場で音楽を聴いて踊ってるひとをみて、「なにが楽しいんだろう」って思って見てた。
だけど、映画の途中で、絶望して、薬やって、爆音のレイブミュージックで踊るシーンがあって、そこで分かる。レイバーは楽しくて踊ってるんじゃない。絶望してるんだって。
ただの騒音だと思ってたけど、それに救われてる人もいる。
人は楽しいから踊るわけじゃない。幸福だから笑うわけじゃない。元気だから薬をやるわけじゃない。
見えてる部分だけで判断してはいけない。簡単に批判する前に、その人が何から逃げたいのか想像したい。
死はいつも隣り合わせ。となりのトトロというタイトルにそんな意味がこめられてる。なんて都市伝説を思い出した。
人生はロードトリップに例えられることが多い気がする。自分でハンドルを握り、いく先を決めて、ときに目的地があり、ときにあてもなく進む。
この映画もそう。途中までは。
ラストで教えてくれる。我々は死という終着駅に向かって、ただ列車に乗っているだけにすぎない。
強烈だった。
爆音上映にて鑑賞。本編を通して、爆音上映が行われた理由が改めてよく分かった。
ちなみに、上映終了後にもうひと爆音が。
「足踏んだだろうが!!!」
仲直りはできたのかな。
爆音音楽とコーラン、巡礼とレイブ巡り、そしてシラート、根っこにあるのはかなり宗教的なものなんだろう。進む目標はあり達成するのは そうそう容易な事ではない。天国に行けるのは認められた人だけで 何の因果か分からないけど試され地獄に落ちていくシラートという橋。道がある限り困難は存在している、現実世界の日々もそういう事なんだろう。娘が行方不明になり息子も亡くしてしまった主人公は絶望からの無欲になり無になった為に 目立った勇気も決心もせず いともたやすく地雷原を渡れたのかな、悟りの域。
最後は電車。整備された線路の上を走る電車はラクに安全に早く先に進めるけれど人々の顔には表情がなく接点もなく何も起こらないっていうのが なんとも…そのほうが安全なんだけども。
衝撃の映画体験『シラート』が日本上陸! 圧倒的な音響の仕掛け人に聞く
https://www.gizmodo.jp/article/movie_sirat/
かつてない臨場感や没入感を生む、音響/サウンドデザインの最前線:映画選びの教科書 2026年版 Vol.06
https://brutus.jp/post-503555/
『シラート』音響監督ライア・カサノバスのインタビューが到着!
https://fansvoice.jp/2026/06/05/sirat-laia-casanovas/
【CINEMORE】『シラート』オリベル・ラシェ監督 リスクを恐れず、身体に浸透する映画を【Director’s Interview Vol.556】
https://cinemore.jp/jp/news-feature/4566/article_p1.html
【POPEYE】『シラート』のオリベル・ラシェ監督にインタビュー。
https://popeyemagazine.jp/post-285048/
【朝日新聞】カンヌで絶賛、度肝抜くロードムービー日本公開 音楽と「死の体験」
https://digital.asahi.com/articles/ASV63262GV63UCVL01PM.html?iref=comtop_Culture_01
【クーリエ・ジャポン】不安定な時代をどう生きるのか─映画『シラート』オリベル・ラシェ監督
https://courrier.jp/news/archives/446160/
【斉藤博昭】観た後に心の整理つかない人が多数、アカデミー賞候補作。砂漠で何が? 監督は「尊厳ある死も描いた」
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/64c68d3f1d3b420cfed35848893fa04cffd89420
随時追加予定です!
ドルビーシネマの音響が良すぎて、何度も「座席さえなければ踊りたい」と思った。
「ここからが地獄よ」のセリフ、本当にここから地獄が始まるってちゃんと教えてくれるの親切すぎる。
何度も引き返せる分岐点はあったのに、無心で突き進んだ結果……。
そして予告編、鑑賞後に見返すとめちゃくちゃよくできていて震える。
爆音のダンスミュージックでアドレナリンを分泌させておいて、最後に「無心になれ」と言われても身体は「はいそうですね」と即座に無心になれるはずもなく、なんなら鑑賞後12時間ほど経った今でも無心ではいられていない。
死を無言で語る砂漠をこれでもかと堪能できる良き砂漠映画でした。私はかなりお気に入りです。