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結果発表

6月句会の互選結果を発表します。
6月のトップは10点を得たふうりんさんの「夏場所」の句でした。続いて8点句の弥生さんの「涼し」の句でした。
以下、6点句がダイアナさん、水尾さん、にゃんこさんの句が同点でした。
10点句 16 夏場所や母のベッドの背を起こし (ふうりん) 
8点句 18 辻ひとつ入りて涼しき京の路地 (弥生)
7点句 56 畦道は暮らしの道よ行々子 (森野)
6点句 17 万緑や嬰赤くなり伸びをする (ダイアナ)
6点句 69 推敲の末は昼寝の大鼾 (水尾)
6点句 82 いきさつを聞かむ古茶の葉開きけり (にゃんこ) 
個人別総合では、ふうりんさんと弥生さんが、ともに14点で並びました。

6月度みんなのネット俳句会互選結果一覧   ◎は特選、特選2点並選1点で計算。       令和7・6
1 ナイターの我がナガシマや永久 (玉虫)  3 ちとせ、◎えっちゃ、
2 群生を茅花流しや銀色に (和談)  2 ◎ヨヨ、
3 家飲みに麦酒生き生き冷えてゐる (コビトカバ)  1 弥生、
4 おはようと挨拶しそうアマリリス (ちとせ)  2 森野、てつを、
5 五月雨にあやめの紫紺煌めいて (茶々)  4 えっちゃ、ヨヨ、ふうり、みにょ、
6 梅雨寒や九人目となる理髪店 
7 本が好き白詰草の野に飽きず (尾花)  2 えっちゃ、森野、
8 うつ病のうつ捨てるため山登る (ABCヒロ)  4 えっちゃ、ナチー、◎弥生、
9 若葉風けふもご機嫌古農機 (てつを)  5 ダイア、ちとせ、弥生、アイビ、水尾、
10 解体をぢつと待つ家夕薄暑 (ヨシ)  3 にゃん、弥生、水尾、
11 著莪咲きし一乗谷に置く思ひ (森野)  2 尾花、水尾、
12 茄子植うる妻の白髪の目に余り (ナチーサン)  1 和談、
13 半夏生最後尾っに来て米を待つ 
14 草引くや屈む背中に青時雨 (ヨヨ) 2 ちとせ、和談、
15 白百合に埋め包まれし母眠る (ラガーシャツ)  1 みにょ、
16 夏場所や母のベッドの背を起こし (ふうりん)  10 茶々、◎ラガー、◎玉虫、圓人、森野、弥生、ABC、ヨシ、水尾、
17 万緑や嬰赤くなり伸びをする (ダイアナ)  6 かをり、玉虫、ふうり、ABC、◎アイビ、
18 辻ひとつ入りて涼しき京の路地 (弥生)  8 尾花、ダイア、にゃん、ちとせ、かをり、森野、コビト、ABC、
19 河骨の咲いて荒蕪の湿地かな (アイビー)  1 ちとせ、
20 夾竹桃白し聖職者の庭よ 
21 病む父や遠くでニュース梅雨入りと  
22 万緑や文武に長ず松代藩 (和談)  1 かをり、
23 梅雨寒やここも更地か古本屋 (水尾) 5 ◎森野、てつを、みにょ、アイビ、
24 何回も振り向く別れ夏の空 (コビトカバ)  4 ◎にゃん、えっちゃ、ラガー、
25 新品種ひたち乙女は薔薇美人 (茶々)  1 ふうり、
26 亀の子の脱走癖の面白し (玉虫)  1 ヨヨ、
27 不機嫌な空地上には梅雨茸  
28 ザーザーと洗車する夫半ズボン  
29 若竹や母国知らずにパンダの子 (てつを)  1 ナチー、
30 夫偲ぶ友に鬼灯花数多 (森野)  1 圓人、
31 風過ぎて薔薇の香りやバスを待つ (尾花)  2 ◎水尾、
32 今もなほ動かぬ時計梅雨晴れ間 (えっちゃんあら)   1 ラガー、
33 庭中をわがもの顔に著莪咲けり (ヨシ)  2 ヨヨ、みにょ、
34 あれ食べてみたいと言ふの四葩かな 
35 次の世は蝶に生れこよ火取り虫 (ナチーサン)  2 尾花、えっちゃ、
36 蔓草や絡みて高く五月雨  
37 ひと月の健診終へて早苗道  
38 母の日に贈る絵入りの感謝状 (ふうりん)  1 かをり、
39 烏飛ぶ宝珠のごとく枇杷咥え (アイビー)  2 茶々、てつを、
40 空梅雨や己が道行く三男坊 (圓人)  2 尾花、ナチー、
41 薔薇園の少女も婆もプリンセス (弥生)  2 ナチー、みにょ、
42 一晩に一寸を伸ぶ夏野菜 (にゃんこ)  2 かをり、圓人、
43 同志寄り閉ざす旧会梅雨走り  
44 叱られし事忘れたる螢かな (玉虫)  5 ラガー、コビト、弥生、◎ヨシ、
45 凛と立ち藍艶やかや花菖蒲 (ちとせ)  2 茶々、みにょ、
46 カセットを交換した日ソーダ水 (コビトカバ)  3 ◎ダイア、玉虫、
47 活けられて高き品格百合匂う (ABCヒロ)  4 ラガー、ふうり、◎和談、
48 梅雨入りやダメライフなもレットイットビー 
49 若者に習ひを問はれ青嵐 
50 入梅が夫婦げんかの今日の題 (水尾) 2 ラガー、玉虫、
51 クレマチス咲いて老舗の若女将 (ヨシ)   5 尾花、ダイア、ナチー、弥生、アイビ、みにょ、
52 更衣先延ばしする老夫婦 (ナチーサン)  1 圓人、
53 合歓の花長電話して夫の愚痴 (えっちゃんあら)     2 てつを、ABC、
54 赤き花髪に浴衣の城下町 (尾花)  1 茶々、
55 山登る三度もこけてこりゃいかん  
56 畦道は暮らしの道よ行々子 (森野)  7 ◎ちとせ、てつを、玉虫、圓人、ナチー、アイビ、
57 さくらんぼそわそわ妻のクラス会 (ふうりん)  1 森野、
58 田舎道蛙の合唱いま昔 (ヨヨ)  1 和談、
59 空海も見し海原の卯浪かな (アイビー)  4 ◎尾花、ヨヨ、水尾、
60 ほの蒼く街煙りゆく梅雨はじめ (弥生)  2 にゃん、かをり、
61 合唱終へ師の誉め言葉代田風  
62 蚊遣火や老いを受け入れ然を生く (圓人)  2 ◎ナチー、
63 曇天の水面とろりと梅雨の入り (にゃんこ)  2 ◎コビト、
64 シルバーのアクセ選べば夏来る  
65 夏やさい自助自立への老いの鍬 (和談)  3 茶々、ダイア、◎圓人、
66 蒼き葉に楚々と朱を置く花柘榴 (ちとせ) 3 ヨヨ、◎てつを、
67 尺取りや老の脳味噌掻き回す (玉虫)  1 コビト、
68 五月雨に軒下で丸く猫も待つ  
69 推敲の末は昼寝の大鼾 (水尾)  6 にゃん、ラガー、玉虫、ふうり、ヨシ、アイビ、
70 果と吾の夢を包みて袋掛け (てつを)  5 ◎茶々、圓人、◎みにょ、
71 白南風や補助輪外しこはごはと  
72 逃げだした蛸捕らへられ元の箱 (ヨシ)  1 にゃん、
73 青二才おのれの翳や桜桃忌 (ABCヒロ)  尾花、
74 朝ドラに犬見向きせず半夏雨   
75 滴りて水子地蔵の貌濡らす (ナチーサン)  3 てつを、ABC、水尾、
76 五月雨に濁る事なし清水川 (ラガーシャツ)  ふうり、
77 廃屋の庭に南天花こぼれ (森野)  2 ヨヨ、ヨシ、
78 学生の眩しき街や更衣 (ダイアナ)  3 ちとせ、コビト、ヨシ、
79 ドクダミや風雨に耐ゆる十字花 (ヨヨ)  4 茶々、ふうり、和談、ヨシ、
80 次々と我抜くシニア登山杖 (弥生)  1 コビト、
81 食欲は常に全開冷奴 (ふうりん) 2 和談、コビト、
82 いきさつを聞かむ古茶の葉開きけり (にゃんこ)  6 ダイア、てつを、かをり、圓人、ナチー、ABC、
83 ジャスミンの紅茶召しませ夏座敷 (アイビー)  3 茶々、ダイア、ふうり、
84 突然にめだかは向きを変へりをり (圓人)  2 えっちゃ、アイビ、
85 拾ひたる桑の実フッと吹きて食ぶ (玉虫)  2 弥生、ヨシ、
86 蛇口からじゃかじゃか水が立夏かな (ちとせ)  1 にゃん、
87 夏旅や卓球台は洒落た黒 (コビトカバ)  1 ラガー、
88 湯の町の路地は静もる夏隣り (和談)  3 ダイア、えっちゃ、ヨヨ、
89 短夜の夢の数々ただ悲し 
90 緑蔭や洪鐘(おおがね)までのをとこ坂 (尾花)  3 かをり、玉虫、アイビ
91 あの頃のわれに逢ひたし夏柳 
92 特売のチラシわんさか入梅前 
93 鎮魂の碑を巡りゐる田植歌 (ナチーサン)  1 森野、
94 父の日にうな丼囲ひ絆かな (茶々)  1 和談、
95 気象図の斜め線引き梅雨に入る  
96 海底に数多の遺骨沖縄忌 (ABCヒロ)  2 森野、コビト、
97 糖尿のぎりぎりライン走り梅雨  
98 川に沿ひ沢蟹崖を上り下り 
99 エルビスの曲の流るる五月かな  
100 近づきてキミガヨランの葉がチクリ 
101 高速路茅花流しの銀の波 (ダイアナ)  2 ちとせ、和談、
102 表札の擦れし名前姫女苑 (弥生)  1 尾花、
103 相撲道語るも楽し泥鰌鍋 (ラガーシャツ)  4 にゃん、玉虫、ABC、アイビ、
104 雨纏いここぞとばかり四葩起つ  
105 梅雨寒のラジオ抑揚無きニュース (にゃんこ)  4 ABC、ヨシ、水尾、アイビ、

投句者はヨヨ、えっちゃんあら、ABCヒロ、ふうりん、森野、ヨシ、和談、ラガーシャツ、弥生、コビトカバ、にゃんこ、てつを、尾花、ダイアナ、ナチーサン、アイビー、ちとせ、玉虫、茶々、圓人、水尾の21名。ほかに選句参加・かをり、みにょん。 
間違い等、不都合な点をご連絡下さい。

編集・削除(編集済: 2025年06月18日 11:53)

アイビーの俳句鑑賞 その4

アイビーの俳句鑑賞 その4

沙羅の木や兄の法会に白き花 (和談)
沙羅は一名夏ツバキとも言う。夏の季語として多くの俳人に取り上げられている。お兄さんの法事があった時、丁度沙羅の花が盛りだったのであろう。清楚な沙羅と兄の法要の取り合わせは雰囲気があってよいと思う。難を言えば座五の「白き花」で少し俳句が緩慢になったきらいがある。上五に切れ字「や」を使っているのだから、沙羅のことは言わなくてもよいように思う。切るということは、以下省略という意味だ。空いた5文字で、お兄さんの人となりとか、参会者の様子が描写できる利点がある。しかし、これはあくまで私の個人的な意見で、異論も当然あると思う。

クチナシや幸せ届く香り持ち (ヨヨ)
梔子は独特の芳香がある花で、生け垣などによく見る。梔子がただ薫っているとだけ詠めば、いわゆるただごと俳句になってしまう。その危険性を作者は見事に解決した。それは「幸せ届く」との楚辞を入れたことだ。この字句を入れたことにより詩が生まれた。ただ、梔子をカタカナ表記にしたのは何か意図があったのだろうか。難読漢字だから、という配慮だったら無用にしたい。

梅雨湿り軋む雨戸を蹴つてをり (尾花)
木造建築では湿気の多い季節は、軋みや滑りが悪くなることがよくある。そんな日常のなんと言うこともない一コマを巧みに描写した。ある方が選句の際に、「蹴っ飛ばす」だったら文句なしに特選に採ったと言っていたが、私も同感だ。「蹴っ飛ばす」ははしたない、そういう気持ちも分らんではないが、俳句が生き生きしてくるのだ。まあ、嗜みある淑女ならそんな無作法はしないか。

花石榴活けて難儀な手紙書く (尾花)
難儀な手紙とはなんだろう、なんともミステリアスな句になった。石榴の花に何かヒントがあるようにも思うが、分からない。焦らさずに教えてくれてもいいじゃないかとぼやいてみても、作者は素知らぬ顔。読み手の側があれこれ想像すること自体が楽しいのであって、ことの実体が判ってしまえば、なーんだと言うことになりかねない。言わぬが花か。

愛猫もちゅーる欲しやこの暑さ (茶々)
猫好きもいよいよ病膏肓に入った感がありますな、これは。チュールは伸縮性に優れた薄手の織物素材を言うらしい。この暑さでは猫が可哀そう、猫にもチュールを上げたいという。人間だって暑いはずだが、人間はさておき、まず猫を心配する辺りが茶々さんの面目躍如たるところ。俳句鑑賞よりも何よりも、恐れ入りましたと降参するほかない。中七が6文字しかなく字足らず。字余りは往々にしてあるが、字足らずは避けた方がよい。字足らずの句で成功例をまず見ないから。

通夜の座を外して白き花卯木 (ナチーサン)
親しくしているどなたかが亡くなったのであろうか。しめやかに通夜を営む会場に、故人の想い出に浸る会葬者一同。作者は、用足しか何かで席を外した。ふと庭に目を遣ると、丁度卯の花が盛りだ.夜目にも卯の花の白さが一際鮮明で、独特の芳香があたりに漂う。通夜の席と一転して庭の卯の花、この場面転換の鮮やかなこと。これがこの句の要諦で、格調を高くしている。

夏帽子確(し)かと押さえてロカ岬 (無点) 
ロカ岬とは何処にあるのか、そこから調べたら、なんとユーラシア大陸の最西端、ポルトガルではないか。ポルトガルへ旅行されたのであろうか。と、思ったら日本にもロカ岬があった。本州最東端の銚子・犬吠埼にロカ岬の碑というのがある。最西端と最東端の対比させたのであろうが、この句の場合はどちらのロカ岬だろうか。いずれにせよ、岬は強風が吹きつけるイメージがあり、夏帽子をしっかり手で押さえるのは肯ける。無点句となってしまったが、この句が無点とは信じられない。

アイビーの俳句鑑賞 完

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アイビーさん、鑑賞をありがとうございました。

梅雨湿りの句   
今は雨戸もサッシになり年中スルスルとよく動きますが、木造の雨戸は雨期になるとやっかいです。普段使わないのでなかなか動きません。押したり引いたりしてもビクともしない時は足で蹴るしかないのです。
嗜みも何も有ったもんではない! ガン、ガーンと蹴っ飛ばして開け閉てしてます。
でも句にする時は少し温和しく・・・。

花石榴の句
石榴の花は鮮やかなオレンジ色で、葉が艶々の緑でとても美しい。一輪飾ると机辺が明るくなり気持ちも明るくなります。
「難儀な手紙・・・」最近はあまり手紙自体書かなく(書けなく)なりましたが、若い時は、お見舞い、お詫び、お悔やみ等の手紙、義父、義母へも気がすすまなくても書いていたものです。出来るだけ明るい花を机に置いて書いていました。

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アイビーの俳句鑑賞 その3

アイビーの俳句鑑賞 その3

薫風や陸前高田に松育つ (てつを)
陸前高田の松と言えば平成23年3月11日の東日本大地震による津波にも生きながらえた、奇跡の一本松のことだろう。全国的な感動を呼び、復興のシンボルとなった松の木。その後、一本松を守るプロジェクトの活動などあり、健在が報道されているところだ。上五に「薫風や」と置き、切れを入れたことで句全体を引き締めている。陸前高田という固有名詞を出したのも流石だ。百万言を費やすより説得力を持つ。

蛍火の向うに父の大工小屋 (ヨシ)  
今月の互選トップに輝いた句。作者の述懐にもあったが故義父様を偲んで詠んだ句。大工の棟梁で、仕事場も実際にあったとのことだが、俳句の雰囲気からしてメルへン調で、読み手は様々な想像を掻き立てる。儚げで幻想的な蛍火のイメージを最大限に活かしたのがこの句だろう。季語自体が大変な力を持っていることを再認識した。それと、この句の成功の根底には、亡き義父へのヨシさんの敬慕の気持ちがあったことは間違いない。

信玄と夏の甲府に飲み明かす (かをり)
戦国武将の武田信玄と酒を飲み明かすという楽しい想像。嫌いな人と飲み明かす筈が無いから、かをりさんは武田信玄贔屓なのであろうか。信玄のどういうところが好きなんだろうかと、要らざる詮索をしてみたくなる。信長は機嫌の悪い時に当たったらとか、信玄のライバルの上杉謙信は性格がストイックすぎるところがどうも、とかとにかく楽しい一句になった。
筒鳥や母の小言のリフレイン (かをり)
けたたましい筒鳥の鳴き声に、母の小言をオーバーラップさせた。そこで母の小言だが、お約束の「くどくど」とか「ねちねち」とか言わず、ごく穏当に「リフレイン」とした。このあたりは、自身に後ろめたい何かがあるのかな。非が自分にあり、小言を言う母を疎ましく思っているわけではない。母を蔑ろにはしないが、さりとて猛省して心を入れかえるわけでもない。まことに微妙な「リフレイン」なのである。

ギラギラの昭和を醸す夾竹桃 (ちとせ)
暑い盛りに咲いて花の時期も長い夾竹桃。しかも花の色は自己主張の強い紅色である。その夾竹桃を作者のちとせさんは、苦しかった戦中戦後、苦しかったけれど皆が頑張った高度成長、つまり昭和という時代に重ね合わせた。しかも作者は「ギラギラ」と把握した。この感覚は私にはよく分かる。平成、令和と時代は進み、もうかつてのような一本調子の価値観の時代ではなくなった。同時にかつてのギラギラの時代も終わった。

獅子と化し富士を嚙むなり夏の雲 (鎮岩)
雲の形を何かに擬えて言うことはよくある。夏の入道雲を、なんと獅子に擬えた作者。これだけでも十分に迫力ある比喩だが、なんと富士山に噛みつかせた。俳句と言えども文学作品だから、こうした比喩はアリだと思う。しかし、秀峰富士を噛むとは恐れ入った力業、客観写生もヘチマもあったものではない。無論これは貶しているのではなく、誉めているのだから念のため。

向日葵や犬の企み知らぬまま (無点)
惜しくも無点句となったが、面白い。犬の企みとは一体何なにか、それが向日葵とどういう関わりがあるのか、作者は一切明かしていない。なんともミステリアスな俳句だが、実は読み手が知りたいのはそこなのだ。どなたか絵解きを。
 
以下次号、不定期掲載

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アイビーさん、感想ありがとうございます。
甲府で飲んだのは確かですが、よく憶えておりませぬ。
まあ、挨拶句で東北に行ったら  正宗と夏の陸奥まで飲み歩く  と詠むまでのことです。

筒鳥はひねもすよくもまあ、同じ鳴き声で呟くなあ。
つつ鳥や涙箸する母のこゑ  うんうん、お互い様ではないか。一生に反抗期www

おやすみなさいませ。

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7句観賞

アイビーさん、お纏め感謝です。
今月は邪道ですが、七七につなげたい句を選びました。

18 一日に一つの予定草を引く (玉虫) 
厠にめくる墨のみつおと
すみません相田みつをおもいだして。
前半、教訓かなあ、境涯もうっとしいなあと読んで最後に作者の日常を託した季語が出た。
草を引く 輝いた。特選でもかまいません。

26 桑の実や十五歳まで木に登り (玉虫)
初潮知るの夜のさみだれており
勝手に女子として、桑の風を感じます。

29 蛍火の向うに父の大工小屋 (ヨシ)
灯火消したる母子の手探り
これは良い句ですねえ。童話なんです、この風景。
童話には、万人納得です、家族も見えて、もっと点がはいっても・・・

57 花石榴活けて難儀な手紙書く (尾花)
役所に届く楷書うつくし
これは実感です。難儀な手紙の内容でまた一句浴びたいです。私は野暮ですが。

67 でで虫の葉裏にありて深眠り  (ナチーサン)
王手飛車差す孫の挨拶
深眠りがいいですねえ、作者の語彙の斡旋に乾杯。
ひとつお孫さんに登場していただきました。

73 白靴やこの世すべてがうさん臭い (ABCヒロ)
バブルの頃も生きていたらし
白靴にうさん臭いとは、よう詠んでくださいました。スカッとしました。
最近、株高ですね。

107 六月や実に分厚き三国志 (玉虫)
薄化粧して読む紅楼夢

季語がぴったり。私は横山光輝の三国志、ゲームの三国志。
スマッシュヒット、良い句ですねえ。

ひどい観賞ですが、お許しを。

引用して返信編集・削除(編集済: 2023年06月18日 17:20)

アイビーさん、おっしゃるように、短歌の七七というより、連句を意識しました。
短歌は575の後へ階層して言葉を積む感じですが、今回はつかず離れず、酔っ払いなりに「発句の残像」を意識しました.
そしてもう一回発句に遡り、振り返ると「付け句の遡像」の不出来が見えてまいります。外山しげひこ風w
あーー、小難しいこと言ってごめんなさい。
すぐれた俳句は切れ字等で これを17文字でするのですから,大した詩形です。
付け句もどきをさせていただき、皆様の素晴らしい17文字に感謝です。

引用して返信編集・削除(編集済: 2023年06月18日 21:18)

こんにちは。
かをりさん、ありがとうございます。
まさか、七七を付けていただけるとは!開けてびっくりでした。
しっとりと寄り添ったりパシッと響いたり付句の変化が楽しいです。

引用して返信編集・削除(未編集)

かをりさんの七七を付けて頂き景色が深まりました。
自分自身の想いを引き算、引き算として作句しますが、この七七は
18
草を引く想い。
26
木に登った想い。
107
三国志の分厚い四巻を机に並べた時の
読み切れるか?
の想いを付けきれない焦燥を消してもらえたような充足感があります。
ありがとうございました。
俳句とは自らが裸になったときに共感を得られる・・・としみじみ。
凡退続きの玉虫の小さな悟り。

一寸だけ語ります。
桑の実や十五歳まで木に登り
今の十五歳とは違う十五歳が有りました。
すし詰め教室から解放されても、進学するのはほんの少し。
後の大方は実社会に触れるわけです。
木に登るのも、桑の実を好きなだけ食べるのも。

生きてきた訳で・・・桑の実が実ると想いが。
より、かをりさんの七七を付けて大人になる頃の女子!が美しいです。
素敵な観賞していただきました。
ありがとうございました。

引用して返信編集・削除(未編集)

花石榴活けて難儀な手紙書く 
役所に届く楷書うつくし
七七をくっつけて頂き、またまた違う世界が広がってきてビックリ!
皆さんの作品もそれぞれ素敵で驚きです。楽しいですね!
ありがとうございました。

引用して返信編集・削除(未編集)

67 でで虫の葉裏にありて深眠り大手飛車差す孫の挨拶
 気に入ってます。面白いですね。この試み。
 短歌から7,7をとったらどうなるか。・・・ダメか。

引用して返信編集・削除(未編集)

邪道どころか実に面白い趣向です。上の575に違う人が下の77をつける、まさに連句の世界ですね。思いがけない方向に行く、自分では制御できないところが面白い。今後もちょいちょいやりましょう。

引用して返信編集・削除(未編集)

私の無点句

95 鱗粉を美しくちりばめ夏の蝶
  少しばかり難しかったのでしょうね。  
 蝶々を捕まえると必ず羽根の部分をつまみますね。すると指先に羽根の粉がつきます。この粉のことを鱗粉(りんぷん)といいます。半透明の羽根の部分が羽化した段階で鱗粉に変化し、その模様がその蝶々の独特の美しさを作っているのですが、蝉にはこの鱗粉がありませんから粉が着くことはありません。モンシロチョウ、クロアゲハ、シジミチョウなどの蝶々の種には必ず鱗粉があるのですが、普段聞き慣れない言葉なので、皆さんの心には響かなかったのでしょう。
 そして重要なことは<美しく>のことです。 この言葉を「うつくしく」と読んだ方なら、この句は5・8・5の字余りになるので、選の対象外になってしまいますね。 俳句用語には色々難しい読み方の文字があるのですが、<美しく>は「はしく」と読むのが正しいのです。 りんぷんを/はしくちりばめ/なつのちょう となりますので5・7・5に収まります。
 春先には眠りから覚めた蝶々やモンシロチョウ、黄チョウなど、小型のものが殆どなのですが、梅雨前の、いわゆる俳句上の「夏」が来ると大型のチョウチョウが見られるようになります。勿論小型のものも飛んでますが、大型がよく目につくようになる。 我が家の庭にも時々アゲハチョウがやって来て、庭の草花に止まることがあるので句にまとめましたが、残念ながら無点となりました。
 美しき羽根の模様や夏の蝶  とすれば点を頂けたのかも知れませんが、平凡過ぎるので掲句のようになった次第です。
 

引用して返信編集・削除(編集済: 2023年06月14日 20:19)

子燕さん、すみません、生意気書いてしまいました。
来月もパリッとした句を楽しみにしております。

引用して返信編集・削除(未編集)

鱗粉の美しさを詠んだつもりなのですが、説明で余計ややこしくしてしまったのかな?  トホホ

引用して返信編集・削除(未編集)

ただ今帰環。
ちょっとそれは違うとおもいます。
蝶という季語に美しさがありますので、子燕さんが桜を詠んで、美しき花とは詠まないとおもいます。
羽根の部分をつまんだ感触とか、羽化した姿、それをおよみなれば。
対象が蝿、毛虫なら 月並みですが 鍬先に毛虫の腸の美しき 悲しさよ でもいいんですけど。
あくまでも、俳句は喜怒哀楽の形容詞はむずかしいです、上位の句にはそういう形容詞入っていませんよね。
自分に言い聞かせる意味で。別にHN変えなくてもlいいですよ。

引用して返信編集・削除(編集済: 2023年06月14日 23:02)

No.1813 かをり 6月14日 23:48

かをりさんへ
 以下の句、作者が入れ替わってますよ。悪しからず。

67 でで虫の葉裏にありて深眠り  (ABCヒロ)
大手飛車差す孫の挨拶
深眠りがいいですねえ、作者の語彙の斡旋に乾杯。
ひとつお孫さんに登場していただきました。

73 白靴やこの世すべてがうさん臭い (ナチーサン)
バブルの頃も生きていたらし
白靴にうさん臭いとは、よう詠んでくださいました。スカッとしました。
最近、株高ですね。

引用して返信編集・削除(未編集)

大変失礼いたしました。
訂正し、お詫び申し上げます。
大手→王手 でした。
ワインの飲みすぎでした。

引用して返信編集・削除(編集済: 2023年06月18日 17:22)

アイビーの俳句鑑賞 その2

アイビーの俳句鑑賞 その2

一日に一つの予定草を引く (玉虫) 
桑の実や十五歳まで木に登り (玉虫)
玉虫さんの高点句2句を取り上げたい。句意は単純明快。要は、作者の玉虫さんと読み手の感性が一致するかどうかだけの問題だ。失礼ながら玉虫さんは私と同年代とお見受けする。いわば何とはなしに、人生のこの先の見通しが読める年代ではなかろうか。この齢になってあれこれ欲張ることもない、一日に一つのことしかできない。またその必要もない。やれることを淡々とやる。やれるのにやらないのは横着だ。2句目。十五歳まで木登りをするのは、別に珍しいことでも何でもなかったのが私らの年代だった。女の子となるとかなり活発な子だが、あり得ないことでもない。今では男も女も木登り自体を見かけなくなったが。

空梅雨のダムの湖底の暮らし跡 (森野)
作者自身の解説でこの句の舞台は御母衣ダムと分ったが、なるほどと首肯される。渇水期にはダムの底からかつての生活の場がそのまま浮かび上がる。しかし村が再びかつての生気を取り戻すことはあり得ず、廃墟は廃墟で、いわば死の世界なのである。あたかも往時の村が復元したように見えても、似て非なるものだ。それほど時の経過は不可逆で容赦が無い。ふと、そんな事どもが頭をよぎった。色んな意味で感慨を催す句だ。

軽鳬の子はうしろが好きでママが好き (ABCヒロ) 
軽鳬は「かるがも」、あるいはこの句のように縮めて「かる」と読む。毎年今の時期にテレビなどで取り上げられ、夏の風物詩になっている。中七、座五と、とんとんと畳みかける調子が軽快で読みやすい。声に出して読みやすいということも、俳句では大事な要素だ。おまけに「好き」を二回繰り返し、リフレイン効果も狙ったあたりが作者の老獪なところ。

岡寺に万の紫陽花咲きそむる (ふうりん)
岡寺は奈良県明日香村にある紫陽花で知られる寺。長谷寺、壺阪寺とともに大和三観音・あじさい回廊として知られる。紫陽花は花の季節が長く、何時までも楽しめる花だが、作者が訪れた時は少し早すぎたか、咲き初めの時期だったようだ。それでも名にし負う紫陽花の名所だけあって、見事な景観だったことだろう。実際に数えたわけではなかろうが、万という具体的な数字が効果的。数字を出す時は少々オーバーな方がよい。こういう場合のリアリズムは無用。

お喋りな庭師三人若葉風 (弥生)
職人の典型としては、寡黙、一徹、律義などの人物像が思い浮かぶ。ところがこの句に登場する庭師は、ものの見事にステレオタイプの人物像を覆してくれた。なんとお喋りな庭師が、それも三人。これは私の想像だが、それほど年配でもなく比較的若い庭師ではあるまいか。これも想像だが、お喋りの内容がなんとも可笑しいのだ。下手な芸人よりよほど笑わせてくれる。一人一人顔や気性が違うように、職人にも様々なタイプがあって然るべきだ。おかげで客のこちらまで楽しいひと時が過ごせた。と、勝手な解釈をしたが、まるで見当違いかもしれない。

次の色悩む姿は七変化 (無点) 
紫陽花やピンクが青に色変わり (無点) 
ともに紫陽花を主題にして惜しくも無点句となったが、無点句となった理由を一緒に考えてみたい。全ての歳時記には、紫陽花は時間の経過により色が変化することが記載されている。つまり読み手は、紫陽花の色が変わることは予備知識として承知しているのであって、そこへ色の変わる様子をそのまま詠んでも、なかなか感動を呼びにくいのではあるまいか。同じ紫陽花の色の変化をテーマにしても、そこに独自の視点があれば詩になる。その実例を歳時記から抽出してみた。
あぢさゐの色にはじまる子の日誌  稲畑汀子
水鏡してあぢさゐのけふの色  上田五千石

以下次号、不定期掲載

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アイビーさん、句の鑑賞ありがとうございます。
これは有名な日本庭園を訪れた時に作りました。
まさにアイビーさんの言われるように若い庭師が数人お喋りしながら手入れをしていました。
寡黙な庭師が黙々と作業をするのも魅力的ですが、楽しそうに仕事をしている様子は微笑ましく
今風だと思いました。

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自句自解

1たらればの人生行路夏来る
  2008年、市の高齢者の居場所づくり事業(サロン活動)に係っていつの間にか15年目を迎えた。現在40名ほどが歌とボッチャなど
 を楽しんでいる。その間他界された方もあり入れ替わりがあったが現在の平均年齢は83歳、ほとんどが昔の淑女である。90歳代3
 人、最高齢は97歳で当初からの常連。平均年齢はやや下がり80歳に。月2回の活動を紹介する「ふれあい」を発刊しており300号を
 超えた。会員の俳句、川柳、短歌や絵、エッセイなどを紹介しているが、今回309号の94歳の作「若いネと主治医に云われ今一度百
 歳目指し勇気湧き出づ」にあまり自己を押し出すことも無く何となく流されてきた人生を振り返り赤面しきりの昨今である。

23 少年は泣き顔見せず今年竹  1
  子供は意地っ張りである。特に男の子は。発達障害を持つ孫は両親の離婚に心を痛めているはずだがわが家の一員になってからは
 弱みを見せない。主治医の診断に反発し薬を拒否したりした中学、高校時代。数学が得意で数独などお手のもの。その彼も昨年成
 人し現在障害者枠で市の職員として主にコンピューター担当として勤務している。この4月に生活の場もグループホームを出て独立し
 た。私も田舎を飛び出したのも21歳。まだ経済観念や人間関係に問題があるが克服して社会人とし成長してほしいものだ。

49 通夜の座を外して白き花卯木 4
  花卯木は卯の花、「卯の花の匂う垣根にホトトギス・・・」の唱歌で懐かしい。コロナで通夜も家族のみ。葬儀も家族葬が主に
 なった。この句、はるか昔親類の通夜に出た折の追憶である。確かお寺での通夜だったと思う。潮騒の聞こえる海辺の寒村での一
 コマ。定年直後のいとこの死である。まじめ人間で村の行事にも率先して切り回し体を壊してからも無理を重ねたらしい。刀剣収集
 の趣味があり大府まで借金に来たことも。運動会も村総出、寒村での校長だけに気苦労が多かったのだろう。

67 でで虫の葉裏にありて深眠り 3
  梅雨に入った。今年の夏は暑いと聞くがどうだろうか。梅雨はどうか。傘を差した通学団など情緒たっぷりだ。月一度の「あい
 さつ運動」では校門での出迎え。一年坊主もだいぶん落ち着いてきた。最近気が付いたことだが面門と裏門とでは子供の様子が異
 なるようだ。元気さが違う。片や商家、片や民家の集落の違いか。マンションなどの子はどこか落ち着いている。思い過ごしかも知
 れない。帰路植え込みに蝸牛を見つけた。初めて見たので触れてみたがじっとしていたのでそのまま通り過ぎた。いつの間にか雨
 は止んでいた。

91 自画像のゴッホの髭や北斎忌
  今はディズニーの子供向けだが以前読売新聞の付録に浮世絵の複製画が付いた。北斎の富獄三十六景もその一つ。添付の解説
 などで楽しんだものだ。一方ゴッホと言えば炎の画家と言われる情熱家、わずか10年間を走り抜けた。残された自画像37点の特徴
 は髭、何故かその中に髭の無いものも。また自死の前に耳切事件を起こしている。左耳を切り落としたと有るが絵はどれも本人の右
 耳に包帯が。本人に向かっての表現なのか不思議だ。いずれにしてもはっきりしているのはゴッホが日本画特に浮世絵にあこがれ北
 斎の「神奈川沖浪裏」を通してコラボレーション(合作)していることだ。北斎忌は陰暦4月18日。

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67 でで虫の葉裏にありて深眠り
この句とても好きです。 かたつむりを最近あまり見かけないなぁーと思っていました。きっと葉裏にいるのですね?しかも深眠り中。今後葉裏で見付けてもそっとしておきます!

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ありがとうございます。

皆様こんにちは。
アイビーさん、いつもありがとうございます。

蛍火の向うに父の大工小屋
高得点をくださりありがとうございました。この句は義父を思い詠みました。
家の前には田圃そして水路がありこの季節には蛍が飛び交いました。その斜め前に義父の大工小屋がある。義父は大工の棟梁で大変働きました。蛍火の向こうには夜なべをする義父がいる。義父は早くに逝ってしまいました。もっとゆっくりとして欲しかったと思います。聞きたいこと話したいこともあったのに、、。
若さで駆け抜けた頃とは違い立ち止まり考えることが多くなりました。
今になって気付くことがあります。

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蛍火の向こうに・・・の1句とても素敵です。
元気でいらした頃のお義父さまを、ヨシさんがどれ程尊敬し親しんでいらしたかがよくわかり、心に残る1句で選句させていただきました。

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幻想としての大工小屋ではなく実際に大工小屋があったのですね。でも蛍火は幻想を誘うほどに儚いものです。亡き義父様を追慕するヨシさんのお気持ちが、あたかも仕事場で黙々と作業する義父様の姿を見たとしても、何ら違和感を覚えません。季語の力を最大限に活かした秀句だと思います。この度の互選トップ、まことにおめでとうございます。

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6/13 、1802の自句自解について

91 自画像のゴッホの髭や北斎忌
  この中で、ゴッホの耳切事件に触れて「左の耳を切ったのに自画像の中では右耳に包帯が」と述べました。何枚かの絵があります
 が皆左耳は健在です。それで気が付いたのが「自画像には鏡を使ったのか」と言う事でした。ちなみに左耳を押さえて鏡を見ると右
 耳を押さえています。いわゆる鏡文字ですね。「そんなこと最初から分かっている」と言われそうですね。
✤着物の着付けの「左前」について
 このことについても以前から疑問に思っていましたが、これも「向かって」ということで、着る側から見れば左前になるんですね。

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アイビーの俳句鑑賞 その1

アイビーの俳句鑑賞 その1
例によって、アイビーの俳句鑑賞3原則に則り感想を述べます。4回に分けて掲載しますが、皆さんも忖度は一切無用、内容がかぶっても結構ですので遠慮なく書き込んで下さい。

ちゃん付けで呼び合ふ老や水見舞 (子燕)
水見舞とは珍しい季語だ。夏の出水に対する見舞で、電話や直接出向いて見舞を述べる。ちゃん付けで呼び合うのだから幼な馴染か、よほど気のおけない間柄なのだろう。そういう両者の関係をまず念頭に置きたい。水見舞とは言いながら、それほどひどい被害ではなかったのだろうか、軽口混じりの世間話に熱が入り、いつしか水見舞は何処かへ行ってしまった。要するに老人二人、水見舞にかこつけて、話し相手が欲しかったのだろう。季語はこれぐらい離して使いたいものだ。

柿若葉ケタケタ笑ふ乳歯の子 (えっちゃんあら) 
ケタケタ笑う子とはまたユニークな子だ。きっとよく笑う子なのだろう、それも声を出して。この子と作者の続柄が分からないが、よく懐き、また可愛がっている好ましい関係が窺える。それを示しているのが季語の「柿若葉」だ。ただ欲を言えば、この子の行動なり、外見の特徴を示す一言があればよかったと思う。たとえば、味噌っ歯とか。乳歯だけでは印象が薄いように思う。

草取女腰をなだめて又しゃがむ (いちご)
夏の庭仕事というのは、つまるところ雑草との戦いに他ならない。中七の「腰をなだめて」の楚辞が秀逸でよく気分を表している。この句は上五に「草取女」と置いたため、草を取っているのは別の誰かという設定になる。作者自身のことに置き換えても面白いと思う。アイビー流に詠めば 
しゃがんではまた腰なだめ草を取る  とか。


みずすましスパイダーマンめく軽さ (虎魚)
直喩の句。俳句の比喩は常識的な比喩では面白くない。と言って奇抜過ぎると読み手が共感しない。そこに難しさがある。この句は、なんとスパイダーマンを持ってきた。これが、例えば忍者かなにかだったら平凡な句になったろうが、よくスパイダーマンを思いついたものだ。最後の「軽さ」の代わりに、気の利いた一言があれば私は特選にしたのだが。

父の日に珈琲豆の挽き立てを (コビトカバ)
私にも娘が一人いるが、おそらく作者も娘さんがいるのだろう。父の日と言うことで娘さんから挽き立ての珈琲豆をプレゼントして貰ったのだろうか。少し照れくさいような、嬉しいような気分の父親の気持ちがよく表れている。息子ではそんな気配りもセンスも無い。息子のいない私でも、自分自身が男だからそのくらいは分かる。コビトカバさんはコーヒー党なのであろうか。そうだとすれば一層味わい深い句だ。

名人に一手一手せまる夏衣 (ラガーシャツ)
藤井聡太六冠がとうとう名人になった。まだ二十歳の青年が頂点を極めた。どうも野球の大谷にしてもそうだが、俗なことに一切興味が無く、将棋一筋、野球一筋のようだ。と言って偏屈な変わり者でもない。間違っても酒と女に溺れる心配は無さそうである。将棋といえば和服、特に名人戦ともなるとスーツというわけにはいかない。そこで夏衣だが、夏衣だと和装か洋装か判らない憾みがある。羅(うすもの)、夏(絽,紗)羽織、夏袴など和装を示す季語を使いたい。あるいは扇子などの小物でもよい。

十薬や嫉妬蔓延る我が職場 (無点)
惜しくも無点句となったが、職場に蔓延する悪しき風潮を憂える作者。真面目な人ならなおのこと悩みは深い。ただ俳句でこのようなことを詠むと、読み手が引いてしまうことがある。救いのない気分になってしまうからだ。同じ内容にしても個人の体験ではなく、一般論にすれば共感も得られる。アイビー流に詠めば
埒もなき噂捨ておけどくだみ草

以下次号、不定期掲載

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珈琲豆の句の鑑賞ありがとうございます!
挽き立ての珈琲豆のあの香りの芳しさには本当に癒されます(^^)

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珈琲豆の句、私はお父さんに向ける娘さんの気持ちと解釈しました。
母の日と違い父の日のプレゼントは悩ましいもの。
挽きたてと珈琲とは何とも気の利いたプレゼントではありませんか。
句もオシャレですし、父の日のプレゼントとして良いアイディアを頂きました。

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