12月度みんなのネット俳句会・互選結果発表
12月句会のトップは10点を集めたダイアナさんの「冬うらら」の句でした。次いであんのんさんの「除夜の鐘」の句で、1点差の9点でした。以下、ABCヒロさんの「寒紅」の句が7点、弥生さんの「十二月」の句が6点と続きました。
10点句 42 診察は旅の話しや冬うらら (ダイアナ)
9点句 5 除夜の鐘こころざし秘す十八歳 (あんのん)
7点句 52 寒紅を引きて女は強くなる (ABCヒロ)
6点句 19 広告に溢れるおもちゃ十二月 (弥生)
個人別総合では、ダイアナさんが16点でトップでした。
12月度みんなのネット俳句会・互選結果発表 特選2点、並選1点で計算。
1 早咲きの山茶花一輪短冊に (みにょん) 2 ◎えっちゃ、
2 よろよろと歩む姿は狂ひ花
3 畝間では白き肌魅せおでん酒 (和談) 1 ヨヨ、
4 亜米利加は未だ銃社会開戦日 (ABCヒロ) 2 ◎ちとせ、
5 除夜の鐘こころざし秘す十八歳 (あんのん) 9 ダイア、◎尾花、◎ラガー、◎森野、ふうり、アイビ、
6 片手ずつ手袋外し手を繋ぐ (玉虫) 4 茶々、にゃん、かをり、コビト、
7 冬日射す水飲み台に小鳥の像
8 初雪や音なく過る鳥の影 (馬渡谷) 2 えっちゃ、アイビ、
9 人は人吾は吾だと冬将軍 (コビトカバ) 2 ラガー、えっちゃ、
10 ほどほどの二年連用日記買ふ (ナチーサン) 4 ◎ヨシ、◎みにょ、
11 雪催ひしいんと生きる村の知恵 (かをり) 2 ダイア、森野、
12 枯草を束ねて結ぶ通学路 (尾花) 2 ナチー、森野、
13 未来とは後のことぞ日記買ふ
14 大阿蘇の枯れて尾花の風となる (森野) 4 ナチー、馬渡谷、◎にゃん、
15 炬燵中先に籠るや熊よりも (ヨヨ) 1 和談、
16 県境を超えれば一面冬紅葉 (ふうりん) 1 ヨヨ、
17 炬燵猫寄せる寒気に薄目開け (茶々) 1 えっちゃ、
18 蜜柑食べ掌談義始まりぬ (ヨシ) 2 玉虫、かをり、
19 広告に溢れるおもちゃ十二月 (弥生) 6 ちとせ、馬渡谷、◎ABC、◎コビト、
20 掃いたあと掃いたあとへと落葉かな (アイビー) 5 ちとせ、和談、弥生、ABC、みにょ、
21 冬の朝烏らは鳴き芥を出す
22 一日を炬燵を出ては戻る猫 (にゃんこ) 1 茶々、
23 ポトフ煮る厨の外は虎落笛 (ダイアナ) 2 尾花、ふうり、
24 電線に音符の響く寒雀 (茶々) 1 ヨヨ、
25 暮れ際のポインセチアの並ぶ店 (みにょん) 1 弥生、
26 しがみつき耐えて残る葉落葉風
27 寒いよーJapanの家は地獄かな (ラガーシャツ) 1 ふうり、
28 パリパリと音する夜道聖夜ミサ
29 先生の前いきなりの大くさめ (ABCヒロ) 3 尾花、玉虫、にゃん、
30 白駒の根上がりに苔雪化粧
31 埋火やあいまいに生くこれよりは (あんのん) 5 ナチー、玉虫、森野、かをり、ヨシ、
32 年の瀬や歌姫昭和の歌を吐く (ナチーサン) 1 和談、
33 陸奥の湯宿初雪にして根雪 (馬渡谷) 1 てつを、
34 当主にて終ふ湯やどの冬構 (かをり) 3 ◎馬渡谷、アイビ、
35 早朝のバス凩と共に待つ (コビトカバ) 1 ダイア、
36 枕木も朽ちて廃線冬ざるる (森野) 5 ◎ダイア、ヨヨ、ABC、アイビ、
37 葉ぼたんや日時計我の腹時計 (尾花) 1 弥生、
38 最後には玉子で〆るおでんかな (ふうりん) 3 弥生、ラガー、ABC、
39 小春日やまたひとり来て畦談義 (てつを) 3 あんの、コビト、みにょ、
40 群と呼ぶ数には満たず鴨の池 (弥生) 2 あんの、にゃん、
41 池鏡もみじ葉映す東山
42 診察は旅の話しや冬うらら (ダイアナ) 10 ちとせ、ナチー、◎てつを、◎弥生、ラガー、にゃん、ヨシ、アイビ、
43 コンビニのおでんと言へど侮れず (アイビー) 1 てつを、
44 真夜中に猫の入り来る蒲団かな
45 雪降ればちちははの声雪積もり
46 突つつけば海鼠のつそり復元す (アイビー) 4 ちとせ、尾花、玉虫、馬渡谷、
47 貫けずとても虚子には初昔 (ラガーシャツ) 2 ◎かをり、
48 大根の皮は剥かぬと諭されて (玉虫) 1 えっちゃ、
49 苔庭の日暮れ寂しき冬紅葉 (みにょん) 2 ダイア、和談、
50 初冬の夜道へ誘う電飾衣
51 補助具付け杖つく人や冬日燦 (ちとせ) 2 馬渡谷、アイビ、
52 寒紅を引きて女は強くなる (ABCヒロ) 7 てつを、◎あんの、ラガー、コビト、ヨシ、アイビ、
53 暗闇を燃やす晦日の熱気かな (コビトカバ) 1 みにょ、
54 長生きのめでたきことと言ふ冬日
55 綿虫や逢うて語るも易からず (かをり) 4 ◎玉虫、あんの、コビト、
56 襖絵の虎の眼や山月忌 (馬渡谷) 2 ◎ナチー、
57 日当たりて鴨一列に堰の上 (てつを) 4 ヨヨ、茶々、かをり、ふうり、
58 屑籠に師走の芥放り込む (ナチーサン) 1 尾花、
59 佇めば風吹き抜ける松手入 (ヨヨ) 3 ◎和談、森野、
60 冬晴の天守見惚るる竜吐水
61 百均で探すあれこれ年用意 (弥生) 1 ABC、
62 枯蔦や異人屋敷の跡と聞く
63 電飾の街や二人のクリスマス
64 着物着て外つ国人も紅葉狩 (ふうりん) 3 茶々、ヨシ、みにょ、
65 寒烏逢引きですか見つめ合ふ
66 豆炭の埋れて赤き火鉢かな
67 父の癖思ひだして冬至柚湯 (えっちゃんあら) 1 アイビ、
68 足音に日々の疲れや年詰まる (ヨシ) 2 ◎ふうり、
69 吾子の名の縫い取りありぬ吾の手套 (ダイアナ) 4 てつを、◎茶々、あんの、
*投句者は森野、えっちゃんあら、ラガーシャツ、ABCヒロ、弥生、コビトカバ、馬渡谷、ヨヨ、ちとせ、和談、玉虫、あんのん、ナチーサン、ふうりん、尾花、アイビー、ヨシ、てつを、にゃんこ、みにょん、茶々、ダイアナ、かをりの23名。
*間違い、その他不都合な点をご連絡下さい。
46 八月の悼みごころの靴並ぶ(えっちゃんあら)
8月は新盆をはじめ、仏事が多いのでとても光景が身にせまります。
そんなとき、私は線香をあげにきていただいたお客様の靴をそろえる役目でした。
季語は新盆や で切って、悼み心は悼む心 でよろしいのでは。失礼御容赦ください。
82 マスカット一房囲む甘さかな (ふうりん)
これはマスカットの甘さとその場の甘やかな雰囲気を詠んだ句ではないでしょうか。
マスカットにやや比重を置いて、下五をあまやかさとしないで逆に場の余韻が残りました。
ほんのり幸せな気分にさせていただきましました。
86 表札はローマ字表記秋の薔薇 (弥生)
かっちりとした造りの洋館風の家がみえてきませんか。
それはローマ字表記という措辞の固さと薔薇という季語の揺るがない名詞のなせる技。
けれんみのない、よき写生句。自分しか採らないとおもっておりましたが、比延さんが採っておられうれしいです。
88 太陽のコロナ閉じ込めスイカ玉 (てつを)
今年のスイカは炎暑に耐えてだけあって、甘さが凝縮されていますね。
さて、スイカは太陽そのものと気付かされました。紅い実はコロナ、種は黒点ではないですか。
94 御所東膳を揃えて生身魂 (ラガーシャツ)
御所東は京都市街地の名称でよろしいでしょうか。 敬うべき年長者のことを生身魂というのを知りました。。
地縁なのか帰省の句なのか、縦書きにしたら字面が格調ありますでしょ。
口ほどに字面はものを言いますのでいただきました。
112 奪衣婆の乳房あらはに黴の堂 (アイビー)
じめっと怪談めいた雰囲気。
最初、三遊亭圓朝により創作された怪談「乳房榎」をおもいました。
乳房榎は女の業、しかしこの句の根底は諧謔のおもしろみを秘めております。
なので、黴はつきすぎかなあ、夏の堂くらいで。
114 藍浴衣男嫌ひをとほすかな (えっちゃんあら)
藍色の単色に托されたお気持ち、すがすがしいです。つけます
藍浴衣男嫌ひをとほすかな 愛想尽かしの八ツ橋となり
歌舞伎の八ツ橋はいいひとがいて男嫌いではないですが、ごめんなさい。
取り急ぎ、意味不明、誤字脱字お許しください。
かをりさん、鑑賞ありがとうございます。
薔薇と洋館ではつきすぎてしまうので、何となく洋館をイメージできるような言葉を探しました。
景を想像していただけた様で嬉しいです。
弥生
14 鉢植えに灯る夕菅ひと夜花 (森野) 1
今回、夕菅の句が2句出ました。同一の作者かも知れません。儚い夕菅の花を鉢植えにおいて、贅沢な一夜を作者は満喫していま
す。絶滅危惧種に指定されている夕菅、きっと作者の思い入れのある身近な花なんでしょうね。
24 ほおずきやほの口をして吹き鳴らす (弥生) 2 ◎にゃん、
ほおずきというと海のほおずきを思い出すんですがこの場合は陸のほおずきでしょう。中七の「ほ」の口とはどのような形でしよ
う。いろいろ鏡で試してみたんですが。口の膨らみと思いますが自解戴ければ幸いです。
25 夕菅や湖に暮れゆく比良比叡 (てつを)
夕菅は絶滅危惧種に指定されている貴重な花です。夕方から咲くのでこの名前があるそうです。夕方湖面に黄昏が。比叡を背景に
儚い夕菅、幻想的な情景にうっとりしてしまいます。
55 語り部の白髪三千丈原爆忌
今回6年生の語り部の句がありましたがこの句は白髪の老人。体験に基づいた切々たる語りが思われます。年々語り部が高齢化し
貴重な存在になっています。この語りが平和への懸け橋になることを願うのみです。無点句ですが心に残る句です。
87 風鈴にふれてにこにこ抱つこの子 (尾花) 7 ◎弥生、
一読心が暖かくなる句ですね。抱っこされた子の目線の高さに丁度風鈴が。日常の風景が素直に表現されました。平凡の中に真実
が。
95 豊漁の鰯クレーンの網開く (ダイアナ) 5
漁業の実景をありのままに表現されました。起重機に巻き上げられた鰯の群れ。網からあふれ出る鰯の塊、臨場感溢れる一句にな
りました。
111 やわらかき野に膝をりて今朝の秋 (かをり) 3
何気ない仕草で秋の気配を表現しています。繊細な感情の表現を上五に託した素直な佳句と思います。
「海ほおずきは、アワビなどの巻き貝の卵塊(卵巣)を乾燥させたもので、植物のホオズキとは異なります。昔は魚屋さんでも売られていましたが、現在では珍しいものとなっています。」
以上はネットでの表記です。私も初めて海ほおずきがアワビなどの巻貝の卵巣とは知りませんでした。私の故郷は三重県の志摩半島の漁村で当時同級生の母親はほぼ海女でした。母親が与えたんでしょう。女の子はよく口に含んで鳴らしていました。「グウグウ」と音色はあまり冴えたものでは無かったような気がします。
ナチーサンさん、今朝の秋に一票ありがとうございます。
膝をついて茄子を摘み仏壇にお供えました。
選評のとおり、夏季休暇ちゅうであり、ゆったりと素直な気持ちで詠めました。
比較的日々尖っておりますが、自然や御先祖様に感謝の気持ちで生きていきたいです。
ほおずきに海ほうずきがあることを知りませんでした。
ひとつ知識を得られました。
ほの口は説明が難しいのですが、はひふへほの「ほ」、つまり口を尖らす感じです。
ほうずきを口の中に入れて穴を手前にして唇で押し出すようにして鳴らします。
お世辞にも綺麗な音とは言えませんが。
弥生
10 小六の語り部ガイド広島忌 10 ◎ヨシ
今回語り部の句が2句ありました。迷いましたがこちらを選びました。6年生と言えば平成生まれ。被爆者の高齢化に伴い悲劇の伝
達者が激減、語り部として登場したのが小学生。実体験はありませんがこれは殆どの大人も同じこと。今の子供たちはAI等の影響で
知識は豊富、侮れません。未来の平和は若い力に託されています。
40 長崎の鐘の復元盆供養 (茶々) 5 ◎ナチー、
長崎の双塔の鐘のことは新聞で知りました。「80年ぶりに復活した浦上天主堂の【双塔の鐘】が鳴り響いた。」と報じられました。爆
心地から約500mの旧天主堂は壊滅し北側の鐘は大破、南側の鐘はほぼ無傷。再建された天主堂につるされ「長崎の鐘」として復興
に勤しむ人々の心の支えになったそうです。米国のカトリック信徒らの寄付によって揃い復活した双塔の「長崎の鐘」、作者はこの
報に心を動かされたのでしょう。特選に戴きましたが季語に一工夫要るかもしれません。
46 八月の悼みごころの靴並ぶ (えっちゃんあら) 3
八月の痛みと言えばいろいろ考えさせられますがそれを言わず読者に委ねています。一方この句中七、下五の措辞に多くを語らせて
います。何度繰り返しても心に響く佳句と思います。特選にとも思った句です。
74 面痩せの何処に立ちても夕立かな (かをり) 1
面痩せと夕立ちの取り合わせ。中七の働きが秀逸。何度読み返しても成程と納得させられる句です。上手いですね。
88 太陽のコロナ閉じ込めスイカ玉 (てつを) 4
コロナ騒ぎで本来の意味を忘れていましたが、コロナは本来は太陽大気の最外層の事なんですね。改めて読み返して みると西瓜の真
髄が見えてきます。日を浴びて育つスイカは健康そのもの。太陽のコロナが詰まっているんですね。叩くと響きますね。成程。
96 秋簾昭和の会話聞こえそう (ABCヒロ) 2
今は日除けはカーテンが主流。朝顔やゴーヤなどが一役買っている様は微笑ましいものです。本来の簾は竹やアシを糸で編んだもの
で涼気をそそるものです。作者は簾の襞から昭和の会話が聞こえるというのです。何と言う感性。昭和のメロディーかもね。秋簾昭
和は遠くなりにけり
112 奪衣婆の乳房あらはに黴の堂 (アイビー) 3
主語は黴。カビの生えたお堂、陰鬱な空間。そこに脱衣婆の登場、しかも半裸。地獄図の一幅とも思える風景。作者の表現したい意
図は何処にあるのか。ぜひ、自解していただきたい句です。
114 藍浴衣男嫌ひをとほすかな (えっちゃんあら) 5
大人の俳句ですね。上五の季語が意味深ですが作者の自解を求めたい句ですね。独身をとおすと言った大人の俳句ですね。上五の季
語が意味深ですが作者の自解を求めたい句です。独身をとおすと言った単純なものではなさそうですね。
ナチーサン、遅ればせながら面痩せの句、ありがとうございます。
画家の妻:モディリアーニ夫人の肖像を見ての一句です。
俳句以外の芸術文芸、また違った分野を学ぶのは創作の裾野が広がります。
10番ははダイアナさんの句で今回の巻頭句でした。
朝戸開け~横たふる、のお句を特選でいただきました。
横たふるがちょっと気になるのですが、旧かなでしたら、横たはる
ではないでしょうか❓️😃ちょっと気になりましたので。
結論から言うと「横たはる」も「横たふるる」も、どちらも正解のように思います。
夏草に人横たはる時ばかり 川端茅舎
荒海や佐渡に横たふ(とう)天の川 松尾芭蕉
芭蕉の句は音便形をとっていますが、元の形は「横たふ」です。連体形にした時はどうか、という問題はありますが、現時点では両方正解という結論になりました。
ちとせさん、早速御返事ありがとうございます😃実は私はもう全然古文は分かりません。娘とラインしてて娘はちとせさんがおっしゃるとおり、終止形は、横たふ、では?と申しまして。私は旧かなにすればと、ちとせさんのお句をダシに楽しく談議してました😃
娘はネット俳句会の隠れファンです😃失礼しました🙇
横たふ
何か修飾するなら横たふる川とか、終始形ではふですね。俳句では字足らずなので他下一横たへるのが良いのですね、きっと、宜しくご指導の程🙇♂️
ダイアナさんへ
拙句 朝戸開く外に暑熱が横たふる
特選いただいて有難う御座います。35度越えの連日の暑さ、朝も昨日来の暑さがそのままむわっと、そこで出来た句です。私の句会では作句は文語体でと、勿論現代文もいいのですが。古文は高校時代勉強しただけで苦手ですが、文語体の下二段のよこた・ふを使いました。他下一の横たへる程人の手が加わったものではなく。正しいかどうか分からないのですが。
今回のダイアナさんの
小六の語り部ガイド広島忌
以前の拙句
子ども代表の宣言清し広島忌
詠んだの思い出しました
「横たふる」という言い方があるかどうか、調べてみますので少し時間を下さい。
間違っていたら、すみません😢⤵️⤵️🙏
今日23日は二十四節季の「処暑」になるそうですが、これだけ猛暑が続くと気分が出ません。歳時記の季節感からしてアテにはなりません。一年の半分は夏のような気がします。
遅くなりましたが、いただいた句の感想を書きました。
森更けてなほ蜩の鳴き止まず (森野)
「森更けて」という表現が素敵と思いました。夜になっても森から蜩の声が聞こえてくる、それだけのことしか書いていないのですが、句を読み終えた瞬間にすっと山に連れていかれて、森から吹く清涼な風を感じたような気がしました(感じたことを上手く言えなくてすみません)。
手花火のじじと弾けてみな終る (かをり)
最後に少しだけ光って燃え尽きる手花火。「じじ」がいいですね。手花火で遊ぶ楽しい時間が果てた後の寂寥感…。今年の夏ももう終わりです。
蛍の点滅闇を争はず (ナチーサン)
「闇を争はず」という言葉に、はっとさせられました。蛍の光の点滅はメスに対するアピール合戦と思っていました。私も、競ったり、争ったりするのが好きなヒトの一人と気づかされました。
藍浴衣男嫌ひをとほすかな (えっちゃんあら)
すでにえっちゃんあらさんが句の背景を説明されていますが…。藍染の浴衣がハンサムな女性によく合っていると思いました。
ナチ―サンさん
私は、まちまちに蛍が光って飛んでいる光景を思い浮かべていました。
蛍は同調して光るのですね。読みが浅くてすみません。
コメントを読んで「闇を争はず」がますます心に滲みてきました。
にゃんこさんへ
蛍の点滅闇を争はず (ナチーサン)
拙句へ鑑賞いただき有り難うございました。この句テレビを見ていての句ですが、どこでしたかほたるの里で無数の蛍が揃って発光を止めその間一瞬の闇の静寂が、それが規則正しく繰り返される状況に心打たれ詠んだ句です。これも子孫を残す生物としての蛍の営みの現象でしょうか。この規則正しい点滅の現象に暫し心を奪われてしまいました。
将棋王位戦7番勝負第4局は、藤井王位3勝を受け熱戦の末先ほど永瀬九段が130手で藤井王位を降し1勝を挙げました。後手番の挑戦者の粘りに屈した形の藤井聡太、勝負は分からなくなりました。第5局は来週の8月26日㈪27日㈫四国は徳島市で行われます。乞うご期待です。
藤井王位久しぶりの敗戦
永瀬九段間違いの無い将棋でしたねー。この後もいい戦いを見せてください。
アイビーの俳句鑑賞 その3
腹当は明日の元気を約束す (コビトカバ)
この句は「腹当」が季語。私は腹当をしているのは作者自身ではなく、育ち盛りの子どもを案ずる母親の立場で詠んだものと思う。「明日の元気を約束す」るのは、母親としての立場での述懐に相違ない。そう考えれば、この句の味わいは一層深くなる。勿論、作者自身はそうは言っていないが、言外の意図を汲みとるべきだろう。
朝戸開く外に暑熱が横たふる (ちとせ)
朝、戸を開ければ熱気がムッとする。やれやれ、今日も暑くなりそうだ。そんな気分を作者は「暑熱が横たふる」と表現した。一歩引いた表現ながら、説得力がある。天候相手に嘆くのは詮無いことながら、一種の倦怠感にも似た気分が上手く表現されている。
つかの間の生とも知らで蝉鳴けり (みにょん)
みにょんさんは、当ネット句会には初投句。これからもよろしくお願いします。蝉の一生は、ほとんど地中で過ごし、成虫として地上で鳴くのは短い。一週間ほどで死んでしまう。精いっぱい、命の限り鳴く蝉に、ものの哀れを感じた作者。何事かを感じるところから、俳句が始まる。
太陽のコロナ閉じ込めスイカ玉 (てつを)
俳句では「日」を使うことはあっても、「太陽」は使わないか、あってもごく稀だ。ベテランのてつをさんは、敢えて「太陽」を使った。使う必然性があったからに違いない。実際、この句の場合、「日」では夏の照り付ける陽光の気分が出ない。まして、中七で「コロナ」が出てくるからなおさらだ。
暑くなる予感小石に躓けり (ナチーサン)
二物取り合わせの句は、一見、関係なさそうで、微妙に関係ありそうな匙加減が難しい。その点、掲句は理想的な離れ具合と感じた。「即かず離れず」を再認識させてくれるような句。今日も暑くなりそう、うんざりすると言うより、「予感」とサラッと言ったのも良いと思った。
みちをしへ遥か先行く父の背ナ (玉虫)
「みちおしへ」は班猫(はんみょう)という昆虫の異名で、少し行っては立ち止まる、また少し行っては立ち止まる様子が,ちょうど道を教えているようだと名付けられた。壮年の父親の背中が途方もなく大きく見えた、幼年時代を回顧しての一句。父親の背中は幼い作者には、どう頑張っても追いつけないほど大きな存在だ。無言のうちに、人としての在り方、人生というものを教えてくれたのではないか。今さらのように気づく作者なのであった。
長崎の鐘の復元盆供養 (茶々)
名曲「長崎の鐘」で名高い大浦天主堂の鐘は、もともと鐘楼が二つあったと聞く。長崎原爆で大破して、一つだけになった。それが、米国のカソリック信者の手で今年復元されたことを、茶々さんが早速詠んだ。季語を「盆供養」としたが、ここは素直に「長崎忌」でよかったように思う。
以下次号、不定期掲載。
「原爆忌」だと広島、長崎の特定ができないので。この句の場合は長崎でなくてはなりませんから。
アイビーさんへ
長崎の鐘の復元盆供養 (茶々)
今回この句の鑑賞の際季語の斡旋について触れましたが長崎忌ですか、成程、私は原爆忌が浮かびましたが。いずれにしても季語の働きは大きいですね。
アイビーさんへ
暑くなる予感小石に躓けり (ナチーサン)
拙句取り上げていただき有り難うございました。私は句づくりの心得として身近な素材を平易な言葉で素直に表現することを心掛けています。その際季語の斡旋に苦慮していますが「即かず離れず」を心掛けていますがこれがまた難しい。「付き過ぎ」ることが多いです。妣が色紙等に俳画を添えていましたが絵の選択に苦労していたようですね。季語の重なりも避けたいところですが、生け花と同じで主になるものを添えとして支える場合は効果を発揮する場合もあります。やはり全体のバランスでしょうか。
アイビーさんへ
腹当の句も鑑賞いただきありがとうございます。
腹当は子供はもちろん、大人の方も腹巻で守ってる人いるだろうなと思って作句しました( ̄∇ ̄)
にゃんこさん、ほおずきの句の鑑賞ありがとうございます。
幼い日にほおずきで笛を作ろうとして、中身を出すのさえも苦労したことを思い出し、
今回YouTubeで探していたら色々と吹き方を工夫している画を見つけ微笑ましく思い句にしてみました。
弥生
弥生さん
ほおずきの実の皮を破らないよう、苦労しましたね。
今はYouTubeで見られるのですね。
今度みてみようと思います。
アイビーさん、お暑い中とりまとまとめお疲れ様です。
4 サイレンへ風止まる街原爆忌 (にゃんこ)
これは8/6の広島の句だと推察。
その日は高校野球も毎年黙祷、暦と違い盛夏の蒸したやるせない戦後という感じをいただきました。
戦後とは何だろうと考えされました。私は嫌ですが、そろそろ人間好戦説が出てくる頃かとおもってます。
以下ちと歌会とか事務仕事とかあり、感想月末になりそうです。御容赦。
かをりさん
拙句鑑賞ありがとうございます。
おっしゃるとおり、8月6日の句でした。
人間好戦説とは恐ろしい…。
無力な私ですが、戦後が戦前にならぬよう、世の雰囲気に流されないよう、地に足をつけて歩んでいかなければと思っています。