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◆ハイヒール句会◆ ☆ 第3回 三月句会「雛祭」☆ ◆きっこ入選◆

  ◆ 春の空カラマツ林あおみさし 葦樺
○俳句では、表記がとても重要です。カラマツを漢字で「落葉松」と書くと、もっと良くなりますね。

  ◆ 藪椿いやになるほど落ちてをり ハジメ
◎中7に思い切り主観を出していることが、かえって面白さを引き出していますね。とても良い写生句です。

  ◆ 春愁や警察官の巡回す 哲仁
○不思議な感覚のある面白い句ですね。植物などの目に見える季語にして、もっと現実的な景にすると、さらに良くなるでしょう。

  ◆ 雛の夜の母の語りを聴いて果つ えみ
◎お母さまの子供の頃のお雛様にまつわる話を聞いてあげたのでしょうか?とても暖かみのある良い句ですね。

  ◆ 残る鴨青き藻屑を曳きゆけり ひろみ
◎問題なく特選句のレベルなのですが、どうしても「青みどろひきずり来たり亀の首/辻桃子」を連想してしまい、泣く泣く入選にさせていただきました。ごめんなさいね。

  ◆ 春風に待合室のニュースかな ちかこ
○「春雨」なら悪いニュースを連想しますが「春風」ですから、きっと良い報せなのでしょう。想いを季語に託している良い句ですね。

  ◆ 春うらら眠れる美女にエレキバン ぱふぱふ
○こう言った題材は、できる限り雅やかに詠いましょう。例えば「うららかや眠れる美女のエレキバン」と詠っていただければ、数倍良くなります。

  ◆ 雛の日やバッグの中に丸きもの ののこ
〇とってもかわいらしい句ですね。「丸き」は「まろき」と読みたいですね。「に」が「の」であれば◎の句ですね。

  ◆ 雛の宵しばし灯りや五目寿司 可津美
〇中7の表現がもう少し分かりやすくなれば、もっと良くなりますね。

  ◆ 啓蟄や芝刈り機具の試運転 ふじけん
◎主観を省き、季語とモノとコトだけで、土や草の匂いまでして来ます。骨組みのしっかりした、とても良い句ですね。

  ◆ 兄一人雛の宵に生まれしと なつみ
◎何でもないことでも、雅やかな詠み方をしているので平安絵巻のように感じてしまいます。兄が生まれた時点では、まだ作者は誕生していないと言うことを句末の「と」がしっかりと詠っています。

  ◆ 一口のジャムの残りや春炬燵 水星人
○取り合わせはとても良いのですが、炬燵の上にジャムがあるのでしょうから、もう少し切れが弱ければ、と感じました。

  ◆ スーツ着て桜の蕾見る人ぞ はな
○本格的なお花見ではなく、営業回りのサラリーマンのちょっとした憩の時間ですね。蕾と言う言葉から、初々しい新入社員を想像します。

  ◆ 色々な出会いと別れしゃぼん玉 まさし
○美しくも儚い「しゃぼん玉」と言う季語と、描写がとても良く響き合っています。

  ◆ ベランダにゴミ袋鳴る春嵐 むらびと
◎上5中7の描写はとても良いのですが、季語が答えになってしまっています。もったいない句ですね。

  ◆ ひとすぢの帯解かれゆく春の湖 こう
◎今回の最高得点句なのですが、あたしにはこの描写が、水鳥か何かの水尾(みお)の様子を帯に見立てているのか、実際に誰かが着物を脱いでいるのか、今ひとつ分かりませんでした。「ひとすぢの水尾解かれゆく~」であれば、間違いなく特選にいただいていました。

  ◆ 海鳴りに消さるる祝詞雛送り ナナ
◎とても良くできた句なのですが、「海鳴りや袖ゆたかなる享保雛/浦川聡子」を思い浮かべてしまいました。

  ◆ 春日和土手より川のボラ騒ぎ のらちゃん
○「土手より」と言う表現が、土手からボラを見ているのか、土手で遊ぶよりもボラ見物をしているのか、ちょっと曖昧ですね。

  ◆ 春浅し仮病の子へとプリン買ふ 麻貴
◎「春浅し」と言う季語が「仮病」と言う言葉ととても良く響き合っています。子への愛情にプリンも揺れています。

  ◆ 海老天の尾の首(ぬし)いづく流し雛 一某
○「首」を「ぬし」と読ませるのは、少し無理があります。でも、季語の斡旋は秀逸ですね。

  ◆ 式服のボタン付け替ふ春の雨 かへで
◎ボタンを付け替えることにより、冠婚葬祭に対応する式服なのでしょう。季語の斡旋により、悲しいほうの式だと言うことが伝わって来ます。

  ◆ 墨の香や古人の春の歌 遊起
◎「古人」は「いにしえびと」と読みます。平安の和歌を書き写しているのでしょうか。とても春らしい句ですね。

編集・削除(編集済: 2022年12月04日 00:04)

◆ハイヒール句会◆ ☆ 第3回 三月句会「雛祭」☆ ◆相互選・特選感想◆

  ◆ 卒業歌流れてゐたる渋谷かな ののこ
☆卒業歌が流れて、渋谷が一瞬にして違う雰囲気に変わったようです。かへで
☆自分の中の、渋谷のイメージには無い様な句で、逆に斬新さ感じました。まさし

  ◆ 啓蟄やクロスワードの一つ解け ナナ
☆啓蟄と言う冬眠の虫の地中から出て来る古い言葉とクロスワードと言うPC用語?を巧に使いこなした句会にはあまり受けない句を大胆に出された勇気を先ず褒めます大変良い句です。可津美

  ◆ 残る鴨青き藻屑を曳きゆけり ひろみ
☆一読、菜屑かとも思ったんだけど、藻屑のほうがよりリアル。うまいなぁと思いました。龍吉
☆雰囲気がありますね。えみ

  ◆ 雛飾り小さき古布の展示会 遊起
☆とってもお気に入りです。ぱふぱふ

  ◆ 春風に待合室のニュースかな ちかこ
☆待合室のニュースは明るいニュースなのでしょう。春風のような。ふじけん

  ◆ あふれ湯の遠き道のり星朧 こう
☆自分の目標に向かってひたすらに努力する姿がみえるようです。お風呂の中で思いめぐらす様子が良いです。遊起

  ◆ 雛の日やバッグの中に丸きもの ののこ
☆懐紙に包んでもらった小饅頭かな、それとも新色の口紅のキャップのカーブかな、それとも携帯のストラップのドラえもんの頭かな・・・・・。「丸きもの」が気になる雛の日の女の子。バッグの中の小さい秘密を楽しむ様子が愛らしいです。知香

  ◆ 車座を解きて菜の花畑かな きっこ
☆畦道でお弁当が済み一斉に立ち上がり仕事を始める風景が浮かびます。むらびと

  ◆ 父待てず子の寝てしまふ雛の日 麻貴
☆これは実感です。こんな事もありました。ちかこ

  ◆ 右足も右手も私春の雪 さんちゃん
☆右足右手にすごーい愛着がありとても愛おしさがあふれていて、春の雪の季語の淡さや明るさがピッタリだと思います。ナナ
☆賛否両論ありそうな感じですが、好きな句(世界)でした。作者の挑戦の心意気が感じられると思います。麻貴

  ◆ 大栄螺天地無用と焼かれけり 一某
☆天地無用という言葉が、大きい栄螺を表現するのにぴったりだと思いました。ひろみ
☆大胆な表現で、いかにも大きなさざえがゴロンゴロンと焼かれているようでした。その大胆さに一票。こう

  ◆ 工房の隅に日溜り硝子雛 jtak
☆硝子工房でしょうか。隅に出来た日溜まりが、ぽかぽかとして、光の筋までが見えるようです。その中に硝子雛がありキラキラと反射している。視覚的にも心情的にも暖かいですね。倭瑠

  ◆ ももいろにゆきいろ混じり雛あられ 龍吉
☆ピンク、白をももいろ、ゆきいろとしたことで景がリアルになった。ののこ

  ◆ あや取に夢を組行く孫の春 可津美
☆ほのぼのとしたあたたかい感じがして孫を優しく見守っているおじいちゃん・おばあちゃんの目線が見えてくるようでいいです。はな

  ◆ ちまちまと琴爪ひひなの調度とて 知香
☆中七の「琴爪雛の」、を「ひひな」の平仮名にして、字を余らせた事で、6.5音位だったのが7音に発音できてリズムが良くなり、句全体が流れる様に成っている点に感心しました。葦樺

  ◆ ひとすぢの帯解かれゆく春の湖 こう
☆ひとすぢの帯とは、作者の心の帯だろうか。海ではなく、湖にしたところで、儚さ、また作者の芯の強さが出ている気がします。  水星人
☆春の渚を高みから見ているのだろうか...。連想が膨らみます。jtak

  ◆ 海鳴りに消さるる祝詞雛送り ナナ
☆雛送りの行事に町長か村長が挨拶を述べるのでしょうか。海の町らしく海鳴りがすぐ近くにいる感じがいいですね。ハジメ

  ◆ 式服のボタン付け替ふ春の雨 かへで
☆句意朦朧句景鮮烈!“かがる”ではない“付け替ふ”は、総取り替えをイメージさせます。慣習として在るのかとも思うが、このフレーズは強烈、強烈です。 “春の”だからおそらく、「晴れ」の席の拵えなんだろうが、“春の雨”という妙絶の季語を戴いて、その情趣は昏い、さらに暗いのだ。一某

編集・削除(未編集)

◆ハイヒール句会◆ ☆ 第3回 三月句会「雛祭」披講☆ ◆相互選◆

  1. ゆふぐれの箪笥に納む雛かな こう (ひろみ)

  2. 春の空カラマツ林あおみさし 葦樺 (きっこ)

  3. 藪椿いやになるほど落ちてをり ハジメ (きっこ)

  4. 人あまたロビーに雛の祭りかな

  5. 春愁や警察官の巡回す 哲仁 (きっこ)

  6. 雛飾り毎度首折れ左大臣

  7. 卒業歌流れてゐたる渋谷かな ののこ (☆かへで、☆まさし、むらびと)

  8. てふ結びリボン結びや雛納め 龍吉 (ののこ)

  9. 沈丁の香のそこはかと風の峪 可津美 (まさし)

 10. 春一番酸素売る店あらはれり 倭瑠 (水星人、むらびと)

 11. 啓蟄やクロスワードの一つ解け ナナ (☆可津美、水星人、知香、jtak、ぱふぱふ)

 12. 雛の日の母の語りを聴いて果つ えみ (きっこ、ぱふぱふ)

 13. 半襟の薄くれなゐや雛の酒 さんちゃん (かへで、なつみ)

 14. 書架にある「ロダンの素描」雪柳 なつみ (倭瑠)

 15. 残る鴨青き藻屑を曳きゆけり ひろみ (☆龍吉、☆えみ、きっこ、ちかこ、麻貴)

 16. ごみ箱に辛さの証拠杉花粉 まさし (ふじけん)

 17. 片付けの担当は父雛人形 水星人 (ののこ、ハジメ)

 18. 春暁や大きく手を振り胸を張り

 19. 草萌やオブジェに触れし男の子 麻貴 (知香、なつみ、ちかこ)

 20. 太郎くんお雛さまより雛あられ

 21. 囀やお城のやうなラブホテル jtak (☆きっこ、こう)

 22. 雛飾り小さき古布の展示会 遊起 (☆ぱふぱふ、葦樺)

 23. 春風に待合室のニュースかな ちかこ (☆ふじけん、きっこ)

 24. めぐり来むK子のはたちや風の春

 25. 春深し人形だらけのリアシート 知香 (ナナ)

 26. いないいないばあが得意よ雛の客 かへで (遊起、はな、えみ)

 27. 春きたり奈良の大和路お水取り

 28. 独り寝にさては今夜も春炬燵 葦樺 (のらちゃん)

 29. あふれ湯の遠き道のり星朧 こう (☆遊起、ひろみ、ナナ、のらちゃん)

 30. 雛流し舟の定員はるか超え ハジメ (倭瑠)

 31. 春うらら眠れる美女にエレキバン ぱふぱふ (きっこ、可津美)

 32. 野良猫の毛並みつややか三月尽 むらびと (哲仁)

 33. 雛の日やバッグの中に丸きもの ののこ (☆知香、きっこ)

 34. 啓蟄や電池交換してをりぬ 哲仁 (ののこ、龍吉)

 35. 車座を解きて菜の花畑かな きっこ (☆むらびと、えみ、水星人、こう、はな)

 36. 雛の宵しばし灯りや五目寿司 可津美 (きっこ、一某)

 37. 亀鳴くやセロファンテープの指の渦 ひろみ (こう、知香、jtak)

 38. 団欒や雛の一つに影二つ 龍吉 (かへで)

 39. 啓蟄や芝刈り機具の試運転 ふじけん (きっこ、ののこ)

 40. パンジーやのそりのそりと胴長猫 知香 (☆きっこ、哲仁、まさし)

 41. 父待てず子の寝てしまふ雛の日 麻貴 (☆ちかこ)

 42. 啓蟄や公園に声満ち溢れ ナナ (ハジメ)

 43. 春暁や器量問われているところ

 44. 葉陰からあはてて蝶が飛び立てり

 45. 兄一人雛の宵に生まれしと なつみ (きっこ、えみ、一某)

 46. 右足も右手も私春の雪 さんちゃん (☆きっこ、☆ナナ、☆麻貴、龍吉、ひろみ)

 47. 工房の隅に日溜り硝子雛 jtak (☆倭瑠、ぱふぱふ、なつみ、かへで)

 48. 一口のジャムの残りや春炬燵 水星人 (☆さんちゃん、☆哲仁、きっこ、ナナ)

 49. スーツ着て桜の蕾見る人ぞ はな (きっこ)

 50. 雛祭り十二単衣も一夜なり

 51. 北窓の開き捨てられぬオルゴール

 52. 色々な出会いと別れしゃぼん玉 まさし (きっこ、はな)

 53. 見つけ来し春いっぱいの句会かな

 54. 桃の日の海へ向きたる風速計 きっこ (知香、龍吉、むらびと、ふじけん、可津美)

 55. 大栄螺天地無用と焼かれけり 一某 (☆こう、☆ひろみ、jtak)

 56. 代々に送りし雛の飾り付け

 57. ももいろにゆきいろ混じり雛あられ 龍吉 (☆きっこ、☆ののこ、水星人、ハジメ、のらちゃん)

 58. あや取に夢を組行く孫の春 可津美 (☆はな、まさし、遊起)

 59. 雛の瞳を見つめひと日の過ぎにけり

 60. ベランダにゴミ袋鳴る青嵐 むらびと (きっこ、一某、麻貴)

 61. テーブルの桃の枝だけの雛祭り ふじけん (かへで、可津美)

 62. 丸文字の伝票届く春の雪 ののこ (のらちゃん)

 63. 窓を拭き今宵の客に春の月 ぱふぱふ (はな)

 64. 土筆伸ぶ長男次男三男と ハジメ (なつみ、さんちゃん、えみ、一某、倭瑠)

 65. ばたばたと雀の雛のどこへやら

 66. ちまちまと琴爪ひひなの調度とて 知香 (☆葦樺、ナナ)

 67. 蝙蝠の飛びこんでくる雛祭 倭瑠 (☆きっこ)

 68. ひとすぢの帯解かれゆく春の湖 こう (☆水星人、☆jtak、☆なつみ、きっこ、ふじけん、哲仁、可津美)

 69. 海鳴りに消さるる祝詞雛送り ナナ (☆ハジメ、きっこ、麻貴、ちかこ、遊起、jtak)

 70. 啓蟄や「もののけ姫」を巻き戻し なつみ (さんちゃん)

 71. 荷造りの遅々と進まぬ春霞 さんちゃん (ハジメ、のらちゃん)

 72. 春日和土手より川のボラ騒ぎ のらちゃん (きっこ)

 73. 雛の日の色足袋の脚投げだせり ひろみ (葦樺)

 74. 春浅し仮病の子へとプリン買ふ 麻貴 (きっこ、こう、ちかこ、さんちゃん)

 75. 海老天の尾の首(ぬし)いづく流し雛 一某 (きっこ)

 76. 啓蟄やこんな所に鍵一つ えみ (ぱふぱふ、哲仁、葦樺、倭瑠)

 77. 雛壇を飾る小さな手に希望

 78. リゾットに匙を曇らせ雛の夜 きっこ (さんちゃん、ぱふぱふ、葦樺)

 79. 式服のボタン付け替ふ春の雨 かへで (☆一某、きっこ、麻貴)

 80. 地虫出づ納屋の奥より錆び馬鍬(まんが) jtak (ふじけん、龍吉)

 81. 墨の香や古人の春の歌 遊起 (きっこ、ひろみ、のらちゃん)

 82. 来客のベルに居留守の花粉症 ちかこ (遊起)

 83. 軽石の名前忘るる春の昼

 84. ランチには菜の花パスタでるお店 はな (むらびと、ナナ、まさし)

編集・削除(未編集)

◆ハイヒール句会◆ ☆ 第3回 三月句会「雛祭」☆ 2003年(平成15年)3月

ハイヒール句会第3回、三月の兼題は「雛祭」です。

選句一覧では、得点のあった作品のみ、名前を開いています。
カッコ内は、その句に投票した人の名前、特選に選んだ人には☆がついています。
『ハイヒール句会BBS』には、入選に選んだ句の感想や、その他の質問など、どんなことでも、どんどん書き込んで下さいね♪

  ◆相互選・1~84◆

  ◆相互選・特選感想◆

  ◇きっこ入選◇

  ◇きっこ特選◇

◆ハイヒール句会BBS◆ *図書館註:未保存のため未公開。

《ハイヒール句会日程》
投句期間 毎月1日~15日
選句期間 16日~22日
披講 23日
開始日 2003/03/21
更新日 2003/03/22

編集・削除(編集済: 2022年12月09日 08:48)

◆ハイヒール句会◆ ☆ 第2回 例句会「梅」☆ ◆みんなの感想◆

  2. 来客に先ずは見せたい鉢の梅 ぱふぱふ

◆盆栽の梅が今年は綺麗に咲いたのでしょうか、客に見せたさで、綺麗に咲いた様子が見えるようです。(葦樺)

  3. 雪割りのうすら緑も豆を乗せ 葦樺

◆庭の片隅でしょうか、立春の季節の愛らしい光景です。「豆を乗せ」の描写が生きている句だと思います。(☆ふじけん)

  5. 紅梅や春慶塗の茶托受く なつみ

◆飛騨高山の静かな宿からお庭を眺めて安らいで居られるのでしょう。(ナナ)

  6. 愛の日や世辞少しまた嘘少し こう

◆人は少なからず嘘をつきつつ生きているんですね。(けんじ)

  9. 白梅の香りの中で紅をひく 手毬

◆紅をひく姿に、凛とした女性が目に浮かびます。(ハワハワ)

 10. 三味線の弦のぱつつり余寒かな 水星人

◆空気が冷たく澄んでいて、三味線の音色まで清らかに伝わります。(☆遊起)

 12. 赤ちゃんの産毛ふうわり梅三分 じゅんこ

◆開きかけの梅と赤ちゃんの産毛。上手い取り合わせだと思いました。(なつみ)
◆やわらかい日差しの中で梅が咲いたのが、赤ちゃんの笑顔も見えてきます。(遊起)
◆とても素直な句。「梅三分」がいいですね。(けんじ)

 15. 塵の世に降りてやすらふ春の月 かへで

◆今の世の中なにかほっとします。(むらびと)

 17. シーサーの睦み合ひたる梅の空 きっこ

◆沖縄の、屋根の上の守り神が、紅色に染まっているのを想像しました。(まさし)

 18. 老紅梅嫁来る前に咲きにけり 遊起

◆これから来る息子さんのお嫁さんも老紅梅と馴染みになって、来年は孫生まれる前に咲きにけりでしょうか。(ハジメ)

 19. 恋猫とふつと目の合ふ姫鏡 えみ

◆姫鏡の中で眼が合った猫と作者は火花が散ったのでしょうか?それとも眼を逸らした
のでしょうか?きっと根負けしたのは作者の方かもですね。(☆こう)
◆姫鏡を手に取ったら、猫と鏡越しに目が合って、しばらく見つめ合ったのかにゃ♪(☆じゅんこ)
◆雄猫が化粧して見違えるご主人にほれぼれとした目で見詰めてる。お互いに早く相手をみつけにいきなさいよっていってるのかな。(ハジメ)
◆昔の廓を思い出すといっても映画の中だけど。(むらびと)
◆お互いに面と向けない秘密が有るのかも。(哲仁)
◆ドキッそしてニコッと。(ナナ)

 20. 叱られてまた叱られて梅の花 今日香

◆雨風や厳しい寒さに耐えて、毎年きれいに花開く梅。私もまだまだ“つぼみ”だけれど、いつかあの梅みたいになりたい。今の私の心に一番響いてます。(☆ハワハワ)
◆読んだ瞬間、そうだなと思いました。考えるとよくわかりませんが...。(かへで)

 22. 京の町四角四面に冴返る けんじ

◆寒さが戻ってきてぴしっと身の引き締まる感じが、条里制の残る京都に似合っていいと思いました。(☆かへで)
◆整然とした町並みにいっそうの冷えを感じます。(麻由子)
◆今日の碁盤の目のように整った町並みが思い浮かびました。整然とした京都は殊更冷え込むのでしょう。(こう)

 23. ほど近く梅のかをりの角ひとつ 雪音

◆梅の親しみやすさが表れているよう。(今日香)

 24. ポンポンポン願いも梅も咲きはじめ ハワハワ

◆願い叶うといいな♪春がすぐそこって感じがします。(☆まさし)

 25. バッサリと髪切りにけり春立つ日 ナナ

◆何かからの卒業と、立春を掛けたのか、理容店で髪を切っている様が浮かびました。(葦樺)

 26. 名残雪外人墓地の黒い列 ゆうじ

◆まだ寒く墓地には白く雪が残っていて、そこに黒っぽい葬儀の列が並んでいる。白と黒の冬の色にちらっと春の色が感じられます。(ハジメ)

 27. しだれ梅一言だけの半紙書く のら

◆半紙じゃなくて「手紙」ならもっと良かったですね。(きっこ)

 29. 雪舞えどラヂオに流る梅便り 葦樺

◆このような句を私もよく詠むのですが、ほとんど共感されないようです。だからと いうわけではありませんが、句意が好きなので選句しました。(ふじけん)

 30. 紅梅の香り残して店じまい 可津美

◆その日で閉じられる店内に紅梅の匂いが漂う。これまでの店の苦労をねぎらっているかのように。(☆今日香)

 31. 春風やジグザグに去るチンドン屋 こう

◆もっと意外な季語との取り合わせだったら、一段と良くなったでしょう。(きっこ)

 32. 白梅の三分の先を急がずに 哲仁

◆桜と違い梅は蕾から満開の期間が長く、3寒4温の季節を幹で感じながらゆっくり咲きつづけます。そんなところも梅が愛される由縁でしょう。(☆ふじけん)

 33. ストラップ揺れて小さな春立てり 手毬

◆ケイタイ変えたばかりなので(むらびと)

 36. 白梅や寝ころぶ犬のまるまると じゅんこ

◆犬の気持ちよさそうな寝顔、連想します。(まさし)

 39. 春一番出会ひ頭に躓けり ハジメ

◆おっとっとって感じですね♪(きっこ)

 40. パン種にシャンソン聴かせ春の月 きっこ

◆最初に目に付き、最後まで離れませんでした★いいパンができそうですね。(☆水星人)
◆美味しいクロワッサンが食べられそう。(☆むらびと)
◆さぞかし美味しいパンが焼き上がるんでしょうね。(麻由子)

 41. 梅の香や明王さまの鼻の穴 麻由子

◆明王様の鼻の穴に見とれてしまった作者が微笑ましい。さぞかし奥行きの有りそうな穴だったんでしょうね。(こう)

 44. 辛夷の芽炎のごとく天に向く 遊起

◆「炎のごとく」という大胆な表現をいただきました。(今日香)

 45. 梅の香に紛れてしまふわだかまり えみ

◆心にあったモヤモヤを紛わせるほどの、梅の良い香りがしてきそうです♪(じゅんこ)

 46. くたくたとおでん煮つまる梅見茶屋 ナナ

◆くたくたと言う表現が気に入りました。梅見の頃はまだまだ寒くおでんが美味しそうですね。(こう)
◆梅の香りより、おでんの煮えた匂いの方が、想像でき、面白いです。(葦樺)

 47. 球根に爪立ててゐる二月かな 今日香

◆女性の句でしょうか。少し暖かい早春のある日、球根を植えようしている時にふと、ある不愉快なことを思い出したのでしょうか、球根に爪を立ててしまったと。球根に爪を立てるのも面白いし、「二月」という季語のあっせんもいいです。(☆けんじ)
◆分球という園芸仕事、その精神の充足の中に、ふと過った“不安”を見事端的に捕らえた句。(一某)
◆眠りこけていた球根達も硬い芽を必死に伸ばし始めました。もうすぐ美しい花もみられる事でしょう。(なつみ)
◆中七で何とはなしに、不穏な感じがする不思議な句。でも惹かれます。(水星人)
◆中七の表現に惹かれました。(ナナ)

 48. 夭折の夢ほつほつと梅の花 一某

◆桜はぱっと咲いて、ぱっと散るからまさに夭折そのもの。それなら分かりやすい。でもこの句は梅で救われています。作者が夢見る夭折は悲劇的なんものではなく、ごく普通の人間が天才に憧れ、自分もそんなカッコ良く死ねたらなあとぼんやり夢想する、そんな明るい夭夭?のようです。こんな夭折もありですね。(けんじ)
◆芭蕉の夢は枯野を...。若くして亡くなった人の夢は、梅の花となって、咲き出ているのですね。(かへで)

 50. 銀ふはりたがひちがひの猫やなぎ 雪音

◆「猫柳の枝のアップ写真そのもの」な、感じを受けました。(☆葦樺)
◆なるほど猫柳はたがいちがいに穂をつけていますね。やわらかな感じが良いですね。(☆なつみ)
◆柔らかい感じがひらがなの多さででましたね。いい句ですね。(水星人)

 52. 愛犬を染めたる春の夕日かな じゅんこ

◆犬と散歩している時夕日が赤々としている様子が見えてきます。(遊起)

 53. 寒村がいいと踏張る母独り のら

◆息子夫婦に心配や余計な気を使わせたくなくて、強がってみせるお母さんの気持ちって、こんなのかな・・・。(ハワハワ)

 54. ホウホケキョ窓を放たばチチチチチィ 葦樺

◆いいですねぇ。特選と迷いました。実景が目に浮かぶようです。下五を何かに限定しなかったところがいいですね。(水星人)
◆リズムが好きです。(麻由子)
◆コメント不可!(一某)

 55. シタールの階下に流れ夜の梅 きっこ

◆流れているのはシタールの音色だけではありません。梅の匂い...しっとりとした雰囲気は夜のせいでしょうか。(☆麻由子)

 56. 酔いし身をシートに落とす春の雨 可津美

◆ほてった体を冷ますかのような春の雨。いつもは冷たい雨も、今は身も心も優しく癒すような感じがしました。(ハワハワ)
◆感覚を共有。酔いの身を。(一某)

 57. 顔洗ふ猫の手くるりクロッカス 手毬

◆「くるりクロッカス」の音の感じが全体の雰囲気と相まって、可愛いらしくて好きです。(かへで)
◆猫の手くるりとクロッカスの「くとク」の音が楽しい!(なつみ)
◆猫が手を丸めて、カジカジと顔を洗っている可愛らしい様子が浮かんで来ました♪(じゅんこ)
◆語呂合わせの戯(ざ)れが早春の浮揚感を更に。(一某)

 58. 盆梅や笑ふばかりの母は喜寿 こう

◆老いてめでたくも愛らしいお母様の姿がてらいなく素直に詠めていると思います。盆梅の季語ともよくあっていて幸せになるような句ですね~(☆手毬)
◆人生を達観している笑いが、盆栽の梅の花に見えてくる。(☆哲仁)

 60. 茶柱や無病息災恵方巻 なつみ

◆とってもおめでたいですね♪(きっこ)

 62. 謡い手の耳麗しき夜半の春 水星人

◆アップにした素敵な髪が見えるようです。(きっこ)

 63. 足跡の向きさまざまに霜柱 ぱふぱふ

◆ざくざくと霜柱を踏む音がなつかしい。道として一方に歩いて踏むのではなく、子供らが音を楽しむためにあちこちと踏んで遊んでいる様子がうかがわれます。(☆ハジメ)

 65. バスケット・ゴールの下に春立ちぬ 今日香

◆青春の匂いがふとするような気がします。(哲仁)
◆この下で、新しい恋の始まり?初々しさを感じました。(まさし)

 67. 白梅にそそぐまなこの青さかな ナナ

◆「まなこの青さ」を外人さんの目の藍と読みました。子供の目でも、空の青さが反映された目でも良いのです。白梅を楽しむ人間の目に変わりありませんから。(ふじけん)
◆桜ではない梅に関心が有るとは、欧州人かな?(哲仁)
◆じっと見つめている筆者が寒い中で見ているように感じます。(遊起)

 68. 硝子戸に身を打ちつけし猫の夫 かへで

◆慌てている恋猫の姿が浮かび思わずにっこり。(☆ナナ)

 70. 冴へ返るロダンの像の背中より えみ

◆「ロダン」という固有名詞が新鮮に感じられて、いただきました。(今日香)

 71. 雲ぽつん猫の目草のまなことろん 麻由子

◆ぽつん と とろんだけでも、早春の感じが伝わります。(なつみ)

 74. 草青む雨も上がりて深呼吸 雪音

◆とても清々しい感じがしました。(じゅんこ)

編集・削除(編集済: 2022年12月09日 08:45)

◆ハイヒール句会◆ ☆ 第2回 例句会「梅」☆ ◆きっこ特選☆◆

          《きっこ特選5句》

  雲ぽつん猫の目草のまなことろん 麻由子

ネコノメソウは、山の湿地帯などに生え、実が割れるとその名の通り猫の目のように見えます。一般の歳時記には取り上げられていませんが2月から3月にかけて花弁の無い花を咲かせ、花の形も丸くて猫の目のようです。
山の上の真っ青な空に、ぽつんと雲がひとつ浮かび、あまりの気持ち良さに、作者もネコノメソウもなんだか眠たくなって来ました。

  足跡の向きさまざまに霜柱 ぱふぱふ

子供の頃、朝一番に誰も踏んでいない霜柱を発見した時って、何だか宝物を見つけたみたいな気持ちになり、あとから来る子たちに踏まれないように必死で踏みまくりました(笑)。
「向きさまざま」と言う描写が、子供の小さな足跡を伝えてくれます。冬の句ですが、早春を感じさせてくれますね。


  くたくたとおでん煮つまる梅見茶屋 ナナ

せっかく梅を見に来たのに、人影もほとんど無く、梅林は閑散としています。
肝心の梅はまだ二分か三分だし、人恋しさに、遠くに見える赤い幟(のぼり)のほうへ行ってみると、誰もいない梅見茶屋に、煮詰まったまずそうなおでんが....。
ひと言も「梅」を詠っていないのに、梅林の梅の状態や人の様子まで見えて来ます。


  顔洗ふ猫の手くるりクロッカス 手毬

顔を洗っている時の猫の顔って、どの猫も笑っているような表情をしています。
春の日差しいっぱいの濡れ縁で、夢中で顔を洗う猫。たまに耳のうしろとかも良く動く手首をくるくる回し、器用に洗っています。庭に並んで咲いたクロッカスがそんな猫の様子を見ているようですね。


  赤ちゃんの産毛ふうわり梅三分 じゅんこ

近所の公園で、ベビーカーをほったらかしで、おしゃべりに夢中になっている若いママたち。
そんなママたちのおしゃべりも、すやすやと眠る赤ちゃんの耳には、小鳥のさえずりのようにしか聞こえないのでしょう。時折吹くやわらかい春風が、梅の香と幸せを運んで来ます。

編集・削除(編集済: 2022年12月09日 08:42)

◆ハイヒール句会◆ ☆ 第2回 月例句会「梅」☆ ◆相互選◆

  1. 老木に梅一輪の愛おしさ

  2. 木蓮の蕾上向き山参道

  3. 来客に先ずは見せたい鉢の梅 ぱふぱふ (葦樺)

  4. 雪割りのうすら緑も豆を乗せ 葦樺 (ふじけん、きっこ)

  5. 紅梅や春慶塗の茶托受く なつみ (ナナ)

  6. 愛の日や世辞少しまた嘘少し こう (けんじ、可津美)

  7. 紅梅や子らの俄かに弾けおり むらびと (きっこ)

  8. 陽炎やポスターの美女微笑みて 哲仁 (きっこ)

  9. 白梅の香りの中で紅をひく 手毬 (ハワハワ)

 10. 三味線の弦のぱつつり余寒かな 水星人 (☆遊起)

 11. 紅梅の咲きて幼き日へ戻る まさし (きっこ)

 12. 赤ちゃんの産毛ふうわり梅三分 じゅんこ (☆きっこ、なつみ、遊起、けんじ、ぱふぱふ)

 13. うたゝ寝の畳やはらに春めけり

 14. 石段をやっと登りて梅林 ふじけん (きっこ)

 15. 塵の世に降りてやすらふ春の月 かへで (むらびと)

 16. 空よりも土を求めて枝垂梅

 17. シーサーの睦み合ひたる梅の空 きっこ (えみ、まさし、可津美)

 18. 老紅梅嫁来る前に咲きにけり 遊起 (ハジメ、きっこ)

 19. 恋猫とふつと目の合ふ姫鏡 えみ (☆こう、☆じゅんこ、手毬、ハジメ、むらびと、ナナ、哲仁、きっこ)

 20. 叱られてまた叱られて梅の花 今日香 (☆ハワハワ、かへで、きっこ)

 21. 梅ヶ枝に見紛ふ夢の結びかな 一某 (きっこ)

 22. 京の町四角四面に冴返る けんじ (☆かへで、麻由子、こう、えみ)

 23. ほど近く梅のかをりの角ひとつ 雪音 (今日香)

 24. ポンポンポン願いも梅も咲きはじめ ハワハワ (☆ぱふぱふ、☆まさし)

 25. バッサリと髪切りにけり春立つ日 ナナ (葦樺)

 26. 名残雪外人墓地の黒い列 ゆうじ (ハジメ)

 27. しだれ梅一言だけの半紙書く のら (きっこ)

 28. ガリ板の詩集を綴ぢる冬すみれ

 29. 雪舞えどラヂオに流る梅便り 葦樺 (ふじけん)

 30. 紅梅の香り残して店じまい 可津美 (☆今日香、きっこ)

 31. 春風やジグザグに去るチンドン屋 こう (きっこ)

 32. 白梅の三分の先を急がずに 哲仁 (☆ふじけん)

 33. ストラップ揺れて小さな春立てり 手毬 (むらびと)

 34. 風花や電子百科の文字溢れ

 35. 交叉路に光きらめく春時雨

 36. 白梅や寝ころぶ犬のまるまると じゅんこ (まさし)

 37. 鴬と思えば違う訪問者

 38. 梅一輪上を見上ぐるばかりかな

 39. 春一番出会ひ頭に躓けり ハジメ (きっこ)

 40. パン種にシャンソン聴かせ春の月 きっこ (☆水星人、☆むらびと、手毬、麻由子)

 41. 梅の香や明王さまの鼻の穴 麻由子 (こう)

 42. 入院の友に花見を誓わせる

 43. 白梅に小さき謎のふと解けて かへで (きっこ)

 44. 辛夷の芽炎のごとく天に向く 遊起 (今日香)

 45. 梅の香に紛れてしまふわだかまり えみ (じゅんこ)

 46. くたくたとおでん煮つまる梅見茶屋 ナナ (☆きっこ、手毬、こう、葦樺)

 47. 球根に爪立ててゐる二月かな 今日香 (☆けんじ、☆一某、なつみ、水星人、ナナ)

 48. 夭折の夢ほつほつと梅の花 一某 (かへで、けんじ)

 49. 武蔵野の梅林荒れて夜に匂ふ けんじ (きっこ)

 50. 銀ふはりたがひちがひの猫やなぎ 雪音 (☆なつみ、☆葦樺、水星人、きっこ)

 51. 梅かじりあの日へ帰る春の風 ハワハワ (きっこ)

 52. 愛犬を染めたる春の夕日かな じゅんこ (遊起)

 53. 寒村がいいと踏張る母独り のら (ハワハワ)

 54. ホウホケキョ窓を放たばチチチチチィ 葦樺 (☆えみ、麻由子、水星人、一某)

 55. シタールの階下に流れ夜の梅 きっこ (☆麻由子、えみ)

 56. 酔いし身をシートに落とす春の雨 可津美 (一某、ハワハワ)

 57. 顔洗ふ猫の手くるりクロッカス 手毬 (☆きっこ、なつみ、かへで、じゅんこ、一某、ぱふぱふ)

 58. 盆梅や笑ふばかりの母は喜寿 こう (☆手毬、☆哲仁)

 59. 早春やリフォームの音響きおり むらびと (ぱふぱふ)

 60. 茶柱や無病息災恵方巻 なつみ (きっこ)

 61. 水濡れのなめらかなりし春の道

 62. 謡い手の耳麗しき夜半の春 水星人 (きっこ)

 63. 足跡の向きさまざまに霜柱 ぱふぱふ (☆きっこ、☆ハジメ)

 64. わかれゆくふたり見守る梅の花

 65. バスケット・ゴールの下に春立ちぬ 今日香 (まさし、哲仁)

 66. 剪定を終え見苦しき両隣

 67. 白梅にそそぐまなこの青さかな ナナ (遊起、ふじけん、哲仁)

 68. 硝子戸に身を打ちつけし猫の夫 かへで (☆ナナ)

 69. 梅の香と逆方向の麻薬犬 ハジメ (☆可津美)

 70. 冴へ返るロダンの像の背中より えみ (今日香)

 71. 雲ぽつん猫の目草のまなことろん 麻由子 (☆きっこ、なつみ)

 72. 春風と同時に鼻がぐじゅぐじゅと まさし (きっこ)

 73. 落選畫引き取り帰路の雪埃

 74. 草青む雨も上がりて深呼吸 雪音 (じゅんこ)

 75. 梅真白てのひらまろく母老いぬ

 76. 雨上がり土が活きづき麦青し

 ※誤字脱字なども、投句のまま記載しています。

編集・削除(編集済: 2022年12月09日 08:39)

◆ハイヒール句会◆ ☆ 第2回 月例句会「梅」☆ 2003年(平成15年)2月

ハイヒール句会第2回の兼題は「梅」です。

選句一覧では、得点のあった作品のみ、名前を開いています。
カッコ内は、その句に投票した人の名前、特選に選んだ人には☆がついています。
また『ハイヒール句会BBS』を設けましたので、句会に参加しなかった方もご意見、ご感想などをお寄せいただけたらと思います。
なお、締め切り後、深夜3時まで待ちましたが、のらさん、ゆうじさん、
可津美さん、雪音さんの選句をいただけませんでした。

   ◆相互選・前半◆  *図書館註:「相互選」として一括公開。
   ◆相互選・中半◆
   ◆相互選・後半◆

   ◆きっこ特選◆

   ◇感想 1~19◇  *図書館註:「みんなの感想」として一括公開。
   ◇感想 20~35◇
   ◇感想 36~47◇
   ◇感想 48~57◇
   ◇感想 58~76◇

   ◆ハイヒール句会BBS◆  *図書館註:未保存のため未公開。

  開始日 2003/02/22
  更新日 2003/02/23

編集・削除(編集済: 2022年12月09日 08:36)

◆ハイヒール句会◆ ☆ 第1回 新春初句会「初雀」☆ ◆みんなの感想◆

   3.携帯のルルと震えて年明くる 手毬

 ◆今は多くなりましたね。年を明けるや否や年賀のメール。(☆ハジメ)
 ◆ルルがいいと思いました。今時のお年賀風景ですね。(かへで)
 ◆同じ体験してる!俺の場合着メロでした!いかにも現代。(まさし)
 ◆今年のおめでとうコールは旨く繋がったのでしょうか...昨年はパンクした。(ぱふぱふ)

   4.黒豆の照りを分けあふ三日かな ナナ

 ◆新年から普通の1月へと流れる時間が黒豆によく表れていると思いました。(☆雪音)
 ◆単に黒豆を分けるのではなく「照り」と詠んだところに脱帽。(シナトラ)
 ◆「照り」って言葉がもしかしたら不要かなとも思いましたが、黒豆を分け合うっていう、優しい気持ちがいいと思います。(水
  星人)

   5.ジョンレノンの愛した紅茶女正月 水星人

 ◆何だか紅茶をのみながらビートルズを聴きたくなった。女正月の季語がなぜかピッタリ合う気がします。(風子)

   6.冬天へ宇宙の風の渡りくる 暖流

 ◆地球の大気と宇宙とのつながりを面白いと思いました。(雪音)

   8.身支度を覗きゆきたる初雀 雪音

 ◆晴れの日の美しい装いにそわそわとしている妙齢の女性。お正月の句にぴったりです。また、いつまでもこんな恥じらいの気持
  ちを持っていたいものです。(☆かへで)
 ◆初詣か年始回りの身支度をしていたら窓辺に雀が飛んできた光景が浮かびます。(☆むらびと)
 ◆かわいらしい雀の様子が目に見えるようです。(なみりん)

   9.新年の風新年の土を踏み ハジメ

  ◆新しく年が明けたというすがすがしさを感じました。(なみりん)

   10.大年や急ぐ足音相寄らず 可津美

 ◆皆忙しく行き交う様子が見えて来ます。(☆哲仁)
 ◆せわしない暮れの風情を足音で表してうまいと思いました。(シナトラ)

   15.伊予柑をむく爪先のさくらいろ なみりん

 ◆伊予柑、おいしいけど、皮堅いんよね!奮闘を感じます。(まさし)

   18.寒雀発ちて残りし枝の揺れ シナトラ

 ◆雀が飛び立った様子がよく描かれているし、情景が見える句だと思いました。(☆水星人)

   20.やあやあと吉を引き抜き初雀 あんこ

 ◆元気良くて、今年一年いいことがありそうです。(かへで)

   21.松過ぎの息整へてフェルマータ えみ

 ◆お正月が終ったらさあ、始動ですよね。フェルマータが効いています。(なみりん)
 ◆「松過ぎの」「フェルマータ」がいいですね。私も合唱をしているので、気持ちがわかる気がしました。(水星人)

   25.涸池に一筋生まる水の帯 ナナ

 ◆我が家の傍の公園にも水の流れが・・春が近いですね。(☆ぱふぱふ)

   26.レコードの針の孤独や初雀 水星人

 ◆「レコードの針」一昔前にはよく聞いた言葉です。取り残された「レコードの針」だけで孤独は現らわされていると思います。
  机上でやや考え過ぎた感があり。(可津美)

   28.涙目にふくら雀の円なる 雪音

 ◆泣き涙か笑い涙か潤んだ眼にふっくらした雀がかわいらしい。(ハジメ)

   29.玄関の扉を開けて淑気満つ ハジメ

 ◆新年の目出たさは自然の神からさずかると。(哲仁)

   30.初雀スタッカートでぴよんぴよんぴよん きっこ

 ◆今年の元日の暖かさの中、雀がはしゃぐ姿想像しました。(☆まさし)
 ◆スタッカートという表現が上手いなと思いました。(☆ぱぴぃ)
 ◆ぴょんぴょんとスタッカートとように跳ぶ雀がおもしろい。(ハジメ)

   31.老いばかり残る集落山眠る 可津美

 ◆お年寄りばかりが多くなった村、冬の厳しさがよけいに辛い・・淋しさと懐かしさが入り混じる切ない程の佳句です。(☆風
  子)
 ◆11月頃だったら、もっと良さを感じ取れたかも。(雪音)

   36.寒雀群がる枝の暖かさ むらびと

 ◆日当たりの良い枝に鈴なりに止まっている雀が「枝の温かさ」に巧く纏まれている。(可津美)

   39.餅食べて猫と一緒に丸くなる ぱぴぃ

 ◆猫といっしょに餅食べて炬燵にもぐって丸くなる。(ハジメ)
 ◆これぞ究極の正月あっ!猫には正月関係ないか?笑(まさし)

   42.ことに急くことなきひより初雀 えみ

 ◆正月ののんびりした雰囲気が出てます。音の感じもいいです。(☆シナトラ)

   44.初詣甘酒を持つ真っ赤な手 じゅんこ

 ◆冷たい手に甘酒が温かそう。(哲仁)

   46.初春のエプロンさらりと結びをり 手毬

 ◆何色のエプロンでしょうか?真っ白のエプロンをなにげなく結んでいはいるが心の中ははずんでいる?のでは。(☆ナナ)
 ◆特選にしたいくらい好きな句お正月でも家事に休みなし・・・こんな風にせめてさわやかにエプロンをさらりと結んで・・いい
  句です。(風子)
 ◆着物姿かなぁ?手慣れた主婦らしい。(かへで)
 ◆新年は何から何まで新しい気持ちで。(哲仁)

   53.冬晴や猫のせてゐる薦被(こもかぶり) きっこ

 ◆「薦被り」が効いています。薦のかむった四斗樽の上に乗かっている猫、初春の清々さが出ている。ストーブや炬燵ではこの味
  は出せない。(☆可津美)
 ◆意外性に魅かれます。(ナナ)

   57.おいと呼ぶはいと答える冬羽織 ぱふぱふ

 ◆読んでいてリズムもいいし、こういう夫婦になりたいね。(☆なみりん)

   58.生垣のぴくと揺れをり初雀 なみりん

 ◆擬音詞の「ぴく」が、そつなく使われている。意気のいい初雀がよく現わされている
。(可津美)
 ◆年明けて静かな庭に雀が・・穏やかな日になりそうで・・(ぱふぱふ)

   59.東雲の晴れ舞台あり初雀 むらびと

 ◆素敵な大きな景をバックに小さな可愛い雀の未来を想像します。(ナナ)
 ◆東雲とは難しい言葉ですがうまくはまっています。めでたい感じですね。(シナトラ)

   60.着ぶくれを一枚脱がせ肩を揉む シナトラ

 ◆本当の着膨れは洋服ではなく心の余分な纏物なのかも。(風子)
 ◆肩こりするから余計に着膨れる。(ぱふぱふ)
 ◆「一枚脱がせ」っていうところで作者の優しさと、実感が伝わってきます。(水星人)

   62.笹鳴や東の窓のほのぼのと かへで

 ◆穏やかな朝の訪れと笹鳴きに希望が溢れて気持がいいです。(ナナ)
 ◆鴬の鳴き声を早く聞きたいと思う今日この頃です。はまりました。(雪音)

編集・削除(編集済: 2022年12月09日 08:30)

◆ハイヒール句会◆ ☆ 第1回 新春初句会「初雀」☆ ◆きっこ特選☆◆

           《きっこ特選5句》


  やあやあと吉を引き抜き初雀 あんこ

 神社の一角で、わいわいと騒ぎながらおみくじを引く子供たちの姿が見えて来ます。
 「やあやあ」と言うオノマトペが秀逸で、どんな表現よりもイメージを喚起させてくれます。
 お正月らしい風景に、思わず子供の頃を思い出してしまいました。


  初雀キキミミズキン被らばや かへで

 「キキミミズキン」とは、昔話でキツネがくれる古ズキンのことで、これを被ると鳥たちの言葉が分かるのです。
 実際にはあるはずのないズキンなのに、「被らばや」と言う表現に、思わず周りを探してしまいそうです。
 楽しそうにさえずる初雀の声に、キキミミズキンを被りたくなるなんて、とっても素敵な発想ですね。


  黒豆の照りを分けあふ三日かな ナナ

 本来「おせち料理」とは、一年中休む暇もない主婦が、お正月くらい家事から離れられるようにと考えられたものですが、実際は子供の世話やら何やらで、そうも行かないようです。
 揚句は、子供たちも親元を巣立ったあとの、夫婦二人でのお正月でしょうか。
 お正月らしい、静かでゆったりとした時の流れを感じます。


  初春のエプロンさらりと結びをり 手毬

 新年を迎え、初めてお台所に立って包丁を使うことを「包丁始(ほうちょうはじめ)」「俎始(まないたはじめ)」などと呼びますが、お料理をするためには、まずエプロンをします。
 新年最初のエプロンをさらりと結んだ作者の姿は、さしずめ「エプロン始」とでも言ったところでしょうか。
 爽やかな新春の光が、お台所に溢れているようです。


  涙目にふくら雀の円なる  雪音

 冬場の雀は、寒さに耐えるために羽毛を膨らませ、首をすくめています。
 その姿から「ふくら雀」と呼ばれており、帯の結び方にもなっています。
 涙を溜めた目に、もともとまん丸なふくら雀の輪郭がぼやけ、まるでふわふわの雪玉のように映りました。
 さっきまで悲しかった気持ちが、なぜだか薄らいで来たように感じます。

編集・削除(編集済: 2022年12月09日 08:25)
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