2026・6月度みんなのネット俳句会 互選結果
金賞 37 【ちとせ 】 立ち漕ぎの生徒眩しや更衣 (11点)
銀賞 33 【ヨ ヨ】 新茶入れ朱泥急須の淡緑 (9点)
銅賞 17 【弥 生】 歓声はきっと缶蹴り夏木立 (7点)
々 23 【岩 宮】 子らの言ふじじ反抗期冷奴 (7点)
々 25 【ふうりん】 忍冬咲いて愁眉を開きけり (7点)
次点 39 【にゃんこ】 父の日に黒いクレヨン画の眼鏡 (6点)
々 73 【かをり 】 水無月や碁石をあらふ父の息 (6点)
々 84 【てつを 】 捩花や断ちきりたきは負の連鎖 (6点)
※銅賞の3句はそれぞれ特選1のため同点としました。
※参考
総合点
ヨヨ21点、かをり19点、ちとせ17点、弥生14点、アイビー12点
2026・6月度みんなのネット俳句会 互選結果一覧表
1 ✤ 1点 【岩宮】 明易し夢の続きは又今夜 ✤ 胴長おじさん
2 ✤ 2点 【あんのん】 鯵大漁釣果の報にうそ少し ✤ ダイアナ、アイビー
3 ✤ 0点 油虫探し求めて朝が来る
4 ✤ 2点 【ダイアナ】 ドアフォンの上に雨待つ雨蛙 ✤ にゃんこ、ふうりん
5 ✤ 1点 【ヨヨ】 行かないで心地よき風五月尽 ✤ ラガーシャツ
6 ✤ 3点 【和 談】 初孫の六月賞与初傲り ✤ ちとせ、◎ヨ ヨ
7 ✤ 5点 【かをり】 裏富士の雲ほどけたり桜桃忌 ✤ ちとせ、ヨシ、てつを、森野、アイビー
8 ✤ 3点 【アイビー】 えいやあと五句を投ぜり心太 ✤ ヨシ、弥生、コビトカバ
9 ✤ 1点 【コビトカバ】 お局の小言も交わす若葉風 ✤ ふうりん
10 ✤ 2点 【アイビー】 鬼平になつたつもりの鮎の飯 ✤ ラガーシャツ、岩宮
11 ✤ 0点 降りぐせの梅雨空罵りペダル踏む
12 ✤ 0点 カーテンの向こうに聞こゆ四十雀
13 ✤ 0点 燕子花あやめ菖蒲か紺光る
14 ✤ 0点 各駅の車窓に見つけ花柘榴
15 ✤ 1点 【てつを】 かはたれの雲の澱みて栗の花 ✤ ちとせ
16 ✤ 1点 【あんのん】 蚊遣香先を知りたし栞ぬく ✤ ダイアナ
17 ✤ 7点 【弥生】 歓声はきっと缶蹴り夏木立 ✤ ヨシ、◎てつを、にゃんこ、ナチーサン、ラガーシャツ、かをり
18 ✤ 1点 【茶々】 黄菖蒲の八重咲き揃ひ踊りかな ✤ ふうりん
19 ✤ 1点 【胴長おじさん】 貴婦人の頃が懐かしバナナかな ✤ ナチーサン
20 ✤ 0点 酷暑かな歳時記忘れた自然界
21 ✤ 1点 【ちとせ】 子育てらし威し鳴きすや夏烏 ✤ ふうりん
22 ✤ 0点 子燕の口犇めいて餌を求め
23 ✤ 7点 【岩宮】 子らの言ふじじ反抗期冷奴 ✤ ちとせ、にゃんこ、森野、ダイアナ、あんのん、◎ナチーサン
24 ✤ 3点 【ダイアナ】 彩雲の流れて初夏の十四夜 ✤ 森野、ヨ ヨ、岩宮
25 ✤ 7点 【ふうりん】 忍冬咲いて愁眉を開きけり ✤ 弥生、てつを、森野、ヨ ヨ、◎ダイアナ、岩宮
26 ✤ 1点 【てつを】 召集の命下りしかウリハムシ ✤ 和 談
27 ✤ 0点 焼酎瓶買物篭に鎮座して
28 ✤ 0点 樟脳の匂ふ押入れ衣更
29 ✤ 2点 【ラガーシャツ】 初夏晴れに熊鈴の鳴る遊歩道 ✤ ちとせ、ふうりん
30 ✤ 3点 【ちとせ】 白壁に青田広がる散居村 ✤ ヨ ヨ、岩宮、かをり
31 ✤ 0点 白南風や部下のデートを目撃す
32 ✤ 2点 【ちとせ】 新じゃがを束子で擦るつるり膚 ✤ ふうりん、岩宮
33 ✤ 9点 【ヨヨ】 新茶入れ朱泥急須の淡緑 ✤ 胴長おじさん、ヨシ、てつを、◎和 談、ナチーサン、ラガーシャツ、◎茶々
34 ✤ 2点 【ラガーシャツ】 素麺や喉ごしも良しその細さ ✤ 和 談、茶々
35 ✤ 2点 【森野 そぼつ降る泰山木の咲く寺苑 ✤ ヨシ、ヨ ヨ
36 ✤ 1点 【ふうりん】 ダービーを取つて競馬の二連勝 ✤ アイビー
37 ✤ 11点 【ちとせ】 立ち漕ぎの生徒眩しや更衣 ✤ 胴長おじさん、◎ヨシ、てつを、◎ふうりん、あんのん、◎アイビー、コビトカバ、ナチーサン
38 ✤ 4点 【ヨヨ】 頼りたき身内は遠く梅雨間近か ✤ 胴長おじさん、アイビー、和 談、ラガーシャツ
39 ✤ 6点 【にゃんこ】 父の日に黒いクレヨン画の眼鏡 ✤ 胴長おじさん、ヨシ、◎弥生、岩宮、茶々
40 ✤ 1点 【胴長おじさん】 父の日や空白の文字のみ占めて ✤ 森野
41 ✤ 0点 夫剪定羽抜鶏ごと羅漢槙
42 ✤ 1点 【にゃんこ】 梅雨曇ますます重き貨車の列 ✤ ちとせ
43 ✤ 0点 梅雨間近繙いてゐる闘病記
44 ✤ 5点 【かをり】 手鏡に映る水無月風過ぐる ✤ 弥生、にゃんこ、森野、ヨ ヨ、あんのん
45 ✤ 1点 【アイビー】 でで虫のオブジェの上の蝸牛 ✤ にゃんこ
46 ✤ 0点 でで虫を見らば口つくあの唱歌
47 ✤ 0点 てふてふに蕾のあらば柿の花
48 ✤ 1点 【森野】 天国と思へる一歩冷房車 ✤ 弥生
49 ✤ 4点 【ヨシ】 剥く手間も美味しさのうち夏蜜柑 ✤ アイビー、ナチーサン、かをり、茶々
50 ✤ 0点 搭乗の手続はスマホかたつむり
51 ✤ 2点 【ラガーシャツ】 登山帽ウェストン碑より動き出し ✤ ◎かをり
52 ✤ 2点 【ナチーサン】 樋伝ふ雫を染めて柿若葉 ✤ ふうりん、岩宮
53 ✤ 0点 夏風にだるだるせざるを得ない吾
54 ✤ 0点 夏蝶の色深まりて海賊旗
55 ✤ 1点 【和 談】 夏場所や土俵が命藤凌駕 ✤ 茶々
56 ✤ 0点 夏野菜紫小かぶカリカリと
57 ✤ 2点 【森野】 何にでも神宿りてか花は葉に ✤ ◎ラガーシャツ
58 ✤ 3点 【弥生】 なみなみと注ぐ地酒や江戸切子 ✤ あんのん、かをり、茶々
59 ✤ 3点 【ヨシ】 俳句本開いたまんま明易し ✤ コビトカバ、◎岩宮
60 ✤ 1点 【アイビー】 バイク見て柴犬吠ゆる夕薄暑 ✤ あんのん
61 ✤ 2点 【弥生】 博学なシニアガイドや街薄暑 ✤ アイビー、コビトカバ
62 ✤ 0点 初夏の藤無料ガイドの五稜郭
63 ✤ 3点 【かをり】 薔薇切るや呼ばれし気して振り向かず ✤ ◎あんのん、コビトカバ
64 ✤ 0点 昼下りエアコン洗い野球観る
65 ✤ 2点 【てつを】 壜に香を詰めて帰らむ花蜜柑 ✤ ◎にゃんこ
66 ✤ 1点 【弥生】 プードルがよく似合う場所薔薇の園 ✤ コビトカバ
67 ✤ 0点 深くまで木曽駒は碧夏の風
68 ✤ 1点 【岩宮】 襖戸の何やら重き梅雨入かな ✤ ヨ ヨ
69 ✤ 2点 【ヨシ】 故里の四方の山々新樹光 ✤ ◎ちとせ
70 ✤ 0点 細麺を食べて至福の涼夜かな
71 ✤ 1点 【ナチーサン】 またまたか横綱不在五月場所 ✤ 和 談、
72 ✤ 5点 【アイビー】 待つといふ揺るがぬ知略蟻地獄 ✤ ヨシ、てつを、あんのん、◎コビトカバ
73 ✤ 6点 【かをり】 水無月や碁石をあらふ父の息 ✤ 弥生、てつを、ダイアナ、あんのん、コビトカバ、ラガーシャツ
74 ✤ 3点 【あんのん】 満ち足りて留守居の夫に買ふ鰻 ✤ ヨ ヨ、ダイアナ、茶々
75 ✤ 2点 【森野】 耳遠き夫に老鶯届く今朝 ✤ 胴長おじさん、かをり
76 ✤ 1点 【ヨシ】 耳鳴のしては止まらぬ走り梅雨 ✤ 森野
77 ✤ 0点 ジメジメもめげぬ六月の花嫁は
78 ✤ 0点 山開き誰となく詠む俳句かな
79 ✤ 3点 【ヨヨ】 柔らかに万緑生みし大地かな ✤ 和 談、ラガーシャツ、岩宮
80 ✤ 1点 【茶々】 湯上りのあやめ紺染め浴衣かな ✤ 和 談
81 ✤ 0点 夕闇に皐月のあかり庭照らす
82 ✤ 1点 【コビトカバ】 幽霊海月毎日同じ事をして ✤ 弥生
83 ✤ 1点 【ヨシ】 よく見れば愛しき花よどくだみは ✤ 茶々、
84 ✤ 6点 【てつを】 捩花や断ちきりたきは負の連鎖 ✤ にゃんこ、◎森野、ダイアナ、アイビー、ナチーサン
85 ✤ 1点 【あんのん】 リズムごとつかず離れず夫婦生く ✤ 胴長おじさん、
86 ✤ 1点 【岩宮】 老鶯をしかと聞きたる木立かな ✤ かをり
87 ✤ 2点 【ナチーサン】 若葉風入れ墨の香の流れけり ✤ 弥生、にゃんこ
88 ✤ 1点 【弥生】 わんぱくの怖くて好きな蜥蜴かな ✤ ナチーサン
89 ✤ 2点 【胴長おじさん】 山滴る惚けないことは惚れること ✤ ダイアナ、アイビー
90 ✤ 4点 【ヨヨ】 数独を競ふ夫婦や走り梅雨 ✤ 胴長おじさん、てつを、和 談、かをり
91 ✤ 1点 【ダイアナ】 洞爺湖を見下ろすホテル五月晴 ✤ ちとせ、
煩雑を避けるため、二つの記事を一つに纏めました。文責アイビー。
将棋棋聖戦5番勝負第2戦、藤井棋聖に挑戦するベテラン山崎隆之八段。勝って五分に戻すか。負ければカド番に。藤井の先手番、新潟市で行われ夜には結果が出る。
つくづく棋士という職業は大変だなあと思います。というより藤井八冠が大変なんですね。主なタイトルだけで8あり、それぞれに5番から7番指すのですから、年中何かかか棋戦がある感じですね。ほかの棋戦や連盟の仕事もあります。よくやってますねえ。
アイビーさの鑑賞 その1から
「一信一宝」は古人の辞。
私は、酒は人付き合いの潤滑油。杯を交わすことで自然にお互いの距離が近くなる。そして、互いに信頼し合えたり、相手の良い所を教えられたり発見したりする。
そこで私は、酒の席への心情として「一献は、信頼と一つ宝を得る。勤めて励むべし」
と自分に言い聞かせている。 この気持ちを句にしてみたものです。
酒への想いを毎回一句入れようと、先回は「花の雨汝一献吾一盃」今回「薫風や一信一宝得る一献」ですが、常々アイビーさんの目にとめて頂き、良き助言・励ましに感謝です。
早速のご回答、有難うございます。大変、有意義なお話でした。7月はどんな酒の句が出てくるのか、今から楽しみです。
9 母の日や娘料理も妻の味 (ふうりんさん) 4
料理の味は普通親から子に引き継がれる。最近は巷にプロの味が蔓延していて先行きが心配だ。おふくろの味は絶滅危惧種の様相を呈し出している。ところでこの句は娘料理、つまり三代に渡っての継承だ。しかも母の日、作者はさぞご満悦。幸せいっぱい腹いっぱいか。本音は胸いっぱいか。御馳走様。
11 生命線握って生まれ天瓜粉 (ABCヒロさん) 13 ◎ダイアナ
ある先人は「天花粉はそのまま俳画であろう」と言っている。天花粉塗れの赤ん坊。その両手の中心にはしっかりと生命線が握られているのだ。どのような未来がこの子を待っているのだろうか。翻ってそのなれの果ての我が生命線。
たまにはつくづく眺めてみるのもいいかも。
54 万緑や無人改札電子音 (玉虫さん) 5
山あいの無人駅。時は万緑、豊かな大自然に鳴る電子音。ここにもひっそりと人の生きざまが潜んでいるのだ。ひょうひょうとしたリズム感も良い。
65 「はよしいや」婆の口ぐせ夏大根 (てつをさん) 1
亡き義母の口癖は「ならぬ堪忍駿河堪忍」。満州への開拓団の帰還者だけにその苦労が言わせるのだろう。「はよしいや」、想像するに大家族の農家、子だくさんで主婦は朝から寝静まるまで忙しい。孫は何度この言葉を耳にしたことか。タコが出来ているほど。夏大根が懐かしい。
67 ジュラ紀より逃げまはりたる青蜥蜴 (アイビーさん) 12 ◎てつを・◎にゃんこ◎かをり
想像力の賜物。作者の視野の広さに先ずは感服。確かにトカゲは素早い。カマキリが苦手の孫が小学生のころよく追いかけ廻していたものだ。何匹か飼っていたのでよほど知恵を絞ったのだろう。昆虫食も始まった昨今、人間の食糧難から逃れるのはゴキブリかそれとも青蜥蜴か。
94 寸土さへ生きる場所なり苔の花 (ヨシさん) 2
この句53の無点句「石垣に刻む月日や苔の花」と同じ作者ではと想い乍ら選んだ。青樹歳時記に「渋い、日本人好みの詩材である。光と、彩と、翳りのあざやかな交錯がここにもある。」に待つまでもなく名句だ。残念ながら石垣の句は落とした。苔の花か。余生はこのような生き方がしたいものだ。
104 悪口も嘘も言ふ口柿の花 (玉虫さん) 5 ◎ナチーサン
口ほど人の身体で忙しい器官はない。食べなくてはいけないしおしゃべりにも欠かせない。そこへ「悪口も嘘も言ふ口」と来た。このずばりの言い口に何も言えなくなった。禍の元をお互いに持っている。この始末を柿の花に託した。迷わず特選に戴いた。季語もふさわしいのでは。
109 紫陽花の一輪お茶の一雫 (茶々さん) 2
紫陽花の一輪は多弁だ。びっしりと密集している。その一輪を前にしての一服。新茶の一滴と紫陽花の一輪との対比。作者は意識してかどうか紫陽花の多弁を楽しんでいるのだ。新茶を嗜みながら。
ナチ―サンさんの鑑賞に拙句を取り上げていただき有難うございます。およそトカゲという動物は、ひたすら逃げて、逃げて、逃げ回ることを基本戦略にしてきた動物ですね。有史以来、戦うことは一度もなかったと言えます。専守防衛どころか、敵を見たら逃げる戦略。どうも情けない限りですが、子孫を現代まで残した実績は認めねばなりません。有史以来ですが、ジュラ紀としゃれてみました。
アイビーさん鑑賞して頂きありがとうございます。そしてご指導ありがとうございます。食うてですね。推敲して分けてにしてみたんですが。そうですね作者は食べず読み手が勝手に食べるんですね。
アイビーさん、いつもご苦労をおかけしてます。
投句に頂いた点数が、21点でした。
23点と数えていただきましたので!
来月また頑張ります!
今月は73の担任はのっぽのジャージ、104の悪口も・・・
等、冒険してみたりしました。これらの句にも点を下さった方に感謝しています。
その一方で矢張り美しい詩にあこがれています。
とにかく楽しいです!
アハハハ!
やだ~、そんな手も有ったんだ~
次が有ったら其の手を!!
楽しみに点数を数えてくれる家族が、多くないか?と。
黙って居るのも嘘の内。
ほら、ウソつきな玉虫だから・・・
正直をアピールしておきます。
それは失礼しました。しかし、多くカウントしたのなら黙ってりゃ分からなかったのに。
アイビーの俳句鑑賞 その1
さくらんぼ一つを食ふて仲直り (えっちゃんあら)
さくらんぼで仲直りできるトラブルならさほど深刻な話でもなかったのだろう。何にしても仲直りできたのは何より。さくらんぼが嫌いな人は無かろうし、イメージ的にも愛らしい果物なので、仲直りにはもってこいだ。ただ、細かいことで恐縮だが文法の誤りがあった。「食ふて」は「食ひて」が正しい。音便形にするなら「食うて」となる。それと、さくらんぼが一つだけというのも不自然だ。善処されたい。
生命線握って生まれ天瓜粉 (ABCヒロ)
生れたばかりの新生児を想像する。あらん限りの力で泣く。赤ん坊の生命力の全てをかけて泣く。生まれたばかりの嬰児でも、生きたいとする新生児の逞しい生命力に、粛然と衿を正すのみだ。「生命線握って」の楚辞は流石だ。
薫風や一信一宝得る一献 (和談)
「一信一宝」とは、何か成句に基づく表現だろうか。初めて目にした言葉で、是非、作者の和談さんにご教示願いたいところだ。分からないながら誠実な和談さんの人生観を体現する言葉であろうとは想像できる。「信ずることを貫けばすなわち、宝を得るにしかず」と当てずっぽうながら解釈してみた。そののち、一献とあるところが和談さんらしい。
鳥達の早口言葉夏兆す (コビトカバ)
鳥の鳴き声にも千差万別、よく聞くといろんな個性がある。それを「早口言葉」と捉えたあたりは見事。詩人の感性だ。なに、あれは単なる求愛の行動などと言ってしまってはブチ壊しだ。座五の「夏兆す」に説得力がある。
夏帽子少し汚れて旅果つる (鮎)
季語の「夏帽子」にこういう使い方があるんだと、目が洗われるようだ。少し汚れれているのは、どこへ行った時の、あの時に汚れたんだと、これもまた旅行の楽しい想い出になる。なんということもない夏帽子が俄然、生き生きと光彩を放つ。
尺取を枝とまちがへ汗たらり (いちご)
尺取虫を木の枝と見誤ってしまった騒動を詠んだ愉快な一句。実際問題として日常によくあることではなかろうか。そうした体験をすぐさま俳句に詠もうと思うのが俳人の俳人たる所以。ただ、座五の「汗たらり」はそこまで言っては言い過ぎと思う。推敲の余地がありそう。
サングラスかけて将来ベンツ買ふ (無点)
惜しくも無点となったが、一読して思わず吹き出しそうになった。少し軽薄な、いかにも当世風の若者の実体を活写した句。もっとも、「男子三日見ざれば刮目して見よ」の喩えもあり、本当にベンツを買う日が来るかも知れない。
以下次号、不定期掲載
まさか6歳のお孫さんとは思いませんでした。推敲不足と謙遜されましたが、10人が読めば10通りの解釈ができます。
「サングラスかけて将来ベンツ買ふ」
この句は尾花の句です!
6歳の男児が、玩具のベンツの前でサングラスをしてVサインをしている写真が送られてきました。 コメントに
6歳児「僕あのベンツが欲しかったんだよねーー!」
パパ「大きくなったら働いて買いな・・・!」 と。
推敲不足でした・・。
アイビーさん鑑賞ありがとうございます!
鳥達の声が洗濯物を干している時良く聞こえるんですが、とにかく早口。
めちゃ喋るやんって思えてきて俳句になりました。
鳥達の様々な声が聞こえるようになったのは俳句のおかげだと思います^_^
皆様のご協力で6月句会も無事終了しました。何時も申し上げていることですが、句会で何点入ったかということよりも、あとの勉強の方が大事です。人様の句を鑑賞することも大事なら、いろんな人の鑑賞を読むことも勉強です。ひいては自分自身の句力の向上に繋がると、私は思います。皆様の活発な書き込みを期待します。
互選結果発表
6月句会の互選結果を発表します。トップはABCヒロさんの天瓜粉の句と尾花さんの山清水の句が並び、ともに13点でした。以下、アイビーの蜥蜴の句、てつをさんの句が2句続きました。
13点句 11 生命線握って生まれ天瓜粉 (ABCヒロ)
13点句 24 山清水行き渡らせて千枚田 (尾花)
12点句 67 ジュラ紀より逃げまはりたる青蜥蜴 (アイビー)
11点句 43 父の日や素数のやうな人であり (てつを)
8点句 97 溝浚へ見知らぬ顔は三代目 (てつを)
個人別総合では、てつをさんが24点でトップ、ABCヒロさんが23点、玉虫さんが21点、以下尾花さんとアイビーがともに14点でした。
6月度みんなのネット俳句会清記一覧
1 袋からバゲットのぞく麦の秋 (アイビー) 1 ちとせ・
2 神鳴りや今日はなんだか冴えている
3 サングラスかけて将来ベンツ買ふ
4 友の戸へ十薬の花導けり (ダイアナ) 1 かをり・
5 ジョッキから溢るる泡や梅雨晴れ
6 建売に先に入居や燕の巣 (ちとせ) 2 いちご・ヨヨ・
7 涙より今日を生きぬく雪の下 (ヨシ) 1 えっちゃんあら・
8 雑音の虹のひといろ欲しいだけ
9 母の日や娘料理も妻の味 (ふうりん) 4 ナチーサン・ヨシ・和談・茶々
10 薫風や無学ながらも一俳徒 (鮎) 3 ラガーシャツ・尾花・ヨヨ・
11 生命線握って生まれ天瓜粉 (ABCヒロ) 13 鮎・ちとせ・いちご・尾花・鮎・弥生・にゃんこ・玉虫・◎ダイアナ・ナチーサン・アイビー・かをり・
12 文様は湯呑みに映る牡丹かな
13 田舎道蛙啼く音は今何処 (ヨヨ) 1 てつを・
14 五月闇灯りともして読む漫画
15 お下げ髪揺れてポピーのなお揺れる (弥生) 3 てつを・にゃんこ・ヨシ・
16 何故そんな名前ついたの姫女苑 (てつを) 1 かをり・
17 文字摺草見遣る清正枕石
18 葉に触るる指もトマトの匂ひなり (にゃんこ) 4 ラガーシャツ・和布・かをり・和談・
19 万緑や城にちらほら武士の影 (玉虫) 2 ◎ヨヨ・
20 初なりの胡瓜三本賜りぬ (和布) 2 ちとせ・弥生・
21 睡蓮の色二筋に風の道 (ナチーサン) 5 森野・◎弥生・てつを・和布・
22 初夏の浜御陣乗太鼓鬼神なり
23 花茨白く咲けども野辺の花
24 山清水行き渡らせて千枚田 (尾花) 13 ABCヒロ・ラガーシャツ・鮎・◎ちとせ・森野・コビトカバ・和布・◎アイビー・ヨヨ・◎ふうりん・
25 鳥達の早口言葉夏兆す (コビトカバ) 7 ABCヒロ・鮎・いちご・てつを・和布・ヨシ・ふうりん・
26 初蝉や湿地周りの森林浴
27 一缶のビール夫婦で分かち飲む (ヨシ) 2 ◎茶々・
28 古き友集う今宵やあいの風 (和談) 1 えっちゃんあら・
29 糸くずに確と目鼻が目高の子 (ちとせ) 2 森野・にゃんこ・
30 全山を揺るがし荒ぶ青嵐
31 ピアノ弾く誤解のままに雲ながれ
32 少年の片耳ピアス新樹光 (玉虫) 6 ABCヒロ・コビトカバ・にゃんこ・ダイアナ・和布・ヨシ・
33 水は丸にも四角にも浮いて来い (ABCヒロ) 3 鮎・◎玉虫・
34 どうしてる自転車の旅老いの夏
35 車窓より地平線まで麦の秋 (ふうりん) 2 ラガーシャツ・弥生・
36 尺取を枝とまちがへ汗たらり (いちご) 1 ふうりん・
37 夏めくやスリッパ変えて素足かな (ヨヨ) 1 和談・
38 山法師重たき程の白さかな (弥生) 4 ちとせ・えっちゃんあら・てつを・ダイアナ・
39 更衣白はつらつと通学路 (にゃんこ) 1 弥生・
40 山梔子の一瞬かをる風抜けし (森野) 2 尾花・玉虫・
41 滝の水呑んで古里新たにす (ナチーサン) 2 森野・ヨヨ・
42 青梅や揉まれ揉まれて辛口に
43 父の日や素数のやうな人であり (てつを) 11 ABCヒロ・◎鮎・◎いちご・尾花・◎森野・コビトカバ・玉虫・ヨシ・茶々
44 語るべき夢には非ず明易し (和布) 2 鮎・玉虫・
45 朝刊のバイク音して明易し (アイビー) 1 えっちゃんあら・
46 卯浪蹴り鳥水平に飛びゆけり (尾花) 1 にゃんこ・
47 日向水お腹なでなでして治す (コビトカバ) 3 弥生・玉虫・アイビー・
48 口出して藪蛇もずく酢には噎せ (ちとせ) 1 いちご・
49 おかっぱの顎まで白し天花粉 (ヨシ) 2 にゃんこ・玉虫・
50 泣き終へて体の軽く夏の朝 (えっちゃんあら) 1 ヨシ・
51 深呼吸初夏のアファンの森歩く (ダイアナ) 1 ちとせ・
52 伊豆の湯や窓に朝富士梅雨晴れ間 (和談) 2 和布・ヨヨ・
53 石垣に刻む月日や苔の花
54 万緑や無人改札電子音 (玉虫) 5 ちとせ・いちご・森野・ナチーサン・アイビー・
55 転んでも泣かぬ子なりぬ風薫る (鮎) 2 えっちゃんあら・茶々・
56 昼寝覚五体満足整えて
57 蚕豆や鼻で味わふ酒ちびり (ラガーシャツ) 1 弥生・
58 夏蜜柑今年は層の厚き部に
59 十薬の匂ひが取れぬ爪の中 (ふうりん) 1 コビトカバ・
60 五月雨や赤信号の続く道 (いちご)
61 小半日ひたすら洗うらっきょかな (にゃんこ) 1 茶々・
62 みずすまし天敵の影捉へては
63 初夏に老人施設海の歌 (ヨヨ) 4 玉虫・ふうりん・◎和談・
64 明易し夢に寄せても言ふべきか
65 「はよしいや」婆の口ぐせ夏大根 (てつを) 1 ナチーサン・
66 手首噛む愛猫と寝て青芝に (茶々) 1 尾花・
67 ジュラ紀より逃げまはりたる青蜥蜴 (アイビー) 12 ABCヒロ・鮎・ちとせ・森野・コビトカバ・◎てつを・◎にゃんこ・ナチーサン・◎かをり・
68 枇杷の木や覆いつくさる袋掛 (ちとせ) 1 和談・
69 車前草や過ぎし日兄と草相撲
70 里山に老鶯自由自在かな
71 それぞれにそれぞれの恋浴衣着る (ABCヒロ) 5 尾花・◎コビトカバ・ダイアナ・ふうりん・
72 麦秋や山頂白き筋幾多 (ダイアナ) 1 ヨヨ・
73 担任はのっぽのジャージ梅を捥ぐ (玉虫) 3 尾花・ダイアナ・和布・
74 田植機に狭められゆく水鏡 (鮎) 3 にゃんこ・ダイアナ・和談・
75 黒南風の国生みの島隠しけり (てつを) 2 アイビー・かをり・
76 お喋りに交じる川音夏料理
77 雨上り葉陰に覗く西瓜玉
78 夏布団寝がへり自由手足伸ぶ (いちご)
79 横文字や大きく開く百合の花
80 遠目にも風を呼びゐる夏木立 (森野) 1 コビトカバ・
81 朗々と昭和を歌ひ夏来たる
82 さくらんぼ一つを食ふて仲直り (えっちゃんあら) 3 アイビー・ふうりん・茶々・
83 青梅の青際立つや雨上がり
84 雨降りて子実重たき柿若葉 (ヨヨ) 2 てつを・和談・
85 ざらざらの舌が巻き取る夏薊
86 梅雨寒し気配なくして眠る猫 (にゃんこ) 3 ◎ABCヒロ・茶々・
87 人生は今を起点と夏つばめ (ナチーサン) 2 ラガーシャツ・かをり・
88 老いの身を案ずる如く雨蛙 (茶々) 2 ◎ラガーシャツ・
89 黒猫の目だけが光る木下闇
90 抜き足の鷺の漁する代田かな
91 紫陽花は紫が主雨上がり
92 苺狩特特大を見つけたり (コビトカバ) 1 ラガーシャツ・
93 庭仕事正に出番や麦藁帽 (ちとせ) 1 コビトカバ・
94 寸土さへ生きる場所なり苔の花 (ヨシ) 2 ダイアナ・ナチーサン・
95 命日やカレーライスと薔薇供へ
96 田の空の燕を追ひて顔旋回
97 溝浚へ見知らぬ顔は三代目 (てつを) 8 ABCヒロ・鮎・◎尾花・森野・ダイアナ・◎和布・
98 薫風や一信一宝得る一献 (和談) 2 かをり・ふうりん・
99 夏帽子少し汚れて旅果つる (鮎) 2 いちご・アイビー・
100 向かい合ふ鰻の香り夫婦かな (ラガーシャツ) 1 茶々・
101 妖艶な役者の立ち居夏芝居 (ABCヒロ) 2 ◎えっちゃんあら・
102 大の字という至福かな夏座敷 (弥生) 3 ラガーシャツ・いちご・ヨヨ・
103 夏草の下に日月ありし丘 (森野) 1 てつを・
104 悪口も嘘も言ふ口柿の花 (玉虫) 5 ABCヒロ・えっちゃんあら・◎ナチーサン・ふうりん・
105 紫陽花に多様性はと問はれけり (ナチーサン) 1 えっちゃんあら・
106 一羽のみ尾羽根短し鴉の子 (にゃんこ) 1 アイビー・
107 遠来の鯛の刺身に豆ご飯
108 観劇の主役引っ張る蜘蛛の糸
109 紫陽花の一輪お茶の一雫 (茶々) 2 弥生・ナチーサン・
110 夏場所や贔屓の力士の下克上 (ふうりん) 4 アイビー・◎ヨシ・和談・
投句者は、えっちゃんあら、ABCヒロ、和談、コビトカバ、鮎、いちご、森野、ラガーシャツ、ヨヨ、尾花、玉虫、ふうりん、てつを、にゃんこ、弥生、ちとせ、ダイアナ、ナチ―サン、アイビー、和布、茶々、ヨシの22名。ほかに選句のみ参加・かをり
特選2点、並選1点で計算
間違いその他不都合な点をご連絡下さい。
選句は順調に進んでいます。従来、全員の選句が終わった時点で集計作業に入っていましたが、未選句の人に無用のプレッシャーかかりますので今回から改めます。全員の選句が済んでも、結果発表は予定通り6月14日に行います。
また、今回は投句されませんでしたが、かをりさん、束束子さんも是非選句にご参加下さい。投句されない方も選句できるのが当ネット俳句会のルールです。
投句者全員の選句が終わりましたが、未投句者で選句をする人があるかも知れませので、結果発表はスケジュールの通り6月14日に発表します。
それで良いと思います。人それぞれです。せっかちな人、のんびり屋さん。いちいち気にしていたら管理人さんが持ちません。締切日12時と決められているのでその間は許容範囲と。締め切りに間に合わない時はその人の責任と割り切ってください。
私は締切日前日までにはと心掛けています。この歳になると何があるかわかりませんから。
清記&選句
6月句会の清記一覧を発表します。投句された方は速やかに選句に入って下さい。
投句者は、▼えっちゃんあら、▼ABCヒロ、▼和談、▼コビトカバ、▼鮎、▼いちご、▼森野、▼ラガーシャツ、▼ヨヨ、▼尾花、▼玉虫、▼ふうりん、▼てつを、▼にゃんこ、▼弥生、▼ちとせ、▼ダイアナ、▼ナチ―サン、▼アイビー、▼和布、▼茶々、▼ヨシの22名。ほかに選句のみ参加・▼かをり(▼は選句済み)
選句要領
1 選句期間 6月11日(火)~6月13日(木)
2 選句数 8句 うち1句を特選とする。特選は無しでも構わない。特選2点、並選1点で計算します。
3 選句方法 句番号を書き出すだけでもよい。
4 結果発表 6月14日(金)
5 投句に参加しない方も選句することも出来ます。進捗状況によってスケジュールが早まることもあります。
6月度みんなのネット俳句会清記一覧
1 袋からバゲットのぞく麦の秋
2 神鳴りや今日はなんだか冴えている
3 サングラスかけて将来ベンツ買ふ
4 友の戸へ十薬の花導けり
5 ジョッキから溢るる泡や梅雨晴れ
6 建売に先に入居や燕の巣
7 涙より今日を生きぬく雪の下
8 雑音の虹のひといろ欲しいだけ
9 母の日や娘料理も妻の味
10 薫風や無学ながらも一俳徒
11 生命線握って生まれ天瓜粉
12 文様は湯呑みに映る牡丹かな
13 田舎道蛙啼く音は今何処
14 五月闇灯りともして読む漫画
15 お下げ髪揺れてポピーのなお揺れる
16 何故そんな名前ついたの姫女苑(ひめじよをん)
17 文字摺草見遣る清正枕石
18 葉に触るる指もトマトの匂ひなり
19 万緑や城にちらほら武士の影
20 初なりの胡瓜三本賜りぬ
21 睡蓮の色二筋に風の道
22 初夏の浜御陣乗太鼓鬼神なり
23 花茨白く咲けども野辺の花
24 山清水行き渡らせて千枚田
25 鳥達の早口言葉夏兆す
26 初蝉や湿地周りの森林浴
27 一缶のビール夫婦で分かち飲む
28 古き友集う今宵やあいの風
29 糸くずに確と目鼻が目高の子
30 全山を揺るがし荒ぶ青嵐
31 ピアノ弾く誤解のままに雲ながれ
32 少年の片耳ピアス新樹光
33 水は丸にも四角にも浮いて来い
34 どうしてる自転車の旅老いの夏
35 車窓より地平線まで麦の秋
36 尺取を枝とまちがへ汗たらり
37 夏めくやスリッパ変えて素足かな
38 山法師重たき程の白さかな
39 更衣白はつらつと通学路
40 山梔子の一瞬かをる風抜けし
41 滝の水呑んで古里新たにす
42 青梅や揉まれ揉まれて辛口に
43 父の日や素数のやうな人であり
44 語るべき夢には非ず明易し
45 朝刊のバイク音して明易し
46 卯浪蹴り鳥水平に飛びゆけり
47 日向水お腹なでなでして治す
48 口出して藪蛇もずく酢には噎せ
49 おかっぱの顎まで白し天花粉
50 泣き終へて体の軽く夏の朝
51 深呼吸初夏のアファンの森歩く
52 伊豆の湯や窓に朝富士梅雨晴れ間
53 石垣に刻む月日や苔の花
54 万緑や無人改札電子音
55 転んでも泣かぬ子なりぬ風薫る
56 昼寝覚五体満足整えて
57 蚕豆や鼻で味わふ酒ちびり
58 夏蜜柑今年は層の厚き部に
59 十薬の匂ひが取れぬ爪の中
60 五月雨や赤信号の続く道
61 小半日ひたすら洗うらっきょかな
62 みずすまし天敵の影捉へては
63 初夏に老人施設海の歌
64 明易し夢に寄せても言ふべきか
65 「はよしいや」婆の口ぐせ夏大根
66 手首噛む愛猫と寝て青芝に
67 ジュラ紀より逃げまはりたる青蜥蜴
68 枇杷の木や覆いつくさる袋掛
69 車前草や過ぎし日兄と草相撲
70 里山に老鶯自由自在かな
71 それぞれにそれぞれの恋浴衣着る
72 麦秋や山頂白き筋幾多
73 担任はのっぽのジャージ梅を捥ぐ
74 田植機に狭められゆく水鏡
75 黒南風の国生みの島隠しけり
76 お喋りに交じる川音夏料理
77 雨上り葉陰に覗く西瓜玉
78 夏布団寝がへり自由手足伸ぶ
79 横文字や大きく開く百合の花
80 遠目にも風を呼びゐる夏木立
81 朗々と昭和を歌ひ夏来たる
82 さくらんぼ一つを食ふて仲直り
83 青梅の青際立つや雨上がり
84 雨降りて子実重たき柿若葉
85 ざらざらの舌が巻き取る夏薊
86 梅雨寒し気配なくして眠る猫
87 人生は今を起点と夏つばめ
88 老いの身を案ずる如く雨蛙
89 黒猫の目だけが光る木下闇
90 抜き足の鷺の漁する代田かな
91 紫陽花は紫が主雨上がり
92 苺狩特特大を見つけたり
93 庭仕事正に出番や麦藁帽
94 寸土さへ生きる場所なり苔の花
95 命日やカレーライスと薔薇供へ
96 田の空の燕を追ひて顔旋回
97 溝浚へ見知らぬ顔は三代目
98 薫風や一信一宝得る一献
99 夏帽子少し汚れて旅果つる
100 向かい合ふ鰻の香り夫婦かな
101 妖艶な役者の立ち居夏芝居
102 大の字という至福かな夏座敷
103 夏草の下に日月ありし丘
104 悪口も嘘も言ふ口柿の花
105 紫陽花に多様性はと問はれけり
106 一羽のみ尾羽根短し鴉の子
107 遠来の鯛の刺身に豆ご飯
108 観劇の主役引っ張る蜘蛛の糸
109 紫陽花の一輪お茶の一雫
110 夏場所や贔屓力士の下克上
間違い、その他不都合な点をご連絡下さい。