将棋界8冠のうち6冠保持者の藤井聡太さん、その1つ叡王戦の防衛に成功し6冠を守った。叡王戦は5回戦制、2勝1敗と王手をかけた第4戦、何と2度の千日手(引き分け再試合)になり3度戦った。1回戦より2回戦と持ち時間が制約される仕組みで自然に早指しになり時間に追われる戦いになったが3局とも「穴熊戦」。自陣に籠っての戦い。相手は菅井竜也8段。藤井6冠が負け試合を引き分けに持ち込んだ場面もあったがいずれも見ごたえのある叡王戦だった。
今日は大谷の登板日で(勝ち負けつかずで6回2失点、三振10個)もあり、「家康どうする」とも重なりテレビは大忙し、結局相撲は勝負がついていることもあり結局見ず仕舞い。
5月句会の互選結果の記事のピン留めを解除しました。ご覧になりたい方は、no.1645の記事までスクロールして下さい。
皆さんの感想も一巡したようですので、明日29日から「俳句三択クイズ」を始めます。
4 乗っ込みの大鯛斧をもて捌く (束束子さん) 3
「乗っ込み」の理解が曖昧だったので辞書で引いた。その上でこの句を見直した。力強い男性的な句柄に惹かれたが多少強引さが
気になった。その後、1652での作者のコメントや、1654の尾花さんの投稿などを見てその内実を知るに及んで唸ってしまった。
早速物差しを持ち出し83センチを実感したり尺を換算したりした。 それにしても「斧で鯛を捌く」とは、参りました。
6 美味勝る浜名湖鰻杭に鷺 (茶々さん) 1
茶々さんが浜名湖へ行かれるとお聞きしたので「鰻を句材に一句ね」と所望した。初心者の彼、季語に悩まされている昨今、
「鷺」が無季と知ってか鰻と重ねている。初夏の浜名湖を堪能している様子が「杭に鷺」から窺える。
33 小馬穴に藻屑と稚魚と潮招 (束束子さん) 3
季語はシオマネキ。昔、内海の友人宅の近くの浅瀬で多くの潮招が犇めいているのを見た。海育ちの私には懐かしく時を忘れて見
入った。その夜思わぬ大雨で床上浸水、夜中に家財道具を二階へ上げるなどとんだハプニング。
この句、小さなバケツに詰め込まれた藻屑と稚魚、その中で喘いでいるシオマネキ。何となくユーモラス。潮の香が脳裏に蘇る。
51 散歩終え新茶の雫分かち合い (和談さん) 2
この句中七、下五に惹かれた。急須に入れた新茶を夫妻の湯呑へ、一滴も残さずと絞り出す新茶。湯気も共に。初夏の散歩は心地
よい。早朝だろうか。小鳥のさえずりも耳に。何気ない日常の生活にこそ句材は潜んでいるのかも。人は感性を澄ますだけで良い。
71 初夏を吐く鬼の一手の垂れ歩かな (かをりさん) 4
かをりさんが将棋で勝負を賭けて来た。「垂れ歩」は「待ち駒」と並び相手にとって嫌な手だ。私は「千日手」で。勝負は強引
に千日手(引き分け)に持ち込んだが彼は謎の多いご仁だ。最近も「本来は短歌がメイン」とのたまった。二刀流を楽しんでいるの
か。
85 亡き師の庵芭蕉巻葉の凛と立つ (尾花さん) 4
「芭蕉巻葉」を辞書に引いた。「大、琴を覆ふべし」とある。特徴のある葉である。芭蕉が号に用いた。「ばせう・はせを」
熱帯植物ではなく中国原産とある。「凛と立つ」は苞か花か。ごくまれに花軸が伸びて小さなバナナそっくりの実が無数になること
もあるという。この句、読むごとに一句を醸し出している得も言われぬ雰囲気に感動し特選に戴いた。
90 日光黄菅尾瀬へ空へ思ひ馳せ (ちとせさん) 1
定型のヅレが気になったが、作者の想いの拡がりに押され選んだ。作者は「夕菅との違いを日光に託した」とあるがこの繊細な感
性は大事にしたい。この句選は私だけだが多くの方の関心を寄せている。束束子さんの添削句も一案では。
アイビーさんのお話、楽しく読みました。
時たま日曜の朝、早起きでNHKを観ますが、短歌と俳句の違いがでて、面白いです。間欠のラジオ体操が絶妙。
ある意味、俳句はニヒルですねえ。孫の句は甘くなるとか。
31字は完結志向ですが17文字は余韻という素晴らしい肝がありますね。
かをりさんは、もともと短歌志向だったのですか。
私が俳句を始めたのは65歳の時で、ありていに言えば短歌でも俳句でも川柳でも、何でもよかったのです。ですから俳句を始めたのははほとんど偶然の所産でした。
ところが、俳句をやり始めてから、短歌と俳句はつくる過程が、ほとんど真逆ではないかと気づきました。
俳句は17文字で完結せねばなりませんが、短歌は、プラス14文字の間に完結すればよいのです。この差の14文字がとてつもなく違うのです。
俳句は沈黙の文芸、言いかえれば引き算、もっと極言すれば、俳句をつくることは言葉を削る作業にほかならないと、個人的には思います。逆に短歌は絢爛たる言語世界の中で言葉を紡ぎ、恋を語り、人生を語ります。いわば足し算の文芸と言えるかと思います。誤解を恐れずに言えば、短歌は饒舌です。
かをりさんが仰っておられました一言、「短歌は照れたらだめ」と。いみじくも、この言葉に両者の本質を見たように思います。
門外漢の私があらぬ妄想を述べてしまいました。どうぞ、ご放念を。
ナチーサンさんへ
芭蕉巻葉の句の鑑賞、ありがとうございました。
高校教師をしながらまた退職されてからも陶芸をされ、日本伝統工芸展に何度も入選され、二足のわらじをはいていらした先生。その先生が亡くなられて1年半になりました。
穴窯を備えた陶芸庵の入口近くに芭蕉の木が一叢あります。高台にあり風当たりが強いので、冬には大きな葉がボロボロに裂け破芭蕉となるのですが、初夏になれば新しい葉が茎の中央から堅く巻いたままツンと伸び、その威厳のある姿が凛としていて芭蕉巻葉を見るたび亡くなられた先生を思い出します。
ナチーサン、垂れ歩の句のコメント、ありがとうございます。
垂れ歩は父が好きな歩の手筋?らしいです。
歩のない将棋は負け将棋なのですね。将棋はホント耳年増です。
短歌は俳句にくらべて、実は楽々してよめます。
去年の春の恋なら、
春の恋スローカーブをもう一球 ペン胝のある彼の人生 かをり
予定調和を壊す楽しみです。俳句と違い照れてはだめなんです。
感想戦も盛況でとてもうれしいです。
山荘の目は先を行く夏蕨
山荘へ出かけたのだが、草深い道を歩いていると夏蕨が生えているのが見えた。 という句意でしょう。
ところが、この句の主語になる「山荘」 この山荘に目があるような作り方になってませんか?
中7の部分が作者の伝えたいことのようなので、ここは「山荘」は邪魔なような感じがします。私なら
「山雨来て目は先を行く夏蕨」 としたいですね。
山草採りに出かけたところ、気まぐれな山の天気で、突然パラパラと雨粒が落ちてきた。 身を隠す場所が無いので
道の先へと目をやったところ、夏蕨の群生。 さて どうしようかという焦りの気持ちが入った句に仕上げます。
もしかしたら「山荘」は「山草」の変換ミスでは? 山草の目は先を行く夏蕨だったのでしょうか? ???
6月から7月にかけ、各種公募俳句の募集が目白押しです。主なものを紹介します。専用の投句用紙のダウンロード、また詳細についてお知りになりたい方は、主催者のホームページを参照してください。
第77回芭蕉翁献詠俳句募集(郵送に限る)
投句締切 7月31日
募集区分 一般の部、テーマの部 各部門とも10句まで 選者指定すること
選者 稲畑廣太郎、井上弘美、宇多喜代子、小川軽舟、小澤實、櫂未知子、坂口緑志、西村和子、長谷川櫂、星野椿、堀本裕樹、正木ゆう子、三村純也、宮坂静生、宮田正和、テーマの部 片山由美子
郵送先 〒518-0873 伊賀市上野丸之内117-13 芭蕉翁献詠俳句係
第58回子規検証全国俳句大会作品募集
募集期間 6月30日(当日消印有効)
投句料 2句1組 500円
選者 稲畑 廣太郎・伊藤 伊那男・小澤 實・野中 亮介・江崎 紀和子
応募先 〒790-0857 松山市道後公園1-30
松山市立子規記念博物館内 「子規顕彰全国俳句大会」係
ねんりんピック 笑顔のえひめ2023 俳句募集
事前応募句 高齢者(60歳以上)・一般(60歳未満)・ジュニア
応募期間 6月30日(必着) 一人2句まで
投句料 無料
選者 中村和弘・高野ムツオ・田島和生ほか、全10名の先生方
応募先 〒790-8571 松山市二番町4丁目7-2
ねんりんピック愛顔2023松山市実行委員会事務局
第2回天下布武岐阜俳句大会 俳句募集
募集期間 6月1日~7月20日
投句料 無料 所定の投句用紙に 一人10句まで
〒500-8113 岐阜市神田町9丁目18番地 新岐阜駅前第一ビル303
岐阜市商店街振興組合連合会「天下布武岐阜俳句大会」係
大鯛の句の評をいただきまして ありがとうございます。
つり具店などに貼ってある魚拓を見ると、大体60cm以上のものが多いのですが、今回捌いたのは82cm,6・9kg
普通、大鯛と称しているのは70cmで4.4kg以上の物をいうようですから、今回の2匹は「巨鯛」とも呼べるほどのものです。
これほど大きくなると、あの美しい紅色は失せて、どす黒い色をしているので「ギョッ」とする程です。
「乗っ込み」は俳句としての用例は極めて少ないのですが、釣り仲間では「湧く」、「ナブラ」という言葉なども含めて、一般的に使われてます。 「湧く」というのは大量の魚が集まって海面が盛り上がるような状態のことですが、汽水域のボラの群れや、産卵期に岸によせるフグなどに見られます。 また「ナブラ」は集まった稚魚が大きな魚に追われて海中から海面へと沢山飛び出すような状態のことですが、釣り師(アングラーといいますが)は、このナブラに向かって疑似餌(ルアー)をぶち込んで大きな魚を狙います。
イワシの群れを追いかける習性のあるカツオやマグロ、カジキなどはこの方法での釣り方です。 乗っ込みの大鯛は産卵寸前のメスを沢山のオスが追い回すので、ルアーに引っかる率が多くなります。大鯛が釣れるのは4月下旬から5月中旬までですね。
なお、アングラーで有名な俳人に園部雨汀さんという方がいらっしゃって「俳句・魚の歳時記」を発刊しております。伊豆に生まれ育ち、持ち船で毎日出漁しながら俳句を詠み、週刊「つりニュース:俳句」の選者をやってたが、今は別な方が担当されているようです。
はははは 味は変わりがありません。 ただ小骨でも相当硬いので注意して飲み込まないと酷い目にあいますね。
そうそう 頭や骨に残った部分の身は、妻が時間をかけて解して「そぼろ」にしてました。 これは美味しいですね。
俗に目の下一尺と言いますが、ゆうに倍、3倍ぐらいあるのですね。驚きました。大相撲の千秋楽に優勝力士が報道陣にかざす大鯛よりも一回り大きそうですね。で、味の方はどうでした。
コビトカバさんへ
私の解釈が、デティールの部分で違っていたようですが、俳句では特に珍しいことではありません。コビトカバさんの異動に対する、非常に前向きでアグレッシブな姿勢を「風薫る」という楚辞から、私が感じ取ったのです。
私自身の現役時代、そこまで意識高く仕事をしていたか、今更ながら忸怩たる思いです。これからも、仕事と趣味の俳句と頑張って下さい。私からの精一杯のエールです。
森野さんへ
お兄さんは既にお亡くなりになっておられたのですね。それもお二人とも。しかし草笛の句からは森野さんのお兄さんに対するお気持ちはビンビン伝わって来ました。お兄さんとともに過ごした濃密な時間は、実に貴重な時間だったのですね。お察しします。
アイビーさんからもエールが!
嬉しい限りです。
新しい職場の初出勤は明日なんです。ドキドキ!!
コロナのの為延び延びになっていた都築邸への訪問がやっと叶った。自宅は豊明にある閑静な一角。3人の息子さん達もそれぞれ独立し北国など県外へ、正月にはお孫さんを迎えての楽しい一時を。自宅前にはおよそ100坪の菜園が。彼の半年の作品である採れたての空豆、豌豆など奥様の手作りの季節料理が並ぶ。テーブルには伊勢志摩サミットでの名酒「作」、やや甘口。口当たりが良く差しつ差されつしている内に空に。さらに秘蔵の銘柄が。彼は、地本の桶狭間研究愛好家の会員。会員の子供達を交えて作成した段ボール製の甲冑・兜が床の間に。興じてナチーサンが身に付ける羽目に。槍が無く缶ビールを持たされ写真に納まった。名目は俳句の研究会だったがそっちのけ。「子供の感性をいつまでも」で終わった。窓際の樹木に幾組かの小鳥が来ていたが知らぬ間に夜も更けていた。
和談さんご夫妻は豊明のお住まいでしたか。俳句研究にかこつけ、楽しいひと時を過ごされたようで何よりでした。ところで桶狭間の合戦をめぐる名古屋・豊明の争いはどう決着したのですかね。
どうしても気になった句:日光黄菅尾瀬へ空へ思ひ馳せ
5・7・5の定形から大きく崩れているんじゃないでしょうか?
にっこうきすげ/おぜへそらへ/おもひはせ で 7・6・5 「空」が余分みたい
私なら 尾瀬沼の/日光黄菅/への思ひ としますがね どうでしょうか?
日光黄菅尾瀬へ空へ思い馳せ
御指摘されて今気付きました。
日光黄菅尾瀬へ空へと思い馳せ
“と” が抜けてました。毎年庭に日光黄菅が咲きます。その度に尾瀬を訪ねた遠き思い出が蘇ります。どうしても夕菅と分けたくて日光をいれて上7にしました。尾瀬の空へとでは無く尾瀬沼へ更に尾瀬の空へとの思いを込めました。
束束子さん、ご指摘くださり有難うございました。アイビーさんにも、2句の講評、優しい解釈を頂き感謝しております。
なるほど、そうですね。