アイビーの俳句鑑賞 その2
95 六畳の半分占める雛かざり (エミさん)
面白いところに着目した。今の生活様式はどんどん西洋化しているから雛段を飾る日本間は数が限られている。いきおい仏間とかに飾るのだが、雛段も五段飾りとかになると結構なスペースを取る。「六畳の半分」と具体的なのが可笑しい。読み手は「あるある」と肯くばかりだ。ちょっと気がつかぬところに目をつけた作者のアイデアに拍手。
100 かやく飯お握りにして梅見かな(ふうりんさん)
かやく飯とは関西の呼び方で、東海地方では五目飯と言う。藤井五冠の瀬戸市では「ごも」と言って瀬戸市のソウルフードだ。私の妻は西三河の出だが「人参ご飯」などと言う。好きな人には堪らない、クセになるという。作者のふうりんさんもその口で、家族と梅見に行くのだが、昼食はかやく飯のお握りを所望。奥さんもご亭主の好物は心得ているからいそいそと支度に余念が無い。値の張る高級食材でなく、庶民的なかやく飯にしたところに好感が持てる。微笑ましくも楽しい句になった。
83 指追って俳句作る子蝌蚪生る(ナチ―サンさん)
取り合わせの句だが、このくらい季語を離して使うとよいという見本のような句。俳句人口の先細りが言われる昨今、指を折り字数を数えながら俳句作りに悪戦する子供たちが微笑ましい。願わくば国語の授業だけでなく大人になっても俳句に親しんでもらいたいと思う。もっとも子どもたちばかりでなく、大人でも指折りして句を作る人はざらにいるのだが。
7 鰊群来語りとなりし番屋跡 (森野さん)
49 𩸽竿並ぶ浜辺はオホーツク (森野さん)
森野さんは最近、北海道に旅行されたのか、北海道の風物を詠んだ句が高点を得た。前句は「にしんくき」と読み春の季語。鰊は一名、春告魚とも言いかつては鰊が来ると海が盛り上がったと言う。それも今は昔、往時の繁栄と活気を語る番屋が今となっては物悲しい。しばし感慨に耽る作者。二句目、𩸽は「ホッケ」のこと。ホッケはどこでも売っているが本場で食べるホッケは別物ではないかと思うくらい美味だ。ホッケは春には餌を求め、秋には産卵のため沿岸に近づく、その習性を利用して一本釣りする。その壮観な眺めは、作者の詩心に触れる何かがあったに違いない。ただし私の歳時記には「𩸽」は載っていないのだが。
52 卒業子すでに口紅使うらし(ABCヒロさん)
作者の視点が面白い。女子高生が卒業間近になるとメイキャップの講習があるらしいが、何れにせよ化粧慣れしてない娘たちのことゆえ、なにをやっても初々しい。最初は板につかない化粧だが、そのうち垢抜けして一人前のレデイになることだろう。卒業がテーマの俳句は、とかく涙とか別れとか同じパターンに陥りがちだが、類想を上手く避けたところが流石だ。
51 両親の墓じまいする彼岸かな(無点)
惜しくも無点となったが、大いに考えさせられる内容を孕んでいる。自分もだんだん老齢化して行くのに、あとの墓を守る人がいない。それでも自分が元気なうちは頑張って両親の墓守をしてきたが、さて何時までできることやら。今度のお彼岸を潮時に墓じまいすることにしようか、というのが句意であろうか。身辺整理も終活なら、墓じまいもまた終活なのだ。身につまされる話だ。
以下次号、不定期掲載
No.1310アイビー2023年3月18日 18:00
49 𩸽竿並ぶ浜辺はオホーツク (森野さん)
「𩸽」角川の季寄せには秋の季語で載ってますよ。
No.1311ナチーサン2023年3月18日 19:26
いよいよ明日春の高校野球が開幕します。
愛知の東邦高校は2日目第1試合、東北城西高校と対戦します。大阪桐蔭高校の連覇なるかなど見所の多い大会になりそうです。
No.1307ナチーサン2023年3月17日 19:03
東邦の対戦相手は鳥取城北でした。
No.1309ナチーサン2023年3月18日 10:16
31 春寒し気球にぢつと見られゐて
この感じわかります。気球ってスピードはあがらず、高度も低いので。時事句としてもおもしろい。
32 向こうから近づいて来る手のぬくし
懐かしい人、お世話になった人、恩師、色々想像できて私は好きです。想像と具体化はお好みで。
私はベレー帽の恩師かなあ。
43 がんじきの跡目の囲む枝垂梅
囲むが平凡説明っぽいかなあ。後をたどっていったらそこに枝垂梅が在ったという感じのほうが俳句っぽいかと
だけど、雪国いい風景ですねえ。
47 向き揃へそっと仕舞ふや番雛
そっとは無用かと。向き揃へで丁寧な作者の心は十分感じます。
しかし、やで切っているのに 中七と座五がつきすぎ。
60 ゆつくりと町を濡らして春の雨
ゆつくりと春の雨は付き過ぎでしょうか。
89 変な嘘ニヤけ夫は四月馬鹿
面白かった、ひたすらわらいました。にやける夫(つま)来年この季語で一句を希望します
105 今日木曽の林業大の卒業式
好きな句です。「林業大の卒業」が肝ですもん。
若き師と林業大の卒業子
久々にアイビーさんの観賞三原則を履行いたしました。
おやすみなさいませ。
No.1299かをり2023年3月16日 22:59
> "アイビー"さんが書かれました:
> いやあ、かをりさん手厳しいですなあ、しかし、手厳しいなかにも愛情のある指摘ですから、その辺をお汲み取り下さい。
> 43 がんじきの跡目の囲む枝垂梅
> かをりさんのご指摘、まことにごもっともで異論はありません。しかし、おそらく作者にすれば、みたままの情景だったのかと思われます。事実を優先するのか、俳句としての完成度を優先するのか、難しい問題ですね。私だったら、少しぐらい虚構を入れても、俳句の完成度を上げる方に軍配を上げます。
やり方よくわかりませんがこれでもいいのかな?
いやいやご丁寧にありがとうございます。ありていはテレビでちらと見た枝垂れ梅が周囲に柵や囲いがなくぐるりと箒目がついているだけだったので苦し紛れ。 がんじきの跡目の結界枝垂れ梅 多分そこからうちは入ってほしくないのかなと思ったまで。ちょっと漢字が続くので避けました。
No.1308棚釜2023年3月17日 19:07
いやあ、かをりさん手厳しいですなあ、しかし、手厳しいなかにも愛情のある指摘ですから、その辺をお汲み取り下さい。
43 がんじきの跡目の囲む枝垂梅
かをりさんのご指摘、まことにごもっともで異論はありません。しかし、おそらく作者にすれば、みたままの情景だったのかと思われます。事実を優先するのか、俳句としての完成度を優先するのか、難しい問題ですね。私だったら、少しぐらい虚構を入れても、俳句の完成度を上げる方に軍配を上げます。
No.1306アイビー2023年3月17日 16:39
2 子は持たず手窪に乾く春の泥 (かをり さん)3 おだまき、◎ちとせ、
この句はかをりさんワールドと特選に頂きました。春泥に郷愁を感じても昨今見掛けない難しい季語で心情を、受け止めました。
3 雛様と私の一夜飾りかな(ちとせ) 1 かをり、
俳句が一人歩きしてしまった感があって迷ったのですが、作者は母が孫娘に誂えた雛を毎年飾る、しかも私も良いお顔に会いたくて3日に、翌日納めました。
105 今日木曽の林業大の卒業式
御嶽への道縋ら林業大の卒業用意を見掛け、林業に携わる学生さん達に清々しさを感じて。取り上げて下さって嬉しいです。
かをりさん有り難う御座いました。
No.1303ちとせ2023年3月17日 09:33
アイビーの俳句鑑賞 その1
例によってアイビーの俳句鑑賞3原則に基づき感想を述べさせて頂きます。3原則とは①作品に対するリスペクトの気持ちを持つ ②入点の少ない句、無点句でも取り上げるべきは取り上げる ③いわゆる仲間褒めはしない の3点です。お気を悪くされた向きには平にご容赦を。また反論、異論は大歓迎です。
8 イヤホンを外して気づく初音かな(弥生さん)
弥生さんは当句会初投句。ウォークマンなど音楽を聴きながらの通勤、あるいは通学といった現代人のライフスタイルを詠んで、絵空事でない今の時代の俳句になった。何も宗匠が宗匠頭巾をかぶって風流ぶるばかりが俳句ではない。その意味でもこの句は我が意を得た心地がする。ただ中七の「外して気づく」は、やや散文的なトーンになっているので一考を要する。
22 鶯の片言鳴きを真似てみる (令淑さん)
早春の鶯はまだまだぎこちない鳴き方だ。「ホーホケキョ」のホーの部分を十分に伸ばさないから、どうしても寸詰まりな印象だ。その下手さ加減を口真似する作者。そこはかとなくユーモアが漂って来る句だ。今は下手でも5月、6月と経過して老鶯と呼ばれる頃には、惚れ惚れとする鳴き声になる。
57 磴を行く白き遍路の背ナ続く(尾花さん)
石段を登っていく遍路の団体となると知多の新四国ではなく、やはり本四国の88ヶ寺のイメージだろう。遍路の衣装は言うまでもなく白一色だから、延々と白い遍路が登っていく様は、四国の春景色と相まって壮観で清々しい。中七座五の「白き遍路の背ナ続く」が春の遍路のイメージを際立たせている。
75 エイプリルフール思い浮かばぬ嘘(コビトカバさん)
コビトカバさんも当句会初投句。エイプリルフールということで誰かを担いでやろうとするが、上手い具合にアイデアが浮かばない。いかにもありそうで、なおかつ罪のない笑って済むような嘘となると、もともとが真面目なコビトカバさんには至難の業だろう。かくして、折角の作戦も直ぐに相手にばれてしまい不首尾に終わる。そのあたりの機微が上手く詠めている。
79 掌にまろくころころ鳴るや土鈴雛(ちとせさん)
土鈴雛は万古焼などの焼き物の鈴で雛人形の形になっている。小さな物なので掌にすっぽり収まってしまうほどだ。いかにも素朴で愛らしいお雛様。転がせばチリンチリンと澄んだ音色が嬉しい。
31 春寒し気球にぢつと見られゐて(無点)
ニュースから題材を得た句。某大国は何かと物議をかもすことが多いが、この度は他国の領空に気球を飛ばし、なにやら偵察していた由。アメリカが気球を撃墜したところ中国が猛抗議。たかが気球とは言うがなにやらキナ臭い。春とは言え、国際情勢は不気味で「春寒し」と言ったところ。惜しく句も無点句になったが、趣向が面白い。
以下次号、不定期掲載
No.1295アイビー2023年3月15日 20:24
ちとせさんが土鈴雛の写真を貼って下さいした。風情がありますね。全く句のイメージ通りの土鈴雛です。
No.1305アイビー2023年3月17日 11:47
79 掌にまろくころころ鳴るや土鈴雛 (ちとせ)
アイビーさん選句に預かり有り難う御座います。ずーっと前に友から貰って、何年か振りに飾って俳句に。平安鈴と書いてありました。
No.1302ちとせ2023年3月17日 07:54
皆さまの句を分かりやすく解説していただきありがとうございます。
鑑賞の説明を聞き、成る程と思うことしきりです。
鑑賞をもっと深くしたいと痛感しています。
No.1296弥生2023年3月16日 10:35
決勝戦 3/22
準決勝戦 3/21 日本対プェルトリコ×メキシコ(3/18)の勝者
準決勝戦 3/20 キューバ対アメリカ×ベネズェラ(3/19)の勝者
No.1304ナチーサン2023年3月17日 10:15
イタリア戦、大谷が先発大勢が締めた。ダルビッシュも投げた。ダルは最後の日本での投球かもとしっかり目に収めた。連覇を狙うアメリカも辛勝準決へ。あと2戦、舞台はアメリカ。サムライ頑張れ!
No.1300ナチーサン2023年3月16日 23:40
気合いの入ったすごい試合でしたね。
1発があるのでドキドキして応援していました。村上も打てたし良かったです。次からは、アメリカへ!!
頑張って欲しいです。
めっちゃ応援しています!
(*´∀`*)尸"
No.1301ヨシ2023年3月17日 00:59
3 雛様と私の一夜飾りかな(ちとせ)
特選にしようか迷った名詞と助詞のみケレンミのなゐ怖い句ですよね。一夜飾りで薄ら怖く、「私の」でとても怖いのです。
雛を可愛いという人には読めない句であります。これからのちとせさんの句を楽しみにしております。
7 鰊群来語りとなりし番屋跡(森野)
鰊群来と番屋跡はありがちな組み合わせ。それを現在の視点で懐かしげに詠んだ所が達人です。
国破れて山河在り、つわものどもに詩に繋がり、私には新鮮に感じました。
45 拳万の小指短し春夕焼け(えっちゃんあら)
幼子の小指は短くて、拳万の七分まで。焦点の絞りが効きます。
童謡になりそうな春の拳万、その詩心がうらやましいです。
75 エイプリルフール思い浮かばぬ嘘(コビトカバ)
発想の独自性。考えてみるとエイプリルフールに嘘をつこうなんてごくごく少数。それをそのまま詠んだ。
この季語に嘘の説明、その周辺をぶつけている句はありますが、こういう句はありましょうか。
成功は17文字におさめたことです。脱帽です。またよろしくお願いいたします。
80 真つ直ぐに見つめ返され椿落つ(ヨシ)
見つめ返す主体はだれか。椿では面白くないですから、私は恋の相手と読みました。
夜の椿には密会が似合います。
84 甕に足掛けて水飲む猫の春(おだまき)
季語の動かぬ見事な写生句。この猫の絵は構図が斜めですよね。句にも動きが出ますねえ。
題「猫の春」という名画ですね。
94 小面の見つめる先の朧かな(アイビー)
能はゆったりと気分でないと観賞できません。アイビーさんの句だったのですね。豊かな時間、とてもいいですねえ。
この時間が止まるが如くの映像は、朧に集約されます。季語の斡旋が秀逸。
特選、3と75で迷い、さらに今回はあとの入選五句は激戦で、選句してるときの気分で変わりました。
結局、具象化された言葉で詠んでおられる句が残った次第です。
もう一度声に出して詠んでみたい、あらためていい句だなあとおもいます。
No.1298かをり2023年3月16日 21:56
7 鰊群来語りとなりし番屋跡 (森野さん) 3
鰊(にしん)は北海道の特産だった。鰊屋敷などの言葉も残る。鯨が関西の湾に迷い込んだ。気候変動で今後の生態系の動静が気になる。この句、さらっと詠んでいるが上五の選択、座五に番屋跡を置くなど推敲の後が垣間見える。心に残る句だ。
23 真ん中は妻の領分畑を打つ (玉虫さん) 7
特選に戴いた。多くの方の共感を得た作品。この機械化が進む農業の中でわが国の農業の原点を見せられた思いだ。特に中七に家族の繋がりが垣間見られ共感した。この句へのウグイスさんのコメントを参照されたい。
66 雛食べよ三河味ぞやいが饅頭(茶々さん) 2
いが饅頭がどのような饅頭かは存じないが雛段に飾っているのだ。普通雛段には生ものは載っていないと思うが作者の思いが三河味の措辞で伝わってくる。雛ならずとも一度食してみたいものだ。
70 宇治橋の擬宝珠触れ行く伊勢参 (玉虫さん ) 2
お伊勢さんの内宮の宇治橋の欄干に16基の擬宝珠(ぎぼし)があり、橋の安全と触れて帰るとまた参拝ができるということで人気スポットになっているようだ。作者はぎぼしに触れ何を願ったのだろうか。
81 侘助や織田の有楽は数寄大名(アイビーさん) 1
織田有楽は信長の弟で武より文の面に優れた才能を持ち茶道を極めるなど数寄大名と呼ばれた。また機を見るに敏で微妙な戦国時代を生き抜き後家康に仕えた。地元では根強い人気を持つ。この句、季語の侘助が効いている。
101 地震の悲話語り継がれて春の雪 (ウグイスさん) 4
3.11も過ぎ早くも12年の歳月が流れたが悲しみは消えない。大府でも「せいれいの会」という環境保全の会で毎年この時期池に灯籠を流し会員の和尚の誦経で追悼式を行っていたが会員の高齢化で10年を機に会を解散した。元代表者が岩手の方で親類の多くは未だ見つかっていない。春の雪が切ない。
104 宿坊の按摩の指に忘れ雪 (かをりさん) 2
ホテルでなく宿坊、マッサージ師でなく按摩。相変わらずかをりさんの世界は古風だ。が、この方が心の琴線に触れる。忘れ雪の座五が効いている。
No.1294ナチーサン2023年3月15日 11:22
ナチーサンさん、104 宿坊、ありがとうございます。
これはあん摩さんにはじめてお会いしたごく幼少のころの思い出です。お見かけして、とても不思議な感じがしました。
祖母は某宗派に熱心でしたので、連れて行かれたのでしょう。春浅き、幼きころの思い出です。
No.1297かをり2023年3月16日 21:14
21 桃の花咲きて詩心呼び覚ます 2
思わぬ怪我で閉じこもりの三ヶ月、テレビ付けで詩心も萎えた。ふと気づくと母屋の狭庭に桃の花が、いざと身構えたが空振り。それでも次第に春の気配に心が和んだ。
41 盲人の杖挿すあたり梅薫る 2
探梅の一コマ。盲人の一団に出逢う。嗅覚の優れた人々。梅の木を指す白い杖。あたりには豊かな梅の香りが漂う。盲人は饒舌だ。
78 盆梅を愛でる目の位置腰の位置 3
大府市の大倉公園での定例の盆梅展。写真好きの私は毎年訪れる。抹茶をいただきほっと一息、ふと見ると初老の漢が一つの鉢の前で動かない。 やがて観察を始めた。約5分間、その所作が面白く時を忘れた。きっと愛好家だろう。
83 指追って俳句作る子蝌蚪生る 2
これは追憶の句。当時は周りに田んぼもあり蛍も居た。放課後子供たちと田んぼへ。子供たちは覚え立ての俳句に夢中、対象は泡の中のオタマジャクシ、指折り数えて。
102 春の雪光消ゑゆくものに蹤き 0
春の雪は淡い。かすかな光も雪にとっては命取り。やがて消えゆく雪、消えゆく雪に付き添う光の断片。残像も長く続かない。
No.1291ナチーサン2023年3月13日 22:26
かをりさんへ
今気づきました。83 「指追って」になってますね。勿論「折って」です。誤って投句したようです。
21の桃の花、少し恰好付けすぎましたかね。41の句、入れ替えと「や」で切れが出ました。102の句抽象的とのご指摘、少し対象に溺れたようですね。
適切なご指摘有難うございました。
No.1293ナチーサン2023年3月14日 11:30
以下四句は惜しみながら、採らなかった割愛の句です。
1 桃の花咲きて詩心呼び覚ます 2
詩心なんて、ナチーサンらしくもない。幼心で詠んでくださいませ。
41 盲人の杖挿すあたり梅薫る 2
いい場面を切り取っておられて、採りたくなりましたが。。切れと語順で。。。
梅の香や盲人の杖挿すあたり
83 指追って俳句作る子蝌蚪生る 2
追っては折ってで、いいではないですか。
指おりつつ、であれば特選です。私もいまだに指折り数えます。
102 春の雪光消ゑゆくものに蹤き 0
無点句ですが、光消ゑゆくものを具体的に直指されれば、秀句授かり。
まことに失礼な観賞で、今日は仲間褒めなしで。
No.1292かをり2023年3月13日 23:49
真ん中は妻の領分畑を打つ (玉虫) 7 ◎ウグイス、◎ナチーサン、ちとせ、弥生、棚釜
一昨年まで200坪の借地で作物を作っていたが、その1割ほどは妻の花作り用の領地とし、9割部分では20種類ほどの季節野菜を育てていた。 借地料は年間で1万円、10トントラックに一杯分を鶏舎が無料で分けて下さり、牛糞は近くの畜産農家が無料で支給だったので、石灰を購入するだけでしたから、二人の子供達の世帯や俳句仲間や俳句結社の宗匠やお仲間へ分けてやっても余るほどの収穫があった。
玉虫さんのこの句。 夫婦の作業分担だけではなく、夫婦の動きまでもが見えて、大変共感する句として特選に拾わせて頂い、ナチ―サンも同じく特選とされ、トップとなった。 おめでとうございます。
通りがかった方が「何時も仲良く頑張ってますね」と声をかけて下さったが、いやいやどうして 作業の進め方の違いや、収穫のタイミングのずれ、施肥の多寡などを巡り、これでも時には大声で罵り合うほどの大喧嘩。 妻が作業を放棄して花畑へ逃げて行ってしまうことなどが何度もありましたね。 今は何もやることが無いし、夫婦喧嘩も少なくなったけど、一抹の寂しさを覚えます。
No.1286ウグイス2023年3月13日 08:52
真ん中は妻の領分畑を打つ (玉虫)
うぐいすさんのコメント拝見しました。うぐいすさんはお言葉が過去形ですので既に現役を退いていられると思われますが、農作業の苦労を経験していらっしゃるので実感がこもっています。今も時には畑に出られているんでしょうか。
でもこの句体験の無い私でも心に残る作品でした。特に「妻の領分」の措辞が全てを言い表しています。迷わず特選にいただきました。
No.1290ナチーサン2023年3月13日 18:51
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