11月句会を始めます。下記開催要領に従い奮って投句願います。
現在までの投句者は、えっちゃんあら、ヨヨ、ABCヒロ、コビトカバ、の皆さんの4名です。
11月度みんなのネット俳句会・開催要領
1・投句期間 11月5日(水)~11月10日(月)
2・投句 当季雑詠 5句まで
3・清記発表 11月11日(火)
4・選句 8句選句 11月11日(火)~11月13日(木)
5・成績発表 11月14日(金)
6・その他 投句代行可、投句後の訂正、差し替えも可
投句内容は幹事が確認次第、非表示にします。
句会開催中であっても一般の書き込みは制限はしません。
投句後の訂正依頼のやりかた
(誤) 古池や海豚飛び込む水の音 バショウ
(正) 古池や蛙飛び込む水の音 バショウ
13 天の川娘の彼氏登場す (コビトカバさん) 5
娘の結婚は父親にとって特別だ。この句に出逢い作者の期待不安が思われた。実は私には苦い経験があり今は中3の孫娘の花嫁姿を思い描いている。6月の花嫁姿を。この句、天の川だ。しかも突如としての登場、しかしだ、結局のところ父親としては見守るしかないのだ。ただ味方は家内、この辺の嗅覚は・・・任せるほかは無い。
15 石けんの匂ひする手や秋初め (青胡桃さん) 5
細やかな感性の句だ。石鹸は毎日風呂場でお世話になっているが「減って来たな」位の認識だ。なるほど、作者は秋の香りを感じ取ったのだ。この暑さの中、一筋の秋の気配を上五、中七に。心に残る句だ。
20 鳥は木に魚は水に避暑の宿 (茶々さん) 3
避暑の宿の季語を歳時記で確認した。我々には冷房と言う武器がある。戸外では木陰、緑陰に涼を求める。この句、鳥、魚に焦点を当てている。意表を突く視点だ。言われてみると鳥にも魚にも暑さを凌ぐ術はあるのだろう。ただ、彼らは四季をどう意識し対応しているのか、産卵時期などをみると人間以上に環境に敏感なのかも知れない。
24 植木屋のごつそり暑さ剪り落とし (てつをさん) 7
中七だ。下五だ。これだけばっさりやられたらもう降参しかない。私も剪定はするがどうしても遠慮がち。この春は庭師の義弟が来てバッサリと伐って帰った。お蔭で涼しさを保っている。昨夜は激しい稲光だった。この雷で暑さが切り落とされたか。
35 嫌としか言わぬ二歳児秋暑し (弥生さん) 7
嬰児は正直、生理的に刺激に対して反応する。受け入れるか拒絶するの二者択一だ。しかも二歳児ともなれば曖昧さも抜け思いは徹底する。そこへこの暑さ、本能はいや勝る。持て余した母親も共に泣きたい気分だ。選者も同じ思いだろう。二歳児が微妙。
39 パパが来て蝉捕隊の指揮を執る (束束子さん) 4
愉快な句だ。童心に帰った指揮者、昔取った杵柄を大いに発揮、と言いたいところだが果たして? 今時の蝉は進化している。気象変動で発生時期も種類も昔とは異なるという。だがこの若きパパには関係ないかも。ただ昔を思うに蝉の数は減った気がするが。
◎50 おしろいや天気占う下駄飛ばす (玉虫さん) 2
即かず離れずが俳句の鉄則という。この場合どうか。中7、下5には文句が無い。問題はおしろい花だ。辞書で調べたがいろいろあった。熟慮の上特選に選んだが「即かず離れず」について考えさせられた句だ。
ナチーサンさんへ
天の川の句を取り上げて頂きありがとうございます!
私は母目線で詠みましたが、父目線での鑑賞感慨深いです。
一緒に俳句を勉強中の主人も娘の恋愛話は聞きたくない模様です。
50 おしろいや天気占う下駄飛ばす
歳時記を見るとおしろいばな(白粉花)には夕化粧、金化粧、銀化粧などの副題がついている。中7以下を見ると明日の遠足に期待を寄せる学童を思うが、「下駄」、「おしろい」で一気に別世界へ。花柳界の花魁が明日への思いを馳せての天気占い、と思わぬところへ下駄ならぬ思考が飛んでいった。季語の斡旋についてはアイビーさんの「理想的な距離感」に納得。今、掲示板をたどりこの句玉虫さんの自解で幼い頃の追憶と知った。改めて味わい佳句との思いを新たにした。それにしても私のみの推薦と言うことは季語の斡旋に問題があったのか。「即かず離れず」は難しい。
「パパさんの句」拾って頂きましてありがとうございます。 公園に現れたのは子供だけだったのですが、蝉を見つけて正面から捕虫網を被せようとしたので、蝉さんは早々と逃げてしまいましたね。二つ目も同じ そこへパパさんがやってきて、蝉さんの死角から
「静かに、ゆっくりと」と網を入れるようにと指南。 しかし、それでも「静かに・・・」が子供には無理で、結局取り逃がしてしまう。 そうなるとパパさん 遂に我慢出来ずに「どらどら」と言いながら網を子供から奪って樹の下へ・・・
何を申そう パパさんが指揮するのではなく「パパさんの蝉取り」となっている。 ま、一応「指揮を執る」としておきましょう。
50 おしろいや天気占う下駄飛ばす 理想的な距離感だと思います。
新涼や天気占う下駄飛ばす
立秋や天気占う下駄飛ばす
鳳仙花天気占う下駄飛ばす
つくつくし天気占う下駄飛ばす
やっぱり おしろいや天気占う下駄飛ばす が一番しっくり来るような気がします。
14 掻き寄する熱砂敗者の甲子園 3
いよいよ今日決勝戦を迎えた高校野球、仙台育英の夏連覇なるかが焦点。相手は慶応。例年以上の熱暑の中幾多の学校が郷土の期待もむなしく球場を去った。コロナの影響で自粛されていた「甲子園の土」の持ち帰りが戻って来た。涙ながらに土を掻き寄せ袋に詰める球児の背中は哀愁を帯びる。あえて持ち帰りをしない学校もあるとか、その気持ちは察して余りある。2004(平成16)年の駒大苫小牧以来史上7校目の偉業なるか期待大である。
30 花火師の三尺玉を語りけり
長岡の花火大会では花火師の頭領が解説に加わるので楽しみである。全国に競争相手が居るので大会は競技の場でもある。大会が終わった時点で次の戦いが始まっている。失敗と工夫の積み重ね、特に「如何に円形を保つか」が基本らしい。訥々と語る花火師の一言一言に重みと未来への希望が読み取れた。観衆に堪能して貰うのが何よりとか。事故もつきものらしい。
57 和太鼓や昭和の響きここにあり 2
「寝押しした昭和も遠くなりにけり」の川柳に出会った。年寄りの居場所づくり「サロン8」はハーモニカでの歌に始まるがほとんどが昭和の懐メロだ。平均83歳、みなこれで満足していると思いきや最近は新曲が交じる。皆さん結構反応している。やはり女性は感性が豊かだ。今年も夏まつりが終わった。大太鼓、小太鼓が奏でる力強い響きは確かに昭和の物だ。太鼓には昭和60年購入の記載が。見た目には損傷はないが「そろそろ寿命だ」とは師匠の言。一方打ち手の継承は確かに進んでいる。技術の向上と共に太鼓の心が確かに伝わってくるからだ。
71 寄り添ふて祭団扇の風送る
この句は踊り子と音頭取り取り合わせ。昔の古里の盆踊り風景の追憶だ。コロナで中止が相次いだのと過疎が進み盆踊りそのものの存在が危ぶまれている寒村の状況である。先に伝統の「文楽・人形芝居」も中学校の閉鎖で後継者が得られず休止の止む無きに。踊りは単純な動作の繰り返し。音頭は物語になっていて延々と続く。手元には以前無き先達から頂いた踊りの手ほどきと音頭の一覧が載っている冊子がある。数冊コピーして知人に配ったが音頭取りや踊り手が居なくては元も子もない。本籍はまだ置いてあり旧友もいるので機を見ての帰省をと思っている。
96 声揃へ和を乞ふ学徒原爆忌
早くも78年目を迎えた原爆記念日。被災者の高齢化が進んでいる。今も地球上では争いが絶えず核兵器の脅威にさらされている。中で何年か前に訪れたオバマ米大統領の広島での言動が印象深い。そんなことを考えていたら画面は男女二人の生徒が声をそろえて平和を訴えていた。「戦争を知らない子供達」世代だ。でも彼彼女たちに未来は託されていることは確かだ。戦争を知る世代の高齢化が進む今、「平和への訴え」この営みを風化させないことが大事だ。
高校野球夏の大会は、夏2連覇を目指す仙台育英が第2回大会以来の優勝を目指す慶応に敗れ連覇はならなかった。
慶応は107年ぶりに2度目の優勝を果たした。
8月22~23日にかけて行われていた佐々木七段との王位戦第5局、藤井王位が勝ち4勝1敗で防衛に成功した。
次は8/31から行われる永瀬王座との王座戦(5回戦制)に八冠を賭けることになった。
アイビーの俳句鑑賞 その4
35 嫌としか言わぬ二歳児秋暑し (弥生)
育児真っ最中の母親ならではの句。虫の居所が悪かったのか機嫌の悪い二歳児。いろいろ気を引くようなことをしてみるのだが、当人はかたくなに「いや」としか言わない。精も根も尽き果てて途方に暮れる作者。季語の「秋暑し」が巧みだ。よほど育児や家事に理解のある夫でも、そこまで切実なものはない。やはり女性ならではの心理の描写と言えよう。「嫌」と漢字で表記したが、平仮名にした方が二歳児の言葉らしくなるのではないか。竹下しづの女の「短夜や乳ぜり啼く児を須可捨焉乎(すてつちまをか)」を髣髴とさせる。
23 夏休み駅にリュックの子のあふれ (ちとせ)
夏休みに入り、学校の行事に参加するのであろうか、リュックを背負った子どもたちが駅に溢れている。そこへ丁度居合わせたのが作者。普段とは違う駅の華やいだ雰囲気、それを見つめる作者の眼差しは暖かい。
60 放牧の牛点々と雲の峰 (ちとせ)
放牧だからよほど広い、例えば北海道や阿蘇山麓の牧場を想像する。空気が澄み、何よりも景色を遮るものが一つもない。中七の「牛点々」に実感がこもっている。雄大な大景の前に圧倒される。中七に「と」を入れたために切れが弱い。明らかに二物取り合わせの句なのだから、強く切った方がよかったようにも思われる。
17 岸壁に魚釣る人も遠花火 (尾花)
岸壁で夜釣りを楽しむ人たち。別の海岸では花火大会が行われている。まことにいい巡り合わせになった。心地よい風も出てきた、居ながらにして花火を楽しみ、これで魚が釣れれば言うことない、とかなんとか言ってるそばから当たりがあった。花火大会そのものでなく、夜釣りの人に焦点を当てたのがアイデア賞ものだ。
57 和太鼓や昭和の響きここにあり (ナチーサン)
作者は大上段から「昭和の響きここにあり」と言い切った。ここまで強い表現をされると、いっそ気持ちがすきッとする。有無を言わさぬ力ワザとはこのことか。和太鼓の腹にどーんと響く物凄さ、観客はその迫力に圧倒されるが、そこに昭和という時代に通じる何かを感じ取った作者。その感性を尊重したい。
48 携帯を翳して果つる大花火 (茶々)
花火のたけなわともなると、その模様を収めようとそこかしこで携帯のカメラをかざす人が出てくる。花火と携帯のカメラ・動画機能を結び付けた作者の着眼が面白い。ただ携帯を翳したから花火が終わったという風にも取れなくもない。その辺を少し工夫してみたい。
フィナーレにケータイ翳す大花火
60 あれもこれも忘れ爪切る夜の秋 (あかね坂)
「夜の秋」は夏の季語。日中はうだるような暑さだが、夜には秋らしい風情を感じる時がある。これが「夜の秋」だ。「秋の夜」とひっくり返ると秋の季語になるのが面白い。日中、何やかと煩わしいことを忘れて爪を切る。ふと秋の気配を感じた。昼間の煩わしい感じを出すために、意図的に上五を字余りにした。これが効果的。
完
アイビーさん取り上げて頂き有り難う御座います。
夏休み駅にリュックの子のあふれ
東京駅帰省や旅行の家族が溢れていて連れの子達は必ずリュックを背負っていました。自分は自分でと言う事が親子の間に浸透しているのでしょうか。家の孫然りです、宝石箱が入ってる時もありましたね。
48 携帯を翳して果つる大花火 (茶々)
この夜長岡花火大会の放映があると知り茶々さんにも知らせ勇壮なまた繊細な芸術の競演を堪能した。花火師の裏話なども興味深かったがフィナーレで会場を埋めた観衆が一斉に携帯を翳し別れを惜しんだ。多分演出だと思うが夜空に瞬く携帯電話の明かりが神秘的な雰囲気を醸し出していた。多分茶々さん苦心の作だと思われるが結局私は表現出来なかった事を告白。
管理人さん、いつものことながら割り込みます。お知らせをふたつ・・・
今月の嚶鳴庵俳句教室は8月23日(水)、13時からです。兼題は、法師蝉、瓜の馬です。兼題と当季雑詠の合計5句を
12時50分までに提出してください。兼題と当季雑詠の組み合わせは自由です。残暑きびしい中での句会です、体調管理を
してお越しください。
第22回常滑文芸コンクールのお知らせです。
<俳句>応募の部、募集期間 8月25日(金)~9月8日(金) 主題は自由、ひとり2句まで応募できます。参加費無料です。
大会の部、10月7日(土)13時より、会場は常滑中央公民館 2階 学習室2、参加費500円
主題は自由、1句を提出、出席者の互選により点数を競う。
詳しい募集要項は、8月23日の嚶鳴庵俳句教室で配ります。他に<短歌><川柳>も募集があります。余分に募集要項がほしい
方は遠慮なく申し出てください。
それでは元気に句会でお会いしましょう、管理人さんお邪魔いたしました。
アイビーの俳句鑑賞 その3
31 噴水のテレビ塔より高く吹き (玉虫)
私が特選にいただいた句。久屋大通公園から、名古屋のシンボル・テレビ塔を見上げる構図が浮かぶ。テレビ塔より噴水が高いわけはないのだが、作者はぬけぬけと言い切って悪びれない。頭から遠近法を無視した、その自信に満ちた作句態度には恐れ入る。科学的な根拠より、自分の五感に感じたことが俳句の全て。座五の「吹き」は「噴き」が本当だろうが、「噴水」で一度使っているから避けたものか。
50 おしろいや天気占う下駄飛ばす (玉虫)
季語は「おしろい」で白粉花のこと。庭などにどんどん繁殖する秋の花。季語をこれだけ離して使い、しかも雰囲気を醸成している作者の手並みは大したものだ。
54 盆供養妣追ひ越せぬちらし寿司 (ヨヨ)
お盆で返ってくるご先祖への、かつて母がそうしたように、ちらし寿司をつくったのだが、どうしても母のつくった味には及ばないと感じる作者。ちらし寿司という具体的な物に託して、亡き母への追慕の念を詠んだ。自分の母親となれば、ともすれば感情移入過多になりがちだが、この句のように抑制のきいた表現は好感が持てる。今年も盆だ。その母が帰って来る。
24 植木屋のごつそり暑さ剪り落とし (てつを)
何といっても、「暑さ剪り落とし」の表現に度肝を抜かれた。これだけ大胆に言葉をデフォルメしていながら、誰もが共感する説得力を持っているのが素晴らしい。奇抜なことなら誰でも言えるが、読み手が、うん、なるほどと膝を叩けるような表現は滅多にない。
103 この星の燃え尽きるかもこの炎暑 (てつを)
そんな大袈裟な、とツッコミが入りそうだが、違和感はない。特に今年の夏の暑さといったら全地球規模で異常だ。中七の最後に「かも」と懐疑的だが、むしろ「燃え尽きるべし」と断定してもよいくらいだ。
18 縁側で仏具お磨き蝉時雨 (和談)
盆が近づいてきた。少しまとまった時間が出来たので仏壇の仏具の掃除に余念のない作者。こうやって仏壇を綺麗にしていると、次々にいろんなことが思い起こされる。作者にとって、こうした時間は実に貴重な時間なのだ。折から、うるさい程の蝉時雨。蝉時雨がまことに効果的。
93 青春はなかったと言う生身魂 (無点)
生身魂というからには80歳代から90歳代、それ以上の年代になろうか。共通しているのは人生の一番多感な時期に、あの戦争があったことだろう。等しく戦争の影は彼ら、彼女らの人間形成に影響を与えた。「青春はなかった」という述懐は偽らざる真実だろう。無点句となったのが不思議なくらいだ。
71 寄り添ふて祭団扇の風送る (無点)
惜しくも無点句になったが、子どもの添い寝をしているお母さんが、祭団扇でわが子に風を送っている光景を詠んだ。なかなか麗しい情景を過不足なく詠んでいる。細かいことを言うようだが、文法の誤りを指摘したい。上五の「寄り添ふて」は動詞「寄り添ふ」の連用形だから正しくは「寄り添ひて」としなければならない。あるいは音便の形を取れば「寄り添うて」と実際の発音通りに表記する。これは俳句上級者でもよく間違える。
以下次号、不定期掲載
名古屋と札幌ではえらい違いですね。そんな盛大な噴水があるのですか。それにしても遠近法は無視してますな。
望みの卦が出るまで占いを繰り返すとは傑作です。
アイビーさん、噴水の句の感想ありがとうございました。
名古屋もそうですが、札幌の大通り公園もテレビ塔、噴水の組合せが有ります。
札幌と言えば都会でして、お上りさんの私が噴水たるモノを初めて見たとき、
本当にテレビ塔より高く!と思ったのでして、けして強引に言ったのではありません。
何せ札幌です。噴水です。テレビ塔です。感動を詠む!でして。
今でも噴水は感動を呼び覚ましてくれます。
下駄で占う・・今日も幼馴染と話す機会がありまして、占ったね~と盛り上がりました。
晴れは表、裏は雨、横は曇り。よこしまな私は希望の占いが出るまで何回も・・繰り返したような。
そんな子供時代には、白粉花がついてまわります。今回白粉花が夕化粧とも言うと覚えました。
拙い句に感想をありがとうございました。
アイビーさんの鑑賞文はプロはだしですね。
貫禄が出てきて、冴えも際立ちます。
50 おしろいや天気占う下駄飛ばす (玉虫) を見逃しておりました。
適切なご指摘有り難うございました。
(その3ですね。)