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結果発表

6月句会の互選結果を発表します。
6月のトップは6点を得たふうりんさんの「夏場所」の句でした。続いて8点句の弥生さんの「涼し」の句でした。
以下、6点句がダイアナさん、水尾さん、にゃんこさんの句が同点でした。
10点句 16 夏場所や母のベッドの背を起こし (ふうりん) 
8点句 18 辻ひとつ入りて涼しき京の路地 (弥生)
7点句 56 畦道は暮らしの道よ行々子 (森野)
6点句 17 万緑や嬰赤くなり伸びをする (ダイアナ)
6点句 69 推敲の末は昼寝の大鼾 (水尾)
6点句 82 いきさつを聞かむ古茶の葉開きけり (にゃんこ) 
個人別総合では、ふうりんさんと弥生さんが、ともに14点で並びました。

6月度みんなのネット俳句会互選結果一覧   ◎は特選、特選2点並選1点で計算。       令和7・6
1 ナイターの我がナガシマや永久 (玉虫)  3 ちとせ、◎えっちゃ、
2 群生を茅花流しや銀色に (和談)  2 ◎ヨヨ、
3 家飲みに麦酒生き生き冷えてゐる (コビトカバ)  1 弥生、
4 おはようと挨拶しそうアマリリス (ちとせ)  2 森野、てつを、
5 五月雨にあやめの紫紺煌めいて (茶々)  4 えっちゃ、ヨヨ、ふうり、みにょ、
6 梅雨寒や九人目となる理髪店 
7 本が好き白詰草の野に飽きず (尾花)  2 えっちゃ、森野、
8 うつ病のうつ捨てるため山登る (ABCヒロ)  4 えっちゃ、ナチー、◎弥生、
9 若葉風けふもご機嫌古農機 (てつを)  5 ダイア、ちとせ、弥生、アイビ、水尾、
10 解体をぢつと待つ家夕薄暑 (ヨシ)  3 にゃん、弥生、水尾、
11 著莪咲きし一乗谷に置く思ひ (森野)  2 尾花、水尾、
12 茄子植うる妻の白髪の目に余り (ナチーサン)  1 和談、
13 半夏生最後尾っに来て米を待つ 
14 草引くや屈む背中に青時雨 (ヨヨ) 2 ちとせ、和談、
15 白百合に埋め包まれし母眠る (ラガーシャツ)  1 みにょ、
16 夏場所や母のベッドの背を起こし (ふうりん)  10 茶々、◎ラガー、◎玉虫、圓人、森野、弥生、ABC、ヨシ、水尾、
17 万緑や嬰赤くなり伸びをする (ダイアナ)  6 かをり、玉虫、ふうり、ABC、◎アイビ、
18 辻ひとつ入りて涼しき京の路地 (弥生)  8 尾花、ダイア、にゃん、ちとせ、かをり、森野、コビト、ABC、
19 河骨の咲いて荒蕪の湿地かな (アイビー)  1 ちとせ、
20 夾竹桃白し聖職者の庭よ 
21 病む父や遠くでニュース梅雨入りと  
22 万緑や文武に長ず松代藩 (和談)  1 かをり、
23 梅雨寒やここも更地か古本屋 (水尾) 5 ◎森野、てつを、みにょ、アイビ、
24 何回も振り向く別れ夏の空 (コビトカバ)  4 ◎にゃん、えっちゃ、ラガー、
25 新品種ひたち乙女は薔薇美人 (茶々)  1 ふうり、
26 亀の子の脱走癖の面白し (玉虫)  1 ヨヨ、
27 不機嫌な空地上には梅雨茸  
28 ザーザーと洗車する夫半ズボン  
29 若竹や母国知らずにパンダの子 (てつを)  1 ナチー、
30 夫偲ぶ友に鬼灯花数多 (森野)  1 圓人、
31 風過ぎて薔薇の香りやバスを待つ (尾花)  2 ◎水尾、
32 今もなほ動かぬ時計梅雨晴れ間 (えっちゃんあら)   1 ラガー、
33 庭中をわがもの顔に著莪咲けり (ヨシ)  2 ヨヨ、みにょ、
34 あれ食べてみたいと言ふの四葩かな 
35 次の世は蝶に生れこよ火取り虫 (ナチーサン)  2 尾花、えっちゃ、
36 蔓草や絡みて高く五月雨  
37 ひと月の健診終へて早苗道  
38 母の日に贈る絵入りの感謝状 (ふうりん)  1 かをり、
39 烏飛ぶ宝珠のごとく枇杷咥え (アイビー)  2 茶々、てつを、
40 空梅雨や己が道行く三男坊 (圓人)  2 尾花、ナチー、
41 薔薇園の少女も婆もプリンセス (弥生)  2 ナチー、みにょ、
42 一晩に一寸を伸ぶ夏野菜 (にゃんこ)  2 かをり、圓人、
43 同志寄り閉ざす旧会梅雨走り  
44 叱られし事忘れたる螢かな (玉虫)  5 ラガー、コビト、弥生、◎ヨシ、
45 凛と立ち藍艶やかや花菖蒲 (ちとせ)  2 茶々、みにょ、
46 カセットを交換した日ソーダ水 (コビトカバ)  3 ◎ダイア、玉虫、
47 活けられて高き品格百合匂う (ABCヒロ)  4 ラガー、ふうり、◎和談、
48 梅雨入りやダメライフなもレットイットビー 
49 若者に習ひを問はれ青嵐 
50 入梅が夫婦げんかの今日の題 (水尾) 2 ラガー、玉虫、
51 クレマチス咲いて老舗の若女将 (ヨシ)   5 尾花、ダイア、ナチー、弥生、アイビ、みにょ、
52 更衣先延ばしする老夫婦 (ナチーサン)  1 圓人、
53 合歓の花長電話して夫の愚痴 (えっちゃんあら)     2 てつを、ABC、
54 赤き花髪に浴衣の城下町 (尾花)  1 茶々、
55 山登る三度もこけてこりゃいかん  
56 畦道は暮らしの道よ行々子 (森野)  7 ◎ちとせ、てつを、玉虫、圓人、ナチー、アイビ、
57 さくらんぼそわそわ妻のクラス会 (ふうりん)  1 森野、
58 田舎道蛙の合唱いま昔 (ヨヨ)  1 和談、
59 空海も見し海原の卯浪かな (アイビー)  4 ◎尾花、ヨヨ、水尾、
60 ほの蒼く街煙りゆく梅雨はじめ (弥生)  2 にゃん、かをり、
61 合唱終へ師の誉め言葉代田風  
62 蚊遣火や老いを受け入れ然を生く (圓人)  2 ◎ナチー、
63 曇天の水面とろりと梅雨の入り (にゃんこ)  2 ◎コビト、
64 シルバーのアクセ選べば夏来る  
65 夏やさい自助自立への老いの鍬 (和談)  3 茶々、ダイア、◎圓人、
66 蒼き葉に楚々と朱を置く花柘榴 (ちとせ) 3 ヨヨ、◎てつを、
67 尺取りや老の脳味噌掻き回す (玉虫)  1 コビト、
68 五月雨に軒下で丸く猫も待つ  
69 推敲の末は昼寝の大鼾 (水尾)  6 にゃん、ラガー、玉虫、ふうり、ヨシ、アイビ、
70 果と吾の夢を包みて袋掛け (てつを)  5 ◎茶々、圓人、◎みにょ、
71 白南風や補助輪外しこはごはと  
72 逃げだした蛸捕らへられ元の箱 (ヨシ)  1 にゃん、
73 青二才おのれの翳や桜桃忌 (ABCヒロ)  尾花、
74 朝ドラに犬見向きせず半夏雨   
75 滴りて水子地蔵の貌濡らす (ナチーサン)  3 てつを、ABC、水尾、
76 五月雨に濁る事なし清水川 (ラガーシャツ)  ふうり、
77 廃屋の庭に南天花こぼれ (森野)  2 ヨヨ、ヨシ、
78 学生の眩しき街や更衣 (ダイアナ)  3 ちとせ、コビト、ヨシ、
79 ドクダミや風雨に耐ゆる十字花 (ヨヨ)  4 茶々、ふうり、和談、ヨシ、
80 次々と我抜くシニア登山杖 (弥生)  1 コビト、
81 食欲は常に全開冷奴 (ふうりん) 2 和談、コビト、
82 いきさつを聞かむ古茶の葉開きけり (にゃんこ)  6 ダイア、てつを、かをり、圓人、ナチー、ABC、
83 ジャスミンの紅茶召しませ夏座敷 (アイビー)  3 茶々、ダイア、ふうり、
84 突然にめだかは向きを変へりをり (圓人)  2 えっちゃ、アイビ、
85 拾ひたる桑の実フッと吹きて食ぶ (玉虫)  2 弥生、ヨシ、
86 蛇口からじゃかじゃか水が立夏かな (ちとせ)  1 にゃん、
87 夏旅や卓球台は洒落た黒 (コビトカバ)  1 ラガー、
88 湯の町の路地は静もる夏隣り (和談)  3 ダイア、えっちゃ、ヨヨ、
89 短夜の夢の数々ただ悲し 
90 緑蔭や洪鐘(おおがね)までのをとこ坂 (尾花)  3 かをり、玉虫、アイビ
91 あの頃のわれに逢ひたし夏柳 
92 特売のチラシわんさか入梅前 
93 鎮魂の碑を巡りゐる田植歌 (ナチーサン)  1 森野、
94 父の日にうな丼囲ひ絆かな (茶々)  1 和談、
95 気象図の斜め線引き梅雨に入る  
96 海底に数多の遺骨沖縄忌 (ABCヒロ)  2 森野、コビト、
97 糖尿のぎりぎりライン走り梅雨  
98 川に沿ひ沢蟹崖を上り下り 
99 エルビスの曲の流るる五月かな  
100 近づきてキミガヨランの葉がチクリ 
101 高速路茅花流しの銀の波 (ダイアナ)  2 ちとせ、和談、
102 表札の擦れし名前姫女苑 (弥生)  1 尾花、
103 相撲道語るも楽し泥鰌鍋 (ラガーシャツ)  4 にゃん、玉虫、ABC、アイビ、
104 雨纏いここぞとばかり四葩起つ  
105 梅雨寒のラジオ抑揚無きニュース (にゃんこ)  4 ABC、ヨシ、水尾、アイビ、

投句者はヨヨ、えっちゃんあら、ABCヒロ、ふうりん、森野、ヨシ、和談、ラガーシャツ、弥生、コビトカバ、にゃんこ、てつを、尾花、ダイアナ、ナチーサン、アイビー、ちとせ、玉虫、茶々、圓人、水尾の21名。ほかに選句参加・かをり、みにょん。 
間違い等、不都合な点をご連絡下さい。

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アイビーの感想 その2

アイビーの感想 その2

61 人柱とはかなしきぞ菊人形 (ABCヒロさん)
人身御供の人柱伝説をモチーフにした菊人形。人柱になるのは大体がうら若い処女と決まっている。菊人形は綺麗であるが、所詮は人形であまり現実的なリアリテイーを感じるものではない。それなのに作者は「人柱とはかなしきぞ」と大真面目に嘆いているところに、得も言われぬ可笑しみがある。この可笑しみは俳味と言い換えてもよいだろう。

62 同室のあゐつに会ひたし秋の夜 (観音寺さん)
深まりゆく秋の夜。一人物思いに耽るとき、故人となった誰彼のことがしきりに思われる。同室のあゐつもその中の一人だ。あゐつと呼ぶからには、心を許した肝胆相照らす間柄だったのだろう。「あゐつ」の表記は「あやつ」からの転化だから「あいつ」でよくはないか。

70 鶏頭の深紅を超ゆる真紅なし (てつをさん)
鶏頭の赤は、いわゆる真紅でなおかつ深みがある赤だ。思わず息を呑むほどの鶏頭の赤に接し、誰もが感ずる思いを正面から、外連味なく詠んだところに好感が持てる。深紅と真紅を使い分けたところも繊細な工夫が見て取れる。

71 我先に川面揺らして上る鮭 (森野さん)
私も北海道に旅行した折、鮭の遡上を目の当たりに見たことがあるが、その迫力たるや比類がない。この句もそんな情景を詠んだのだが、なんと言っても「川面揺らして」と捉えたところが素晴らしい。実際の光景がその通りで、少しも大袈裟な表現ではない。

75 晩酌は考の楽しみ衣被 (無点)
考は既に亡くなっている父で、存命の父と使い分ければ「亡き父」としなくても済む利点がある。同様に母の場合は妣を使う。衣被を肴に晩酌をするのが好きだった父、しみじみ父の想い出に耽る作者。かくして秋の夜は更けてゆく。

76 穴まどひ五十路をんなの朝帰り (かをりさん)
今月のトップの句。朝帰りはどんな状況で、どんなプロセスを経てこうなったのか、読者はあれこれ想像する。五十路はジャスト50歳のこと。この年齢設定が微妙なところだ。江戸時代の50歳なら今日の老婆の感覚だが、当節は年増の色香、十分に間違いのありうる年齢だ。そこへもってきて季語が「穴まどひ」と来ているから、読者の心は千々に乱れる。かくして読者はまんまと作者の術中に嵌まるのだ。(作者自身の解説は敢えて読まないことにする)

79 間引き菜の香る味噌汁朝餉かな (無点)
朝の一仕事を済ませていただく朝食は殊のほか美味い。畑から抜いてきた間引き菜の味噌汁なら格別だろう。惜しくも点が入らなかったが、味噌汁と朝餉を並べたせいで冗長な感じになったかも知れない。一例として 今朝抜きし間引菜香る朝餉かな

80 逆上がり初めて出来た吾子の秋 (金平糖さん)
小学校低学年の吾が子だろうか。なかなか出来なかった逆上がりが遂に成功した。息せき切って報告する子、よく頑張ったねえと称える作者。座五を「吾子の秋」としたところが巧いなあと感心する。

以下次号、不定期掲載

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もう10年以上前で69か70でした

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私も彼奴(きゃつ)がよいと思いましたがそこまで言うのは僭越と思い言いだせませんでした。十代の多感な時分の友達ですから心中去来するものは察するにあまりあります。亡くなられたのはおいくつの時だったのでしょう。

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ばれてしまった。彼奴にしとけばよかった、どこかで、あゐつ此の頃えばってやがる という表現があったような気がしたのが運の尽き。中学校を出て九ケ月出身県もそれぞれ違う三人が寝食を共にしてまた別れた。共にそれぞれ違う大腸がん、皮膚がん、胃がんを患い大腸がんが死んでしまった。不意に痛切にもう一度会いたいと思うときがある。
同室のあゐつに会ひたし秋の夜 とってくださった萩さん、いちごさん、評してくださったアイビーさん、ありがとう。

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アイビーの感想 その3

アイビーの感想 その3

82 怖いもの知らずの若さ青檸檬 (ヨシさん)
作者の身近にいる若者であろうか、若さが眩しい。怖いもの知らずの若さに、過去の時分を懐かしむ作者。青檸檬と若者との取り合わせが効果的だ。欲を言えばどういうところが怖いもの知らずなのか、具体的、即物的に表現出来ればもっと良かった。

84 秋晴や影踏み鬼の入れ替はる (束束子さん)
雲一つ無い秋晴れの下、子どもたちが影踏みに興じている。身体をタッチするのでなく鬼に影を踏まれたら、そこから今度は自分が鬼となるのがルール。頻繁に鬼が変わる。思わず見入る作者。束の間のように感じたのが、随分長いことそれを見ていた自分に気づく。日々是好日。

86 秋祭り頭上で舞うや梯子獅子 (淑子さん)
獅子が梯子に乗り高い所で舞う。初めて見たのでもないのに、何度見てもハラハラさせられる妙技だ。頭上で舞うとしたところが俳句的な表現でよかった。ただ技術的に言えば、上五の「秋祭り」で軽い切れがあるので、中七では切れ字の「や」を使わずに「頭上で踊る」と続けてみたい。

91 冷まじや境内に置く加農砲 (萩さん)
加農は大砲のキャノンの当て読みで、加農だけだと大砲のことだと分り難いので加農砲とした。いずれにせよ境内に設置されているのだから、戊辰戦争か日露戦争で使用され、お役御免になった大砲なのだろう。しかし年代物とはいえ、砲台もついて重厚な威圧感は圧巻の迫力だ。戦場で威力を発揮した往時を偲ぶ作者、上五の冷まじやに実感がこもる。

93 梯子獅子鎮守どよめく秋祭 (和談さん)
91番の句と同じ情景を詠んだものか。梯子獅子の妙技が見せ場に来ると見物の群集がどっとどよめく様子が臨場感たっぷりに伝わってくる。鎮守がどよめくと擬人化した。擬人化の手法は難しく、下手をすると俳句が浮き上がってしまうが、この句の擬人化は適切だ。上五の梯子獅子は字余りになっても「梯子獅子に」としたい。

アイビーの感想 完

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選句の感想を述べさせて頂きます。

6さはやかにバンビーかける東大寺(悦ちゃんあらさん)
 東大寺周辺で親鹿について斑点のある子鹿が遊んでいる様子がさわやかに目に浮かびます。「子鹿」は夏の季語なので、季重なりを避けるためバンビにしたのでしょうか。一読して「バンビーかける」に惹かれました。

8陶工の轆轤勇めり鵙の晴(かをりさん)
 親しくして頂いていた陶芸作家の先生が亡くなられて半年余。轆轤の名人でした。留守になった陶房を訪れるといろいろ思い出され胸に迫るものがあります。「鵙の晴」という季語が周りの些事に惑わされず頑固で凛としていた先生にもピッタリ! 心動かされた句です。

18秋晴れや歴史探訪兵糧路(和談さん)
 兵糧路というとその背景によっては、敵に囲まれ籠城している時の道など、まさに命がけの道なき道を行くのかなぁーとか、想像すると歴史探訪は楽しくなる。とても心惹かれた句です。

29椋鳥の群れて電線撓みをり(いちごさん)
 椋鳥は秋から冬にかけて群れる習性があるらしく、一斉に電線に止まっているところを映像で見たがその数は凄かった。鳴き声や糞尿に迷惑を被っている人々がいるようだが、数羽なら黄色い足と黄色い嘴のかわいい鳥だと思う。

58栗持ちて免許返納ぽつり言う(森野さん)
 栗を買ってきたところだろうか? 日常の何でもない時にふと思い出される免許返納のこと。頭にあるもののつい返納後の不便を思うと迷いが生じる。私もあとどれ位の間車に乗れるだろうか? 作者の方の気持ちがよくわかります。

62同室のあゐつに会ひたし秋の夜(観音寺さん)
 いつか寝食を共にしたことがあった友だろうか? もう一度会いたい人がいる。季語が「秋の夜」といわれると会うことのかなわない人なのかな?とも思う。秋の夜は寂しい。

76穴まどひ五十路をんなの朝帰り(かをりさん)
 一読して自分流解釈で納得してしまいました。 五十路がいいですね。これより若い女性だといろいろ問題が起きそうですし、六十路では認知症を疑われたり、七十路以上では広報無線で呼びかけられそうです。とても楽しい句で特選にいただきました。

私の勝手な解釈で、作者のかたの意に反しているかもしれません。その時はお許しください。
アイビーさん、お取りまとめありがとうございます。いつも楽しく拝見させていただいています。
これからもよろしくお願いします。
 

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かをりさん、穴惑いの句意を全く違えておりました。失礼いたしました。
そういえば、現役世代の方々が深夜まで活躍していること遠い昔のことで忘れておりました。
それと、五十路、六十路の「ソジ」のこと当歳であると、今知りました。辞書を引いたことがなかったんです(恥ずかしい)
私は七十代後半で七十路の途中だとばかり思ってました(泣笑) 来る八十路は、一年間しかないと分かり頑張って「八十路八十路と」句を作ります。朝から冷や汗です、失礼いたしました。

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萩さん、二句も採っていただき嬉しいです。
・陶工の句はまさに喜寿の主であります。ただ今入院中ですが、励ますのも失礼ですので、勇めりとした挨拶句。変わり者ですが、「鵙の晴」のごとき人です。
・穴まどひ、投句した時点で50歳。五十路は50代のことではなく、50当歳と知り、あと
一年しか読めません。句意は始発が来るの待っている老若男女のワンオブゼムです。
ああ、老若男女、地方と違い元気で結構年代の幅広いですw 北大路翼君についてゆけるのはここまでかなあ。

引用して返信編集・削除(編集済: 2022年10月17日 23:31)

アイビーの感想 その1

アイビーの感想 その1
2 蟹の爪一つ転がる秋の浜 (無点)
夏の喧騒が去った後の秋の浜は寂しい。蟹の爪が片方だけ砂浜に転がっている。蟹の爪だけで秋の寂寥を言い尽くした引き締まった佳句だが無点句となってしまった。

4 秋の蚊のくの一のごと忍び刺す (いちごさん)
くの一は女の忍者。ハニートラップを仕掛けて男を骨抜きにするのが山田風太郎の世界。動きの鈍い秋の蚊だが、くの一のように忍び寄ってはチクリと刺すとは楽しい。遊び心の俳句もよい。

6 さはやかにバンビーかける東大寺(悦ちゃんあらさん)
88 復興のおれが担ぐぞ秋祭 (悦ちゃんあらさん)
初投句の悦ちゃんあらさんの何れも高点を得た句。両句とも従来の常識的な俳句にない奔放にワードを駆使しているのがとても新鮮で啓発される。バンビーはウオルトデイズニーのキャラクターだがその辺はまあ、、、。第一人称は普通は「吾」で、俳句では省略することが多い。88番の句ではインパクトの強い「おれ」を使ったために、おれが担ぐという強い意志をあらわしている。従ってこの場合の第一人称「おれ」は省略できない。ところでこの句の秋祭りとは何処の祭りなのか、できれば作者自身に背景をお願いしたいものだ。

22 長き夜や縁から嵌めて行くピース (玉虫さん)
ジグゾーパズルに興ずる作者。このようにして秋の夜は静かに更けてゆく。季語の長き夜とよくマッチしている。これはこれでよいのだが、他の季語の可能性も検証してみたい。たとえば 虫鳴くや縁から嵌めて行くピース とか。

34 朝寒み紅茶のマグを包み居り (ちとせさん)
ちとせさんらしいほのぼのとして、なおかつ風姿のよい句になったと思う。上五を朝寒しではなく「朝寒み」としたのは何か理由があるのだろうか。

94 伊那谷や早生の林檎の色づきぬ (ちとせさん)
長野県の飯田市を中心とした伊那地方は林檎で有名なところだ。街路樹なども林檎の木が植わっているほどだ。よく見ると鈴生りの林檎が色づく様が車窓からでも観察できる。旅情を誘われる一句だ。

37 精米機潜りて温し今年米 (ナチ―サンさん)
面白いところに着眼された。普通のスーパーなどで袋詰めで売っている米ではなく、玄米を自分で精米すると確かに温かい。たしかな観察力が生きている佳句。

42 朝寒や今朝は小走り修道女 (無点)
惜しくも無点句になった。普段はおっとりとした修道女も急に冷え込んだ朝はなにかと気ぜわしい。季語の朝寒に小走りを配したセンスが光る。ただ上五で「朝寒や」と置いたのだから、中七の「今朝は」は必要はないと思うがどうだろう。

45 次々に浮かぶアイデア夜業かな (ふうりんさん)
実際に夜業に携わった経験が句に投影されているのがよいと思った。夜業の辛さや生活の厳しさを詠むのではなく、ここをこうしたらぐっと効率が上がる、あるいは作業環境が改善されるとかのアイデアが浮かんでくるというのだ。こうした実体験に基づく視座は従来の俳句には無かったように思う。

90 酌をする指しなやかや花芒 (ふうりんさん)
酌をする指に花芒を取り合わせた。雰囲気のある句。手美人という言い方があるのかどうか知らないが、まさに手美人のしなやかさだろう。

54 一合を二人であける温め酒 (蓉子さん)
二人で一合の酒が適量というのだから、老境に差しかかった夫婦像を想定する。いろんなことがあった人生だが、大過なくここまで来た。17音で淡々と情景を述べたに過ぎないが、これだけのことを読者に想像させる。俳句の玄妙なところか。

以下次号、不定期掲載

引用して返信編集・削除(未編集)

朝寒の句は、私の句です。
アドバイスありがとうございます。
今朝はの所には、場所を入れようかと悩みました。
実際には、廊下を歩くと言うより、走っているマスールを見たのです。
そのまま、朝寒や廊下小走り修道女にするか、朝寒の今朝だから走って・・・
理屈で考えてしまったように、今なら思えます。
もう一度考えてみます。

引用して返信編集・削除(未編集)

34 朝寒み紅茶のマグを包みをり
アイビーさん選句くださり有り難う御座います。歳時記の朝寒に朝寒し朝寒みとあり、今迄使ったことの無い朝寒みに引かれて詠んでみました。何かほっこりした感じで気に入った次第です
94 伊那谷のも林檎街道を詠んでみました。
アイビーさんのこのネット俳句は何か普段と違った挑戦、違った自分を出せる雰囲気があって楽しませて頂いています。皆さんの句にも同じものを感じます。これからも宜しくてお願いします。

引用して返信編集・削除(未編集)

自句自解

 9 秋うらら豊橋筆に墨含ませ (ナチ―サン) 1 悦ちゃんあら
数年前句会で豊橋の二川宿を訪れた時に豊橋筆を二本買った。内一本はしまい込んであったのを今回の産業文化祭りへ短冊を書くにあたって使った。久しぶりに持つ筆、いつまでも馴染まない。硯は定年の時記念に戴いた小振りの那智黒。筆を宥め宥め何とか仕上げたが納得のいかない出来栄えに今後の精進を誓った次第。ちなみに短冊には「鬼灯の仏花となりてより赤し」とあった。秋深し。

31 新走り杉玉掲ぐ神事かな (ナチ―サン) 1
新走りは今年米で作った新酒、ある酒造会社から半田の神社に奉納されたとの新聞記事を見ての作。新調された大きな杉玉が3個正面に。半田は定年までの13年間武豊線で通った町。下5は神社名をと思ったが思い出せなかった。

37 精米機潜りて温し今年米 (ナチ―サン) 7
今年も地元の新米が届いた。家内と車に積んで早速精米に。たまたま先客が居たので少し待って精米機に。わが家は4世代7人だったが102歳の義母は昨年から老人ホームへ。コロナでなかなか会えない。3世代になった。精米した7分撞きの米を一握り家に巣食っている雀のために持ち帰った。公害にうるさい家内に内緒で。

56 敬老日今日で何秒生きたやら (ナチ―サン) 1 悦ちゃんあら
厚労省の発表では、2021年の平均寿命は、男性81.47歳、女性87.57歳。我々は既に80歳越えまさにオメデトウの祝福です。ところで、生まれてからどれくらいの日数になるのだろうか。生まれて1万日を迎えるは、27歳時。2万日は54歳時、3万日は82歳時とか。自分の日数は???。計算してみては・・・。80年を秒に直すと、25億秒とか。自分は今までに何秒生きてきたことになるのか?。
以上は和談さんから届いたメール便です。25億秒+4.9か年分・・・お暇な方よろしく。

95 爽やかな子供落語の下げの笑み (ナチ―サン) 1 悦ちゃんあら
この句は昨年アラーブ(大府市の図書館)へ立ち寄った折たまたま出会った子供落語の寄席。幼い子供が懸命に演じる様に魅了された。特にとりを務めた男の子。してやったりの「下げ」に満足気げなしぐさと大きな拍手。将来大物になるか。

※出句5句の中4句が1点句である。その中3句を「悦ちゃんあら」さんが採ってくれている。また、「悦ちゃんあら」さんの
88の「復興の」の句を私が特選で採っている。しかもハプニング付きで。ネット俳句は面白い。いろいろあって。

引用して返信編集・削除(未編集)

64番夫の背な歩幅合はず立待月。に一点ありがとうございます。月に関心のある方がいらしたらと思いましたので。。立松月はないような。。日々月に名前があると聞きました🎵。夜散歩も月と会っていいですよ。話しが変わりますが半田の祭りに何十年目かの記念の時忘れてすみません。踊りで参加しました。懐かしく思います。下手なメッセージになりました。

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有難うございました。思い出しました。何と読むんだろうと思った覚えが。「なりはじんじゃ」ですか。国盛りへは2度ほど利き酒に参加しました。コミュニティの社会見学と後は和談さんに誘われたツアーで。
 ところで今年10月に予定されていた半田の山車祭りは23年10月28.29に延期されたんですね。ネットで知りました。過去に2度出かけましたが圧巻でした。一度はボーイスカウトで小学生と、先回第八回の時は一人でしたが写真を撮っていて山王車の元組頭の方に声をかけられ車庫まで案内してくれました。室内には全面写真で飾られていました。若衆の何人かが奥で酌み交わしながら出番を待っているようでした。元組頭は「病気をしたので組頭を降りた」と話していていろいろ祭りの事山車のことなど話してくれました。写真を送るべく手配しましたがその後連絡はありませんでした。来年は是非にと思っています。その節はよろしくお願い致します。

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31 新走り杉玉掲ぐ神事かな 
国盛の中埜酒造の直ぐ西に業葉神社があります。「なりはじんじゃ」と読みます。

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観賞の続きです

13 身に入むや円楽享年七十二 (アイビー)
去年は小三治、今年は円楽。落語好きな私は辛いです。
慶弔俳句、なにげに七十二才という情報読み込まれて、そこをいただきました。しかし、まだお若い。

32 飾られし菊花堆肥となるとかや (観音寺)
花を咲かせるために土を作ります。
其の花が次世代の堆肥になる、万物は流転す、ですね。

41 おしろいの喪中の家に咲き満てり (蓉子)
白粉花は夕方近くに花が咲くので、夕方から夜の喪の家の風景ですね。
咲き満てりが、何か灯明のような明るさをもっているような、陰影礼賛の句をいだきました。

43 撓なる渋柿に傷ひとつなし (いちご)
おいしそうに見えても油断は禁物、これは柿好きの方でないと読めない句です。
渋柿は先が尖って細長いもの、エナメル質を感じました。

65 弁論のテーマ墨書す文化祭 (玉虫)
好き嫌いで申しましたら、一番大好きな句です。
墨書すで、字体の勢いや大きさまで伝わってまいります。
作者が文化祭を楽しまれたからこそ読める句です。

83 木の実落つ音なく何か切れるらし(ABCヒロ)
切れる、何か喪失感みたいなもの、秋ですもの。
最後に暗示めいて、こちら側に考えさせる余韻がうれしいです。

今回は季語への愛情が感じられる句が印象的でした。
また、自分の拙い句を選んでいただき、ありがとうございました。
私のような怠け者は、それを糧に細々と俳句をやっていきます。

引用して返信編集・削除(編集済: 2022年10月14日 22:39)

13 身に入むや円楽享年七十二
アイビーの句を取っていただきました。笑点のレギュラーで著名な噺家でしたが、私より若い七十二で逝きました。同級生の誰彼も逝ったとか、とかく気の滅入る昨今、「身に入む」は偽りのない実感です。

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特選の観賞

アイビーさん、お纏め大変、お疲れさまでした。
ナチーサンさんの件、投句が多くなりますと、そういう事例も多くなります。
なので、私は番号と句を連ねて選句、投稿している次第です。

では特選の観賞です。
身に覚え無きことながら草虱 (アイビー)

洒脱な句なのです。草虱が季語のレバレッジ(梃子)のように倍数的に効いております。
身に覚え無きこと、肯きます。
アイビーさんの句なら、余計な感想よりも西東三鬼の「女靴下の話」を引用いたします。

――さてその晩の汽車で帰る彼を大阪駅に送り、別杯さめやらぬままにウトウトしながら郊外電車で帰宅した。そしてその翌朝、外套のポケットの煙草がほしいと家人にいうと、煙草の代りに指先にぶらさげて来たのが、何と二、三度用いたナイロンの女靴下。それが膝までの短いやつで、ごていねいに両足そろつている。私は不覚にも狼狽した。――

青空文庫で読めますので、
https://www.aozora.gr.jp/cards/001668/files/54458_49687.html

引用して返信編集・削除(編集済: 2022年10月13日 22:30)

拙句を特選に採っていただき光栄です。大体この手の句の種明かしをすると、なんやしょーむない、聞かなきゃよかったとなりがちです。しかし、第三者に説明するのに大汗かくことがよくあります。どなたにも経験のあることでしょう。事実をありのままに言えば、却って不自然なのです。説得力がまるでないのです。もうどうでもよくなって初めから無かったことにしよう。それでも草虱という動かぬ証拠は消えない。途方にくれます。

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数え方について

 管理人さん、お疲れ様です。少し気がついたことがありますので書き込みをします。
 
 数え方についてです。完全な間違いとは言えないですが、やはり少しでも完成度の高い句をめざすのであれば
 注意を払いたいポイントだと思います。
 その例です。鳥の場合、一羽、二羽です、報道でも、鴉の一匹、二匹などと耳にしますが、ここは一羽、二羽としたい、
 78番の鴨二匹も5音で納まりがいいので匹にされたのでしょうが、鴨の二羽としたい、魚についても同じです。
 たとえば、秋刀魚二匹ではなく、秋刀魚二尾としたい、蝶は、匹ではなく、一頭、二頭と数えます。

 少しでも参考になればと思い投稿しました。最近、些細なことが気になりまして、(どこかの刑事ドラマの影響かしら?)

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耳の痛いご指摘ですがまことにごもっともで、有難うございます。字数を合わせるために敢えて単位を違えて使うケースもあるでしょうが、そこを何とか工夫するのも俳句の醍醐味です。これからも気がついたこと、いろいろご指導願います。

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お詫びと訂正

ナチーサンさんから選句内容に誤りがあるとのご指摘があり、調べたところご指摘の通りでした。早速に訂正させていただきました。関係する皆様にご迷惑をお掛けしました。深くお詫びいたします。

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うむ、あは

穴まどひ五十路をんなの朝帰り  まあ渋滞を避けて夜道を自動車で帰ってきたのを洒落てみたというところでしょうが生臭い気もして外しました。 代わりに 酌をする指しなやかや花芒  類句あったような気もしますが◎ 40番 石仏や赤き淀掛け花野道  涎掛けが淀掛けに化けたのでしょうが淀掛けというのは男性用の小便器にある用語なんですね 知らなかった 横着選句で何とか7句に絞りたいので読めない分からないはパスしてしまいます なかなか調べるところまで行きません 句会では時間がないのでもっといろいろあるんでしょうね

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