第1問 B
第2問 A
第3問 A
第4問 B
※ 第3問Bかも ★ヒント活用率50%
2 耳朶を打つ浦風痛し野水仙(きなこ)4
辞書で「浦」を引いてみた。湖や海の静かな入江。浜辺、海辺の意ともあった。野水仙からは自然性の強さを感じる。水仙は冬の花で雪中花の異名もある。この句風の強い冬の海辺を詠んだものだろうか。耳朶を打つが象徴的で人生の生きざまの一コマを野水仙に託した心強い作品だ。
3 マフラーに添えて妻の感謝状(ふうりん)5
誕生祝いだろうか、または金婚式など区切りの感謝状だろうか。いずれにしても夫婦愛溢れる作品だ。
私には到底真似できない。我が家の金婚式は晩婚だったせいで後4年ある。10年以上前になるが家内の両親のダイヤモンド婚の市の祝賀式に付き添った記憶がある。ちなみに我々夫婦の誕生日の合言葉は「ご愁傷様」。お祝いは別便で孫娘が、生活用品が多い。
8 凍蝶や触れれば破れさうなる黃 (森野さん) 4◎かをり
かをりさんが特選に取っている。中七から下五にかけての独創性。ちょっと真似できそうもない句だ。繰り返し吟じていると切なくなる。黄色効果も。対象をしっかり見つめることで自分に投影、人生行路の糧とする。
37の風の棲むの句に共通するものもあり自然に向き合う姿勢が謙虚で清々しい。
29 メモ残る愛しき日々や古暦 (ダイアナさん) 3 ◎ちとせ
加齢とともに足早に過ぎ行く日々は貴重な時だ。しかし人間とは愚かなもの。同世代の知人の訃報に接しても他人ごとと思いがち。作者はある日古暦に自分の過去の心の記録を見つけた。メモとして。愛しき日々の想い出に心を奪われているダイアナさん。ちとせさんの琴線に触れた一句。
32 大根干すラインダンスの揃ふごと(てつをさん)5 ◎ラガーシャツ
白い素足が見事なラインを描く。大根干しをラインダンスと捉えたユニークな作品。ラインダンスとは言いえて妙。昔カメラに凝っていたころ仲間と遠くの農家まで出かけ作品に仕立てたものだ。干し大根もその一つ。
我が家にも太くて見事なのが二本、漬物に向くのが二本あるがお味は兎も角ラインには程遠い。
37 風の棲む丘に一輪冬薔薇 (森野さん) 5
風の棲む丘にまず降参、冬薔薇しかも一輪。8の凍て蝶の句もそうだが作者の自然を見る目は温かいがシビアだ。これはいつも自分の人生を重ね合わせているからだろう。季語の斡旋も行き届いている。何度も推敲しているのだろう。見習いたいところだ。
81 柿の葉の香りし鮨や冬日向 (ふうりんさん) 2
この句の選に当たり季語の斡旋で戸惑った。柿、鮨、冬日向と秋、夏、冬のオンパレード。でもよく見ると全て冬日向につながっている。切れ字「や」の効果か。この作者は3のマフラーの句も戴いているが家庭、家族の句がモチーフのようだ。いずれも心温まる雰囲気を感じさせる作品だ。思わず鮨を所望したくなった。
103 初釜や舌に崩るる和三盆 (束束子さん) 7 ◎ナチ―サン
アイビーさんの評にもあったが私も中7が肝だと思った。和三盆については詳しくないので検索して知識を得た。後で作者のコメントで確認し我が家の砂糖を確認したら上白糖、三温糖だった。和三盆は高級品と確認。
いずれにしてもこの句正月の句にふさわしいと思い特選に戴いた。左党としては若干のこだわりがあったことを告白する次第。下五に銘酒をと。
正月早々の能登地震、波乱の幕開けの2024年となりました。その1月も今日は27日、寒が明ければすぐ2月句会です。ところで、当掲示板への総アクセスは16万目前のところまで来ております。それだけ多くの方の目に触れている事実に身の引き締まる思いです。私は役目柄日に数回アクセスしますが、一日平均250~300アクセスというのが平均です。ところが、清記発表とか成績発表とかの記事のある時はポンと数字が跳ね上がります。無視できないのは、俳句三択クイズで、時には1千近いアクセスがあります。実際にクイズに参加する人は僅かですが、見ている人は多いのです。言ってみれば「サイレントアンサー」に支えられての三択クイズとでも言いましょうか。マンネリでも止める訳にはいきません。
29日から俳句三択クイズを始めます。
アイビーの俳句鑑賞 その4
百枚のカルテ見直し納めかな (ふうりん)
作者のふうりんさんは現役のお医者さんだったとは知らなかった。医局の仕事納めの雰囲気がよく出ている。院長の挨拶、身の回りの整理等を済ませて、なんということもなく患者のカルテに目を通す。これも医師という職業の習性だろうか。人命を預かる使命は、医療現場に働くこのような人たちに支えられている。
元日にアラートわめき地震来たり (ちとせ)
正月早々、能登半島の地震には驚いた。津波が来るのでなりふりに構ってられない、とにかく早く逃げなければ、という必死の思いが中七の「アラートわめき」という表現になった。テレビを見ていた全国民が同じ思いだった。やや乱暴な言い方がこの場合は効果的だ。
年立つや地震の咎を誰に帰せむ (ナチ―サン)
天変地異とは言うものの、これで何度目か。やるせない思いをされた方も多かったのではないか。行政、各自治体、自衛隊、みんなそれぞれの立場でベストを尽くしている。誰を責めるわけにもいかない。それでもなおかつ、このやるせない気持ちを何処にぶつけたらよいのか。
若水や珈琲からの厨事 (玉虫)
私が特選にするか最後まで迷った句。若水の季題に託した現代人のライフスタイルを端的に言い表した。伝統的な価値観に基づけば雑煮を煮る、硯で墨を摩るために若水を汲む。作者の家はそうではなく、まず珈琲を沸かすことから始めた。この感覚は多くの人が共感するに違いない。珈琲の一語で、現代の生活実感を余すところなく表現した。
年始め悲しみ超えて復興を (茶々)
正月早々の能登の地震。人命第一で復旧作業に当たる自治体、自衛隊、ボランテイアのご努力に頭が下がる。当該句は被災者への深い同情と復興を願う気持ちを、外連味なく詠んだ。外連味が無さ過ぎて若干物足りない気もするが、贅沢な注文だろうか。
駐車場ぐるぐる回る三日かな (柳山寺)
正月も三日ともなると、外へ出かけたくなる。デパートや商店は元日は休むが2日から営業というのが多いのではないか。ところがみんな同じようなことを考えるから、行く先々で大混雑に遭う。第一、駐車場がどこも満タン。かくして駐車場探しに大汗を掻く仕儀となる。作者は当事者でありながら、どこか冷めた目で見ている。社会風刺の皮肉も利かせ、ユーモラスな一句になった。
去年今年亡き人胸に皿洗ふ (無点)
惜しくも無点となった。作者にとってかけがえのない友人か、身辺の近い人の死を悼む気持ちがよく表れた句だと思う。私の推測だが、かねて覚悟していたのではなく、突然の永訣のように思われる。ただ「去年今年」にすこしの違和感を感じる。例えば「皿洗ふ」を、「毛糸編む」「蜜柑剥く」のように季語となりえる言葉に置き換えるのも一つの選択肢か。
アイビーの俳句鑑賞 完
あはは、斜めに見てるのはバレましたか、
ぐるぐるは2回で済みましたけどね 漸くに車を入れて初御籤
将棋王将戦第3局が藤井王将2勝を受けて明日27日から2日制で島根県大田市で行われる。
菅井竜也八段が一矢報いるか藤井王将がカド番に追い込むか。熱戦が期待される。
アイビーの俳句鑑賞 その3
松明やジャムたっぷりのモーニング (弥生)
正月も松明けともなると子どもの新学期が始まり、世の中すべてのペースが平常運転に戻る。モーニングサービスでトーストにジャムをたっぷりつけるのも何時ものことだ。現代人のライフスタイルを巧みに詠みこんだ。中京圏以外にお住いの方には少し説明が要るかも知れない。名古屋市近郊の喫茶店ではモーニングサービスと称して、通常料金でコーヒーにトースト、茹で卵などがついてくる慣わしがある。
被災せし能登は雪らし七日粥 (ダイアナ)
能登地方の地震を詠んだ句が、今月の句会で目立った。その中で7点を集めた当該句。取るものも手につかない現地、追い打ちをかけるように天気予報では雪だという。それを案ずる作者。季語に「七日粥」を斡旋した作者のセンスが光る。
大根干すラインダンスの揃ふごと (てつを)
冬の風物詩の懸大根を、なんとラインダンスに見立てた愉快な句。ダンサーの足から大根を連想したのだが、実年齢は八十路を越えておられる筈のてつをさん、いやーお若い。
湯船にて感謝と夢の除夜の鐘 (和談)
しみじみとした味わいのある句。大晦日ならではの感懐。難を言えば、掲句は湯船で感謝しているのか、除夜の鐘を聞いているのか分かりづらいことか。その両方かも知れないが、ここは優先順位を決めて句にメリハリをつけたいところだ。
子の言葉素直に聞きて除夜の鐘 (ヨシ)
何時までも子どもだと思っていたが、いつの間にか立派に成長していたわが子。一年の最後、除夜の鐘を聞きながら虚心坦懐に子の言うことを聞けば、その感ひとしおだ。同時に作者の胸に去来するものは、この上もない充足感ではなかったか。私が特選にいただいた句。
なんとなく収まりついて年暮るる (ヨシ)
前句とはうって変わって軽妙な味わいの句。とにかく暮は忙しい。あれもせねば、これもしたいと気ばかり焦るが、少しも捗らない。よくしたもので絶望的な展開も時間が来れば、それなりに恰好がつくものだ。そうした年末の機微をうまくすくった。
間違える人間だもの老いの春 (無点)
惜しくも無点句となったが,相田みつをばりの人間賛歌が嬉しい。老いたとて後ろ向きになるな、明るく生きよう。またとない中高年者への応援俳句と位置付けたい。
以下次号、不定期掲載
アイビーさん、鑑賞していただきありがとうございます。
子の言葉素直に聞きて除夜の鐘 (ヨシ)
なんとなく収まりついて年暮るる (ヨシ)
「老いては子に従え」と母がよく口にしていました。最近そう思います。
もっともな事を娘に言われ、ほうほうと納得。頼りないと思っていたけれど大人なのだ。また一つ年を越し娘達に引き継いでいく年齢になったのだなぁ~と感慨に耽ります。
22 道後より草津より我が初湯かな 1
我が家の風呂場の棚に以前お土産に頂いた薬用入浴剤がある。名湯「彩時記」とあり草津、道後、伊豆、箱根と揃っている。だが誰も使った形跡がない。もちろん私も。アレルギーを心配してか。「下呂が無いな」などぼんやり考えながらの初風呂、これに勝るものがあろうか。極楽、極楽!「♪♬いい湯だな(^^♪」
44 除夜の鐘我が煩悩を弄び 1
年を重ねても煩悩は蹝いて回る。「除夜の数ほど叩いた」と告白したゴルフ好きの句友が居たが加齢による減少は聞かない。一方「生きるとは忘れること」と達観した御仁も。「除夜の妻白鳥のごと湯浴みをり」の森澄雄の心境は如何。
71 日記買う二年連用今年又
昔は三年とかの日記を使っていたが病を得て先行きの見えなくなったころから二年連用の日記を使っている。一年物では見えない昨年の記録がわかるから便利だ。でも私も年頃、お別れの時余白を残すのも心残り、二年後は一年物にした方が無難かも。それとも「句日記」と洒落るか。
89 元日の一文字赤きカレンダー 1
勿論この句は元日の天災を予想してのものではない。後でよく見るとその下の8も赤だ。今年のカレンダーはやっと売却できた旧宅の不動産屋からのものだ。新婚の思い出の籠った家だが先般立ち寄ったところ解体されていた。この時家と結婚資金の借用を勤務先から受けたがその時の上司が二人この句会にお世話になっているのも奇遇だ。その時の連名での保証人の控えが手元にある。いつか見せるつもりだ。
109 年立つや地震の咎を誰に帰せむ 7 ◎森野、◎ダイアナ
天災が起こるたび後悔することがある。それは阪神淡路地震のおり当時16歳だった娘が友人とボランティアに行きたいと言い出した。当時新聞などで準備の無いボランティアが重荷になっていることを知っていたので行かせなかった。今も対応は間違い無かったと思っているが娘の気持ちを思うと「行かせても良かった」の気持ちが拭いきれない。
国会の対応・・・黙祷で始まったのは良しとするがその後がいただけない。被災地の救済などは当然のことで誰でも出来ること。しっかり予算をつければいいこと。国でなければ出来ないことがあるはず。複数の地震帯に乗っている日本列島だ。今後の予測も概ね数値で示されている。大震災を視野に大陸などへの避難も含め具体的な方策を示すべき時期に来ていると思う。派閥云々の時期では無い。
将棋王将戦第2局は113手で先手番藤井聡太王将が菅井竜也八段を下し2連勝とした。
第3局は1月27~28日島根県大田市で行われる。菅井八段が巻き返すかカド番となるか待ち遠しい。
管理人さん、割り込みます。嚶鳴庵俳句教室からのお知らせです。
次回は1月24日(水)、13時~15時頃までです。
兼題は、初場所、毛布、または当季雑詠の合計5句を12時50分までに提出してください。組み合わせは自由です。
用紙は規定のものがありますので当日配ります。
持ち物、筆記用具、歳時記、国語辞典、電子辞書など
まだ、一度も参加したことの無い方もぜひ、遊びにいらしてください。
名鉄常滑線、「聚楽園」下車、嚶鳴庵は、聚楽園公園の中にあります。
参加費は、550円です(句会終了後に、お菓子とお抹茶をいただきます)
あと、もうひとつお知らせです、24日に「第35回 お~いお茶新俳句大賞」の作品募集の案内を配ります。
ひとり6句まで応募できます。締め切りは2月29日です。応募がまだの人は、いまから準備をしましょう。
そういう私も応募はこれからですが(笑)
管理人さん、お邪魔いたしました。