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深海の呼吸
青色から碧色へのグラデーション
が描く光のドレープ
一万年の眠り
から目を覚ますように
深海の呼吸
細胞みたいな気泡が
上へ上へと
うごめいている
予感のように
うごめいている
生になるように
命で在れるように
神様に一緒にいるよと声をかけられたような気がした
入院中の父の病院から呼び出しがあった
そんな帰り道
うるうるとした夕日が私を見てる
今週の予定だった父の退院は未定になった
いつもの坂道で
なんでもないいつもの段差につまづいた
擦りむいてしまった足から
夕焼け色の血が出ている
ああ神様どうして
こんな時ふと神様を思い出す
神様はいつも私の心の忘れ物入れの中に
住んでいる
いつも一緒にいるのに
私はいつも神様をほったらかして
こうやって思わず立ち止まってしまった時
憂愁の色をまとって神様は私の悲しみのそばに佇む
すぐそばに鈍色の視線を感じる
それは遠い昔の おばあちゃんも同じ
おばあちゃんが手首を骨折した時
術後の手首が酷く痛む晩
個室の病室で1人孤独と痛みを抱え
誰もいないはずの病室だったけれど
確かにあの日左手首に温かく少し重い気配が一晩中あった
あれは 神様だったよ
懐かしそうな目をしておばあちゃんは
私にこっそり教えてくれた
神様はいつも悲しくて優しい
「景行天皇皇子
大碓命墓
一、みだりに域内に立ち入らぬこと
一、魚鳥等を取らぬこと
一、竹木等を切らぬこと
宮内庁」
へえ、すごい
ちゃんと宮内庁の看板だ
山登りの復路
偶然通りかかった神社
その隣が何と
日本武尊(やまとたけるのみこと)の兄、大碓命(おおうすのみこと)の墓であった
この山で
蛇にかまれて亡くなったという
知らなかった
日本武尊といえば
神話の中の存在とばかり
まさかその兄の墓が実在するなんて
つまり、こういうことか
神話は作り話なんかじゃない
ちゃんと現実とつながっていると
いや、つながっているも何も
今もまさにここにあると
ホントかな
ホントに埋葬されてるのかな
なあんて疑うなかれ
畏れ多くもこれは宮内庁公認
ニッポン国の真実なるぞ
ほら、よく見れば
見えるよ、見える
髪はみずら
服は純白
腰には聖なる剣(つるぎ)を帯びて
山を駆ける益荒男が
そうだ
人はかつて神であった
荒ぶる神の子であった
ああ何という美しさ
これぞ人の原始の姿
遥かなる太古の夢
夢?
夢か
気がつくと
境内のベンチにひとり
ひぐらしが鳴いている
おかしい、もう夕暮れか
あわてて境内を後にした
石段を下っていくと
向こうから誰か来る
髪はみずら
服は純白
腰には剣
また夢か
いや違う
絶対違う
すれ違う
どうしよう
引き返そうか
境内までついて行こうか
そうすればなれるかもしれぬ
もしかしたら私も
荒ぶる神に
神の子に
いや
ダメでしょう
畏れ多くも神だなんて
一、みだりに域内に立ち入らぬこと
まっすぐに帰路を進んだ
やっと鳥居を抜ける
つくつくぼうしが鳴いている
何だ、まだ昼であった
おりしも路傍に大きな蛇が
いや、落ちて朽ちた枝であった
※ 景行天皇(けいこうてんのう)
日本の第12代天皇。日本武尊の父。
考古学上、実在したとすれば
4世紀前期から中期の大王と推定されるが、
定かではない。
※ 大碓命(おおうすのみこと)
記紀等に伝わる古代日本の皇族。
第12代景行天皇皇子で、
日本武尊とは双子とされる。
※ 日本武尊(やまとたけるのみこと)
記紀などに伝わる古代日本の皇族。
第12代景行天皇の皇子で、
熊襲征討・東国征討を行ったとされる
日本古代史上の伝説的英雄である。
(以上ウィキペディア抜粋)
※ みずら
日本古代の男性の髪形。
頭の額の中央から左右に分けて、
耳のところで一結びしてから、
その残りを8字形に結んだもの。
(コトバンク抜粋)
一日は
二十四時間なのに
長い日もあれば
短い日もある
今日は
あっ
と言う間だった
一日は
長さではなく
速さなのかもしれない
今日は
足取りが
重かった
一日は
速さではなく
重さなのかもしれない
嫌いな人と
過ごす一日は
とてつもなく
長くて
遅くて
重い
好きな人と
過ごす一日は
とても
短くて
速くて
軽やか
一日は
長さでも
速さでも
重さでもなく
好きか
嫌いか
なのかもしれない
そんなことを
考えながら
ひとり過ごす一日が
僕は好きだ
腹が
減ったので
パスタを茹でる
時計を見ると
まもなく14時になるところ
ひとり過ごす一日は
僕を自由にする
昼間から
赤ワインを
飲むとしよう
あと10時間
しかない
いや
あと10時間
もある
今日は
どちらだろう
一日は
時に
つまみにもなる
誰かの宝物だったかもしれないものが
もう地平線の向こう側だ
行ってしまうんだね
露店に並んでた西瓜も
川面に浸した指先も
翅の取れた蝉の死骸も
みんなみんな引き連れて
私だけは置いていくんだね
あの乾物屋の子のえくぼも
置いていってはくれないんだね
夏よ
何も伝えられぬまま、見えなくなる夏よ
貴方が私にくれたものは
まだ使い切ってはいない筈
財布を確かめる
くしゃくしゃのレシートがこぼれて落ちる
別れの言葉は捨てるほど使ったけれど
「さよなら」だけは何処にもなかった
旅先で買ったものがもう名前だけになっている
今年はまだブランコにも触っていないというのに
また会えるだろうか
私が変わってしまっても
夏よ、貴方は会ってくれるだろうか
頭を垂れた向日葵の影を消し去り
今に童らの声も止むであろうこの場所で
夜になると空は
藍色の水で満たされ、
深い泉になる
白鳥、英雄ヘラクレス、鷲、冠
藍色の水面に映し出される
めくるめくばかりの物語
私は知っている
泉の北には
むかし誰かが落とした
銀の柄杓が沈んでいること
草むらに寝転んだまま
私は空に手をのばし
沈んでいる柄杓をとった
銀の柄杓で
泉の水をかき混ぜれば
星々が柄杓にぶつかり
からんからんと音がする
のどがかわいた私は
水を掬って
柄杓を口にもっていった
いたいほどの清冽さで
清水はのどに流れこむ
寝転ぶ私の唇から、こぼれた星々が
あごをつたい、草の上に落ちて
きらきら光る
のどが潤うと
私は空に手をのばし
柄杓をまた、泉に沈めた
夜明けの神社の参道をゆく
石畳の真ん中に仰向けの蝉
暑い夏を命一杯生き切った
お疲れさまでした
ティッシュに包もうと
触った瞬間
力を振り絞り低空飛行で
樹の茂みに消えていった
つぎの蝉
また生き返り地面にぶつかり
羽をこすらせて消えていった
静かに茂みのなかへ
たくさんの蝉たちが
最期の力を振り絞り
自分が蝉かも分からずに
鳴き声もなく飛んで行く
蝉よ
飛んで行け
どこにでも飛んで行け
見えない世界に飛んで行け
あたりを見渡し
平衡感覚を失う
神社の境内のはず
境内なのか
わたしも
飛んで行け
どこにでも飛んで行け
見えない世界に飛んで行け
力を振り絞っても
どこにも飛べないわたし
生きている世界で
生き切れないわたし
狛犬の足元に黒い塊
無数の蟻に取り囲まれた蝉
茂みに眠らせてあげるのを
思い留まった
この蝉になろう
いつまでもここに留まって
蟻に食まれながら
わたしは崩れていく
崩れていけるなら
それもいいかも
消えてなくなるなら
それもいいかも
わたしの姿がなくなり
黒い蟻が散らばり
影もなく音もなく霧散する
それがいいかも
僕はしっかりと冒険することが出来てるかな。
ドキドキして解放感は味わっている。
でも同時にとても危険でもある。冒険するには
強い心。勇気が必要だ。それがなければ
ボロボロに打ちのめされた時、もう前に
進むことは出来ない。思い切り駆け抜けるのも
悪くない。でも慎重に一歩一歩力強くゆっくりと
歩みを進める事が大切なんだ。恋をすることに
よく似ている。激しく燃え上がるような
恋もいいけど、とても暖かい安らぎの中
愛を感じる事が大切だ。
僕は決して頭のいい方ではない。でも
どんなものが大切なのかは解っているつもりだ。
自尊心だ。辛く厳しい戦いに敗れても、
プライドを捨てず立ち上がる事だ。
思い上がりなんかじゃない。自分を強く信じてるんだ。
どうか貴方達もそうであってほしい。
人類皆兄弟。そうでしょ?
力を合わせて冒険しよう。
子供の頃言われた事がある。
絶対に諦めない者には乗り越えられない
試練は訪れない。って。
有頂天なんかじゃない。僕は信じてる。
どんな試練も乗り越えることが出来るって。
時には自己満足もいいだろう。ちょっとした
苦味を味わい、ちょっとだけ休憩になる。
少し休んだらまた歩き出そう。本当の満足感を
手に入れるには、周囲の人達も満足させな
ければならない。その為には全員で一つのことを
成し遂げなくてはならない。
ハッキリ言ってとても大変な事だ。でも
決して諦めることなく前進すれば光が差し込む。
冒険は戦いの中にこそある。
それが現実なんだ。
わたしは地面
青い空から一番遠い
茶色の地面は
いつのまにか
灰色のアスファルトになっていた
人が踏み歩き
車を転がす
タイヤ痕を残していく
灼熱を照り返すアスファルトになっても
わたしはそこにいる
踏みしめる靴底も
行き交う車の裏側も
ただ過ぎていくだけ
焦点を合わせるのは空にだけ
空の青がうらやましいわたしは
いまも灰色のまま
ガタガタに傷ついた跡は
まっさらな灰色で上塗りされる
マンホールにはきれいな絵がつき
写真に撮られ
一瞬の話題となっては
また踏まれていく
空の青を見ていたいから
ひび割れてもまた直る
隙間から草が生えたなら
最下層から見上げる緑と青のコントラスト
誰でもは見られない景色
青でない空もある
灰色の雲に覆われる日も
真っ暗な闇夜も
やがて朝を迎える
いつかまた晴れる
太陽を一面に受けとめて
真っ赤に焼かれたような朝や夕
その時にしか見えない色を映す
雲が覆い隠しても
その向こうには青い空があるように
硬いアスファルトの下には
根が張る土があることを
空が知っていてくれるのなら
空には見えないその色を
一番遠くから見ていてあげる
太陽が壊れて
空も地面もなくなるまで