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この度は私の詩の「涙の糸」に丁寧な評をいただき、ありがとうございます。
改めて読み返してみると、確かに仰るとおり「私」が多すぎました。
自意識過剰(?)だったのかも知れません。
明らかに推敲不足でした。
同じ言葉を繰り返し使いすぎると、全体のバランスが悪くなることをわかっていたつもりだったのですが、まだまだ詰めが甘かったようです。
今後とも宜しくお願い致します。
「虫の色」U leiさん
U leiさん、お待たせしました。湿度気温共に高い土曜日です。
とってもいい作品だと思います。
いろいろ良いところがありますが、なかでも最も印象的なのは
このリズム感です。単調ではなく起伏がありますよね。
そして、最後までその音感は続いていきます。
アドバイスとしては推敲をもう少し入れてみるとよいと思います。
そうすると言葉の重なりとかまた一工夫してみたくなるかな?
そんな風に伸びしろがたっぷりだなと感じます。
「アルジャーノンのように」西条紗夜さん
西条さん、こんにちは。ついつい冷たいものに手が伸びる日です。
佳作一歩手前です。直すところはありませんが、脚注つけてもいいかも
しれませんね。アルジャーノンを読んだことのない人には少し
わかりにくいかもしれません。私はたまたま読んだことあるので
読んだことない人がどう感じるか、そのあたりが難しいと思います。
アルジャーノンに花束を、という本が一世を風靡したのはいつだったのか
はっきり覚えていないのですが、私が手にしたのは1990年ころだったと
思います。そのあと、五番目のサリーやビリーミリガンを夢中になって
読んだ記憶がよみがえりました。
このお話を読んだことがある方には西条さんがこの詩に込めた思いを
汲み取ることができると思います。正確ではなくともうっすらとでも
感じられたら、それで充分かななんて思うのですが、なぜか私は
ミヒャエルエンデの「モモ」のお話も心に浮かんできたんです。
何事も一方通行で考えては見えるものが同じですよね。
優劣というものの本当の意味を考えようよという思いを持った人は
ずっといるのになかなかそれがスタンダードにならない世界の悲しさを
感じます。
「亡くした想いのために」U.さん
U.さん、こんにちは。私は冷房の中で熱い珈琲という贅沢な時間です(笑)
さてこちらの作品ですが、まずいいたいのは、
この作品すっごくいいのよ、ということです。
すっごくいいのです。(語彙力なさすぎる、わたし)
まず、構成がいいですよね。それから、切り口もいい。
一連と最終連も抜群だとおもいます。
たとえば建物だったら骨組みと設計図は最高なのです。
そのうえで、2つアドバイスさせてください。
①3連、ここがね、もったいないんです。
1連2連とテンポよく来たのだけど、3連でもたもたしました。
ここは少し遠くから眺める必要がある連です。
思い切って引き算してもいいかもしれません。
②私とあなたを少し減らしてみたらいいかもしれないです。
それによって、引き算が生まれてくるかもしれないなと思います。
すごく素敵なタイトル「失くした想いのために」の想いが
主役なのですが、主役の座をあなたに奪われてしまっているのを
感じます。
ぜひぜひ再考してみてくださいね。あ!一連目は直さないでね。
佳作2歩手前です。私は厳しいのだ!(笑)
「梅雨は死んだ」素言さん
素言さんこんにちは。
なんだか空が黒くなってきました。一雨来るかしら。
さて作品拝見しました。
すごく効果的な書きかたをされていると思います。
最後に唐突に君が出てくるのですが、君=梅雨かな?と
ちょっと思いました。もしもそうならば、最終行の梅雨の文字は
なくして、別の表現を使うととてもまとまりが良いと思います。
そして、もしも君=梅雨ではなく、梅雨の向こうに君がいるのなら、
もう少しヒントをいれていくとよいと思います。
こちら拝見して、今ちょうど読んでいる本を思い出しました。
小川洋子さんの「密やかな結晶」という本なのですが、
もし読んだことがなかったらぜひ。
ポテンシャルが高いな~と思う作品でした。
「涙の糸」荻座利守さん
荻座さん、こんにちは。ここには涙ではなく雨の糸が見えそうです。
さて、こちらのタイトルに、私はひとめぼれいたしました。
「涙の糸!涙の糸!!涙の糸!!!!」と心の中で3回繰り返したこと、
恥ずかしげもなくお伝えします。
その主題は7連にでてきます。最終連ではなく、その一つ手前にでてくる
ことに荻座さんのうまさを感じます。
こちら佳作半歩手前です。
厳しいですよね?そうです、厳しいんですよ(笑)
もしかしたら、荻座さん、わざとかなと思うんですが、今回の作品、
「私」がちょっと多かったかな。気持ちはすごくわかるんです。
わたしだったらという前提で書きます。
2連目は「私の」→「この」でもいいし、また語順を入れ替えて
深さを強調していく形でもどうかな。
最終連はそのまま使いたいので、5連目か6連目の私を整理できたらと
思います。注文があるとしたらここだけです。
「夕暮れ時に」紫陽花さん
紫陽花さん、こんにちは。紫陽花が美しい季節ですね。
こういう作品って本当に他人事じゃなくて、肌に沁みるというか
すごく愛おしくなりますね。日本の母を代表していいます(笑)
親子って本当びっくりするくらいつながっていますよね。
眠くなると寝てたり、思いつきとかも。
なんだろう、これはと思います。
この謎を解明したらノーベル賞が取れるんじゃないかしらね。
と脱線してしまいました。
初連だけ、導入部なので、誤解のないようにまとめたいですね。
ギターを弾いているのは私なのだけど、あれどっち?って一瞬なる人も
いるとおもいますから、わかりやすくしておきたいです。
夕暮れ時に
酒と薔薇の日々をギターで弾いていた
そこに
ティーンエイジャーになった娘は帰るなり
ただいまも言わず
わたしだったらこんな風に改行していきます。この辺りは好みですが、
考えてみてくださいね。
あとの部分はとくに直すところはなかったです。
佳作一歩手前です。
「ぼくだけのはなし」南ほたるさん
南さん、こんにちは。時間が流れていきます。夕方がやってきました。
さて、率直に感想を書かせていただきますと、南さんの作品は
点と線が混在しています。これがすべてつながってくるとかなりの
名作になるかとおもいます。それには、やはり書いて書いて書く、
読んで読んで読む、だと思います。
冒頭2行、凄く良いです。ああ、こういう描写いいなって思います。
その後、「そしたら君は涙がでた」のところがしっくりこないんです。
そしたら君は泣いた、とかがいっそいいんじゃないかな。
そうすると、3連目の泣くときにはをちょっと変えたい、という風に
少しづつ推敲していくと、つながってくると思います。
素敵な表現が散りばめられた作品なのでぜひぜひもうひとつ推敲を。
「トンネル」山雀詩人さん
山雀さん、こんにちは。暑いですね、本当に。
冷房の部屋で暑いお茶を飲んでるくせにこんなこと書くなんて。
作品拝見しました。佳作一歩手前です。
これは面白いですね。私はこういったふとした逆転の発想みたいな作品が
とても好きで面白く拝見しております。
それだけに、リズミカルに読みたいと思ってしまいます。
そういった意味でもこの作品はとても良くできていると思います。
欲をいえば、2点
①最初の2連はちょっと一行が短すぎるかも。
②最終連、ここはすんなりと、
ブラックホールに
吸いこまれていった
のほうがかえっていいかなあと感じます。
ここだけちょっと浮いてしまう感じがちょっとするのです。
ご一考を。
「挽歌」冬本広嗣さん
冬本さん、こんにちは。お待たせしました。
まず質問なのですが、この作品はわざとこの形にしているのかしら
それとも携帯からの投稿でこうなったのかしら。
わざとのような気もしたり、そうじゃないような気もしたり
ちょっと悩んだので伺ってみました。
一行おきになっているので、そこをつめて2連にしてもいいかしらと
おもいます。
さらに、挽歌ですので、対象がもう少し浮かび上がってくるとよいかなと
感じました。
この作品の中には宝箱のように美しい表現がたくさん詰まっていますから
茜色の子羊雲のように天空を自由に駆け巡らせてあげて欲しいなと
思っております。
この作品にはもっと大きなキャンバスが似合うようです。
ぜひ広げてみてください。
「私はなにも」水野耕助さん
水野さん、さっきから意味深な黒い雲が窓の外にあるのですが雨はまだです。
いいですね。ちょっと甘めの佳作です。
淡々として気持ちを書いていくところがいいですね。
タイトルがすごく素敵だと思う。そこに着地する最終連も。
いろいろ考えてみるけど、そんなに難しくもないよって
伝えてきている感じがとてもいいなって感じました。
冒頭の私はをなくしてもいいかなって。
好みですが、いきなり、知っている、から始まるのも
なかなか良いのではないかなと。
こうしてみると、私の佳作ってかなり厳しいのではないか(笑)
本当、ずっとそうなので、貫きますね。苦労した方への敬意をこめて。
「だるま落とし」朝霧綾めさん
朝霧さん、こんにちは。お待たせしました。
これはいい作品ですね。なんといっても、最終連がいい!
振れ幅もいいし、リズムも軽やかさもすごく素敵ですよね。
朝霧さんの個性なのかなと思います。
ひとつだけ、一連がね、わたしちょっとわからなくって、
上にのっかる、がはてなとなってしまったんです。
そういうルールだっけ?と。細かくてごめんなさい。
そこだけちょっと考えてみてくださいね。
これからも楽しみにしていますね。
「白い砂浜の絵」もりたりのさん
もりたさん、お待たせしました。日が傾いてきました。
この作品は本当に絵のような光景が浮かぶようなそんな作品でした。
おまけの佳作です。
そしてぜひ推敲してほしいという願いを込めています。
物語は本当に美しく、構成もすごく良いのですが、
ちょっとだけもたもたします。
どうしてかなと思って考えてみたのですが、多分視点の問題です。
あなたとわたしの物語ですが、あなたの言葉でそれが逆転するところが
でてきますよね。あなたとわたしがたくさん出てくるので、そこで
少しこんがらがってきます。
それから、リフレインも多いので、そこも少し考えてみてもいいかな。
今のままでも十分に読ませるよい作品ですが、これは時間をかけて
手を入れたら素晴らしい作品になると思いますよ。
:::::
おわりに
夏になりましたね。私はこの湿気ってやつが苦手なんです。
まあ、得意な人はいませんよね。
そんな中、みなさんの爽やかな作品を拝見して元気が出ました。
ありがとうございます。
みなさんも夏バテ注意してね。
ご丁寧な評をありがとうございます。
この詩を投稿してからまたこれは詩ではない。主張ではないかと思いまして相手にされないのかと思いました。
でもご丁寧に読んでいただきました。ほっとしました。
最後が曖昧になったのは残念でした。どうもありがとうございました。
三浦さま。
忙しい中、丁寧な評を頂きありがとうございます。やっぱり、、とうなづいてしまいました。実は、この詩は、昔に書いたもので、推敲もあまり上手くできていないのですが、読んでいただきたく、出したものです。書き直そうと思います。明言を避けて下った優しい心遣いに感謝します。きちんと推敲し、詩として作品になったものを出していきます。ありがとうございました。またよろしくお願いします。
この度は私の詩の「あたまのわるい私は」に丁寧な評をいただき、ありがとうございます。
佳作との評をいただき、たいへん嬉しく思います。
普段から良い詩を書きたいという想いはあるのですが、なかなかその想いのとおりに良い詩を書くことがない不甲斐なさを、詩に書いてみようと思いました。
その想いを叶えるためには、まだまだ研鑽を積むが必要があります。
今後とも宜しくお願い致します。
8 晶子さん 「おっさん」 6/18
タイトルに驚き、「エッ!僕のこと?」 それはともかくとして―。
まあ、これは晶子さんの中でも異色作でしょう。まずは告白調の採用です。よく雰囲気を掴んでいますね。「語るおっさん」と「語られるおっさん(不在者)」が描かれますが、後者が全く登場せず前者によって造形される点がおもしろいです。後者は淋しさを、前者は優しさを感じさせるものです。まあ、どちらも酔っ払いということは言えそうですが、それを割り引いても、前者のほうが、いわゆる“わけ知り”といった気がします。まあ、社会の隅に追いやられ、酒飲んでゴタクを並べる以外、術がない、そんな悲哀は両者に感じるわけです。3連最後の「えりとかさばとかいいながら」―これ何のことですか?何か、誤字・脱字のような気もしますが、それと「SL広場」という奇妙に特定的過ぎる背景、しかも「SLの中に消えてった」もどこか奇妙。SLって、あの蒸気機関車のことですよね。これらの特定的奇妙性も含め、晶子さんのこの作品の創作動機が一番知りたく思います。そういった感覚から評価は一歩前といったところでしょうか。
9 荻座利守さん 「あたまのわるい私は」 6/19
いえいえ、けっしてそんなことないですよ。読み手は、これは比喩的枕詞と取りましょうよ。
「あたまのわるい~~ない(CAN NOT)」 は逆説的願望と取りたいところ。ここから始まり、詩は「例えば」としてすなわち具体を語りながら、世界を広げ深めていっています。すなわち対象を捉えて、感受性を総動員するさまが描かれます。結果としての紙風船です。これも隠喩でしょう。
この詩は後半になるにつれ、思考に形が与えられていく気がします。「言葉に命を/与えてみたい」
以降、綴られていることとは、詩人があまねく持つ日々の屈託あるいは苦闘する姿を活写しているように思えるからです。甘め佳作を。
10 朝霧綾めさん 「不思議」 6/19
2連の存在理由により佳作。さらに記述。
真昼の、星の反対側には
畑を耕す人々がいる
私が朝になり、その人達が夕方になれば
農具を仕舞って一緒に踊ろう
こういった世界の触れ方、捉え方。前作と比べて、形がくっきりと与えられているのを実感する評者であります。子どもを寝かしつけ、自分も寝に就くひとときに明滅した不思議感。空間の隔たりに想いを致しながらの、この同時間性、連帯性は素晴らしいものがあります。こういった詩情に気づくのは、日常を意志的に暮らしている証左のように思えるほどです。さらに「不思議」と捉える謙虚さ、純粋さも魅力のようです。いい詩でした。
「農具を仕舞って一緒に踊ろう」―この言葉の持つ労りと慰安。
11 紫陽花さん 「彼を構成するものたち」 6/20
前作が初登場。ちょっと捉えどころのない作品でしたが、今回のように足許から固めていくようなアプローチが初期段階には良いと思っています。物品によって、彼の人となりを象徴していく。それら品々をどのように配し描くか?そこに今回の詩創作の醍醐味と苦労があったことでしょう。
書類……仕事。コンサートチケット……趣味。服、ペットボトル、コップ、牛乳、空き袋……日常生活のリアル。そういったものを感じさせます。とりわけ牛乳の念の入った描写が不気味にも目を惹きます。これらを受けての着地の仕方、まとめ方が詩的であり優れた点と思われます。すなわち「欲求と怠惰」。案外、人間とは、この異なる両者を平気で同居させるものかもしれない。
彼を造形するに物品のみに徹して、作者の彼に対する心情を一切排している。この無機質さが、「構成する」というメカニカルと相まって、面白い効果を与えていると思います。評価の始めです。伸びしろを鑑みて佳作二歩前からのスタートを。
12 エイジさん 「ミューズ(詩神)」 6/20
この詩を読んで、ある小説を想い出していました。その題名はあくまで伏せますが、そこにある環境、空気感は相通じるものがある。この詩のそこに惹かれました。重大なこと、大きなことを言うわけではなく、素直に、自然に、あるがままに、その姿勢がこの詩にひとつの静謐をもたらしているのが感じ取れます。おそらく、この小柄な女性スタッフさんは職業的要請から、エイジさんの話を甲斐甲斐しく聞いてくれ、詩の感想も言ってくれることでしょう。詩を考え創ることは精神に寄与するところ大です。彼女も当然それを思い、エイジさんは当然詩を目指している。ここに書かれていることは総て良い方向に向かうことが予兆されます。そんな事情を、気どることなく、素直に、淡々と書かれて、自然と好感が持てる詩になりました。僕はこの詩が好きです。これは佳作。
13 ピロットさん 「松島や」 6/20
今までの名所旧跡、リアル時制で語ったことが多い中にあって、こちらは現在からの追憶という形を取り、それが好ましいものに感じられました。それと、事物の固有名詞をセーブして書かれた点、煩雑さが排除され、かえって風景が浮かび上がることに繋がった。いわゆる”程がいい“というものです。何よりも大事なのは、この美観の中に刻印され記憶された二人の事でしょう。少し詳しく見ましょう。「松島や~」の有名な句、考えようによっては、これ以上無責任な句はないのですが、おそらく作者(現在は芭蕉作ではないのがほぼ定説)はその絶景に言葉を失ったということでしょう。いっぽうで、「これが絶景なのかしら/首を傾げながら」も充分わかる気がするんですよ。美とは相対的なものだし、それを観る人間の感性も刻々変わったりする。前半を評価すべきは「あなた」の様子をよく風景とブレンドさせている点でしょう。「*」以降はより濃厚に現在性が入って来る。風景はやや遠ざかり、代わって二人のその時の様子、それがいかに現在に(有意義に)繋がっているかが綴られています。場所を描くにしても、このスタイル、この構成が今後も期待されるところです。佳作です。
評のおわりに。
あれから今日で一週間。横浜詩人会のイベントが終わり、充実したものになったこと、肩の荷を少し降ろすことができたことが、今、思いとして残っています。遠来の客人あり、初対面の人あり、久々の再会あり、という得難い場面もありました。今年上半期の大きな幸いでありました。全て感謝。 では、また。
1 暖風さん 「赤ちゃん」 6/17 初めてのかたなので、今回は感想のみ書かせて頂きます。
よろしくお願い致します。
意味・解釈がわかりません。こういう種類の詩でも、どこか足がかりになる部分もある場合があるのですが、すみませんが、そういった箇所も見出せずに終わりました。僕はこういった詩を真っ向から否定するものではありません。ただ思うのは、この詩という適材に対して、このサイトが適所かどうか、ということです。初めてのかたなので、よくわからず投稿された可能性も考えられます。
掲示板表紙の「掲示板ご投稿に関するお願い」をご参照ください。僕らはこういう所です。
この詩を読む限り、投稿サイトの選択が少し違う気がします。まず様子を見ましょう。
上記ご参照の上、沿う形で書いてみてください。又何か方法があると思います。
2 おおたにあかりさん 「海」 6/17
この詩はちょっと不思議で、3連目に「一人で」とあって、6連目に「少しならんで」―明らかに誰かいる―とある。それとも「ならんで」はここでは前連の「文字」に対してのことなのか?そうならば、この表現は誤解を招きやすい。ここに解釈上のストレスを感じるのです。そして、やや別方面ながら、4連目の「ひとりをえらんだのは」、これは2通りに解釈できて、
A……自分がひとりでいること。つまり孤独を選んだ。
B……数ある人々の中から、一人の特定個人を選んだ。
A・B共に選択主体は「ワタシ」で問題ないのですが、Aは3連目に関わりそうだし、Bは6連目に関わりそう。してみると、話はさらに混迷しそうな感じなんですが。それとも、もともと二人で海に来ていたけど、3連目では”その人と、かなり距離をおいて歩いた“そんなニュアンスの「一人」なのか?さらに終連冒頭「こんどだれかをすきになるのなら」は、(仮に、ある人物がいるとして)その人との破局、諦め、別れを連想させます。心情にしろ、場面にしろ、何かを浮き彫りにするには、何かが抜け落ちている、何かが足りない、そんな気がします。僕の感覚で言うと「補強すべきもの」そんな言葉が浮かびます。評価はちょっと止めておきましょう。
3 西条紗夜さん 「ムルソー」 6/17
鏡に映る自分は同じ顔でも左右が逆転しています。そんな鏡の原理のようなものが、この詩の根底にあるような気がします。ムルソーVS社会や常識の逆転劇のような。確かに人間には狂気のような部分も備わっていて、それを掣肘するのが社会かもしれず、あの小説は人間の持つ不条理属性を登場人物に託して増幅してみせた、と僕は解釈しているのですが、この詩にもそういった趣きが感じられます。ムルソー側(鏡の持つ逆の様相)から見れば、確かにこの通りでしょう「人間は本来こんなものだ」「むしろ彼以外が不自然だ」などが端的に表しています。しかし、最後の「彼を殺したのは社会だ」は、考えようによっては不思議な言葉なんです。逆に社会を糾弾しているようにも取れるし、「このような彼は社会によって抹殺される」―つまり法律・文化・慣習・常識の側に立っているとも取れるのです。この詩の主旨に諸手を挙げて賛成、というわけにもいかず、難しいところです。従って、こちらも評価は止めておきましょう。
4 小林大鬼さん 「手紙」 6/18
この詩が盛り込む事情とは、おそらく書いたけれども、出さないで終わったケースが大部分と思われます。まず考えられるのは―俗っぽいですが―元、彼、元彼女。もっと辛いケースでは、書いたが、受け取るべき相手がすでにこの世にいないケースetc、etc……。まあ、個人事情で、まだいろいろなケースが考えられるでしょう。何を言いたいか、というと、この詩は―やや失礼ながら―情報とか内容が少ないんです。ただ、こうも考えられるのです。大鬼さんのことですから、上記要素を極力節約し、セーブして、その事情を読み手に自由に想像してもらう、読み手に託す。その分、文は少なく容器を大きく広く取ったとも考えられるのです。このことは、僕の中ではなお揺れている状態にあります。そういったニュアンスで、とりあえず佳作一歩前で。
5 妻咲邦香さん 「裸の胸」 6/18
うーん、いつもと感覚が違いますね。いつもの、感性が遠くに飛び交う感覚が影を潜め、良くも悪くも、妻咲さんにしては真っ当過ぎて、どうなんだろう? そんな感じですね。
その分、ややセンセーショナルでセクシャルな雰囲気がそれに取って替わっている、そのように解釈すべきなんでしょうか。ただ、エッチだとかそういう感じはなく、筆致自体はあくまで静かであり、
むしろ誠実に書かれた結果が窺われるのです。「二人きりになったなら」―このあたりがこの詩の本音でしょう。これは胸というひとつのパーツを通しての愛の詩とすべきでしょう。だから奇を衒わずピュアに書いたとも言えそうです。ただ過去作一連の流れにあって、佳作一歩前で。
6 じじいじじいさん 「えがお」 6/18
これはいいですね。佳作です。好きだし、読んでいて気持ちがいいです。まず捉え方として、
「えがお=はな」をセットします。そして比喩としての「なかま」と「へいわ」。なにか、言葉と比喩の
枝分かれの仕方がいい、そんな感覚ですね。想像領域も子供の持つリアルを体現しているように思う。終連が前3連を上手く引き受けて、まとめました。これらの事情を生み出すのに表現された「たね」という感覚が僕は最も打たれましたね。3連目は、今、現在、戦争状態にあるから、よけい、伝わるものがあるでしょう。 よかったでした。
7 cofumiさん 「雨の音」 6/18
2マス空けの春~夏~秋~冬の雨の表情。雨の“声”とした雰囲気が伝わってくるようにすてきですね。最も好きなのは「夏への希望」「色をつけ」「冷めかけの珈琲に似て」「時間の上に降り」などですね。なかなかの感性だし、このパート、マス下げしたのは正解かもしれない。センスでしょう。
逆に好きでないのは「グチャグチャ」。品格から言ってちょっと興覚めですね―。ここだけ部品交換しましょうか。さて、その終連ですけど、少し他方面に振ったのがおもしろいのです。前連の雨の
四つの時間を受けての「過去」ということかもしれない。あるいは冒頭連の体験的なことを引き受けての感覚か?僕が勝手に受けた感覚で言うと―ちょっと硬い表現だけど―「過去という時間の再編成・再生産」。これ、生きてく上で必要ですよね。佳作を。
つづく。
大変おそくなり申し訳ありません。
掲示板が新しくなってから、なぜかスマホからの投稿ができなくなり、ご連絡が遅くなってしまいました。
*
の直前の「見送った…」三点リーダーが一つになってしまっています。
以前も同じ失敗をしてしまいまして、お恥ずかしいのですが、
「見送った……」と訂正したく存じます。
ご迷惑をおかけし申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
夏草の匂いが
立ち込めて
体じゅうに充満していた
痛そうなほど
あかあかと滲む
夕暮れの空
皮膚に纏わりつく
生温い風が
自分と世界の境目を
絡めとってしまいそうで
逃げるように走り出せば
生い茂る夏草のなかへ
躊躇う間もなく転倒した
その先へ
放り出される虫かご
体の一部が
分解したような気がしたのは
虫かごを持っていたことを
忘れていたから
いま起きたことも
またすぐ忘れ
なにごともなかったように
立ち上がると
突き刺すような視線を
夕日に向けて
出口を探した
空がゆっくりと
瞼を閉じてゆく途中
どこかから
きこえてくる
遠汽笛
夏草の匂いが
いっそう濃くなる
震える鼓膜
を伝わって
震え出す胸の奥
また
置いて行かれてしまう
最後に見た
母さんの顔は
笑っていただろうか
泣いていただろうか
叫びたい衝動を押し込めて
捕まえたばかりの蝶を
虫かごから放てば
不器用に羽を
風へ馴染ませながら
風へ帰ってゆく
まだ
畏れを知らない
膝小僧からは
胸の熱さの逃げ場のように
血が流れ出している
いつか指先の
ほんの小さな ささくれさえも
許されないものに
なってしまうことを
まだ知らずに
無力だけれど
無敵でいられる夏を
膝小僧だけが
正しく
記憶し続けるだろう
ーーーーーーーーーー----------
島様、いつもお世話になっております。
実は先日、詩の記録用に使っているブログに、
細密鉛筆画家の篠田教夫さんからコメントをいただきました!!
島様から評をいただいた、「海辺の断崖」についての詩を読んでくれたようで、
必要であれば作品画像を使用しても良いという連絡でした。
洞察力のある素敵な詩と思います、という感想まで添えていただき、感激してしまいました。
まさか篠田さんが見てくれるとは思いもしなかったので、私の執念が通じたようで(笑)、本当に驚きでした。
島様に提案していただいたタイトルを使わせていただきましたので、目に止まりやすかったのだと、とても感謝しております。
島様、本当にありがとうございました。