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あらゆるひとびとの
あらゆる首を濡らしてゆく
変声期の
すこし喉仏の張り出た首も
消えかけた地図のような
静脈の浮かぶ手首も
崩れそうな肉体を
いっしんに支える足首も
嬰児に与えるための
ミルク臭い乳首さえも
夕立が
容赦なく濡らしてゆく
無防備に
息づいている私たちを
咎めるように
呼吸も
うまくできない私たちを
憐れむように
こんなにも平等に
私たちは濡れているのに
乾いていく早さが違うから
こんなにも
独りなのだろうか
いっせいに俯いて
守るべきものを守り
帰るべき場所を目指し
遠ざかるひとびと
一瞬の迷いに揺らぐ視線は
打ちつけられて
わたしはもう動けない
足元にできる水溜りを
ただ見つめる
寂しい水槽を見下ろすように
歪む水面へ
激しい雨音は吸い込まれ
底の青さから聴こえてくる
お囃子の音
あの夏の
青く寂しい水槽のなかを
とめどなく巡っていた
小さな運命
光をすり抜けて
掬われなかった金魚は
どこへいっただろう
何も違いはなかったはずなのに
ただ薄っぺらい和紙が
濡れすぎただけ
打ちつける雨粒の
わずかな痛みから
逃げるように泳ぐ
金魚が見えた
気がしたけれど
あれは幼な子の真っ赤な兵児帯
雲間からさす光のほうへ
遠ざかる
いつのまにか夕立は止み
あたりは祭りあとのような
静けさに包まれていて
薄日に輝く
あの人の濡れた屋根が
わたしの帰るべき場所なのだと
ようやく思い出す
-------
齋藤様への投稿二度目になります。意図したわけではないのですがまた雨の詩になってしまいました。
この度は私の詩の「"Siochain Shuthain"に思う」に丁寧な評をいただき、ありがとうございます。
佳作との評をいただき、たいへん嬉しく思います。
今読み直してみると、確かに最終連がやや安易で、締まりがないような感じがします。
仰るように国の歴史や、あるいは祈り、力の連帯のようなことに焦点をあてて、締めたほうがよかったようです。
今後とも宜しくお願い致します。
また、ポール・マッカートニーの曲が、BBCに放送禁止にされたことについてですが、紛争当事国になると、自由と公正さが失われること、そのようなことはどの国でもあり得ることを、憶えておこうと思います。
茶色い縞々野良猫親子がじっと見てる
私の出したゴミ袋を見てる
私はそれを陰から見てた
先週道路いっぱい食べ散らかされて
掃除が本当に大変だったから
今日はゴミ袋を鉄壁の守りにした
親猫がシュッとゴミ袋を引っ掻く
暑さのせいかこころなし力弱く
今日はゴミ袋を二枚重ねにしたから
そんな爪じゃ中身は出ない
子猫は結び目あたりに飛びかかる
今日は、この世の鬱憤全て絞り上げるように
縛り上げたから
そんな体当たりなんともない
しばらく炎天下の下格闘してた野良猫親子
5分ほどで諦めた
がっかりした顔して野良猫親子は
いつもの通りに消えてった
にやにやしながら、私は「勝った」と呟いた
そんな私を陰から見てた我が娘
「可哀想に。朝ごはん食べられなかったよ。
ガブリエルとルシファー。私名前つけてるんだから。」
はあっとため息つきながら、怖い顔で娘は続ける
「お母さんは、朝ごはんも昼ごはんも夕ご飯もしっかり食べて
ポチャポチャしてるのに、ガブちゃんルルちゃんはガリガリだよ。
可哀想に」
なんて、顰め面で責められたものだから
私は慌てて野良猫親子
いやいやガブちゃんルルちゃん
違う違う、可哀想を追いかけた
ああ、私のせいで飢え死にしちゃうなんて嫌だ
ちょっと泣きそうになりながら
ぜえぜえはあはあ 走って走って
ふいと角を曲がると
ゴミが散乱してる 横にはガブちゃんルルちゃん
なあんだ、朝ごはん食べられてるじゃない
可哀想は何処かに行って見えなくなった
予定のせいで、すみません、ちょっと早いのですが、評、書きます。
1 雨宮800さん 「目印のない悪夢」 7/15
初連・2連はタイトルを受けての、ある意味、言葉的具現と理解します。魚がアスファルトから顔を出すくだりは、ちょっと評価の分かれるところ。空から魚を降らせてしまう超有名作家もいるので、ま、いっか。あとは、幻想として、まずはいいと思います。3連が、この詩の一番の核を成すと考えられます。自分のありようのことです。詩的デフォルメはあるにせよ、案外雨宮さんの「今」を伝えているように推測されるのです。ここに何がしかの固有思考のようなものが窺えます。
そして終連の、惨めな夜明けが余情を引いて残ります。最後にスタイル的なことを書きます。
これ、自戒も込めて、たまに書く事なんですが、「AはBだ、AはBした」は構文の基本ではありますが、正直、詩においては硬直化も免れない面があるように思います。いわんや抽象詩においてをや、であります。そのあたり、もう少し“ほぐす”ことが出来れば……などと考えてみました。
評価はわからないので、パスさせてください。
2 山雀詩人さん 「やい、はし」 7/15
まずもってタイトルがおもしろい。内容額面通りの掲示ですが、これ、かえって意表を衝かれますね。まず背景を味わいます。学生か勤め人。毎日弁当を持っていく。カタカタ、はしが鳴るから箱はカラ。「夜道」「家路たどれば」―そんなぼくとはしのやりとりです。ここに山雀さんの発想の面白さがあります。実際、はしは鳴ったのでしょう。それをすばやく感じ取り詩化する、その日常的注意力、感受性は記憶しておきたい。そんな対話(?)の中で、山雀さんはリズムキープ感ならぬ“プライドキープ感”と自嘲感を交錯させるのがおもしろい。両者が醸すユーモアと憎めなさも魅力です。「昼夜予備の三はし」はちょっとすごいです。佳作一歩前で。
アフターアワーズ。
蛇足的に書きます。 ひとつのテンションとして、はしにひと言、ふた言、合いの手風にしゃべらせても、おもしろいかも?
3 水野耕助さん 「1カウント」 7/16
死という物理的なものでなく「消えてなくなる」といった感覚はけっこう多くの人が想像したことはあると思うんです。文学という修辞世界ではなおのこと。この詩はそんな事情に乗っている気がします。7連までそんな感覚です。その中に含まれる「幻想」「不可能である」が容易でないことを物語るようです。そして中盤の自覚―「1秒」「1カウント」の絶対性です。スマホの喩えも出てきますが、一発で活きたり消せたりする。便利で、考えようによっては恐い今の社会風刺にもなっているようです。再び冒頭の思いがリピートされますが、終連です。ここは少しわかりにくいのですが、「だがしかし」とあるので、これは以前の否定と取れる。すなわち、この考えは最後の最後にしておく。つまり、生を、今を、続けていく。僕はそんな風に解釈したいと思います。前回、確か評価を外したように思います。失礼しました。今回、仕切り直しで、佳作一歩前から行きましょう。
4 エイジさん 「Night Lights」 7/16
初連はジャケットデザインのようで、いいムードを醸しています。曲集もこの詩作品も夜の寛ぎに満たされて、いい感じです。この詩、後半のカジュアル口調がけっこういい味出してるんです。呟く感じが、ですね。大きい詩ではありませんが、プライベートな風景もあって、安らぎ感が最もいいですね。「A NIGHT IN THE LIFE」の等身大的雰囲気に好感です。小物の出し方もGOOD。佳作を。
アフターアワーズ。
マリガンは僕の場合、「この人、めがけて」って感じではなくて、リズム隊のビル・クロウ~ディブ・ベイリー経由で聴く場合が多いです。マリガンがピアノ弾くって、恥ずかしながら初めて知りました。これは名盤と言っていいでしょう。メンツも趣味がいい。2曲目はいわゆる「ブラックオルフェ」のことなんですね。僕は「フェスティブマイナー」が好きです。ご存じかもしれませんが、前述のビル・クロウはジャズ作家。今も新潮社から2~3冊流通しているはずですね(訳者いずれも村上春樹)。ディブ・ベイリーは本業はたしか航空工学者。どちらもインテリですね。
5 荻座利守さん 「Siochain Shuthainに思う 」 7/17
まずゲール語を調べ、大変勉強になりました。ありがとうございました。あと、曲も聴いてみました。
なるほど、もの悲しい。そして美しい。祈りも感じる。この詩の「平和⇔悲しみ」の相関性、論理の組み立て方は注目に値します。なるほど、悲しみとは人間にとってBottomの感情だから、逆にそこを出発して、どの方向にも向かうことができるものでしょう。強さへ、美へ、祈りへ。その一環としての普遍の祈り「平和」ということだと受け取っています。この曲とこの詩の成り立ちには、アイルランドという国の歴史性もありそうに感じました。佳作を。軽く言うと、まとめとしての終連、少し平板な気はしますね。今まで考えてきたことを本文としたわけだから。言わでものことみたいです。僕だったら冒頭のアイルランドに還元して終わりたい気がするわけです。
悲しみが生んだ強さを
国を挙げて歩んだアイルランド
みたいな……。まあ、聞き流してもらって、の話です。
アフターアワーズ。
今思い出したので書きます。ポール・マッカートニーの曲に「アイルランドに平和を」というのがあって、仕上がりの荒い曲なんですが政治色のある内容です。当時、BBCが放送禁止にしたそうです。やはり国として紆余曲折があったようです。ヨタ話でした。
6 朝霧綾めさん 「蛇使い」 7/17
佳作。この、愛すべき歓迎すべきトッピョーシのなさに佳作。この詩は蛇使い、鷹匠を発想した時点で半分は完成していたと推測されます。あとは持ち前の詩心で肉付けするのはいと易きことでしょう。ここまでで4連。残りの詩パワーの半分は5連以降にあると思っています。しかも、ここが最も大事。(かたくなだった、だから友だちいなかった、かなしかった。でもワタシにも友だちできた、うれしかった)―そんなたどたどしい喜びが伝わります。逆に蛇使い・鷹匠の想像は孤独という悲しみの奇形的表出のように思えます。さて、終連は?やや逆説的・無関係的・突発的効果のキメ言葉か?あるいは、もっと実際的に、詩を書く契機になる友達だったのかもしれません。あるいは「詩人」は救済としての象徴かもしれません。タイトルですが「鷹匠はどした?」なんて問われそうなんで、再考されてもいいかも?案外、カンケーない方に引っ張れそうな気もするんですが。
7 じじいじじいさん 「たびだち」 7/18
(そう来たか……) まず、そんな思いがあります。今までの作品履歴・コレクションの多くが“人間の”子どもの心情、行動に触れたものだったのですが、今回は”人間以外を擬人的に“構成してきた。それで冒頭のつぶやきになるわけでした。初連、成功。「ヨイショヨイショ」で始めた突発性、この語感の持つ可愛らしさ。3行目の静けさや幻想性ですね。メタモルフォーゼ(変態)を簡潔に捉えて言い切れた中盤もいいですね。欲を言えば終連です。もう少し気持ちを込めたい、描きたい。スペースはまだ充分あるのです。その件と、今回、作風的にモチーフ的にメタモルフォーゼしたわけなので、ここで一回、評価をニュートラルにしておきたく思います。その意味で、あえて一歩前にセットします。
アフターアワーズ。
今後、こういったアプローチの場合、ヘンな表現ですが、「大人詩」として読まれてしまうと、評価はひとたまりもありません。ですから大人が”童話を書く“ことです。子どもに読んで聞かせるフィーリングで書くことが条件になりそうです。ぜひ、お含みおきを。
8 もりた りのさん 「本物と偽物の世界」 7/18
冒頭ながら、前作と今作を総括してみると、「世界の意味を問う」といった趣きありです。
「こんな世界にいたくない~いきたくない」は現在全世界が突き付けている問題や暗部を詩的増幅・比喩したものと思われます。「だからこそ、眠りの世界へ」と詩行は詩的発展を遂げていきます。「眠り世界→本物、起きてる世界→偽物」のくだりは圧巻です。標語的に書きましょう。
「反世界を逆に肯定するのは、詩という枠内特性を充分に活かした結果」
ひとつ腑に落ちないのは「起きている世界にモンスターはいない」は誤植かな、と思えるほどに詩中内容とは違う気がします。それとも、後に来る「怖がらないで~惑わされないで~追い払う」がバックアップした結果のフレーズが先に来ているのかな?そんな推測が成り立つのですが……。ここ、検討してみてください。ついでにもう一点言うと冒頭「いつまでも眠っている」は冒頭だけに、NO情報なので「いつまで寝てんだよ~」的に取られてもおもしろくないわけです。「すやすや」くらいのほうが愛らしいし、冒頭、詩のキャラ設定ができそうです。
あと、書いておきたいのは、この詩は論理自体は硬めなんですが、その背後で“地味ながら、けっこうLOVE SONG”なんですよね。そこがいい。すごく愛情を感じました。「安らかな寝顔がみたい」―これ、案外、愛情の動機づけになり得ますね。フィーリングは概ね佳作なんだけど、レベル高いし、一点、気になるところあったので、結論は佳作半歩前で。
アフターアワーズ。
余談的に書くと、「モンスター」って言葉、けっこう利いてますよね。
評のおわりに。
(恥ずかしいので、園芸も半ばプロの島さんにはナイショで書きますが) 前回担当でもちょっと書きましたが、最近、園芸の真似事を始めました。ただ動機は後ろ向きで、庭の雑草取りにうんざりして「だったら、土掘り返して花でも植えてやれ!庭を這いつくばるくらいなら、そっちの方がよっぽどマシだよ」―ひんしゅく買いそうな理由ですいません。とある友人の影響もあるんですけどね。マリーゴールド咲いた(初心者向き!) ひまわり、コスモス、がんばってくれ。 では、また。
いつまでも眠っているあなた
起きると恐ろしい世界が待っている
こんな世界にいたくない
こんな世界で生きたくない
あなたは眠りに逃げ込む
震えるあなた
夢の中で怖がらないで
大丈夫
モンスターはいないから
本当は眠り世界が本物の世界
起きている世界は偽物の世界
眠りの世界にモンスターはいないから
起きている世界にモンスターはいない
だから怖がらないで
惑わされないで
わたしが追い払う
偶像のモンスター
安らかな寝顔がみたい
大丈夫
大丈夫
モンスターはいないから
ヨイショヨイショ
ボクはつちのなかからそとにでた
つきあかりなつのよる
きにのぼりえだにのぼった
ボクはこどものふくをぬぎはじめた
ふくをぬいだらハネがひろがり
ボクはセミのおとなになった
おとなになれたボクは
きぼうをむねにハネをひろげて
おおぞらへとびたった
井嶋様、読んでいただき感想を頂き、ありがとうございます。
病気の最初の頃は、歩けるなんて言葉を言ったら怒ってたり、悲しんでたりでしたが、今はお互いにお互いを思いやる余裕も出てきました。私達の到達点?通過点がミルフィーユに例えられるようなふんわりした日常になってます。歩ける。この言葉は希望とおまじないの合言葉です。私達の結末は誰にも分かりません。
そして、こんな状況はきっと世界中色んな所にあると思います。
優しく温かい言葉と気持ちで、みんなが幸せに一日を送れるといいなと願いを込めました。
井嶋様、「青いハンカチ」への評をありがとうございます!
良い詩と言って頂き嬉しいです!ありがとうございます。
人って自分を支えてくれる何かを手にしていたり、言葉があれば、勇気が出たり頑張れたりするのかなと思っています。汲み取って頂きありがとうございます。はい、最後は、懐かしのあの映画をもってきてみました。佳作ありがとうございます。これからも宜しくお願い致します。