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太陽が傾いていく 沈む夕日 影は遠く伸びていく
草木が風に吹かれている 聴こえてくる月の音楽
列をなして笛を吹く音楽隊 夜になると魚は
アスファルトから顔を出し 街へとくりだす
そのたびに地面は大きく揺れ
街はすばらしいスピードで崩壊していく
枯れた花のゲートが重く開かれ
砂の粒だけで満たされた空間を
この世でたった一人、ただ歩く
目の前の思い出が、消えていく
あなたに渡すはずだったブーケ
今はもう水面にただよっている
ただ生きていたいと願っただけなのに
世界は美しいと信じていたかっただけなのに
「実際、わたしの魂は歌うことをやめ、諦観することでしか
わたし自身を守れないことをわたしは悟っていたが、そのことによって、
わたしの魂はしだいにわたしの体を離れ、目印のない悪夢へと溺れたのであり、
五感を刺激するすべてがわたしを殺したのである」
自分の息の音で目覚める
瞼にこびりついた悪夢の跡
耳に流れ、髪に染みついた涙
またなにかを失った気がする
また一つずつ言葉を忘れていく
光の中を泳いでいるみたい
すべてが遠のいていく
そうしてまた朝がくる
森で弦楽器を爪弾いても
私は樹木の名前を知らないから
旋律は湖面を反射する光に
砕かれてしまう
山麓に歌声を響かせても
樹木が名前を告げてくれないから
コトバは青空の向こうへ
消え去ってしまう
樹木はいつだって
樹木だけれど
私は名前が
知りたいのです
待ち焦がれた
七月の祝祭の日
恋人の胸に飛び込むように
私は森へと
一目散に駆けて行く
森では樹々のそこかしこで
夏の子ども達が忙しく水を運び
葉叢の奥の暗がりから
木霊達が恥ずかしそうに
顔を覗かせている
呼びかけると
樹木の名前を告げないまま
夏の子ども達は
たちまち露の玉になって
葉っぱから転がり落ちてしまう
見つめると
樹木の名前を告げないまま
木霊達は葉叢の奥に
さっと引っ込んで
森は星空のように静まり返ってしまう
仕方がないから
私は草むらの間に寝転んで
山麓から伝わって来る
微かな風鳴りの音を聴いていると
森はやがて眩い光の海に変わり
見渡す限りの大海原の向こうから
賑やかな楽隊のパレードがやって来た
夏の子ども達が踊りながら
海の上のパレードに付いて来る
木霊達は翅の生えた魚になって
入道雲から飛び降りて海を泳ぎ
口から大きなあぶくを吐き出してゆく
たくさんのカラフルなあぶくが
大海原をぷかぷか漂いながら
みんなバラバラに弾けていって
中から夥しい数の
樹木の名前が飛び出して来た
私が目覚めてしまったのは
働き蟻が耳の穴に迷い込んで来たから
夢の中の樹木の名前は
忙しく働く蟻達に変わってしまった
樹木はいつだって
樹木だけれど
名前は今も
謎のままなんです
汽車に揺られて
黄色い菜の花を目で追う
夢と憧れを握りしめた
あの頃のボクが大きく手を振る
田舎の風景は 重ねてた殻を
脱ぎ捨てていいよと言ってくれる
自分らしさを着飾って
誰かを真似て生きてた自分に気付く
キミが好きだったロックを聴きながら
思い出すのは二人で夕陽を見た丘
古い神社そして無人の駅
あの丘にキミと宝物を埋めた
10年後の二人へのプレゼント
ボクはキミへのプロポーズを
ハートのカードに書いた
大きな夕陽に誓った言葉
どれも沈んでしまったけど
キミへの想いは 今でも
星の端っこにぶら下がっている
古い神社 参拝する人は居ない
境内の桜の木 七夕の短冊を毎年飾った
初詣のおみくじは「小吉」
キスをしたら「大吉」になると抱き寄せた
キミは照れていたけど
見ていたのは神様だけだった
無人の駅 二人は黙ったまま
お互いの気持ちは透けて見えて
遮断機の音が「カエッテキテネ」
キミの言葉をかき消す
汽車がホームに入り
ボクの心は糸の切れた風船
キミのそばから飛んで行こうとしたけど
ドアが開いた途端キミへの愛しさで
夢が負けそうになった
発車した汽車を追うキミの姿
今でも思考の隙間に入り込んだまま
train 隣の座席の思い出を横目に
帰りの切符を握りしめた
バナナが
バナナでなくて
何だろう
何だろう
黄色い顔して
艶やかで
人を
人間を
斜めに見ている
少し小馬鹿にしたように
鼻でふふんと笑いながら
愛嬌など微塵も見せないで
横目でちらちら
眺めている
舐めるように
人間を
人間のことを
眺めている
私を
私のことを
ながめている
ああ覚えてる
温もりが足りなくて
泣いたこと
愛情が多過ぎて
泣いたこと
ああ
あなたはバナナ
食べられるとも知らないで
美味しいことも知らないで
スマートなのをいいことに
名前の通りの風貌で
「私はバナナ」と言っている
バナナでなくて
何だというのか
バナナだろう
紛れもなく
バナナであろう
いや
バナナであって欲しいと
そう願わずにはいられないほど
あなたはバナナ
バナナ
なのだ
それ以外は考えられず
それ以外は許されない
そんな名前の
あなたは
ああ覚えてる
共に生きたこと
共に歩んだこと
覚えているよ
私のバナナ
スーパーで買い物をしていると
同年代の女性が
近寄って来て
僕の顔をじっと見る
そして
何も言わずに
歩き去って行く
誰かと
見間違いをしたようだ
思い当たることはなかったが
とりあえず笑ったので
何だか損した気分になる
誰かに見間違われることが
昔から多い
大野君でしょ?
名前を呼ばれて
いえ、違います
丁寧に否定したのに
嘘、大野君だよね?
否定を否定された
妻によれば
特徴のない
角度によってどうにでも見える顔で
話し掛けやすい雰囲気を醸し出している
僕に問題があるそうだ
どうせなら
大野君になってあげればいいのに
勇気をもって声を掛けたのに
否定されるのが私達は一番嫌なの
営業なんだから
話くらい合わせられるでしょ?
見ず知らずの見間違い話を聞いて
共感する妻は
たぶん
同じように声を掛けたことがあるに違いない
特徴のない顔に罪はないので
整形する必要はないし
話しやすい雰囲気は営業に不可欠なので
不機嫌になる必要もない
見間違えられた時
どう応じれば
正解なのか分からなくなる
もしかして? と思っても
僕は話し掛けることはないので
勇気は認めるが
どう考えても
見間違えられる側に
落ち度があるとは思えないのだが
見当違いだろうか?
朝、覚める。
手。うごめく。まどろみの中。
ふり向く。あいた戸。不穏。
下の階。ニュース。薄暗い。
ブラウン管。男性キャスター。女性キャスター。
リモコン。手を伸ばす。手がとる。
ピッ。
…………………………………。
男性の声。テレビに意見。言い続く。ひとり。
「そうだよなあ!」
「無言。」
9歳の壁。植え付けられる価値観。
女性の声。不満。「できてない」。怒る声。
言い合い。ケンカ。同意。ひっぱられる。
うでが、ちぎれる。
「痛いよ。痛い。」
声が出ない。
こえは、でない。
朝が来る。
始まらない。
させられる。
あさはきた。
男達に捕らえられた犯人は
影の薄い眼鏡の男だった
道に転がる手製の改造銃
狙撃の瞬間白煙とともに
花火のような二発の破裂音
混乱する駅前の遊説現場
撃たれた元首相は心臓が止まり
道端に倒れて病院に運ばれたまま
二度とこの世に戻らなかった
犯人の動機は悲しい境遇と運命に
翻弄された不可解な増幅された怨み
無謀な暗殺計画は男を堕天使に変えて
非情な狙撃手として標的を付け狙う
目的が達成された時に
不幸にも男は時の人となる
令和の最悪な暗殺者として刻まれる
元首相は死と引き換えに
日本の偉大な人となる
襲撃された祖父の運命をなぞるように
世界は希望を失い涙に暮れて
栄誉と感謝に包まれる
標的はまた新たに変わる
無責任な多数の声と憶測が
事件の行方を捻じ曲げる
夢への道程は見せびらかすものでなく
人生の過程は知らしめるものでなく
一時の情によって果てに届くもの
夢の頂で嬉し涙を拭えばよくて
人生の終演で生き方を決めればよくて
そこに至るまで人はみな盲目だ
もがいてあがいて苦渋を舐めても
休んで癒されて美酒を煽っても
どうしようもないほど己が存在するだけ
青二才の生き方とはかくありき
島様 詩の評をありがとうございます。
お礼遅くなりました。すみません。昨日は透析だったので、どうしても書く気になれませんでした。
オノマトペの「ポーンビオロンビオロン」の方は昭和初期の詩集に雰囲気的に似たものがあったのですが、
島様の言う美しさがない、バランスが取れてないというのも分かります。
どういうオノマトペが良くて美しいのか、僕は良くわからないのですが、
ギターでアルペジオを弾いている感じなので、シャララランとかがよかったかななどと考えております。
今後ともよろしくお願いいたします。
今はまだ この不自由な足が生えてる
特に近頃は左足が動かない
よっこらよっこら 一生懸命掛け声かけて
左足を引きずる
これが水の中ならすいすい動けるのに
どうやら私は人間になる前の魚に戻っていってるようだ
ああ、鉛のように左足が重い
その上 空気が刺さるようにまとわりついてる
ある朝目覚めると、あら右足までパンパンに腫れている
こうなると今日は一歩も歩けない
慌てた家族に病院に連れていかれる
お医者さんは、微笑んで「水が溜まってるだけですよ、このテープを
巻いて様子をみましょう」なんて優しく言ったけど
そんなテープに意味なんてない
これは私が魚に戻っている途中経過
きっと、先生も分かってる
この前 はっきり気づいたのは お風呂の中
浴室まで、ズルズルと足を引きずり
まずは右半身を浴槽によっこらしょ
次にほとんど動かない左足を浴槽の縁にかけて
なんとか左手で左足を少し持ち上げて
ジャボーン!
体全体を水が優しく包み込む
ああ!なんて自由 なんて天国
あの息苦しい空気から解放されて
両足をふうわりと水の中で浮かす
もう、このまま泳げそうなくらい
いつもの顰め面が、これ以上ないほど緩む
今は、まるで聖女の微笑み
やっぱりまずは、可哀そうな左足
いや 左の尾びれをさする
よしよし 今までたくさん歩いたね 頑張ったね
水が溜まって少し透明がかった薄赤い足は水の中で
それは本当の尾びれのようにユラユラ
あの意地悪な空気達と違って水達はビロードのように
滑らかに私の尾びれを撫でる
早く帰っておいで そんな声が聞こえる
そろそろ私の地上の生活も終わり
私は人魚姫になる