◆ここは「MY DEAR掲示板」です。
詩をある程度の期間書いている方、詩に意欲的に取り組みたい方、詩人に向け成長を目指す方はこの掲示板をご利用下さい。
あなたの詩をしっかりと読み、評や感想を、しっかりと書かせて頂きます。
ここから詩人として巣立った人は数知れず、です。あなたの詩を継続的に見守り、詩の成長を助ける掲示板です。
なお「MY DEAR掲示板」では、新規ご参加の際に、ペンネームとメルアドの届け出が必ず必要です。
これは掲示板内の安全を守るため、管理人に限って把握させて頂くものです(他へは一切出しません)
新規ご参加の際は、ページ一番下の「お問い合わせ」フォームから、必ず届け出をお願い致します。
◆初めて詩を書く方や、おっかなびっくり詩を書いてみようかなあーという方、
「MY DEAR掲示板」ではハードルが高すぎるよと感じる方には、別途、
<<初心者向け詩の投稿掲示板>>
https://www3.rocketbbs.com/13/bbs.cgi?id=mydear
をご用意しております。(上記リンクから飛んで下さい)
こちらは、「メルアド届け出不要・いきなり書き込みOK・出入り自由」ですので、
なんら気にするところなく、いつでも詩を書き込んで頂けます。
誰でも、どんな人でも、気軽に詩に親しんでもらうための掲示板です。学生さん、小中学生の方も歓迎です。
投稿された詩については、詩を読んだ感想を、レギュラーメンバーの誰かが、手短なコメント(5行程度)で返してくれます。
どうぞご希望に応じて、各掲示板をご利用下さい!!!
どんな船に乗ったのか
瞳に映ったのはどんな島だったのか
何もかもが曖昧で
白いヴェールの内に霞んでいる
昨日みた夢の記憶のように
松島や ああ松島や 松島や
目前に広がる海原 点在する島々
これが絶景なのかしら
首を傾げながら乗り込んだ遊覧船
遠ざかる岸 藍色の海
船の道筋は どこまでも白く続いている
陽光を反射させ 輝く水面
潮の香り 島を指差すあなたの横顔
あなたの肩越し広がる景色は 確かに絶景
波立つ胸に 絶景をも霞ませる あなたを描く
田舎臭い民謡 エンジン音
かき消されぬように
島々の名を 奇怪な形の不思議を
あなたは 熱心に語ってくれたっけ
波に洗われ浸食した 岩肌の灰白色
頂きの松の緑 橋の朱の色
近付く島に目を見張り
船立てる波の後 遠ざかってゆく島を見送った…
*
懐かしい記憶の中
船は進んでゆく
あの島々の名 どれ一つ
今はもう 思い出すことができない
二人で船に乗っていた……
潮風に吹かれ 並んで佇んでいることすら
恥ずかしかった
あの頃……
観光地の宿命か
時の流れの中で
絶景とは似つかわない 可笑しみと哀しみを
抱き重ねる 松島
私たちもまた
あの頃 思いもしなかった
可笑しみと哀しみを抱き
毎日を 送っている
時折 ふと思い返す
遥か遠い 松島の風景
絶景の海 牡蠣が抱く真珠のような
小さいけれど 甘いあの煌めき
胸の奥 今日も抱きしめて
ある、まだ肌寒い日
精神科デイケアに行くと
三人のうら若き女性たちを
紹介された
彼女等がデイケアのスタッフに
新しく加わる
毎週火曜日の散歩にも
一緒に行くことに
僕の担当は
キラキラした瞳の小柄な女性
最初の散歩で
彼女に詩について語った
彼女は甲斐甲斐しく
話を聞いてくれた
絶好の散歩日和に
中央公園に行った
二人共 小さな太陽のように
微笑みあっていた
来週は詩を見せることに
できれば感想など欲しい
嗚呼、貴女は
僕のミューズになってくれるだろうか
床の上の赤紫のしみ
しみからは泡と薬のような甘たるい匂い
床を埋め尽くす服
割れたペットボトルの破片
積みあがった彼の記憶のような書類たち
飲み残しを洗ってないコップ
中にはドロドロとしたヨーグルトになり損ねた牛乳
いつかのコンサートチケット
ポテトチップスの空き袋がカサカサ音を立てる
留まることを知らない彼の欲求
この怠惰な毎日が彼を構成する
夜、眠りながら見るものと
朝、ひっそりと呟くものが
おなじ夢という言葉で表されるのは
とても不思議
このほの暗い部屋には
眠ろうとしている私と
眠っている二人の子どもがいるのに
真昼の、星の反対側には
畑を耕す人々がいる
私が朝になり、その人達が夕方になれば
農具を仕舞って一緒に踊ろう
小さな星に
さらに小さな私がいて
ここに夜があるのは
とても不思議
あたまのわるい私は
いつも霞がかかったように
うつくしいものが
よく見えない
あたまのわるい私は
散らかった部屋のように
うつくしい言葉を
見つけられない
あたまのわるい私は
寒さにかじかんだ手のように
うつくしく
言葉をつづれない
例えば
老婆の手のような
プラタナスの葉や
陽光の欠片のような
たんぽぽの花や
龍の鱗のような
硬い柊の葉や
愚直なロボットのような
働き蟻の姿を
眼に留めて
風に飛び散り
消えてなくなるような
けし粒をかき集めるが如く
空を這いまわる雲や
風雨を呑み込んだ奇岩に
見る人が形を与えるが如く
とらえどころのない靄に
形をもたらそうとして
現れたものは
できのわるい紙風船
隙間だらけで
歪んだまま地に落ちる
それでも私は
なおも
紙風船を膨らまそうとする
あたかも命の息吹を
吹き込むかのように
そう
あたまのわるい私にも
ひとつだけ言えること
言葉に命を
与えてみたい
命を吹き込まれた
言葉そのものこそが
この世界に隠された
見えない次元の影法師
ほんの時折にしか現れない
真実への扉だから
隙間だらけの紙風船に
あたまのわるい私は
なおも
息を吹き込む
四月一日
夜のSL広場で
酔っ払いのおっさんが
一人でずっと騒いでた
誰かあいつを知らないか
名前なんかは知らないよ
呑み友達ってそうだろう
なんつうの
女性経験っつうの
あんまりなさそうだったから
ここは俺が兄貴となっていろいろ教えてやろうとさ
思っていたわけよ
弟みたいなもんだから
おっさんとでもしとくか
まあ俺もおっさんだけど
あいつはちょっと変だけど
いい奴なんだよ本当に
まあ俺もいい奴だから
いろいろ話してやったわけ
そんで俺元漁師っつったら喜んじまって
人をとる漁師になろうなんていいだしやがった
本当に変な奴
でもね
時々淋しそうな顔すんだわ
俺も淋しいからね
なんとなくわかるんだわ
俯いて
たぶんあん時は泣いてたな
えりとかさばとかいいながら
そしたら神の子になるとか言って急にいなくなっちゃうんだもん
心配するべ
大丈夫かよって思うべ
やめた方がいいよ
神様になるなんて
石投げられるぞ
大嘘つきって
でもあいつはいいんだって
大嘘つきでいいんだって
人がつかなきゃ誰が大嘘つくんだって
馬鹿が
もし見かけたら言ってやって
神様になんかにならなくていいから
俺はお前の呑み友達だから
待っててやるから
また来いよって
言うだけ言っておっさんは
SLの中に消えてった
消えてった
空から降ってきた誰かの涙が
傘を伝って落ちて来る
ありがとうとか
さようならとか
許せないとか
春の雨は冬の寒さを残しながら
夏への希望を含んで
夏の雨は何もかもに色をつけ
空にも心にも虹をかける
秋の雨は冷めかけの珈琲に似て
残したものをどうしようかと思いを巡る
冬の雨は静かに時間の上に降り
一粒一粒が語りかけてくる
過去を振り返ったり
過去が追いかけて来たり
グチャグチャの本棚を整理するように
上手く並べられたら
心も落ち着くのかな
さいたさいた
おうちのにわに
きいろいはなさいた
チョウチョやアリンコ
いっぱいあつまる
やさしいえがおの
きいろいはな
さいたさいた
クラスのなかに
えがおのはなさいた
おとこのこおんなのこ
いっぱいあつまる
やさしいえがおの
なかまってはな
さいたさいた
せかいじゅうに
へいわのはなさいた
せかいのひとたち
いっぱいあつまる
やさしいえがおの
へいわってはな
きいろいはな
なかまってはな
へいわってはな
どれもみんな
しあわせってはなのたねから
さいたはなだね
みんなもさかそうよ
いつだってどこだって
しあわせってはなは
だれでもさかせられるから
静かな夜には
裸の胸がよく似合う
抱き合って
抱きしめ合って
一つになるのに
裸の胸がよく似合う
毛が生えてても
生えてなくても
固くても
柔らかくても
膨らんでても
へこんでいても
ほくろがあっても
よく似合う
始まる時でも
終わる時でも
愛し合ってても
憎んでいても
静かな夜には
何もない夜には
お腹が空いてても
喉が渇いても
月が見えても
見えなくっても
雨が降っても
晴れてても
二人きりになったなら
本当に
本当に
裸の胸がよく似合う
今この時だけは
手紙よ手紙
迷子の手紙
人から人へ届けるはずだった
切手が泣いている
手紙よ手紙
迷子の手紙
誰かの思いを伝えるはずだった
インクが滲んでいる
手紙よ手紙
迷子の手紙
忘れられるのが一番辛い
消えるのが悲しい