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ここから詩人として巣立った人は数知れず、です。あなたの詩を継続的に見守り、詩の成長を助ける掲示板です。

(あのーー、私が言うことでもないんですけど、詩は自由を旨としていますから、どこにでも投稿しようと思えば、投稿できないところはないんですけど、いきなり大きなところに挑戦しても、世の多くのものがそうであるように、ポッと書いて、ポッと通用する、ポッと賞が取れる、なんてことは、まずありえないことというか、相当に稀有な話なのです。
やってみることは止めませんけど、大きなところのノー・レスポンスにがっかりしたら、
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MY DEARは投稿された作品全部に評をお返しします。
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編集・削除(編集済: 2025年01月02日 01:55)

てんとう虫の子ども  朝霧綾め

てんとう虫の子どもを
私が育てる夢をみた

夢の中で
田舎の小道を歩いていると
一枚の大きな葉っぱに
私の顔ほどもある、
大きなてんとう虫が四ひき、ついているのをみつけた
重みで四匹がついている葉っぱの茎が
今にも折れそうにしだれていた

虫はあまり好きではないし
私はその光景から
遠ざかるように歩いて行った

もう一度そこを通ったとき
てんとう虫はやっぱりいた
けれども今度は葉っぱの下で
人間の赤ちゃんが泣いている
まだ立てない
その子は私が出会った
はじめての人間だった

突然、てんとう虫が一斉に震えた
「タノム、ソダテテ」
てんとう虫の言葉を理解すると
ああ、赤ちゃんはてんとう虫の産んだ子なのだと直感した
他にきいた人はいないか、あたりを見渡しても
誰もいない
とりあえずその子を抱き上げ
山奥の祖母の家まで歩いて行った

部屋に入るやいなや
祖母は言った
「育てなさい」
巫女がお告げするように重々しい口調だった
「何をあげたらいいのかわからないの」
私が言い訳すると
すりおろしたりんごを葉っぱにのせて持ってきた
赤ちゃんはそれを手づかみで器用に食べた
「頑張って」
私は行きと同じように
その子を抱っこして帰っていった

どうしててんとう虫の子どもが
人間になってしまったのだろう
けれどその子は
りんごしか食べないこと以外
普通の赤ちゃんだった

そのうちてんとう虫のことなど忘れて
その子を育てていた
公園に連れて行ったり
新しい服を着せたりもした

その子は私にお母さんのように甘えた
私が育てているのだし
お母さんでもいいと思った
とにかくその子が可愛かった

……
私は夢からさめた
布団の上の腕には
よいしょ、と抱き上げたときの重みと
あたたかい体温の感覚が残っている

その子はもう二歳、
電車好きのやんちゃな男の子になっていた

編集・削除(未編集)

この道   小林大鬼

この道は
どこまで続く

この道は
どこまでも続く

振り返っても
戻りはしない

ひたすら前へ
この道を進むだけ

編集・削除(未編集)

思春期の娘  晶子

スマホの光に照らされた娘の顔に初めて孤独を感じた
私が初めて孤独を感じた日は覚えていないが
私が初めて孤独ではなくなった日は覚えている
あなたがお腹に来た日だ
それからは忙しさと心配を行ったり来たり
近頃は淋しさも増えてきたね
孤独に見えたあなたの頬や顎や目はしっかりとした輪郭を持って
たった一人のあなたがそこにいるのだね

編集・削除(未編集)

あきのけはい  じじいじじい

いつもえがおのひまわりが
さびしいかおでしたをむいた

いつもげんきなアリたちが
さびしそうにいえにかえった

あついなつのつぎ
あきがくる
ひまわりもアリたちも
あきのよういをはじめた

わたしもながそでをだしたり
あきいろのふくをだしたり
みんなとおなじあきのようい

ひまわりもアリもわたしも
みんなみんなあきがくるのをかんじてる
あきがくるのをたのしみにしている

編集・削除(未編集)

コーヒー一杯  エイジ

コーヒーの味は哀しい味
なぜか病みつきになる苦い味
生きる辛さを知った時の味
人生の機微に響く味

飲めば飲むほど次第に好きになる
長い年月をかけて
生きる苦労と
人生の機微を味わう時に
ああ エスプレッソの苦さよ愛しい

家から職場へ向かう
途中の駅辺りで
仕事前のワンクッションとして
行きつけの喫茶店がある

座り心地の良い椅子に腰かけて
深煎りのモカなど啜りながら
ぼーっと
今日一日の予定など頭に浮かべる
コクのある挽きたてのモカは最高だな

気が付くともう行く時間だ
急がないと遅れる
後ろ髪を引かれつつ
去ってゆくいつもの喫茶店
「ごちそうさまでしたーっ」

コーヒーの味は哀しい味
苦い味なのになぜか病みつきになる
生きる辛さを知った時の味
人生の機微に響く味
舌先にまだ残るほろ苦さ

編集・削除(未編集)

夕暮れ空に想う  荻座利守

夕暮れ空を
「ゆうやけこやけ」の
鐘の音が流れてゆく

この鐘の音は
どこから来て
どこへ行くのか

鐘の音は
どこからも来ない
どこへも行かない

それは波であり
様々な
波長や強さや形を持った
空気の疎密を生じ
空を伝わり
やがて鎮まってゆく

「私」という意識もまた
とてつもなく
精緻で複雑ではあるが
やはり波であり

神経細胞の
細胞膜の内と外の
カリウムイオンと
ナトリウムイオンの
濃度差により生じる
膜電位の波であるから

どこからか来たのでも
どこかへと
去って行くのでもない

継起する
出逢いの接ぎ穂を伝わり
やがていつか
ただ鎮まってゆくのみ

実体を持たぬ
無我なるものは
不生不滅であり
不来不去であるという

それでもなお
私は魂を想う

波である
「ゆうやけこやけ」の旋律と
波である
「私」という意識とが
出逢う場に顕れる郷愁は

遠く離れた
時間と空間とを飛び越えて
懐かしい魂の故郷へと
私をいざなう

まるで永い間
忘れていたものを
思い出させるかのように

それは
不来不去の波という
理屈には
収まりきれぬ願い

寂しい鐘の音に染まりゆく
夕暮れ空のもと
行き交う人の波に
魂の行方を想う

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独走  妻咲邦香

どれだけ早く走れようと、はしたないことには変わりがない
空腹なのだ、充たされたいのだ
他人よりも早く食事にありつきたいのだ
だから走っている
一人で走っている
じきに訪れる招かれざる夜のために
孤高で淋しく過ごす老後のために
埃の積もった名前に報いるために
はしたないと自らを奮い立たせ
説き伏せ、暗示をかけ、獣として生を受けた時代を懐かしみ
そうして汗の雨を潜り抜ける

熱を帯びたアスファルトの僅かな窪み
沿道を飾るはメインディッシュの数々
今にも食べてくださいと云わんばかりに
ずらりと、やけに綺麗に並んでいる
いや並べられているのか
木の葉みたいな景色に姿を変え
皿に盛られることもなく

ああこんなに空腹なのに、私ときたら
もっと、はしたなくはなれないものか
浅ましく、意地汚くはなれないものか
ああ、今にも滲み出て来そうだ
破れそうなくらいに薄く心許ない膜という膜から
ぬるっとした下等な生き物が
飛び出て来そうだ、熱く重たい怪物が
喉の奥、腹の底、目を覚ましやがる
美しかったと過去形にされるのは、後日で十分だ

  我々生き物っていうのはね
  皆そういうふうに食べていくんだよ
  知らんぷりで乾いてちゃいけないんだよ

今なら誰を食べても、綺麗に消化してしまうであろう
そして私も今此処で食べられたとしても
同じく消化されるであろう
栄養にするか、血肉にするか、それとも自分がそうなるか
ゴールのおぞましい姿を知ってしまったとしても
まだ終わりじゃない
また誰かの臓腑の中で、次のレースが始まってしまうのではないか
何故もっと早く走れなかったのか
何故先に食べておかなかったのか
はしたなく、ひたすらに、泣きながら、悔やみながら
喰らう、喰い散らかす、ご機嫌になって、食事を摂る
まだ逃げるか、それとも逃げられるか
走れるか、それにありつけるか

空腹だ
ただひたすらに、空腹で
吹き出る汗の雨を潜り抜け、煮えたぎる血の海を泳ぎ切り
もはや料理を手にした給仕の脇をすり抜け
白いクロスの予約席に向けて突進し
着席する以外に完走する術は
無い

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そら豆  詩詠犬

そら豆って さやが 上に向かってつくから
そういうんだね
そうか あの 豆の匂いは
空の匂いなのか  

空には 死んじゃった いきもののおもいが あるそうな
あれは そのおもいの 匂いなんだね
だから なんだか 悲しいのか
だから なんだか 切ないのか

僕は そら豆の匂いと ずっと生きていく
そして 僕も いつの日か
そら豆の 空の匂いとなって
お空に ぽっかり 浮かぶだろう  

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武家・古記録―「吾妻鏡」のために―  三浦志郎  9/23

「このドラマって、誰も幸せになってない気がする」

私の先輩がそう言った。大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」についてである。
全く同感であり、正に至言である。当時の古記録を想い、冒頭の言葉を
考えてみた。たとえば、こんな風に―。

*               *               *

武家の記録は
勝者の 覇者のそれで
“裏ありき?”は簡略に
あるいは欠落させもした
謎も多い
くだんの吾妻鏡

記録はドラマではなく
主人公はいない
予定調和もなく
誰かの幸せとは遠い


他者から疑惑や謀略を受け
御所で突然首を掻かれ
幽閉先で惨殺され
軍勢激突の末 誅殺された
此処は鎌倉
生死の境に府だけが栄えた

各々の幸福を目指し
しのぎを削り殺戮し
黒白をつける
果てない武家宿命の修羅

その醜悪は
逆に幸福のほうから
全ての人々を見放したかのようだった
最後の覇者さえ例外ではなく
後の歴史が証明している

一生の命題を
死と名の引き換えとすれば
「名こそ惜しけれ」
討死は武家究極の綺羅


この暗い記憶に
わずかに救いがあるとすれば
幕府の要人でも
ある年を最後に
記録上 消息を絶った人々がいる

消え入るように
歴史から去ったのは
おそらく
病という穏やかさ
病死がかえって幸せ
天命に従順に
自己を終わらせた人々こそ
他者から傷つけられずに
この時代の
せめてもの幸福かもしれない

人生五十年という歳月を
あるいは それ以上を
全うしたか?
―しただろう


このように人々は
記録の中を往来した

闘死した末に名を得たか
人知れず死んで行ったか
どちらが幸せであったかは
わからない

思いつくまま
彼らの名を挙げてみても
ただ虚しいだけだ

今となっては
誰も幸せにはならなかった―と



                           

                          * 吾妻鏡……鎌倉時代の一級史料。
                            北条執権礼讃の傾向あり。
                            源頼朝の死を含む三年間は空白。
                            記述は時代後期で終わっている。  

編集・削除(編集済: 2022年09月23日 06:13)

キャラメル  cofumi

キャラメルを包んでいる
紙はもうベトベトで
それでも手のひらの中で
開けられるのを待っている

幼い頃は
幸せと不幸せが
交互にシーソーして
子供ながらに
大人の目の色を確認してた

ポラロイドカメラで
どれか一枚思い出を写せる
と言われたら
私は今まさに流れ出る
涙を写すだろう

幸せな時間は
確かにあったのに

充分すぎるほどの愛には満たなくて
空になった空き缶を
何度か見返す
手にしてるキャラメルは
ほんの少しまた溶けてゆく

編集・削除(編集済: 2022年09月23日 22:29)
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