12月度みんなのネット俳句会・互選結果発表
12月句会のトップは10点を集めたダイアナさんの「冬うらら」の句でした。次いであんのんさんの「除夜の鐘」の句で、1点差の9点でした。以下、ABCヒロさんの「寒紅」の句が7点、弥生さんの「十二月」の句が6点と続きました。
10点句 42 診察は旅の話しや冬うらら (ダイアナ)
9点句 5 除夜の鐘こころざし秘す十八歳 (あんのん)
7点句 52 寒紅を引きて女は強くなる (ABCヒロ)
6点句 19 広告に溢れるおもちゃ十二月 (弥生)
個人別総合では、ダイアナさんが16点でトップでした。
12月度みんなのネット俳句会・互選結果発表 特選2点、並選1点で計算。
1 早咲きの山茶花一輪短冊に (みにょん) 2 ◎えっちゃ、
2 よろよろと歩む姿は狂ひ花
3 畝間では白き肌魅せおでん酒 (和談) 1 ヨヨ、
4 亜米利加は未だ銃社会開戦日 (ABCヒロ) 2 ◎ちとせ、
5 除夜の鐘こころざし秘す十八歳 (あんのん) 9 ダイア、◎尾花、◎ラガー、◎森野、ふうり、アイビ、
6 片手ずつ手袋外し手を繋ぐ (玉虫) 4 茶々、にゃん、かをり、コビト、
7 冬日射す水飲み台に小鳥の像
8 初雪や音なく過る鳥の影 (馬渡谷) 2 えっちゃ、アイビ、
9 人は人吾は吾だと冬将軍 (コビトカバ) 2 ラガー、えっちゃ、
10 ほどほどの二年連用日記買ふ (ナチーサン) 4 ◎ヨシ、◎みにょ、
11 雪催ひしいんと生きる村の知恵 (かをり) 2 ダイア、森野、
12 枯草を束ねて結ぶ通学路 (尾花) 2 ナチー、森野、
13 未来とは後のことぞ日記買ふ
14 大阿蘇の枯れて尾花の風となる (森野) 4 ナチー、馬渡谷、◎にゃん、
15 炬燵中先に籠るや熊よりも (ヨヨ) 1 和談、
16 県境を超えれば一面冬紅葉 (ふうりん) 1 ヨヨ、
17 炬燵猫寄せる寒気に薄目開け (茶々) 1 えっちゃ、
18 蜜柑食べ掌談義始まりぬ (ヨシ) 2 玉虫、かをり、
19 広告に溢れるおもちゃ十二月 (弥生) 6 ちとせ、馬渡谷、◎ABC、◎コビト、
20 掃いたあと掃いたあとへと落葉かな (アイビー) 5 ちとせ、和談、弥生、ABC、みにょ、
21 冬の朝烏らは鳴き芥を出す
22 一日を炬燵を出ては戻る猫 (にゃんこ) 1 茶々、
23 ポトフ煮る厨の外は虎落笛 (ダイアナ) 2 尾花、ふうり、
24 電線に音符の響く寒雀 (茶々) 1 ヨヨ、
25 暮れ際のポインセチアの並ぶ店 (みにょん) 1 弥生、
26 しがみつき耐えて残る葉落葉風
27 寒いよーJapanの家は地獄かな (ラガーシャツ) 1 ふうり、
28 パリパリと音する夜道聖夜ミサ
29 先生の前いきなりの大くさめ (ABCヒロ) 3 尾花、玉虫、にゃん、
30 白駒の根上がりに苔雪化粧
31 埋火やあいまいに生くこれよりは (あんのん) 5 ナチー、玉虫、森野、かをり、ヨシ、
32 年の瀬や歌姫昭和の歌を吐く (ナチーサン) 1 和談、
33 陸奥の湯宿初雪にして根雪 (馬渡谷) 1 てつを、
34 当主にて終ふ湯やどの冬構 (かをり) 3 ◎馬渡谷、アイビ、
35 早朝のバス凩と共に待つ (コビトカバ) 1 ダイア、
36 枕木も朽ちて廃線冬ざるる (森野) 5 ◎ダイア、ヨヨ、ABC、アイビ、
37 葉ぼたんや日時計我の腹時計 (尾花) 1 弥生、
38 最後には玉子で〆るおでんかな (ふうりん) 3 弥生、ラガー、ABC、
39 小春日やまたひとり来て畦談義 (てつを) 3 あんの、コビト、みにょ、
40 群と呼ぶ数には満たず鴨の池 (弥生) 2 あんの、にゃん、
41 池鏡もみじ葉映す東山
42 診察は旅の話しや冬うらら (ダイアナ) 10 ちとせ、ナチー、◎てつを、◎弥生、ラガー、にゃん、ヨシ、アイビ、
43 コンビニのおでんと言へど侮れず (アイビー) 1 てつを、
44 真夜中に猫の入り来る蒲団かな
45 雪降ればちちははの声雪積もり
46 突つつけば海鼠のつそり復元す (アイビー) 4 ちとせ、尾花、玉虫、馬渡谷、
47 貫けずとても虚子には初昔 (ラガーシャツ) 2 ◎かをり、
48 大根の皮は剥かぬと諭されて (玉虫) 1 えっちゃ、
49 苔庭の日暮れ寂しき冬紅葉 (みにょん) 2 ダイア、和談、
50 初冬の夜道へ誘う電飾衣
51 補助具付け杖つく人や冬日燦 (ちとせ) 2 馬渡谷、アイビ、
52 寒紅を引きて女は強くなる (ABCヒロ) 7 てつを、◎あんの、ラガー、コビト、ヨシ、アイビ、
53 暗闇を燃やす晦日の熱気かな (コビトカバ) 1 みにょ、
54 長生きのめでたきことと言ふ冬日
55 綿虫や逢うて語るも易からず (かをり) 4 ◎玉虫、あんの、コビト、
56 襖絵の虎の眼や山月忌 (馬渡谷) 2 ◎ナチー、
57 日当たりて鴨一列に堰の上 (てつを) 4 ヨヨ、茶々、かをり、ふうり、
58 屑籠に師走の芥放り込む (ナチーサン) 1 尾花、
59 佇めば風吹き抜ける松手入 (ヨヨ) 3 ◎和談、森野、
60 冬晴の天守見惚るる竜吐水
61 百均で探すあれこれ年用意 (弥生) 1 ABC、
62 枯蔦や異人屋敷の跡と聞く
63 電飾の街や二人のクリスマス
64 着物着て外つ国人も紅葉狩 (ふうりん) 3 茶々、ヨシ、みにょ、
65 寒烏逢引きですか見つめ合ふ
66 豆炭の埋れて赤き火鉢かな
67 父の癖思ひだして冬至柚湯 (えっちゃんあら) 1 アイビ、
68 足音に日々の疲れや年詰まる (ヨシ) 2 ◎ふうり、
69 吾子の名の縫い取りありぬ吾の手套 (ダイアナ) 4 てつを、◎茶々、あんの、
*投句者は森野、えっちゃんあら、ラガーシャツ、ABCヒロ、弥生、コビトカバ、馬渡谷、ヨヨ、ちとせ、和談、玉虫、あんのん、ナチーサン、ふうりん、尾花、アイビー、ヨシ、てつを、にゃんこ、みにょん、茶々、ダイアナ、かをりの23名。
*間違い、その他不都合な点をご連絡下さい。
皆様のコメントを興味深く読ませていただいております。
アイビーさん、いつもありがとうございます。
私が選句した句の感想を書かせて頂きます。
5.夕立雲路上ライブのトランペット(ふうりんさん)
西の空から夕立雲が現れ少し暗くなる、風が出てくる。 そんな時路上ライブのトランペットの音が流れる。 集まる人も日中の暑さから逃れ、夕方の心地よい風の中しばし聴き入る。 近年「名鉄太田川」の駅前で路上ライブをやっている所に遭遇したことがある。その時のことを思い出し、特選にいただきました。
13.ものおけば鬱増してくる夏座敷(ABCヒロさん)
そうなんです。何も置かない、出来れば間仕切りさえも取り外して、広々とした風の通る夏座敷にしたい。 物が置かれれば、何か工夫して考えなければ・・・と思うもの。 これを、鬱増してくると言い切ったところに共感が持てます。
27.素のままの私で行かう菊挿芽(ヨシさん)
ナチーサンさん、アイビーさんが感想を述べていらしたとおり、私も気取りがなくて素直な5・7・5に感銘を受けました。
32.雲海に富士の頂見惚れをり(森野さん)
「雲海」という季語があることを今回初めて知りました。 富士山は大好きです。毎日眺められる所に住みたいとさえ思ったものです。 飛行機の窓から見る富士の頂は雲海の上に突き出ている。森野さんは歩いて登られたのか? 飛行機の窓から見られたのでしょうね。見惚れます。
41.手放せば子は噴水へ走り出す(ABCヒロさん)
夏の子供は水が大好きです。噴水と見るとママの手を振り切ってでも走り出す。 噴水のしぶきを浴びたり、手を浸したりしたいのでしょう。光景がとてもよくわかり微笑ましい句です。
44.子守唄小さく聞かす団扇風(杏さん)
子供を昼寝させるとき、団扇でそっと風を送り子守唄を唄う。母にとっても至福のひととき。遠い昔、私にもあったなぁーと感慨にふけるいい句です。
56. 花梯梧別離(わかれ)はいつも唐突に(アイビーさん)
若いときの別れは、進路を異にするそれや、恋人と別れることもあるがそれほど悲壮感はない。 老年期になると永遠の別れになることが多くなる。 コロナ禍にあって親しかった知人、親戚の突然の訃報に接することが続きました。まさに「別離はいつも唐突に」です。 季語の梯梧の花は、花をつけてない時は素通りしそうな印象のない樹木ですが、真っ赤な花を咲かせると、はっとするほど惹きつけられる花です。心情にピッタリの季語だと思います。
思いつくままに、これからもよろしくお願いします。
アイビーの感想です。例によって鑑賞3原則に則って。
7怠惰なる心を叱るはたた神 (蓉子さん)
天地が咆哮するかのような雷鳴。人事を超越した自然の営みに人は敬虔な気持ちになる。日常に狎れともすれば安易に流れるわが身への、神の叱咤ととらえた作者。共感の一句。
11城址へと続く片陰拾いゆく (森野さん)
高点句。城址へと続く城下町の街並み。旅人を癒してくれる日陰の有難さ。「片陰拾いゆく」の楚辞がまことに適切。
12川泳ぎふりちん子らは皆老いし (和談さん)
今でこそ分別盛りの老境に差しかかってはいるが、その上のガキ大将。愉快な句になったが、同時に戻ることのない少年時代が無性に懐かしい。
25夏草や夢幻の義元碑 (和談さん)
信長によもやの敗戦を喫した義元。現在の名古屋市緑区の桶狭間古戦場付近に義元碑はあるが、墓は全国に複数あると聞く。芭蕉の「夏草や兵どもが夢のあと」にも相通じる感懐を催す。夢幻は「ゆめまぼろし」と読むのだろう。
14熊野古道尖る鳥語と山百合と (萩さん)
特選にいただいた句。春の囀る鳥とは大いに趣を異にし、夏の鳥は、時鳥に代表されるようにけたたましく鳴く。作者はそれを「尖る鳥語」と表現したが、言い得て妙。「鳥語と山百合と」と畳みかける調子が心地よい。
16ほうたるの灯や怨霊の見え隠れ (ナチーサンさん)
蛍の灯に怨霊が見え隠れととらえた句は初めて接した。大胆な描写には賛否があるかも知れないが、作者の感性を尊重したい。怨霊を出したのであれば「蛍の灯」は「蛍の火」でもよかったように思うがどうだろう。
19退院の知らせ届きて飲むビール (あいさん)
身内のどなたかであろうか、闘病中のところ、ようやく退院の運びとなり待望の第一報が届いた。ビールが美味い。味のことに言及していないが、美味いに決まっている。素直な作句態度に好感。
27素のままの私で行かう菊挿芽 (ヨシさん)
菊挿芽とは珍しい季語を持ってきたものだ。「素のままの私で行かう」と言い切ったあたりの呼吸が小気味よい。そこにはもう迷いも躊躇もない。「行かう」と踏ん切りのついた作者を応援したくなる。
以下、不定期掲載
アイビーさん、
熊野古道の句を特選に採ってくださってとても嬉しいです。
訪れたのは随分昔のことですが、行き交う人はほとんどない閑かな森の道。 時々笹百合を見かけます、森深い所にほっそりした笹百合は合いますね。 鶯も堂々と鳴いていましたが、時々甲高い声で鋭く鳴く鳥がいて、その表現方法を随分考えました。
結局「尖る鳥語」にしましたが・・・! 良かった、選句していただけてありがとうございました。
ネット句会にて、沢山の素敵な俳句を拝見する機会を頂けて、アイビーさんに感謝しています。
今回、向日葵の俳句、綿羊の俳句。百合の香のと、三句を取って頂きました。
*百合の香の仄かにありし今朝の弥撒
聖堂にはいろんな匂いが有ります。蝋燭の香、古びた本の香等。
弥撒が果ててふと気が付く百合の香。朝一番の弥撒ならでは。
*向日葵や出来るまでする逆上がり
近くの小学校に、向日葵が沢山咲いています。
百葉箱、菜園、鉄棒の近く。
跳び箱は得意でしたが、逆上がりは出来ませんでした。
出来てしまえば、何故出来なかったのか?不思議に思えました。
手にできたマメを吹きながら、小さな達成感。
向日葵が見ていた逆上がり。
*綿羊の草食む大地雲の峰
そうです!
綿羊なんですよ~
この綿羊を何処に置くか?牧場?小屋?
大地に着地しましたが、良かったのか?
投句の度に悩みます。
手を引っ張られても、コメントの返事に尻込みしてしまいます。
遅くなってしまいました。お許しください。
綿羊を大地に置いて正解だと思います。それでこそ季語の雲の峰と平仄が合います。
11城址へと続く片陰拾いゆく (森野) 6
先ず季語の確認、片陰は夏の午後と。「拾いゆく」に感銘を受ける。ゆっくり目標に向けて歩を進める状況が目に見えるよ
う。城跡にたどり着き感慨にふける作者の姿も。
12 川泳ぎふりちん子らは皆老いし (和談) 3
私は海育ち。年少時代は男女を問わずふりちん。突堤から突堤の100mほどが遊び場。漁船が行き来するので先輩が見張る。あ
る時巻き込まれそうになったことも。皆ガキ大将の洗礼を受け自然に泳ぎを覚える。年長になるとふんどし姿に。セピア色の写
真など見ながら感慨にふけっているのだろう。中には鬼籍に入った子も。ふりちんは辞書に無かった。
27 素のままの私で行かう菊挿芽 (ヨシ) 6
「素のままの私」に惹かれたが下五の菊挿芽でストンと落ち戴いた。素直な句だが「私で行かう」に意志の強さが垣間見え
る。味わえば味わうほど味の出る深みのある句と思う。
41 手放せば子は噴水へ走り出す (ABCヒロ) 9
特選と迷った句。実に素直な句だ。情景そのままの句と思うが、親と子の心の繋がりが見事に生かされている。目に見えるよう
だ。「手放せば」が心憎い。肉親だろうか。
44 子守唄小さく聞かす団扇風 (杏) 3
「小さく聞かす」が団扇の柔らかい風と相応して生かされている。母親でないと作れない句だろう。何度つぶやいても胸に響く
句だ。
70 口紅を奪ひしコロナ半夏生 (淑子) 5
特選に戴いた。強い口調の中七が命。コロナに対する憤りが伝わってくる。女の象徴でもある唇、それを色採る口紅。全てマ
スクが奪い取った。季語をみると「田植えの終期で梅雨の末期、豪雨を警戒する。」とある。不安な気持ち、適切ではない
か。
82 逞しき生き様まざと姫女苑 (淑子) 1
季語姫女苑は別名「犬よめ(女編に取る)菜」。とにかく名前に似合わず繁殖が強いと聞く。実景を詠んだものと思われるが「逞
しき生き様」にその美しさとは別の強さがよく出ている。
※
6 1 向日葵や出来るまでする逆上がり(玉虫)4
最後まで候補に残った句。何度読んでも良い句だ、元気が出る。孫のことが思い出された。こちらは自転車だったが。
かをりさんから感想をいただきました。有難うございます。ABCヒロさんが2句、森野さんが2句、玉虫さんが2句。
今回の句会で好成績を収められた方と完全に一致します。ここはどうしてもお三方からコメントをいただかないことには、おさまりがつきません。名前の出なかったヨシさんも。
皆様、今晩は。
そして引越し、おめでとうございます。
なにげに寡黙にアイビーさんは成し遂げられましたが、その若きエネルギーに感謝申し上げます。
では、選句に一言、添えさせてくださいませ。
◎11城址へと続く片陰拾いゆく(森野)
拾うがいいですねえ。片蔭に沿ってゆっくりと歩く作者の姿を描き出してくれます。
城下町の盛夏の風情の秀句です。
そうそう、城址での一句も知りたくなりましたよ。
35 だちかんがビールが冷えてをらんがや (アイビー)
だちかん、この方言がばっちり。「が」もまた引き立ちます。
押しの強さ、エナジーが目立ちますが、実は丁寧に作られているのですね。
うーん、見習いたいです。
41 手放せば子は噴水へ走り出す (ABCヒロ)
幼子の元気と噴水の勢いがよく合いますねえ。
可愛さが甘くなっていないくて、幼子を詠む句のお手本です。(私は甘い句も好きです)
52 仏壇の中へ涼風入れておく (ABCヒロ)
”おもいやり”と”大切”が感じられて、すぐにいただきました。
ご先祖様はさぞ喜んでおられるとおもいます。
ABCヒロさん、好調ですね、ご先祖様のご加護あれ。
61 向日葵や出来るまでする逆上がり (玉虫)
これは頑張る子供さん、熱い。今は自堕落な自分もそうでした。
出来るまでならひまわり、出来てしまえば鰯雲、季語は動きません。
今回は投稿されたみなさまのお人柄を間接的に句で知ることができました。
65 どの道も我が家へ青田風のあり (森野)
私は青田風という季語が大好き。日本の田園風景ですもん。
私、どの道より、いっそ、(あの道も)この道も我が~ とした方がもが眼前に出てく生きるような気がします。
「も」と「に」にうるさいかをりですが、大好きな季語の句、ありがとうございます。
76 綿羊の草食む大地雲の峰 (玉虫)
綿羊がいいのよ、玉虫さん、メリーさんの羊ですもん、メリヤスですもん←ここは酔ってます。
さてさて、北海道でしょうか、純な羊、北の大地の雲の峰、読み終わってみれば玉虫さんの堂々とした大景の句となり。
はい、この句に搔きたてられて夏の旅の計画を立てたく、ここで選句の観賞を終えさせていただきます。
ますます、みんなのネット句会が盛会となりますように。
私の句を取り上げていただき光栄です。某家の主の某氏の台詞をそのまま俳句にしました。少しデフォルメはしてありますが。
下記の句6点では
27 素のままの私で行かう菊挿芽 (ヨシ) 5 萩、蓉子、ナチーサン、アイビー、◎杏
ご指摘、有難うございます。さっそく訂正しました。
7月句会の互選結果をを発表します。トップはABCヒロさんの噴水の句で9点を集めました。ついで森野さんの片陰の句、ヨシさんの菊挿芽の句、玉虫さんの雲の峰の句が同点で、ともに6点でした。
9点句 41 手放せば子は噴水へ走り出す (ABCヒロ)
6点句 11 城址へと続く片陰拾いゆく (森野)
6点句 27 素のままの私で行かう菊挿芽 (ヨシ)
6点句 76 綿羊の草食む大地雲の峰 (玉虫)
個人別総合ではABCヒロさんの14点、次いで森野さんの12点、アイビーの11点でした。
7月度みんなのネット俳句会 互選結果一覧 ◎特選2点、並選1点で計算
1 開け閉めの度に音立つビール瓶
2 もてなしの麦茶あわてて冷やしけり
3 御城下の屋並の軒に夏燕 (ちとせ) 2 ◎ふうりん、
4 炎天へスクランブルの戦闘機 (束束子) 3 あい、ABCヒロ、杏
5 夕立雲路上ライブのトランペット (ふうりん) 4 ヨシ、◎萩、ABCヒロ、
6 ひと匙のスウプ眩しき桜桃忌
7 怠惰なる心を叱るはたた神 (蓉子) 2 ◎あい、
8 四日目となれば喜雨とは言へざりき
9 鳥数多餌場失ふ青田風
10 稼ぎたる石工の吼えて月見草
11城址へと続く片陰拾いゆく (森野) 6 ◎かをり、◎蓉子、ナチーサン、アイビー、
12 川泳ぎふりちん子らは皆老いし (和談) 3 ちとせ、あい、ナチーサン、
13 ものおけば鬱増してくる夏座敷 (ABCヒロ) 1 萩、
14 熊野古道尖る鳥語と山百合と (萩) 2 ◎アイビー、
15 炎昼の犬にもありや痴呆症 (アイビー) 1 蓉子、
16ほうたるの灯や怨霊の見え隠れ (ナチーサン) 2 束束子、淑子、
17 夕端居ちと贅沢か膝枕 (轟) 1 玉虫、
18 あぢさゐを見てゐる母の目に濁り
19 退院の知らせ届きて飲むビール (あい) 3 和談、森野、杏
20 青蛙鳴き声届け銀の笛
21 トマト煮る庫裡は味覚の修行場
22 胡瓜揉み労せず夫に喜ばれ
23 鳴きたくて鳴けぬ悲しみ啞の蝉 (杏) 4 束束子、ヨシ、あい、ABCヒロ、
24 桑の実や文化伝ふる合掌屋 (ちとせ) 1 蓉子、
25 夏草や夢幻の義元碑 (和談) 1 ふうりん、
26 蓮の葉や史実少なき寺縁起 (ABCヒロ) 2 玉虫、杏
27 素のままの私で行かう菊挿芽 (ヨシ) 6 萩、蓉子、ナチーサン、アイビー、◎杏
28 端居して妻の繰り言聞き流す (轟) 3 森野、アイビー、杏
29 堀川にうねりの立つや梅雨出水 (萩) 2 ふうりん、轟、
30 笹百合やケーブルカーのアナウンス
31 友臥すや無口に問ひぬ梅雨の鳥
32 雲海に富士の頂見惚れをり (森野) 1 萩、
33 佛にも神にも依らず額の花 (ナチーサン) 2 和談、淑子、
34 草むしり癒しの一献酒を汲む
35 だちかんがビールが冷えてをらんがや (アイビー) 3 ちとせ、玉虫、かをり、
36 緑陰や鞄の中に文庫本 (ふうりん) 2 森野、轟、
37 短命の蝉よ鳴け鳴け増福寺 (束束子) 1 ふうりん、
38 百合の香の仄かにありし今朝の弥撒 (玉虫) 1 轟、
39 心太黒蜜かけて好きになる
40 匂い立つ木々に近づき芒種かな (淑子) 1 和談、
41 手放せば子は噴水へ走り出す (ABCヒロ) 9 束束子、◎ヨシ、萩、ふうりん、玉虫、かをり、ナチーサン、
アイビー、
42 カードなど使へぬ店の冷奴 (アイビー) 5 淑子、◎森野、ABCヒロ、轟、
43 涼しさや大放水の黒部ダム (束束子) 3 ちとせ、和談、あい、
44 子守唄小さく聞かす団扇風 (杏) 3 萩、ふうりん、ナチーサン、
45 パレットへ筆たつぷりと青山河
46 早々と梅雨明け報ず気象庁
47 暮れなずむ河原に灯る月見草 (森野) 2 束束子、和談、
48 あれは誰ギタートレモロ夕端居 (轟) 1 あい、
49 主なき庵に夕菅咲き初めし (萩) 1 森野、
50 次の世は蝶に生れこよ火取り虫 (ナチーサン) 1 ヨシ、
51 楊梅の顔を見合わす舌触り (ヨシ) 1 淑子、
52 仏壇の中へ涼風入れておく (ABCヒロ) 2 玉虫、かをり、
53 夏座敷北前船に富みし店(たな) (ちとせ) 1 森野、
54 傘差して見に来てをりぬ喜雨の畑 (杏) 2 ちとせ、轟、
55 中元を贈る相手の数細り
56 花梯梧別離(わかれ)はいつも唐突に (アイビー) 2 萩、ABCヒロ、
57 西日射す浚渫船の曳かれ行く (萩) 2 玉虫、蓉子、
58 何やかや主婦忙しなき麦の秋
59 蛇を呑む鶏舎の横に卵売機
60 あぢさゐの藍深ければ妻を呼ぶ (轟) 1 杏
61 向日葵や出来るまでする逆上がり (玉虫) 4 ふうりん、かをり、アイビー、杏
62 黙す老風鈴独り話しをり (和談) 2 ◎淑子、
63 南風吹く阪神ファンのボルテージ
64 築山から滝と溪流見せくれて
65 どの道も我が家へ青田風のあり (森野) 3 ◎ちとせ、かをり、
66 刺青の袂を夜目に貸浴衣 (かをり) 2 束束子、ヨシ、
67 避難民受け入れし街梅雨に入る (ナチーサン) 1 淑子、
68 氷砂糖陽炎めきて梅酒かな
69 ががんぼと対面をして後ずさり
70 口紅を奪ひしコロナ半夏生 (淑子) 5 ◎和談、ヨシ、◎ナチーサン、
71 寝苦しや物価の上がる熱帯夜
72 夏霧や眼前過るもの二匹
73 二階宿悩殺水着海の花
74 磯野家の塀に凌霄かづらかな
75 栗の花しだれ厩舎の影崩れ
76 綿羊の草食む大地雲の峰 (玉虫) 6 束束子、ちとせ、森野、かをり、◎ABCヒロ、
77 自由にと添えて七夕竹積まれ
78 非番には薬味たっぷり冷やっこ (ふうりん) 3 蓉子、ABCヒロ、アイビー、
79 絹の糸吐く運命なり蛾になれず (ナチーサン) 1 和談、
80 夏服に風はらませて立つ浜辺 (杏) 3 ◎玉虫、轟、
81 与太郎のごとく胡瓜の寝そべりて (轟) 1 あい、
82 逞しき生き様まざと姫女苑 (淑子) 1 ナチーサン、
83梅花藻や澄める流れに浮き沈み (ちとせ) 4 ◎束束子、淑子、ヨシ、
84 国道を連なるバイク熱帯夜 (ABCヒロ) 1 ちとせ、
85 殺虫剤ものともせずに蜈蚣来る (ヨシ) 3 蓉子、◎轟、
投句者は束束子、ABCヒロ、あい、森野、萩、杏、ナチーサン、淑子、和談、玉虫、ちとせ、蓉子、かをり、アイビー、ふうりん、ヨシ、轟の17名