Q
生まれつき幸せな家族に恵まれた人と、いろいろ困ったことを次々と起こす家族を持っている人とがいると思うんです(そうかねえ?)。私は後者ですが、とても重いものを抱えてしんどい思いをしています。どのように考えて暮らせばいいのでしょうか?少しでも気が軽くなる考え方がありますか?
A
軽くなるかどうかは知らないけど、生まれつき幸せな家族はないんです。生まれつき次々と問題を起こす家族もないんです。それはみんなで作っているんですよ。家族全員が協力して明るい家族とか、協力して暗い家族とかみんなでこしらえあげているわけ。協力の中には当然私も入っているわけですよ。で、私のパートはたぶんかなり大きいですよ。こんなところへ来て質問しようとする人は業が深いから、暗い家族を作ることに対する寄与率が大きいと思う。だから自分のあり方が変わればきっと変わるはずなんです。私がもし鬼婆だったら、まわりの人はきっと私が鬼婆だと思ってつきあっているから、私の鬼婆性が出るように出るように挑発しているんですよ。挑発に乗っている限り変わらないので、挑発に乗らないで。これもある日みんなが寝ている間に夜中に魔法使いが現れて、私はとても良い人に変わってしまっていたのだが、朝起きたときはそれに気がついていない。いつものように子どもが私を挑発して、私は怒ろうと思ったがなかなかそうはいかない。魔法がかかっているから。では何をするかをしばらく考えてください。
Q
アドラー心理学を習ったあと何年たっても、ムカッと怒ったあとでまた後悔するのが治らないのは、どのようにしたらいいか方法を教えてください。
A
それは、ムカッと怒ったあとで後悔しようと決めているからだ。そのルートを完全に決めている。「私は、私が怒るわけじゃないんだ。性格が怒らせるんだ」とか何とか言って、ムカッと怒る。ムカッと怒ったあとで、「私はこのままで済ますような悪い人じゃないわ。ほら、こんなに反省しているから」というふうに決めているからで、「ムカッとしないであと後悔もしない私になろう」とまず強く願ってくださいよ。怒らない私だったら、こう考えるんです。ある日、夜寝ている間に魔法使いが現れて魔法をかけてくれるんです。朝起きたら、怒らない私に変わっているんです。まだ怒らない私であることに気がついてないんですが、でも怒らない私なんです。それで子どもが何か悪いことをします。そのとき、いつもなら怒っているけど、今日は怒らない私なんです。怒らない私ならどうする?何をしますか?子どもがご飯を食べこぼすんです。前は「何すんの!」と言ったけど、今はなぜか怒ろうと思っても怒れないんです。怒らない私に変わっているから。でも何にもしないわけにはいかないでしょう。で、「ちょっと拾ってね」とか言うとかいうことをするんです。それをたくさんイメージするんです。そうすると感情を使わないで解決するレパートリーがたくさんできている。しばらくそんなイメージしていると、次に実際起こったときに無意識的にイメージしたどれかを選びますから、怒らないですむようになるでしょう。信じてください、「自分は怒らない人に変わるんだ」って。
Q
「開いた質問」と「閉じた質問」の組み合わせ方がよくわかりません。また「閉じた質問」でいくつか候補を提示するとき、1つは面白いユーモアのあるものというのは、どういう狙いですか?
A
パセージで教えているのは「開いた質問でお稽古してください」だけなんです。なんでかというと、人間は不器用だからそんなにたくさんのワザを覚えられないから。空手と柔道と剣道といっぺんに習うとどれも中途半端になるから、とにかくどれか1個上手になっておけばいけるだろうというので、もっぱら「開いた質問」で行こうやと思っています。それでアカンときはまたその都度相談に乗ろうと思います。
Q
4歳2か月男児。言語の発達は年齢以上。運動神経もなかなかのものですが、気になるのはピストルとか鉄砲に興味があり、棒でもすぐにそれに変身させて、バンバンと撃つ真似をしたり切りつける真似をします。また「ころしてやる」と向かってきたりします。穏やかでないので気になりますが、放っておいていいものでしょうか?一時的なものでしょうか?テレビは好んでバンバンやるものを観ています。
A
中島(弘徳)君のカウンセリングを受けたらどうでしょうか。彼の家のベランダには二十ミリ機関砲があるとかないとか。もの凄いガンマニアなんですよ。大丈夫ですよ、それでちゃんと大人になりますから。そんなの1つ1つ心配しなくていいと思うし、アドラーも言っています。そういう力・パワーに関心のあるということと、それでヤクザになるとか犯罪者になるとかは関係がない。関係があるのは、「私は能力がある。人々は仲間だ」と思っているか思っていないかが関係があるんです。力に関心があって、「私はひとりで生活のできない無能力者だ」とか「みんなは敵だ」と思えばヤクザになります。力に関心があって、「私はちゃんと社会生活ができる能力がある」とか「みんなは仲間だ」と思えば、例えばお巡りさんになります。大事なのは「能力がある」とか「親は仲間だ」と思っていることです。
Q
高1で中退した現在19歳の息子の暴力から逃れて1年半。一度も会っていません。彼は私の母と妹(17歳)と暮らしていて、昼夜逆転で暮らしていました。5月13日に旅行すると言って出かけて、彼の姉(23歳)の電話にかかってきた最新情報で石垣島にいることがわかりました。貯金を引き出した様子もなく、知り合った人の家に泊まったりしているらしいです。それはそれで心配していませんが、いずれは対面することになると思いますし、バッタリ会うこともあるでしょうし、そのときのことを考えるとやっぱり恐いと思います。それでそのときどんな言葉を私が発したらよいか、どんな対応をしたらよいのでしょうか?今から練習しておきたいです。
A
一生会わなくていいじゃないですか。向こうが会ってみたいと思うまで別に会わなくてもいいと思うし、こうやって旅行に出たりして彼は自分の人生をつかんでいって、最終的に「これで大丈夫。やっていける」と思ったら、パセージふうに言うと「私は能力がある、人々は仲間だ」と思ったら親のことも赦してくれるでしょうよ。それまでは向こうも会いたくないだろうし、こっちも無理に会うことはないだろうし、「そのうち、それまで」というのがこののち一生続いたところで、会って傷つけ合うより会わないで傷つけ合わないほうがまだマシだから、そう無理に考えなくてもいいんじゃないですか。