あの日あの頃
入れ食ひの引潮どきや鯊日和 石井雅之
敬老日眠れる脳を目覚めさせ 樫内健
添い走る宇治の川波秋深む 榊原眞寿美
麗子像にしばらく見とれ館涼し 杉浦けんじ
紫蘇の葉を刻む香りのくりやかな 山下桂子
引き上ぐる錨の雫晩夏光 大平和夫
(平成29年9月 半田俳句教室例会より)
蚰蜒か蜈蜙でか階下より悲鳴 名古屋市 可知豊親 (8.30産経俳壇入選句)
サンケイ新聞を取っている家は少ないだろうが、産経俳壇で宮坂静生選に入った句。作者の可知豊親さんは新聞俳壇の常連。なにやら虫が出てくる俳句だが、読み方の分からない人のためにひらがなで書いてみる。「げじげじかむかでかかいかよりひめい」。
俳句は読めない漢字がよく出てくるが、特に動物の名前は難解だ。思いつくままに書き出してみる。蚯蚓、孑孒、蝦蛄、雲丹、蛞蝓、蝸牛、天牛、蟋蟀、飛蝗、蝗、浮塵子、蜉蝣、
あなたはいくつ読めましたか。
(みみず、ぼうふら、しゃこ、うに、なめくじ、かたつむり、こうろぎ、ばった、いなご、うんか、かげろう)
初稿は虫だったのです。シャコやウニが入ってたので急遽、動物に変えました。
難解は、厄介❗️
電子辞書無くては、俳句は手も足も出ないです。
ウニ、シャコも交ぜてあるなんて、アイビーさんらしくてヒドイ🎵
ウンカは見たことが有ったような無かったような?
昨日の8月例会はお疲れさまでした。会場の雁宿ホールで安全運転管理者講習会と日程が重なり、駐車場が満杯でした。警察関連では交通安全協会、防犯協会、安全運転管理者協議会があります。警察も警察もお役所ですから、各企業とも実務担当の管理職を出します。その所為か、出席率は非常によく、駐車場も満杯になる道理です。だからといって交通違反の切符を免除するとかの役得は全くありません。
明日26日は半田俳句教室の8月例会です。会員の皆さんは勿論、おためし参加も歓迎します。
8月26日(月) 出句締切り 午後1時30分 会場には午後1時から入れます。
当季雑詠7句出句
場所 雁宿ホール2階学習室 会費500円 (正式に入会される場合は半年分前納)
*台風が接近しています。万一、中止になる時は会員の方は電話で、一般の方は午前10時までに当掲示板でお知らせします。
緩慢に昭和の音の扇風機 苗代句会 新美英紀―(中日新聞知多版、文芸サロンより)ー
今は珍しくなった旧式の扇風機。回るとカラカラ音がする。それを昭和の音と言いとめた作者。作者はどこでこの扇風機を見たのであろうか。話変わって、拙宅の扇風機が動かなくなった。買ってから丁度10年目になる。電化製品の寿命は10年としたものと聞くが、その10年目に壊れた。偶然の符合にしてはおかしい。パナソニックの陰謀かしらん。
(この稿は俳誌白桃に掲載されたものに加筆し再掲載するものです。)
退りつつ進んでをりぬ踊の輪
盆踊りは、一曲終わると全体が数メートル前に移動しているから、前進していることに間違いはないのだが、途中の一部分だけ捉えると、逆に後退しているようにも見える。何しろ前進、後退が頻繁に切り替わり、おまけに全員で手を叩くところがあったりして、見る方を幻惑する。
これが、水前寺清子なら「三歩進んで二歩退がる」と明快だ。差し引き一歩前進していることが分かる。
この辺りの機微が冒頭の一句になった次第。
実はこの句、私が俳句を始めて間がない頃、無謀にも中日俳壇に投稿した句である。無謀とは言っても、五十二円の官製葉書一枚の投資のほかに当方に失うものは何もないのだし、ダメモトのつもりだったのが、何と長谷川久々子先生の特選一席に入った。ビギナーズラックはあるのである。
ところで、このビギナーズラックなる言葉、競馬や競艇などのギャンブル用語として使われるとか。賭け事の初心者が、よく考えもしないで馬券なり船券を買ったら、これが大当たりしたような時に言うらしい。この幸運が仇になり、どっぷりギャンブル漬になり、その後の人生が狂ったり、家庭崩壊などという悲劇も無いではないと聞く。
私の場合、賭け事におけるこの手の僥倖が一切なく、幸か不幸かギャンブルには嵌まらなかったのだが、その代り、俳句の方にはしっかりハマってしまった。
投句料無料で、締め切りが8月、9月の公募俳句を紹介します。
① 第9回白鳥庭園俳句大賞 白鳥庭園管理事務所 8月31日 フォト俳句か当季雑詠3句まで WEB応募可
② 第15回あいさつ川柳コンクール 半田商工会議所 9月6日 郵送
③ 第73回瀬戸市文芸発表会 瀬戸市文化振興財団 9月9日 3句まで WEB応募可
④ 第23回瀬戸内海俳句大会 松山市 9月15日 5句まで メール応募可
⑤ 第23回湯河原文学賞 湯河原町 9月20日 10句まで WEB応募可 テーマ「声」
➅ 第22回「富士山を詠む」俳句賞 富士宮市 9月30日 WEB応募可
⑦ 南知多の思い出を俳句に 南知多町観光協会 9月30日 WEB応募×
詳細は主催者のホームページで確認して下さい。
今日の一句
子の釣りて母の炊きたる鮎の飯 山本なづな
古き佳き時代のカブトビールかな 新美達夫
寄り添うて帰る車窓に若葉かな 加藤倶子
8月8日 中日新聞知多版 文芸サロン掲載