私の一句
農家より農家に嫁ぎ大根干す
この句の農家の婦人に特定のモデルがあると言えばある、ないと言えばない、曖昧模糊としたものだ。取り立てて言うほどもない平凡な設定ながら、俳句にストーリー性を感じてもらえば作者冥利に尽きる。
この近辺では武豊町の架大根が名高い。古くから「武豊たくあん」として知られ、一面をびっしり大根で埋め尽くした様は、一大盛観だ。真っ白な大根が冬の日にさらされて萎びるに従い、ほんのり黄ばんで来る。まさに冬の風物詩と呼ぶにふさわしい。
ところが武豊町にお住いの人に聞くと、最近は架大根を見ることも少なくなったという。味噌溜まりの醸造業は今も隆々たる威勢を誇っているのに対し、町内の漬物業は2社のみという。これには、様々な理由があるだろうが、時代の波で片付けるのは寂しすぎよう。
この句を、過ぎし日の郷愁にも似たオマージュとしてしまうのは私の本意ではないのだが…。
(この稿は書下ろし)
協和区民展
11月23日~24日(土・日)
協和公民館(白山神社)
半田市文化協会芸術祭・作品展
11月30日~12月1日(土・日)
雁宿ホール(名鉄知多半田駅西) 講堂
いずれも半田俳句教室の会員の作品を展示します。是非、覗いてみて下さい。
展示の作品は両会場とも同じです。
半田俳句教室のお二人揃って!
中日新聞に本当に替りたくなります。
桑田さんの鶏頭花に、さすが持ってくる花が違うと思いました。
新美さんの百句!!これにも圧倒されて。
勉強させていただきます。
有難うございます。私の句はどん尻の10番目にかろうじて引っかかったのですが、隆行さんは文句なしの入選です。
今日の一句
余生にも大波小波鶏頭花 半田市 桑田隆行
11.17 中日俳壇 高田正子選 入選
同じ高田正子選でどん尻の10席目に
秋灯下百句つくりて一句を得 半田市 新美達夫
も引っかかっていました。
ギャラリーの俳句が新しくなりました。
名鉄知多半田駅
豚汁のほかには要らず冬に入る けんじ
向背の龍目を見張る神の留守 眞寿美
短日の夕闇背負ひ下校の子 隆行
JR半田駅
燃えてるよ幼指差す冬茜 里子
ダックスに喧嘩売られし小春かな 達夫
今日の一句
夜の帳下りて風鈴力抜く 桑田隆行
バーベキュー社長みづから火を熾し 加藤倶子
牧場や仔牛のタグに秋の風 杉浦けんじ
11月7日 中日新聞知多版文芸サロン掲載
あの時あの頃
西山に日は傾むきて近松忌 今西 弘子
柿熟るる大和三山日当りて 大平 和男
返り花いろは覚えし子が数う 榊原真寿美
家康のしかみ絵見たや濠紅葉 山下 桂子
夕焼けの色を映せり四季桜 能村 正子
庭中に香り零せる金木犀 石川 一房
立つが漕ぎ屈むが突ける海鼠舟 竹内 豊白
葛の蔓浸してありぬ海鼠桶 飯田 栄松
丸太切るチェンソー唸る園小春 丸地矢江子
半田俳句教室 平成21年11月例会から抜粋
本日の例会、皆さんお疲れでした。あいにく倶子さん、里子さん、眞寿美さんが欠席され女性軍はなづなさんが孤軍奮闘でした。1時から始まって終わったのは4時過ぎという熱の入り方でした。
明日28日は半田俳句教室の10月例会です。お試し出席も歓迎します。ぜひ覗いてみてみて下さい。
会場 雁宿ホール 2階学習室
投句締切り 午後1時30分 会場には午後1時より入れます。
当季雑詠 7句
会費 500円 (正式に入会されれば半年分3000円を前納)
今日の一句
碑の泥を拭ひ伊勢湾台風忌 半田市 新美達夫
6・20 中日俳壇高田正子選一席
自分の句なのでここへ載せるのは気が引けますが、慣例なので掲載します。実はこの句、歳時記に伊勢湾台風忌なる季語は掲載されていません。角川の分厚い歳時記にも未掲載です。5000人以上が亡くなった大災害が、歳時記に載っていないなんて納得できません。大体、歳時記は東京や畿内の生活実感に基づき編集され、中京圏とか地方のことは考慮されていません。初富士、初筑波はあるけれども初御嶽や初岩木、初大山はありません。私としては、この句を言葉は悪いが、確信犯のつもりで応募しました。一石を投ずる意気込みでした。選者の高田正子先生は流石です。果然、選句を通して高い見識を示されました。心から敬意を表する次第です。