次打席の夫に手を振る白日傘
草野球での情景。白日傘の人妻と思しき若い女性がグランドに手を振っている。現にバッターボックスに立っている選手にではなく、準備のためベンチから出てバットの素振りを始めた彼女の夫であろう、次打者に対してである。彼女にとって試合展開はどうでもよく、良人の一挙一動だけが関心事なのである。そこで私は、野球場全体からこの若い夫婦の間だけを切り取ってみた。そのアイデアが良かったと自分では思っている。女性の白日傘が炎天下まことに印象的であった。ところで、日傘と言えば白日傘に決まっているかというと最近はそうでもない。結構、黒や柄物の日傘が目につく。しかし夏の季語としての日傘が黒では困る。たまたま女性の日傘が白だったからよかったが、もし黒日傘を差していたら、と考える。事実には反しても白日傘としただろう。これを「黒を白と言いくるめる」と言う。
この稿は俳誌「白桃」に掲載されたものに加筆して再掲載した。
ギャラリーの俳句が新しくなりました。
名鉄知多半田駅
放牧の馬の背光る蝦夷は夏 なづな
白靴や老いても尖る心持つ 隆行
縺れあふ緑の中の黒揚羽 倶子
JR半田駅
ハーモニカ何を吹こうか山開 故・樫内健
月無き夜心ときめく遠花火 里子
半田俳句教室の沿革を調べたいと思います。
設立は昭和〇年頃、設立当時のメンバーはどういう人がいた、歴代主宰、設立後各年代ごとの代表的な俳人及び代表句、等を探しています。お心当たりのある方は資料ご提供願います。また半田俳句教室に限らず、知多地方にどういう俳人がいて、どんな俳句をつくられたかというような資料をどなたか持っておられないでしょうか。
尾花さんのご厚意に甘えさせていただきます。
アイビーさんのお手元にないようでしたら差し上げます。
鉛筆で汚していますので消して・・・!
私はもう必要ないので次回お会いする日に持って行きますね。
貴重な情報を有難うございます。そんな冊子があったとは知りませんでした。そう言えば、伊藤敬子先生の花蓑に関する著作があった筈です。半田の図書館にあると思うので借りてきます。小冊子と内容が重複していればよし、別物なら、尾花さんのお持ちの冊子をお借りしたいと思います。
「鈴木花蓑の生涯とその作品」 伊藤敬子 著
半田市が市政50周年を記念して作られた冊子で20ページほどの薄いものですが、お役に立つのであれば差し上げます。
もしかしたら、半田市全戸に配られたものかもしれないですね?
よく晴れて授業は梨の袋掛 半田市 新美達夫
ー6.30.中日俳壇 高柳克弘選 特選二席ー
自分の句なので気が引けますが、慣例ですので掲載します。拙宅の近くに半田農業高校があり、米や野菜、畜産の様子を見ることができます。一画に果樹園もあり、柿や蜜柑、梨などを育てています。5月上旬だったと記憶しますが生徒たちが梨の袋掛けをしていました。その光景を詠んでみました。
手許に「かみさき]という合同句集がある。発行主は亀崎俳句教室で主宰は故・松浦夕童子(まつうらせきどうじ)先生である。昭和52年発行で、今から47年前になる。
巻頭に夕童子先生の句が掲載されているが、山口誓子、鷹羽狩行両先生の選を経ているので、「天狼」に所属後のことと思われる。
一口に言えば掲載された句はいずれも平明で分かりやすい。難渋な表現は出てこないし、表記がすべて新かなづかいに統一されている。
不遜を恐れずに言えば、少し物足りなさを覚えるほどだ。このことは、私たちが知らず知らずのうちに饒舌な俳句に慣れてしまったことでもある。
以下に夕童子先生の句の主なものを紹介する。
初篝囲む常着の氏子達
露座仏を拝み野営の水貰う
わが家なり老の裸を憚らず
一槽に金魚を集め露店閉づ
初日の出うながす浜の大焚火
妙齢の二の腕あらわ蜜柑狩り
―以上松浦夕童子の句―
他は姓名を記すにとどめ、収録作品は割愛する。
赤堀初太郎、天埜文子、奥谷登茂、大倉守、小出重夫、酒向ミチ子、鈴木一象、鈴木当丈、竹内喜代子、竹内建二、竹内寅太、橘省光、朝野開助、鳥居春野、西林利治、早川義美、早川喜美代、牧山松里、正木千鶴子、間瀬清、間瀬まさ子、間瀬京子、間瀬妙子、水野俊三、山田道野、山田実、
阿久比町を中心に意訳的な活動を展開している「苗代句会」が展示会を開催します。その内容を紹介します。
阿久比苗代句会展示会
場所: 阿久比図書館
日時: 6月28日~7月9日
午前10時~閉館まで
休館日:毎週月曜日
会場の阿久比図書館は、旧松山藩・松平家(久松家)の菩提寺の洞雲院の近くです。
今日の例会、皆さんお疲れさまでした。秀句ぞろいで選句に難儀しました。この調子で来月も頑張りましょう。
梅雨入りとなり、会場クーラーをいれ全員参加ので楽しく座がすすみました。
今日の私の印象句 名水でなくてもよろし冷奴
この里に貴種流離譚蛍舞ふ
私の住む半田市岩滑から小さな川一つ隔てて阿久比町になる。南北に阿久比川が流れ、流域に田畑があり両サイドは小高い丘陵となっている。俗に阿久比十六ヶ村と言われ、古くから開けた地域である。美味い米の産地として知られ、夏は町内各所で蛍が見られる。この阿久比に流れ来た貴種が菅原の英比丸といって、例の太宰府に左遷された菅原道真の孫に当たる。この英比丸の後裔が坂部城主の久松氏で、時の当主久松勝俊に嫁いだのが緒川水野氏の出のお大の方、徳川家康の生母である。その縁で江戸時代には伊予松山に封ぜられ松平姓を名乗った。桑名松平も同じ一統になる。明治の廃藩置県で松山藩は廃されたが、藩主のお手元金で奨学金に制度ができた。その制度を利用して東京に出たのが正岡子規。子規に始まる松山の隆々たる俳句人脈と阿久比が思わぬところで繋がった。掲句は中日俳壇長谷川久々子先生の選に入った句である。(この稿は俳誌「白桃」に掲載されたものに、加筆修正をしたもの。今後不定期に掲載します。)
6月例会のご案内
半田俳句教室の6月例会が、6月24日(月)、雁宿ホール2階学習室で開催されます。会場には午後1時より入れます。午後1時半・投句締切り、当季雑詠7句出句。会費・500円(正会員は半年分前納)。会員は勿論のこと、おためし参加も歓迎します。
文協理事会について
昨日、半田市文化協会の理事会に出席しました
今月30日の通常総会のことが主議題でしたが、陪席した半田市生涯学習課の職員より、中学校の部活について協力の要請がありましたので、内容を報告します。
1 半田市立の各中学校の部活動については、土日・祝日の活動を廃止する方向である。
2 ついては、従来の土日・祝日の部活に代わる活動として、文協傘下の各団体の協力を得たい。
骨子は上記のとおりですが、まだ具体的なイメージが当局自体も定まっておらず、未確定の部分もあります。しかし、趣旨としては十分理解できるので、私の一存で、具体案が出れば協力することに吝かではないと表明しておきました。
6月30日の文協通常総会は私が出席します。