夏のミニ句会を開催します。下記の開催要領に従い奮って投句して下さします
2025夏のミニ句会・開催要領
1・投句期間 5月10日(土)~5月20日(火) 兼題句1句を含め当季雑詠4句
2・兼題 麦の秋 または「海」を詠みこんで
3・清記&選句 5月11日(水)~5月30日(金) 選句要領は後報
4・結果発表 5月31日(土)
新之助です。
アイビーさん、2回の句会お世話様でした。
その内、次回幹事の立候補があると思いますので、小生の選句の感想を述べさせて頂きます
☆行く秋や木洩れ日揺らぐ下呂の宿(泉也)
下呂温泉の宿に宿泊された時の思い出をもとに作られた句との由。
「木洩れ日揺らぐ」との中7の措辞が上5の「行く秋」の季語とマッチして心に響きました。
☆風生まれ萩華やぎて揺れにけり(野の風)
秋の風で絶妙にゆれる萩の花を「華やぎて」詠われた点に詩情を感じました。
☆不条理のほかに言無く能登の秋(てつを)
今年1月に始まり今に至る能登地方の被害は、自然災害とはいえ、正」に、
「不条理」と言えるものです。この点を作者は適格に詠われたと感じました。
☆去(い)にしかと思ひしころに鉦叩(アイビー)
最初聞こえていた「ちんちん」という鉦叩の声が聞こえなくなったので、
もうこの昆虫がいなくなったと思ったところ、また、ちんちんという音が
聞こえてきたという状況を巧みに詠われていると感じました。
てつをさんの感想にあるように、作者は比較的長い時間、この虫に向き
合って耳を澄ましておられたものと思いました。
アイビ-さん、幹事役お疲れさまでした。
以下、小生の選評です。
3、海霧に消え海霧に現る大型船
沖合の海霧の切れ間を行き来する大型船なのか、それとも海霧に包まれた港へ出入りする大型船なのか
いろんな場面が想像されますが、なかなかこのような情景に遭遇することはないのではないでしようか。
海や港の近くに住んでいるか、海や港へよく出かける人でないと経験できないと思います。
いずれにしても作者は幸運にもそれを目の当たりにして詠まれた一句ではないかと推測します。
「消え、現る」の措辞によって読み手にも神秘的でありダイナミックでもある情景がに伝わってきて、想像
が広がります。
7、目覚むればまだ深夜なり地虫鳴く
この句の場合も、よくある体験です。年を重ねるにしたがい眠りが浅くなり夜中に何回も目を覚まします。
私の場合は、鉄道線路の傍に住んでいる関係で電車の音によって深夜なのか明け方なのか分かるのですが、
作者の場合は、地虫の鳴き声で未だ深夜であることに気付かされるとは詩的な環境におられるものと想像さ
れます。そうでなくとも季語に地虫鳴くを持ってきたことによってこの句の詩情を高めることに成功してい
ると思います。
16、鳥渡る一羽はみ出し飛ぶもあり
秋から冬にかけて渡っていく鳥は大きな群れを作っていますが、その中で群れからはみ出して飛んでいる
一羽に注目された。長旅に疲れたのか、これからの長途に怯えているのか、それとも仲違いをしてしまつた
のかいろいろなことを考えさせられます。人間社会に置き換えてみるとこの句の示唆するところがより深く
感じられます。「飛ぶもあり」が気に入りました。
25、去にしかと思ひしころに鉦叩
庭の樹木か生垣に頻りに鳴いていた鉦叩の鳴き声が消えてしまったので何処かへ去ってしまったと思ってい
たのに再び鳴き出したのでしょうか。鉦叩の鳴き声はそんなに大きくないので静かに更け行く宵闇の状況が想
像されます。作者はず-と鳴き声に耳を澄ましていたのか、たまたま耳に入ってきて気付いたのでしょうか。
大変興趣ある良い句だと思い特選にいただきました。
以上
鉦叩の句に過分なまでの褒詞、いたみ入ります。お説のとおり、鳴き方が間遠になって、どこかへ行ってしまったのかなあと思ったて頃にまた鳴きだすのです。どこか物寂し気な鳴き声ですね。
色々不手際がありましたが、皆様のご協力で秋の句会は終わりました。またいつものように自句自解や感想など、活発な書き込みをお願いします。
また、次回の幹事を立候補をお願いします。
アイビーの俳句鑑賞
たまには泉也さんでなく、アイビーが一番乗りしてみます。
長き夜や妻逝きて何するでなく 泉也さん
長年連れ添われた奥様がお亡くなりになられ、秋の夜長を一人過ごしている泉也さん。何をするわけでなく、無聊を慰めている泉也さん。老人夫婦というものは、私の愚妻に照らし子供も成人した今、そうそう話題があるわけでなし、会話も少ないものです。しかし居なけりゃ居ないで寂しいものです。まして先立たれたわけですから、その寂寥は筆舌に尽くしがたいものがありましょう。お察しします。
登高や山裾までもりんご園 野の風さん
登高という珍しい季語に挑戦されました。山裾までりんご園と、野の風さんの郷里の青森県の風物を読み込んだお手並みに感じ入りました。臨場感あふれる句になりました。
八十路とて負けぬ気でゐる鱗雲 新之助さん
ご自分に対する応援歌であると同時に、同年配の人たちへの応援歌でもあります。私自身も先だって誕生日を迎え、八十路ではないものの、それに近い年齢に達しました。「ぼやぼやしておれぬ」と改めて感じました。座五の季語「鰯雲」がよく利いていると思いました。
秋すだれ妻の愚痴にも一理あり てつをさん
私のことを詠まれたようで、いささか身につまされます。口喧嘩をする老夫婦。妻の言うことの方が理にかなっているとは、理性で分かってはいるものの、さりとて「俺が悪かった」とは言えません。男の沽券にかかわるのです。現代、沽券とかメンツなどバカバカしいと思いますが、妻を目の前にすると、ついつい我を張ってしまいます。季語の「秋すだれ」がいい味を出してますね。
新之助です。
アイビーさん、句会お世話様でした。
ところで、自分のもので、恐縮ですが、下記の誤記を訂正下さい。
5点句の最初の句は「八十路とて負けぬ気でゐる鱗雲」とすべきものと思います。
ご確認下さい。現行の記載の句はてつをさんのもので、新之助のものではありません。
大変失礼しました。早速訂正しました。
アイビ-さん、大変ご迷惑をおかけしました。
以下の通り、追加して選句いたします。
「2」
よろしくお願いいたします。
てつを
御手数をおかけしました。
2024秋の句会互選結果を発表します。
先ず、雑詠句と兼題句を総合しての最高点は5点の4句が同点で並びました。
5点句 八十路とて負けぬ気でゐる鱗雲(新之助・雑詠)
5点句 秋すだれ妻の愚痴にも一理あり(てつを・兼題)
5点句 不条理のほかに言無く能登の秋(てつを・雑詠)
5点句 去(い)にしかと思ひしころに鉦叩(アイビー・兼題)
次に部門別では、雑詠句で11点の新之助さんが、兼題句では5点のてつをさんが、両部門総合では14点のてつをさんがトップでした。
Aブロック (泉也) 10点+3点=13点
▼1 長き夜や妻逝きて何するでなく 野の風、◎アイビー、③
2 湯煙りと霧の融け合ふ峡の宿 野の風、新之助、てつを、③
3 海霧(ガス)に消え海霧(ガス)に現る大型船 てつを、①
4 行く秋や木洩れ日揺らぐ下呂の宿 新之助、アイビー、②
5 岬鼻へ急ぐ漢に草の露 野の風、てつを、②
6 じゃが芋剥く爺の包丁おどおどと 新之助、アイビー、②
Bブロック(野の風) 8点+4点=12点
▼7 目覚むればまだ深夜なり地虫鳴く 泉也、新之助、アイビー、てつを、④
8 ウオーキング土手にひたすら草の花
9 倒れても空向き咲けり秋桜 泉也、てつを、②
10 花一つ枝先にあり秋茄子 泉也、①
11 登高や山裾までもりんご園 新之助、◎アイビー、③
12 風生まれ萩華やぎて揺れにけり ◎新之助、②
Cブロック(新之助) 11点+2点=13点
▼13 これからが我が時かと虫の声 泉也、野の風、②
14 曼殊沙華田丸城址を浮き立たせ アイビー、①
15 新涼やきらめき流る五十鈴川 泉也、てつを、②
16 鳥渡る一羽はみ出し飛ぶもあり てつを、①
17 八十路とて負けぬ気でゐる鱗雲 泉也、◎野の風、アイビー、てつを、⑤
18 秋天やいつもの倍を歩きけり 野の風、アイビー、②
Dブロック (てつを) 9点+5点=14点
▼19 秋すだれ妻の愚痴にも一理あり ◎泉也、新之助、◎アイビー、 ⑤
20 この先はさすらひの身よ草の絮 泉也、野の風、新之助、③
21 不条理のほかに言無く能登の秋 ◎野の風、◎新之助、アイビー、 ⑤
22 葉の海に浮きては沈み葛の花
23 児童らとグラウンドゴルフ秋弾む
24 爽やかに名乗りし君は句座に無く アイビー、①
Eブロック (アイビー) 8点+5点=13点
▼25 去(い)にしかと思ひしころに鉦叩 野の風、◎新之助、◎てつを、⑤
26 長き夜の焼酎どれも二十五度 泉也、野の風、②
27 尻並べ牛が餌食む秋の昼 新之助、てつを、②
28 だんだんにテンポを早め法師蝉 泉也、①
29 秋晴やボール蹴る子の声がはり てつを、①
30 鰡の跳ぶ大浜に帰る漁船(いさりぶね) 泉也、野の風、②
▼は兼題句
間違い等不都合な点をご連絡下さい。
てつをさんにお願い。
選句をいただきましたが、全体で10句しかありません。11句選句ということになっておりますので、あと1句選句をお願いします。
秋の句会の投句者全員の選句が済みました。早速集計作業に入りますので、結果発表まで暫時お待ちください。今日明日は私に予定がありますので、発表は24日の予定です。
アイビ-さん、以下の通り選句いたしました。
よろしくお願いいたします。
3、5 7,9 15、16、17 ◎25、27、29
以上
てつをさんの選句、いただきました。