映画『バッド・エデュケーション』は、ご紹介したとおり、カトリック教会における神父の少年への性的虐待問題を描いている作品ですが、この映画の中でも、「ムーンリバー」と「帰れソレントへ」が歌われています。
映画『バッド・エデュケーション』より「ムーンリバー」
映画『バッド・エデュケーション』より「帰れソレントへ」
映画『バッド・エデュケーション』全編
これと同系列にある映画には、映画『スポットライト 世紀のスクープ』(アメリカ)や『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』(フランス)がありますが、こんな映画ばかりを採り上げると、このホームページの趣旨とは異なる問題があるので、これ以上採り上げず、ここまでにしておきます。
映画『スポットライト 世紀のスクープ』予告編
映画『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』より
日本でも、最近では、ジャニー・喜多川が生前に起こした問題がありましたが、この問題は、長年そのような噂はあって、元ジャニーズの人が書いた本も出版され、国会でも採り上げられましたが、あまり大きくなりませんでした。ところが、令和5(2023)年に、BBCが取材することで国際的な注目を浴び、急遽大問題に発展しました。既に、「ジャニーズ」という名称も消滅しました。この問題は、江戸時代ならともかく、日本の芸能界の暗闇という位置づけが定着すると思います。
なお、西洋の映画で採り上げられた問題の場合、神父という社会的に尊敬される立場の人が加害者ですので、これは、少年合唱を盛んにするかどうか以前の問題です。
カントーレス・ミノーレスのレパートリーは、宗教曲はもとより、第二の国歌である「フィンランディア」やポピュラー音楽までいろいろです。
Cantores Minores: Finlandia-hymni @ Linnan juhlat 2019 | TV Areena - 06.12.2019 フィンランディア
Panis angelicus
Sydämeni laulu(私の心の歌)
Cantores Minores Perinteinen Äitienpäiväkonsertti 2024
Cantores Minores - 300-vuotisjuhlakonsertti (7.4.1724) J.S. Bach: Johannes-passio 7.4.2024
昭和39(1964)年は、東京オリンピックが、敗戦後大都市は焼け野原となって、50年経っても昭和5(1930)年のレベルに回復するかどうかと言われた日本が20年足らずで、初めてアジアで開催されるということで、日本選手の大活躍で国全体が沸いていました。また、それに合わせて東京ー新大阪間を新幹線が3時間10分でつながれ、戦後復興が本格化しました。そんな奇跡的なことを行ったのは、戦前生まれの普通の日本人です。
なお、日本で、少年合唱が盛んとなったのはこの時期です。
アニメは、ますます盛んになりましたが、「宇宙」という名がつく作品も多く、「空を飛ぶ少年」というコンセプトで、アニメが創られていることが多かったようです。一方、「おそ松くん」のようなギャグマンガも出てきましたが、絵が緻密さを欠いて、歩くときの脚の動きがおかしかったことが心に残っています。
ただ、当時の日本では、アニメというよりも「漫画」に対する偏見は強く、本は悪書扱いで、「頭を使わないから、子どもの教育に悪い」といった論がPTA等でも盛んでした。この辺り現在は隔世の感があります。
昭和39(1964)年
「ビッグX」(上高田少年合唱団、太田淑子)
「少年忍者風のフジ丸・たたかう少年忍者」」(鹿内孝、西六郷少年合唱団)
昭和40(1965)年
「宇宙少年ソラン」(上高田少年合唱団)
「宇宙パトロールホッパ」(上高田少年合唱団)
「スーパージェッター」(上高田少年合唱団、台詞:市川治)
ウィーン少年合唱団の指導者として、ハンス・ラコビッチは1950年代から1960年代にかけて活動していました。また、ゲオルク・ブレンは1980年代から1990年代にかけて指導者を務めていました。
その頃は、団員もオーストリアを中心に、一部旧オーストリア帝国の地域やドイツ語の話せる少年も入団していました。また、1950年代から1960年代は、歌声も高めで14歳までボーイ・ソプラノを維持できる団員が多かったのですが、次第に変声期が前傾化してきました。これは世界的な傾向です。
シュトラウス一家のワルツでも、1950年代は優雅な感じがしますが、21世紀になると全体的にスピードアップしており、ポルカ化しているように感じることもあります。これも時代の流れでしょうか。
ラコビッチ指揮
『リボンの三重奏』(Bandel Terzett モーツァルト)
『羊飼いのおとめ』(La Pastorella シューベルト)
『セレナーデ』 (Ständchen シューベルト)
ブレン指揮
『南国のバラ』(Rosen aus dem Süden シュトラウスⅡ)
『天体の音楽』(Sphärenklänge ヨーゼフ・シュトラウス)
ウィーン少年合唱団の演奏の変遷も21世紀に入りました。この時期の大きな変化は、団員をインターナショナル化したことです。これまでも、外国の少年を入団させていましたが、それはドイツ語ができることが条件でした。2010年2月12日の朝日新聞には、『「天使の歌声」にも時代の波 厳しさ不人気、志望者激減』という記事が掲載されました。そこでは、ゲルハルト・ウィルト芸術監督の言葉を借りて、
「入団希望者がピークだった1950~60年代には約30人の募集枠に500人以上が殺到しました。しかし、希望者は減り続け、競争率は最近では2~3倍に落ちている。」ということが掲載されました。それは、卒団後の進路の問題が大きいためで、団としては、ギムナジウムの上級校(9~12年)の新設を決めたりしました。(これは、オーストリア出身者が中心で、日本人は、卒団後は帰国して、日本の高等学校に進学することが多いです。)また、2017年3月には、この特別な教育と合唱の伝統が認められ、ウィーン少年合唱団はオーストリア・ユネスコ国内委員会により、同国の無形文化遺産に登録されました。
また、2020年から世界的な流行となったコロナ禍のため、財政的に危機に陥りました。ウィーン少年合唱団は毎年、国内外で300公演を行い、運営費用の7割以上を賄ってきていましたがそのほとんどが中止になり、このままでは従業員の給与も支払えない状態になったのです。
ウィーン少年合唱団 コロナの影響で存続危機!
しかし、ウィーン少年合唱団は、コロナ禍の財政的危機をいくつかの方法で乗り越えました。
①オンライン活動の強化: コンサートが中止されたため、オンラインでの活動を強化し、バーチャルコンサートやオンラインレッスンを提供しました。
②寄付と支援: 世界中のファンや支援者からの寄付を募り、財政的な支援を受けました。
③政府や企業の支援: オーストリア政府や企業からの支援も受け、財政的な安定を図りました。
これらの取り組みにより、ウィーン少年合唱団はコロナ禍を乗り越え、活動を続けることができました。
従って、演奏もかなりその音色が変わってきているのではないかと感じることがあります。それは、次回ご紹介する1950~1980年代のウィーン少年合唱団の歌声と比較していただけばお分かりになると思います。
ウィーン少年合唱団 2009
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ウィーン少年合唱団 2015
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ウィーン少年合唱団 2018
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ウィーン少年合唱団 2024
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羽根田 知治 3歳 「きんらきらぽん」
林 翔央 5歳 林 梨華 4歳「虫のこえ」
平賀 晴(中1)平賀 照(小4)「夢みる子ねこ」
藤井 美友(小2)藤井 亮哉(小2)「いっしょにつくったら」
藤原 航晴(小3)「みかんの花咲く丘」
私が単独の大人の男声合唱団のコンサートに行ったのは、平成25(2013)年の六本木男声合唱団倶楽部 独唱 栗原一朗だけですが、これは、独唱者を中心に鑑賞していたと言えます。
それでは、大人の男声合唱や混声合唱で興味のある曲は、あります。なぜなら、日本の少年合唱団は、現在ほとんど混声合唱団になっているからです。また、京都市少年合唱団OB合唱団はそうではありませんが、日本のいくつかの少年合唱団のOB合唱団は、生涯学習というだけでなく、現役が人数的に厳しくなってきたために結成して現役を支えるという使命で活動しているところもあります。
カンタータ「天涯。」六本木男声合唱団倶楽部 独唱:栗原一朗
「群青」 広島少年合唱隊
「遥かな友に」 フレーベル少年合唱団OB会
「時の彼方へ with OB vers.」 呉少年合唱団
「大地讃頌」 金沢少年合唱団
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聖歌隊にその源流をたどる少年合唱団は、基本的には動きのない合唱を行いますが、ヨーロッパの少年合唱団でも、民謡踊りは民族衣装を着てすることがあります。最近では、パリ木の十字架少年合唱団のように、動きを採り入れるようになってきたところもあります。それに対する賛否はあるでしょうが、時代の流れをうまく採り入れないと、それが団(隊)の衰退につながることもあります。アメリカの少年合唱団は、もとよりエンターテインメントの国ですから、動きを入れる合唱がごく普通に行われています。
「スタンド・バイ・ミー」 パリ木の十字架少年合唱団
「民謡踊り~」 聖フロリアン少年合唱団
「昔のマクドナルド」 ミネソタ少年合唱団
「カンタール」プロブディフ少年合唱団
「カンタール」については、団体ごとに振り付けが違いますが、特に、広島少年合唱団が大規模な動きをします。ホームページにある動きは野外の練習風景なので、ステージにおける歌と動きは、パートごとの動きなどがあって、全体として面白いです。
「カンタール」広島少年合唱団
本日、当館は、開館23周年記念日を迎えました。母屋の方は、「記念」つながりで、京都市少年合唱団OB会合唱団第10回記念演奏会のレポートをします。また、日本の少年合唱に、「少年合唱における動き」を採り上げます。さらに、映画『カラオケ行こ!』を加筆し、その研究サイト 長名さんのnoteと相互リンクしています。
離れの方は、1年ぶりに、比嘉一稀の歌声を聴くことができました。本格的にカウンターテナーへの道に進んでいるようです。この演奏は、9月16日に紫川親水広場で行われた北九州ミュージックプロムナードで歌われたものです。
「You Raise Me Up」
「時代」
「未来へ」
「マイ・ウェイ」
「Sing」
今日は、開館記念日の前夜祭だ!!更新しようと思って掲示板を開いたら、何とのべ50,000人目。母屋よりも離れの方が来客が多いのはなぜでしょう。
「星」を歌った歌も、古今東西多くあります。それは、人にロマンティックな想像力を働かせてきました。天文学的には恒星同士の見かけの並びに特段の意味はないのですが、人は、恒星の見かけの配置を、その特徴から連想した人、神、動物、物などさまざまな名前で呼んできました。
ここでは、少年合唱だけではありませんが、私が個人的に好きな星の歌を集めてみました。歌劇『トスカ』のアリア「星は光りぬ」やバーブ佐竹の「星が云ったよ」なんかも好きなんですけど・・・ボーイ・ソプラノや少年合唱ではないので・・・聴いてみたい人は、検索してくださいね。
「星物語」 ビッグマンモス
「銀河を見た」 合唱曲集「ちいさなちきゅう」より 杉並児童合唱団
「誰かが星をみていた」 こどもの城児童合唱団
「見上げてごらん夜の星を」 東京少年少女合唱隊
「When You Wish upon a Star - 星に願いを」 カウンターテナー 比嘉一稀
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