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(あのーー、私が言うことでもないんですけど、詩は自由を旨としていますから、どこにでも投稿しようと思えば、投稿できないところはないんですけど、いきなり大きなところに挑戦しても、世の多くのものがそうであるように、ポッと書いて、ポッと通用する、ポッと賞が取れる、なんてことは、まずありえないことというか、相当に稀有な話なのです。
やってみることは止めませんけど、大きなところのノー・レスポンスにがっかりしたら、
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編集・削除(編集済: 2025年01月02日 01:55)

開花  佐々木 礫

僕は最近、自分がどうしようもない悪人であることに気がついた。
そして、その事実に傷つきも動揺もせず、本当は既に知っていたことにも、すぐに気がついた。

***

咲いているよ、ボードレール、悪の華が。
豊かな秋の畑の中に、
神秘の林の奥の広場に、
家の窓辺の花瓶の中に、
やんわりと華開いている。

そして、
晴天の昼間、
天井の無い、
寂れた大きな倉庫の、
コンクリートの床の上。
霞のようでありながら、
目を閉じても消えない黒いツツジが、
「一人にしないで」
と泣いている。
その声に重なるように、
クスクス。
小さな笑い声が聞こえる。
幼き日の僕はそれを見て、
「泣かないで」
と言った。
それは満面の笑みを浮かべ、
「ありがとう」
と静かに言った。
僕の目元から、
ぬるりと頬を伝うもの。
拭った手には、
石油のように黒い水。
ツツジの花弁は砂鉄となって、
隙間風に運ばれて流れて行った。
僕はそれを、今もずっと見ている。
溢れる涙はそのままに、一つの思考が反芻される。
「諦めていい? もう辞めていい?」
、、、何を?
何もかも。
今ある全てにお別れを言って、
虫籠から蝶々を逃がして、
微睡に任せて暗闇に溶けて、
エゴイズムの温浴に浸れたら、
僕はもう。

生は白い絵の具、
色んな色を作るためのもの。
死は黒い絵の具、
モチーフを際立たせるためのもの。
僕を絵画にするとしたなら、
何として描かれたいだろう。
「人は皆、望むようになれる」
その言葉が謳い上げるのは、
僕らが望むものの少なさ。
きっとその一つ。
抗いようのない、
抗う必要もない、
だって、こんなにも美しい快楽。

この頬を伝い落ちる、
黒く、熱く、濃い涙。
僕は「これ」になりたい!

***

十年間、起床自体に苦悩した。
覚醒することは罪なりや?
朝が来る度に僕は拒否した。
カーテンから差し込む朝日から目を背け、
冷めて乾いた朝食の米粒を箸で一粒摘まみ、
死刑執行を引き延ばす囚人ように、
「早くしろ!」
と、いつ背中を押されるかと怯えながら、
のろのろと口に運びよく噛んで食べる。

既に遅刻の登校時間、
車の多い朝の国道沿いの歩道を、
拾った小枝を振り回し、
一人歩いた通学路。

夜が来るたび、窓を少し開け、
「僕を殺せ」
いつか見たホラー映画の化け物に念じた。
そして、大きな顎の灰色の怪物が、
のっそりと部屋に忍び込むのを待った。

僕が望むのは、不動の世界。
友情、性愛、家族、誇り、希望、実存。
その全てが剥製のような死体たる世界。

大勢が屋久島の杉に抱く印象を、
僕は近所の雑木林に抱くようだ。
道端でこと切れた猫の死体。
ベランダで死んだ蝉の死骸。
ああいうものが、大好きだ!
何だかとにかく、
屍たちは動かないが、
生きているものよりも、
神々しい生命力を感じさせる。

、、、僕は不幸か?
まさか!

このハゲタカのような無様さと鋭い目つきのおかげで、
僕は悪から認められ、特異な友情を結ぶことができた。
今日も不正義を振り回し、
正義を旨とする勇敢な戦士と闘った。
「ルールを守り、規範に従え」
彼は言った。
しかし、
僕は、間違った人間を肯定できる、
貴重な才能を持って生まれた。
僕は僕を肯定できる、
素晴らしい資質を持って生まれた。
僕は進歩を、ソファに座り眺めるべき、
映画の一作品として鑑賞する。
社会人戦士候補生の行進中、
「もう歩くのやだ」
隊列の中、土に寝転がる。
正義の戦士は傍に立ち、
「立て。歩け」
と厳しく言った。
僕は寝たまま彼を見上げ、
一つ、試したく言う。
「その怒りは誰のため?」
彼は答える。
「何を言っているか分からない」
そこには怒りさえないようだった。
(うんうん、それでいいんだ)
僕は澄み切った青い空へ視線を戻す。
その時、
正義の戦士は僕を射殺した。
大口径のハンドガン。
僕の頭蓋を吹き飛ばした。
夏の風が吹いたようで、
僕は両目を細め、
ため息をつく。
微睡むこの目は僕のもの。
誰に向ける愛も含まない。
罪を嘆賞するための贅沢な審美眼。

僕は、
この悪の僻地から遠くに住む人々のことを、
知りたいと思わない。
彼らのことは、
既に知っているから。

でも、わざわざ確かめる。
彼らの自我が、
感情の意味を知らないことや、
僕の言葉が、彼らの耳には、
でたらめでしかないことを。

もしかしたら、
彼らは自身の感情を深く知っており、
僕の言葉はすっきりと理解されており、
黒花による救済を必要とした僕の苦悩は、
単なる錯覚の代物であるのかもしれない、
その一葉の可能性を試してみる。

実験の度に僕は死ぬ。
これは延々と続くだろう。
ある昔日に自ら定めた、
絞首刑の日が来るまで、
毎日、誰かに僕を殺させるのだ!

編集・削除(編集済: 2025年02月18日 20:57)

時間よ止まれ  じじいじじい

笑ったり 騒いだり 真面目な顔したり
時には寂しそう顔で 色々なポーズをしている

もう少しで卒業を迎える私たちの
卒業アルバムの写真撮影
カメラマンさんの指示に従って「ハイ チーズ」
集合写真にグループ写真と思い出をつくっている

そんな中 時間の合間をぬって携帯電話で
カシャ カシャとみんな思い出を残している
グラウンドで 体育館で 教室で
部活の道具や衣装 教室の備品を小道具にして
笑いとともに時には寂しさを噛みしめ
ポーズをつくっている

何年も何十年も不変の卒業アルバム
この時の笑顔は一生の思い出
このひとときを数十ページに詰め込むセレモニー

私は「もうすぐ卒業なんだな」と寂しさと
切なさを感じながら撮影をしている
親友がいる仲間がいる彼女がいる
みんなと離れたくない でも時間は止まらない
今日はそれを現実として実感できる日となった

ずっとずっと時間が止まっていて欲しい

編集・削除(未編集)

水無川渉様、おめでとうございます!  田志健斗

水無川渉様、この度は詩集「紅の記憶」のご上梓おめでとうございます!
自分の詩が本となって、手に取れるというのは本当に素敵なことですね。
水無川様のこれからの益々のご活躍をお祈り申し上げます。

編集・削除(未編集)

女 喜太郎

諦めようと決めた夜
諦めきれなかったと気づく朝
もっと話したい もっと触れたい
いっそ汚したい この唇で
きっと昨夜の私の紅も
綺麗に脱ぎ去って あの女に会うのでしょう
あなたは優しいから
同じくらいに愛してくれるのでしょう
だけど違うから
日が当たれば影ができるように
夜の闇に生きるしかない女
朝日でさえ並んで見る事も許されない
これほど綺麗な朝日なのに
バカな人 あなたも私も
決まった結末を気づかないふりして
とぼける夜を過ごす哀れな二人
諦めようと決めた夜には
諦めきれない朝が来る

編集・削除(未編集)

水無川渉さまへ  秋冬

この度は『詩集 紅の記憶』の刊行おめでとうございます。
多くの方々が水無川さんの存在を知ることになるきっかけになりますね。

益々のご活躍を祈念しております。

編集・削除(未編集)

おめでとうございます!

水無川 渉 様

この度は詩集「紅の記憶」のご上梓おめでとうございます!水無川さんが紡ぐお言葉大切に拝読します。

これからも益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

おめでとうございます!

編集・削除(未編集)

感情  相野零次

愛情 友情 怒り 悲しみ 笑い 苦しみ 喜び
数多の感情が宙をふわふわと漂っていて
僕はそれをなかなか掴み取れなくて 辛い
手の平でそっと受け止めれる感情があるのは嬉しい
君に伝えたい感情がわからなくて辛い
君から伝えられる想いを受け止められて嬉しい
振り子のように僕の人生は感情に左右される
とてももどかしくてどう言い表せばいいのかわからなくて 辛い
何も考えてなくても挨拶ひとつで伝わることは嬉しい
複雑なこの感情世界のなかで僕はうまく踊れなくて 辛い
歌をうたえば感情を素直に言葉に乗せれる気がして 嬉しい
辛いことと嬉しいことの繰り返しで生まれる感情
その振れ幅がときに大波となって翻弄される僕がいる 苦しい
君に伝えたいたったひとつの言葉がわからなくて 辛い
君のことを考えて一人眠る夜は 辛い
辛いことばかりは続かないのが 嬉しい
感情は人に感動を与え人を動かしてときにおもいもよらない奇跡を生み出す それが命は尊いということかもしれない わからない
今日 いいことがあって笑った 嬉しい 雨だった 辛い
感情には終わりはないちょうどいい終わり方もない 難しい
もっと簡単に考えて手を伸ばせば届くのかもしれない 
感情の波が揺れている音がする
ざわざわ ざわめいている そっと耳を澄ます
優しい感情も憎しみの感情も声をあげている
物語の終わりを伝える感情がわからない 僕は無表情で機械のようだ 狂おしい
単語だ 感情の単語の雨をもっと僕にくれ 誰かは知らない誰かはわからない でも誰かを必要としている 確かに
感情が僕には必要だ 時計の針が止まると 僕の心臓も止まってしまう 恐ろしい
もっと感情が欲しい 変化が必要だ 安泰が必要だ 何かが必要だ
愛だ 結局のところ 感情をうみだすのは愛情だ 人間だ
人間が生まれるときに感情が生まれる
僕は生きている 生きているだけで感情が生まれる 当たりまえのことだ 嬉しい
僕は薄情な人間なんかじゃない 例え冬が来て雪が肩に降り積もっても 僕は自らを奮い立たせて温まることができる そのとき 君がいれば君と抱きしめ合って温め合うことができるかもしれない 嬉しい
それには愛情がまだ足りない 悔しい 僕を愛する誰かが傍にいない 哀しい でもいつかそんな人がそっと寄り添ってくれたら嬉しい
感情だ 感情が終わらない
いつまでも いつまでも終わらない

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水無川渉様 山本葉月

この度は『詩集 紅の記憶』のご上梓おめでとうございます。
生まれて初めての詩集、おめでとうございます。とても憧れます。
水無川様のこれからの益々のご活躍をお祈り申し上げます。

編集・削除(未編集)

水無川渉さまへ

水無川渉さま

このたびは『詩集 紅の記憶』のご上梓おめでとうございます。

生まれて初めての詩集。詩書きにとって、
まさに一生ものの、実り高き喜びの誕生ですね。

おめでとうございます。心より!!!

水無川さんのこれからの益々のご活躍をお祈り申し上げます。

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サイダー 上原有栖

用意したグラスにとぷとぷん
透明なサイダーを注ぐと
シュワっと弾ける炭酸の泡が
射し込む日差しでキラキラ輝く

さあ準備が出来たら杯掲げて
友達、家族、恋人と乾杯をして声上げよう
カチンとグラス目線で音を鳴らし
窓の外に視線向ければ夏模様
ベランダの風鈴が暑い風に吹かれて
チリンと合いの手入れてきた

パチパチする刺激が
子供のころは少し苦手で
サイダーが飲めるようになって
大人になった気がしたんだ
歳を重ねた今では
サイダー片手に騒いだ日々が甘く懐かしい
背伸びしたいのが子供の時代で
童心に返りたいのが大人の悲哀か

幼いころに通った近所の駄菓子屋
学園祭の打ち上げで行ったカラオケ
ドキドキした初めての夏祭りデート
皆で祝った子どもの誕生日会
乾杯の時にはいつもサイダーがあった

昔も、今も、この先も
溢れる透明なサイダーの泡は
それぞれの想い出をcolorfulに彩り続ける

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