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フラットアース・シンドローム、お読みいただきありがとうございました。
貴方 と、私 の背景へも想像を巡らせて頂き、ありがとうございます。
逃避へと至る経緯を書くことに、今回思い至らずあの部分だけでしたが、
確かに経緯がある方が物語が広がりますね。次回はそこまで練ってみようと思います。ありがとうございました。
自転車を漕ぐ
海岸線の国道沿いを
母はペダルを漕いでいる
闇を背負って漕いでいる
俺を背負って漕いでいる
対向車の波打ち寄せる
ヘッドライトは猛禽類
かける言葉は見つからず
揺れる背中にしがみつく
”深呼吸して力を抜いて
オールを漕ぐよに歌いなさい”
ペダルに合わせて子守唄
雲は流れて星は寄り添う
父のような潮風が
俺の背中を押していた
頭を揺らして舟を漕ぐ
涙で溶けた月を漕ぐ
世界が終わる夢を見る
目覚める頃には海を出る
立ち止まって
後ろを振り返る
それはでこぼこ道で
人の気配がする
一人で歩いてきたつもりはないが
今となっては孤独にもなりきれず
寂しさはもはや空想の世界
孤独を知る人よ
あなたは今幸せか
そうである事を信じてる
昨日は激しい雨が降って
外の世界が騒がしかった
あの一匹の野良猫は無事だったろうか
俺の歩いた道に降った雨は
希望を隠し幸せを隠し
あたかも世の中は不幸に満ち溢れていると
そう思わせるのだった
しかし永遠の雨などなかった
長く思わせた土砂降りの雨は
いつしか小雨になり
そして雲は王座を明け渡し
昼には太陽が微笑み
夜になり星は瞬いた
俺は立ち止まって
後ろを振り返った
そこには無数の水たまりに映る
無数に輝く水面月
肩で風以外のものも切ってきたのか
浅黄色と暗礁の中に沈むような紅が
四辻の中で
俺の弱音を待ち構えている
テトラポットに
二時間 佇んだ
深海のことに想像を巡らした
でもなにも思い浮かばない
深海はどうせ まっくらだ
深海はどうせ まっくらなのだと
またそのままにしている
本をもっと読まなければならない
身体をもっと鍛えなければならない
腹筋はわれて
はじめて腹筋なのだと思わなければならない
成功者の話をもっと聞かなければならない
四辻に 光を通す
あれが あんな 暗く卑しい目つきで
俺の欲望を見透かす あんなものが
ブラックホールのように光を通さない
絶望であってたまるか
生きたまま 行き止まりを
行き止まりだとも 気づかずに
おろおろするのが 人生であると
わりきろうと おもっていたのに
わりきれるほどの整合性を
本に見いだせなかったからか
腹筋もわれなかったからか
成功者の書いた本が
どこぞで読んだ自己啓発本と
内容がほぼ一緒だったからか
なにかが違うと思った
なにかが違うから
あの四辻に 光が通らないと
思い込んでいるこの苦悩も
ずっと間違えていたのではないかと
そう思った
そう思えた
本当にそうなのだろうかと
まだ疑っているけど
そう思いたいと
今度こそ 四辻を 真っ直ぐに みつめた
秋のお彼岸を迎えた
その日
手を引かれて
母の生家へ続く道をとぼとぼと歩いた
垰(たお)越えに一陣の風が吹き *1
曼珠沙華の花が波打った
鮮烈な赤を見て
母が囁く
どぎつい色じゃろ
毒をもっちょる花よ
死んだ人の血を吸うたから赤いの
幼い私は薄気味悪くなって
思わず身震いした
*
道の途中
コールタールをたっぷりと塗り込めた
黒い板塀が続く
油がプンと臭う
ああ ここは瘋癲(ふうてん)病院だ
曼珠沙華が咲き揃う中に
屹立する
こころの病を施療する瘋癲病院
私はここを通るのが大の苦手だった
嫌だった
風に運ばれて来る
死人(しびと)が発するような声音(こわね)に
恐怖した
かりかりかり
かりかりかり
くうくうくう
くうくうくう
建屋内から道路まで漏れ出る声
呪詛のようであり
読経のようにも聞こえる
板塀のそばで立ち竦んでいると
曼珠沙華に赤く染まった病者の声が
私の鼓膜を貫き
脳髄の奥底を穿つ
その禍々しさに
悪心で真っ蒼になった
*
あれから五十年の歳月が流れた
いま私は
こころの病と闘い
他の精神病患者とともにいる
渺とした大部屋の中
ベッドの上に正座し 白い壁に向かって
ただただ 発声する者たち
かりかりかり
かりかりかり
くうくうくう
くうくうくう
際限のない繰り返し
意味の喪失
病んだ語り部が虚空に話しかける
人格の統合を欣求(ごんぐ)する
こころが
神仏に救いを求めてもがく
彼らの姿を見ていると
遠い日の瘋癲病院が思い出され
病者らの孤独と絶望が瞼の裏に重なった
*
病室に囲まれた診察室で
白昼夢を見た
黒く変色した曼珠沙華の花が
私のこころを覆い
絡め取ろうとする
イヤイヤをして風に靡く花を手折り
こころの窓より
投げ捨てる
何度も何度も放り投げる
私はいま
過ぎた歳月の質量を思い
寛解を期して
黒い板塀と赤い曼珠沙華の花に
別れを告げる
*1 垰(たお) 元来 山の尾根の窪みを指す
山口県東部(周防)では緩やかな峠を特
に垰「たお」と呼ぶ
ほんの短い何でもない作品を、丁寧によんでいただき
ありがとうございました。
また高いご評価ありがとうございました。
本当にお気持ちの優しい評だと思い、
うれしくなりました。
誰かの詩を読んでいてふと意識が途切れる
微かな自分の寝息に気づいて
少し慌てて瞼を開いた
どうやら座布団の上に座ったまま
眠り込んでしまいそうになっていたみたいだ
心なしか頭がズキっと痛くて重い
皺を寄せた眉間に人差し指と中指を添える
生暖かく湿った風が
慰めるようにスウっと撫でていった
若干斜め下に向けていた視線を
少しだけ前に向けると
テーブルの端に行き当たった
ところどころ焦茶色の表面が剥げて
子鹿のように薄茶色の斑ら模様が
ランダムに散らばっている
心のなかにも斑ら模様は入り込んで
ゆっくりと消化してゆく
「さあ、ご飯の支度しなくっちゃ」
私は本の扉を閉めて背筋をまっすぐ伸ばし
寝起きで若干ふらつく頭を押さえながら
慎重に立ち上がると
夕飯の準備をしに台所へと向かった
夏生様こんばんは。影まで感じて読んで頂きありがとうございます。私も書いてみて、そのうちエネルギーを生み出すためだけの燃料人間が作られたら怖いなあなんて変な想像をしておりました。ただ、純粋にこの少子化がとても心配で子供の笑い声泣き声などを聞くたび、未来はこの子達が笑ってられる世界をと祈ってしまってます。またよろしくお願いいたします。
夏生 様、「祖母の好きな花」についての評価ありがとうございました。
佳作、とても嬉しいです。
祖母がもし生きていたら、とても喜んだろうなあと思います。
今度祖母の好きな花を持って、墓前にも報告しようと思います。
本当にありがとうございました。
初めまして。有難うございます、そして 宜しくお願い致します。 自由に展開していく勢いの爽快さ、とのお言葉 嬉しく頂戴致しました。最近 シュルレアリスムに触れまして、Facebookグループ「詩論そして詩学」に頻繁に投稿を為される 坂本達雄さんに傾倒して、作った詩なんですよ。坂本さんはその逸材性をまだ 世に自ら広く表出していませんけど、その投稿を読むと, 凄まじい 詩人・哲人 と私は 感心し切っています。どうぞ、坂本達雄さんへの ファンの方が増えますよう, 念じる次第です。 草種々