◆ここは「MY DEAR掲示板」です。
詩をある程度の期間書いている方、詩に意欲的に取り組みたい方、詩人に向け成長を目指す方はこの掲示板をご利用下さい。
あなたの詩をしっかりと読み、評や感想を、しっかりと書かせて頂きます。
ここから詩人として巣立った人は数知れず、です。あなたの詩を継続的に見守り、詩の成長を助ける掲示板です。
(あのーー、私が言うことでもないんですけど、詩は自由を旨としていますから、どこにでも投稿しようと思えば、投稿できないところはないんですけど、いきなり大きなところに挑戦しても、世の多くのものがそうであるように、ポッと書いて、ポッと通用する、ポッと賞が取れる、なんてことは、まずありえないことというか、相当に稀有な話なのです。
やってみることは止めませんけど、大きなところのノー・レスポンスにがっかりしたら、
あきらめてしまう前にMY DEARに来ませんか?
MY DEARは投稿された作品全部に評をお返しします。
本来、こつこつ実力をつけてから、賞などに挑戦するのが、スジだと思いませんか?
MY DEARはあなたのこつこつを、支援するところです。)
なお「MY DEAR掲示板」では、新規ご参加の際に、ペンネームとメルアドの届け出が必ず必要です。
これは掲示板内の安全を守るため、管理人に限って把握させて頂くものです(他へは一切出しません)
新規ご参加の際は、ページ一番下の「お問い合わせ」フォームから、必ず届け出をお願い致します。
◆初めて詩を書く方や、おっかなびっくり詩を書いてみようかなあーという方、
「MY DEAR掲示板」ではハードルが高すぎるよと感じる方には、別途、
<<初心者向け詩の投稿掲示板>>
https://www3.rocketbbs.com/13/bbs.cgi?id=mydear
をご用意しております。(上記リンクから飛んで下さい)
こちらは、「メルアド届け出不要・いきなり書き込みOK・出入り自由」ですので、
なんら気にするところなく、いつでも詩を書き込んで頂けます。
誰でも、どんな人でも、気軽に詩に親しんでもらうための掲示板です。学生さん、小中学生の方も歓迎です。
投稿された詩については、詩を読んだ感想を、レギュラーメンバーの誰かが、手短なコメント(5行程度)で返してくれます。
どうぞご希望に応じて、各掲示板をご利用下さい!!!
1 上田一眞さん 「曼殊沙華の記憶」 6/15
これは、僕には実話とフィクションが混ざっているように思えました。
曼殊沙華のどぎつい赤と不気味な伝説。近くの病院から聴こえてくる無機質で不気味な声。
けっして心和む風景ではありません。50年後の病院でも昔と同じ発声をするんでしょうかね。
時制がふたつありますが、違和感なく流れ、ストーリー自体も上手く繋がっています。
単純な擬声語にまとわりつく「呪詛」「読経」という言葉。変な褒め方ですが、奇怪さをうまく表現しています。曼殊沙華もいわくの多い花です。転調して最後の章が、詩として注目される所ですね。時制は違えど、中ふたつの章は同じ傾向にあり、両サイドは違うものを持ってきて挟んでいる。
しかも両端は幼い頃と現在の心境を書き分けて詩情あり。これは構成の妙と言っていいでしょう。
最後に色について触れておきます。この場合の赤と黒です。赤は度し難いほど力を発揮すると黒に近づきます。「赤黒い」という言葉があるほどです。この場合の両色は負の親和性をもって地味ながら、この作品を影のように演出しています。 僕はそのことを必要以上に意識しました。暗さが伴うのはモチーフ上、致し方ないことでしょう。甘め佳作を。
2 鯖詰缶太郎さん 「光源」 6/15
「四辻」という言葉が頻繁に出てきます。これは何かを象徴するキーワードと見ます。
3連まで。四辻にまつわる深い隠喩でしょう。さて、それ以降、「本、腹筋」が二度出て来る。ここも重要なのでしょう。想像できるのは己の知性と肉体ということか?抽象的なようでいて、心情告白が多いので、逆にこれは抒情的なものを感じるわけです。そこで考えられるのは「四辻」とは生き方の問題なのではないか、と……。何かを見つけたがっているそのあがきを痛い程感じるわけです。同時にそのことが、この詩の熱量であると思います。一見、この詩は抽象的な衣装をまとっていますが、実は抒情的であると思っています。スタイル上のことですが、4連まで連分けで来て、それ以降、ドバッとかたまってます。連分けして、ほぐしてやった方が見場がいいし統一感も出ますね。暇をみて、やってみてください。甘め佳作で。
3 司 龍之介さん 「水面月」 6/15
このタイトルは「水面に映る月」と解するのが一番妥当な気がします。
あくまで便宜上ですが、分析的仕分けをしてみたいと思います。
A……実際に歩いている場面 (1連、3連、6連)
B……そこから思いを膨らませて、人生として歩いて来た軌跡 (2連、4連、5連)
A、Bがほぼ交互に来ています。異質なものが上手く溶け合って詩の同質になっている。ひとつの世界を築き上げています。”自分への入り方“はサイズから言っても叙景との兼ね合いから言っても、この感じでいいと思います。他者への気づかいもある。言葉にロマンもありますしね。トータルに考えて「適度な」と言った言葉が浮かんで来ます。バランスのことです。最後を飾る幻想性も美しいです。こういうフィーリングをしばらくキープされるといいと思います。いい詩、好きな詩、佳作の詩。
4 荒木章太郎さん 「舟を漕ぐ」 6/15
タイトル「舟を漕ぐ」は言わずと知れた「居眠り」の慣用句です。この詩を現実話として読むには無理がある。これは居眠り時の夢のありようを詩表現したと見るのが至当でしょう。実際に見たつかの間の夢なのか、創作なのか、はともかく措くとして、タイトルの「舟」からイメージして「海岸線~波~潮風~オール~海」が表れ、「漕ぐ」から「自転車~ペダル~オール」が出て来るのはよく考えられています。前半末尾の「る」が4つ、終わりの「る」の2つ。これらは詩にひとつのリズムを与えているようであり、詩のひとつの背景と見ることもできるでしょう。そういう背景だからこそ、中央部の命令的セリフも活きようというものです。異彩を放っています。このあたり意識したとすれば、詩について、細かい所まで目配りが行っていると言えます。一瞬の間に良い夢。幸福な夢を見た、そんな気がします。佳作を。
5 まるまるさん 「死んじゃうなんてイヤだ」 6/17
タイトルに見るお子さんの叫び。これを契機として死とは何か?死ぬまでに何を成すべきか?
まるまるさんが、母親として、大人として考える。これは大人の詩です。
考えを自己の子どもの頃から掘り起こしている。6連では子どもへの責任感を意識する。まじめですね。だから一生懸命考えている。二つの要約が考えられます。前半に見る過去の反省と、それを踏まえての「見つかった課題」以降の将来ですね。「反省と展望」―ここには思考体系の正道があります。やはり今後でしょうね。後者をまるまるさんも力を込めて書いているのがわかるし、お子さんにも伝えるべきでありましょう。ここでは自己と同時に他者との関りも大きく取り上げられています。そこも重要でしょうね。「長男にはまだ難しそうだな」―ある時期が来たら、極論すれば、この詩を読ませるのが手っ取り早いんですが、そういうのって気恥ずかしいですよね。言わず語らずのうちに自然と身に付くものではないでしょうか。これはお子さんというよりも、“まるまる”、まるまるさんの詩ですね。 佳作を。
6 静間安夫さん 「ヴィランの言い分」 6/17
ヴィラン=悪党のことだそうです。ところで―間違ったら、ごめんなさいですが―これは全くフィクションという気がしました。だからこそ、よく書けている、とも言えるのですが。二人の人物が登場します。あの男(人民委員会議長 VL)と「俺」です。機能集団にはよくあることですが、頭目は代表ではあるが、やや象徴性を持つ。実務はナンバー2が受け持つ。便宜上、彼らを①・②と表記します。
特に日本史で見ると時の政権は殆どがこの式です。真っ先にイメージしたのは僕の場合、新選組なんですが、あそこは①と②は、心情的にはまずまず最後まで友好的だった。ところが、この詩のケースは違う。かなりの考え方の違い、確執、いや、それ以上のものがあった。図式的には……、
① エリート、教養あり。理論派?革命家だが、やや穏健も含むか?
② 平民出身の成り上がり。教養なし。悪達者。手段選ばず。急進分子
こういったキャラでしょう。まあ、①が死んで②はやりたい放題になるでしょう。推進するのは独裁政治を通り越して、密偵政治、恐怖政治でしょう。こうである限り②は畳(ベッド?)では死なないでしょうね。①もそうだけど、②は絵に描いたような悪党ぶりです。理想も良心もないですね。武闘派です。
本作をフィクションと勝手に推測して書かせて頂くと、―ちょっとヘンな言い方ですが―②にしては刑が甘すぎる気がします。本来、極刑でしょうね。それと、①の死に方を、もうひとひねりさせて、死因不明として、実は②が手下を雇ってやらせた、というのもいいかもしれない。ちょっと物騒な評を書きました。すいません。これ、評価は割愛させてください。
アフターアワーズ。
フィクションとして話をしてきましたが、これ、実話基づき、だとすると、けっこう恥ずかしいんですが、ま、いっか! 密偵政治というので思い出すのは鎌倉時代末期の長崎高資と外国では―僕はよく知らないんですが―ナポレオン時代にジョゼフ・フーシェという男がいて大変過酷な政治力を発揮したそうです。でも、この男、紆余曲折があったが、ちゃんとベッドで死んでますね。もうひとつ余談。日本の警察制度を作った薩摩の川路利良はこのフーシェに範を採ったそうだから、なんか微妙なものですね。
7 晶子さん 「帰っていく者 向かっていく者」 6/17
やや久しぶりでした。健在で何よりです。
この詩は二つの対比の中にあります。1連と2連です。タイトルにも近づくのですが、いわば、消えていくもの、始めるもの。で、3連では人・文明あるいは去るもの・生まれるもの、何もかもが空に消えてゆく。このあたり、神羅万象が持つ終末思想のようなものを感じました。終連が最も素晴らしく、余韻を残し、何かを訴えている気がします。それは希望とか発展とかではなく「孤独」としたことです。あるいは3連と連動しているのかもしれない。ここに、この詩の底部での思想を見る気がしますし、両方の連は受け止め方、解釈の上で、かなりの揺れ幅、余地を残しているように思います。佳作になります。
アフターアワーズ。
晶子さんはもちろん女性なのですが、最近の傾向を見ると、硬質、骨太、彫りが深い、すなわち男性的なタッチにシフトしつつあると感じています。大変興味深いことで、バリエーションとしてあっていいと思っています。今後も見ていきたいと思います。
8 人と庸さん 「きぼうがはいっています」 6/17 初めてのかたなので今回は感想のみ書かせて頂きます。
よろしくお願い致します。ペンネームが面白いですね。よかったら由来をお聞かせください。
すでに数編書いているかたで、既存作を読ませて頂きましたが、今回は少し、モチーフ、作風変えているようです。バリエーションが取れる人かもしれません。しかも今回、かなりユニーク、面白いです。アイデア賞。まず意表を衝いた会話体で始まります。
「そうか これがきぼうか」―この生真面目過ぎるセリフがむしろ笑えますね。きぼうの種類も様子も上手く書き分けて読ませます。「きぼう」の部分は全て1行置きなのもセンスを感じます。自分の今までに思いを致す部分もある。そして最後の2連ですが、せっかく面白い詩なんで、最後もそれを活かさない手はないんです。冒頭セリフの再来は始めに戻る感じで、あっていいでしょう。
けれど最終は何かオチめいたもので終わりたい気はするのです。また書いてみてください。
9 相野零次さん 「生き方」 6/17
これは宮沢賢治の「雨ニモマケズ」の精神を受け継ぎ現代に蘇らせた、とも言うべきか!
大変失礼な言い方をすれば、読み手が「きれいごとだよ」で片付けることはたやすいのです。
いっぽう、詩のひとつの使命として人間を描くということがあるとすれば、一筋縄ではいかない人間を描くには表裏を書かざるを得ない。案外、詩は裏を書く場合も多い。ですが、こういう表もあるということです。そして、こういった理想への願望も人間は本来的に持って真摯に共鳴できるのも事実です。生き方論や人間学は全て表側を目指して書かれている。詩の機能も同じでしょう。この詩はその部分を照らしている、ということです。いわば性善説に立って、この詩は書かれている、そこを見ておきたいと考えています。実際、普段から考え願い、心の訓練をしていないと、技法的にもこうサラサラとは書けないと思います。やはり核になるのは3~4連でしょう。他者、他事との関係において、自己を実現してゆくことが強調されているのがわかります。一方からの反論や技術論は、ひとまず措くとして、これも詩の役割である、と認識して佳作と致します。
評のおわりに。
先日、ある詩の研究会に行って来ました。此処の同人の秋冬さんも来られてました。その講演者がある詩人の作品を取り上げ、その特色を箇条書的に列挙しました。その中で大変興味深い一項があったので書いてみます。
A……省略せずに書きたいことは全部書く。
―というものなんです。これはけっこう―賛否両論含みつつ―興味深い考え方です。
詩法の一般論的には―
① 省略技法をかなりの部分で容認している。 ② 説明調を嫌う(読み手の解釈余地を充分取る)
③ 書き過ぎると、内容上、小説的になりやすい。 ④ 詩の高尚性のようなものをキープする。
Aはそういった①~④の理論からすると特異なんです。少しリスキー(危険)なんです。
現に「MY DEAR」でも、A的なことはわりと指摘の対象になるんです。ただしAを活かす方法がひとつある、と僕は考えています。散文詩として書くことです。ただ、その詩人はAを普通の連分け詩でやっているというのです。逆にそれは御本人にしかできないことかもしれません。かなり著名な人なんです。軽い驚きがありました。それは、僕は俄かには全面賛成しかねるからです。
まあ、詩には数学のように唯一無二の正解がありませんから、良い悪いではなく、その詩人の領域・流儀ではあるわけです。ケースバイケースでもありますし。僕自身、これは隣接する事なので、ちょっと考えてみたいと思っています。それを自分がやるか否か、はまた別問題なんですが―。皆さんも、よかったら、ちょっと考えてみてください。 では、また。
あなたと僕は共にいられない
それはわかりきったことだ
空には僕がいる
晴天の日は泳いでいる
あなたは夜の闇に隠されている
僕が呼ぶと返事はするが
姿は見えない
僕は雨の中を手探りで掻き分ける
あなたの名を呼びながら
あなたの名がなんて名だったのか
思い出すことはできない
あなたは少し悲しそうだ
僕の思い出にいつもあなたはいる
あなたの声が聴こえ
影が見える
あなたの実体は僕には届かない
あなたはとても美しい
のが僕にはわかる
あなたが僕を愛しているのが
僕にはわかる
けれど僕はあなたを愛してはいない
愛でているだけである
僕とあなたの関係は
いつから始まったのだろう
あなたが僕を見つけ
僕に呼びかけ
僕はその声に応じた
あなたは僕にとっての運命の人だ
まだ出会ってはいないが
それだけはわかる
あなたは花の匂いがする
あなたの匂いに包まれると
僕は幸せだ
僕の匂いはあなたにはわからない
僕の姿はあなたには見える
あなたの姿は僕には見えない
そうして僕に感じれないことが
あなたには感じ取れる
僕に感じ取れるあなたについてのこと
その全てが僕にとって
限りなく愛おしい
あなたがどこにいるのか
僕は知らない
けれど僕はそれで幸せだ
あなたはそれが寂しいかもしれない
あなたを愛しているのかどうか
僕によくわからない
あなたは僕を愛していると
はっきり告げた
僕とあなたが出会えない理由は
そこにあるのかもしれない
出会わなければよかったと
思うかもしれない
だから
あなたと出会いたくはない
このままの関係が望ましい
それがあなたは少し哀しい
あなたに告げる
僕の歌を聴かせる
僕の悩みを打ち明ける
あなたは全てを聞き入れてくれる
あなたは僕にとって
理想の母親のような人だ
あなたは僕を恋人にしたいらしい
そういう目で僕はあなたを見れない
だからやっぱり
僕とあなたは出会わないほうがいい
あなたはたぶん今死んでいて
だから僕は生きている
僕が死ぬときがあなたが生きるときだ
それがあなたはやっぱり悲しい
僕とあなたの関係は
どう定義できるのだろう
あなたはいつも僕を見つめている
僕はいつもあなたを聴いている
そうして世界は僕とあなたを受け入れている
世界が僕とあなたの関係を許すとき
僕とあなたは本当の意味で一緒になれるだろう
そんなわずかな希望を胸に
僕とあなたは存在し続けるのだろう
今日も明日も明後日もずっと
雨音さま 評ありがとうございます
消失願望というか、人生やり直したい気持ちはありますね。
深層心理が詩にも出てくるんでしょうね。
あまり悲観的な詩になりすぎないようにしたいと思います。
ありがとうございます。
こんばんは。上田です。
とても貴重なアドバイスを頂戴して感謝しております。
「袖振り合うも多生の縁」といいますでしょ。僕はこの捉え方が好きで、たとえ小さな命(虫けら)でも命と命には不思議な連鎖(=多生の縁)がある、と考えています。雀の命は少女の優しさの中に連綿と引き継がれる、ですから
少女の魂に転生する / 雀の霊(たましい)
と書きました。仏教の輪廻転生と根本では一致するのでしょうが、頭の悪い僕のことですから、そこまで考えてはいません。
僕は幼少の頃より、鳥や虫や魚にこころを救われて来ました。逆に小さな生き物の五分の霊(たましい)を僕の魂が引き受けてるとも思っています。そこを雀と少女に仮託して表現したかったです。
雨音さんが言われる「少女の魂に預けられたような」という感覚に近いような気もします。
いずれにしましても、いつもながら丁寧な読み込みと感想、ありがとうございます。また、投稿致します。
遅くなってしまいごめんなさい。
「シマ」理蝶さん
理蝶さん、今日は蒸し暑いですね。日曜日いかがお過ごしでしょう?
お待たせしました。
早速ですが、とてもいいですね。佳作です。
場面を切り取る力も、その場面の大切な要点をしっかり浮き上がらせている点も、過不足なく良い塩梅になっている匙加減も、どれもとても良いと思いますし、さらに個性的です。たまたま「シマ」だったわけで、書きにくかったと思いますが、読んでいる方としては全然そんなことは気になりませんでした。一つだけ、アドバイスとして参考にして欲しいのですが、〇〇さんの言葉の部分ですが、もう少しはっきりわかるように、一語下げにしてはどうかなと思いました。後半が秀逸だったと思います。
「命の温もり」上田一眞さん
上田さん、こんにちは。お待たせしました。
6月最後の一週間が始まりますね。
作品拝見させていただきました。難しいテーマに挑戦されましたね。佳作一歩手前です。ちょっと厳しいかな。上田さんなので、厳しくしました。
前半は淡々と、静かな命の最後が描かれています。その時間の静けさに打たれました。後半はそれについて上田さんが感じられたこと、と簡単にいうと二部仕立てになっています。難しさ、というのは、後半です。上田さんが感じられたことを書かれているのだと、私は感じていますが、読み方次第ではとても宗教的になってしまいます。もしかしたら、それを意識して書かれたかもしれません。もしそうならこのままで大丈夫です。でもあまり宗教的にしたくないようでしたら、少しだけ手を入れてみてください。
少女の魂に転生する / 雀の霊(たましい)
この部分ですね。そんなに一瞬で転生できるのかな、少女が雀に乗っ取られちゃうの?と私は思ってしまったんです。すみません。すごく短絡的な解釈ですよね。ただ、そういう風に読む人は、いる、ということです。上田さんが言いたかったのは少し違うんじゃないかなと。少女の優しい温かさに触れて、雀は短い命を終えたけれど、その命の大切さは少女に伝わった、二人の生きる意味は重なっている、というような意味がここにあるのかなと考え直したんです。もしそうならば、この二行は誤解を生まないように少し変えたほうがいいように思います。
少女の魂に預けられたような、とか、うまく浮かんでこないんですが、二つの魂は重なるわけですよね。雀の命はついえたけれど、少女がそれを大切にして生きていく、というような場面に繋がるような言葉をぜひ見つけてみて欲しいなと思っています。
繰り返しますが、もしも、狙いが別のところにあるようでしたら、上田さんのお気持ちに忠実にしてくださいね。これは単なるアドバイスです。そして、とても良い作品です。
「朝」相野零次さん
相野さん、お待たせしました。こんにちは。
こちらは「朝」というタイトルがとても良いと思います。それがあるからこその作品ですね。おまけの佳作です。序盤は消失願望から始まっています。消えてしまいたい、という気持ちを持っている人は多いと思います。そして、そう思わざるを得ない気持ち、を持たざるをえない状況にいる方も多いでしょう。消えたい、というのは、やり直したいが根本にあると思います。ですから、朝になり再生していく過程にとても希望を感じました。毎夜、毎朝、こうして生きていく、そんな切なさと、強さと、入り混じった良い作品だと思います。佳作でもいいかなと思ったのですが、そうですね、これを読んだ時にやはり心が揺すぶられて辛い思いをされる方もいるかもしれないなと、朝への希望が見つけられずに苦しむ方もいるかもしれないと、そこまで考えて、おまけにしました。深いテーマです。
「神の手ぬぐい」温泉郷さん
温泉郷さん、こんにちは。なんだか温泉と手ぬぐい、うふふ、と勝手に嬉しくなっています。神の手ぬぐいとは?と思いながら拝見しました。
これは佳作です。忘れられない一作になりそうです。手ぬぐいが干された地球儀には深い思考が生まれたのですね。少しコミカルでもあり、一方で、この地球に覆われた闇を感じるようでもあり、なかなか味わい深いものです。明日世界がどうなるかわからない世の中になってきました。自給自足をして田舎で携帯の電波も繋がらず生きているほうがずっと安全な世の中になってきましたよね。そんなことを北半球と南半球とお母さんの手ぬぐいから教わった気がしています。
同時に、私の糸車(木製の糸を紡ぐ機械です)に今は亡き父が濡れたバスタオルを勝手に干していたことを思い出しました。木だから歪むからやめて、とやめてもらったのですが、なんだか地球儀も糸車も、「そこにちょうどいいのがあったからかけただけ」という無造作な対象だったはずで、そのなんともいえない自然さが愛おしく感じたのでした。
「愛と憎しみの薔薇」ふわり座さん
ふわり座さん、こんにちは。梅雨に入りましたね。
これはなかなか良かったですね。読んでいて、狂気を感じたのですが、最後に999本の黒薔薇が「あなたのその感じ方であってたよ」と答え合わせしてくれました。佳作一歩手前です。一歩は、行替えです。もう少し行を変えてもいいんじゃないかなと思いました。それはご自分でできると思いますのでやってみてください。内容についてはこのままでいいと思います。一番良かったのは、最終連にいくまで、微妙なラインを守ったことです。重いな、愛じゃなくて執着ではないの?と思わせつつも、いやこれを愛と思う人はいっぱいいるだろう、と絶妙なラインでした。そうですね。タイトルはもう少しぼかしてもいいかもしれないですね。この辺りは好みだと思いますが、「薔薇」だけでもいいかもしれません。
:::::
みなさん、夏バテされていませんか?
どうぞご自愛くださいね。
す...すごい。こんなにしっかりとした感想をいただけるなんて…
私は今まで友人にしか見せたことがなく、感想は常に「良いじゃん」といった簡単な感想でしたが、今回初めて不特定多数の方々に詩を見ていただき、さらに詩人の方の評価や感想をいただけて、大変感激しております。
詩の評価について、私自身も気になっていた箇所について言及していただき、大変驚きました。また、こうした方がよいのではないかと建設的な提案もしていただき、非常に勉強になりました。早速、違う言葉を探してみたいと思います。
このたび、私の詩に対する評価と感想をお寄せいただき、まことにありがとうございました。初めて本格的な詩の感想をお聞かせいただけたことを大変嬉しく思っております。
紗野玲空様 こんにちは。いつも優しく読んで下さりありがとうございます。えーと、この週は仕事を増やそうとして落ちてしまい。失意の時を味わってました。増えるがキーワードの週でした。いらんことばかりしていたのでTwitterに詩も投稿できずなんなら短歌も投稿できず、もやもやしてました。唯一幸せを感じたのが夢見たものはの到着でした。これは本当に嬉しく感謝しております。それにしてもぶっ飛んだ詩も読んで頂けありがたいこと限りないです。私のベースはぶっ飛んでおりますので、時にはぶっ飛びすぎなどご注意受けながら楽しく書きたいです。就活落ちた!がベースのぶっ飛びでした。大したことではありません。本業は続けてますので(笑)でもなんか悔しいです。また、よろしくお願いします。
そして、紗野様のよたかの詩 かなりお気に入りです。お気に入りすぎて本の大きさもちょうど良すぎて毎日バッグにいれてます。待ち時間にそっと出して読んでおります。よたかの写真もとてもいいです。影、ミーファとキューブとお気に入りが増えてこのままどこに行くのだろうと毎日面白いです。
紗野様へ
この度は「滔々」をお読みいただきありがとうございます。
少し思うことがあったので、詩として表現しました。
ですが、最後の部分は細かく書くべきと感じました。
注意して書いていきます。
感想感謝です!次回も宜しくお願い致します。
雨がやむ音を
聞いたことがあるか
からっとした青空が顔を出し
能天気な希望にかき消される
かすれ声のようだ
人が病む音を
聞いたことがあるか
どんよりと曇天に覆われるのなら
鳥肌のような不安に
かき消される
やむにやまれぬ音だ
手を差し伸べるなら
諦めの溜め息の音だ
その瞬間に生まれる余白に
俺は言葉を添える
言葉は音となる
音は連なりリズム打つ日常
生活を再生する
まずはゆっくりとした
ワルツから始まり
食器棚に置かれた
固く青いトマトが
顔を赤らめる夕暮れ
深い蒼穹の空添えられて
夏が訪れる音だ
梅雨の晴れ間
顔を覗かせた真昼の月
久しぶりに眺めている
心地よい風が頬をかすめ
安らぎを与えてくれる
ほんの少しの幸せで
午後の仕事に向かう足取りが
軽くなるから不思議だ
幸せを感じていると
あれこれと楽しいことが思いつく
流れゆく日々を背に
貴方もどこかで
真昼の月を見上げているのだろうか