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9/27〜9/29までにご投稿分の評と感想です。  井嶋りゅう


9/27〜9/29までのご投稿分の評と感想です。


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「秋の扉」エイジさん

エイジさんこんばんは。
「夏の扉」とは有名な小説や名曲などで馴染みがありましたが、「秋の扉」もなかなか良いタイトルですね。この詩は、たとえば公園のベンチなどに座りながら夏の思い出に浸っていて、ふっと我に帰ると目の前に広がる世界は秋だった、みたいな印象を持つ詩だったんです。一連目と二連目が脳内の世界で、三連目と四連目が現在の場所(外出先)にいるような感じを受けました。記憶が夏の扉で、今が秋の扉であるようなイメージでした。エイジさんはだいぶお上手になられましたので、そのまま読み進んでしまいそうになるんですが、夏の終わりの夕立と秋の始まりの夕立の間には、確かに時間経過があるはずで、二連目でどのように途方にくれているのかをもう少しふくらませていただけると三連目と四連目の穏やかさがより際立つように感じました。ラストなどは、枯れ葉が舞っている感じを想像できて、全体的にムードのある作品でとても良かったです。佳作一歩前ですね。


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「その一行」cofumiさん

cofumiさんこんばんは。
ああ、わかりますねぇ。私もある本の中盤を読み飛ばしてしまったことがあるんですよ。おかげで意味がわからなくなって、また戻るのも大変で、たぶんあのへんだとあたりをつけるんですが、なかなか見つからず諦める、という経験がありました。とほほでした。どうしてそんなことになったのかと振り返ってみると、あの時確かに一瞬だけ興味を失っていた、と思いだして自己嫌悪に陥りました。
私のことはさておき、この詩は本の読み飛ばし経験をふまえて、人間関係にもそれは起こり得るのだと書いていますね。本当にその通りだと私も思います。あの時お相手はどんな心情であったのか、そのほんの一行に戻ることが出来たのなら、今頃は違う結末を迎えていたかもしれない、と思う後悔。その思いを抱えながら進むしかない日常の中で、もしかしたらもう一度くらいなら読み飛ばした一行に相当する一行に出会うチャンスが巡ってくるかもしれない、もし巡ってきたら人生のエピローグは確かに変わるのだと言っているかのようなラストは、とても切なく響いて良かったです。ただ、ラストの2行に向かうまでをもう少し書いてもよかったかもしれませんね。しゅっと終わってしまった感がありましたもので。今回も発想がとても良かったと思います。おまけの佳作とさせていただきます。


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「みちこちゃんの乱」紫陽花さん

紫陽花さんこんばんは。
まず、タイトルが良いですね!以前読ませていただいたみちこちゃんがシリーズになりましたね。楽しみです。
今回はなんだか雲行きがあやしい雰囲気で始まりました。みちこちゃんは、夜も眠れないしデイサービスもつまらない、デイサービスに行くのをやめたい、と言い始めたんですね。さあ困った!なかなかお元気なみちこちゃんですので、きっと説得はきかないでしょう、策士のようでもありますので、まさに「みちこちゃんの乱」が始まりましたね。こんなにわくわくしながら読んでは本来はだめなんでしょうけれど、みちこちゃんのお元気さにこちらも元気がでるのですよ不思議ですね。関係者のかたは大変なんですよね、おつかれさまです。「つきあいたての恋人のように次に相手がどう出るか探ってる」という表現がいいですね。緊迫感も伝わってきて、両者一歩も譲らず、のようなニュアンスも感じられました。良いですね、展開としてはこれが始まりの詩。さて、今後どうなっていくのでしょうか?乞うご期待、といった感じでしょうかね。佳作とさせていただきます。
はい、今回は書き方を少し整理してみましょうかね。読み違えたりするのを防ぐためのものですね。一行を独立させたり、改行してるところを繋げたり逆に離したり、などなど、言葉で伝えるのは難しいので全文移してみますね。これはあくまで私の呼吸ですので。良かったらご参考までに読んでみてください。


薬が効いてない

ここ2年くらい続いているみちこちゃんの
朝の挨拶
ただ 今日はいつもより深刻そうで 
どんよりとした目でベッドに横たわったまま動かない
みちこちゃんは暗い声で 続ける
何回もトイレに起きるし全く眠れないのよ
しばらく沈黙があった後
少し力のこもった目で彼女は宣言した

今日のデイサービスに行って先生に薬をやめて下さい それとデイもつまらないから辞めさせて下さいって言ってくる 私人参の皮むきの仕事を紹介されているし 仕事しようと思うの

ああ、近頃私が掃除してると床にB型作業所のお知らせが落ちてたり コソコソ電話で誰かとアルバイトの話をしていると思ったらそうだったのね 私ときたらみちこちゃんがご機嫌にテレビを見てウトウトしておやつを食べてを繰り返してると思ってた ごめんなさい 策士だったのね みちこちゃん

でもね訪問看護師さんも心配してるよ
デイサービスでもらう薬を止めたら血圧も上がるししんどいよ
なんて猫なで声で私は恐る恐る彼女の様子を伺う
私とみちこちゃんは六畳間でつきあいたての恋人のように
次に相手がどう出るか探ってる
見つめ合う老女2人
どこまでも真剣な私達

そんな今日は木曜日朝8時30分
ピンポーン
デイサービスのお迎えが来たようだ

もう今日でデイは最後にするから
みちこちゃんは静かに呟いた

みちこちゃんの乱が始まった


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「魔法の絨毯」麻月更紗さん

麻月更紗さんこんばんは。
ああこれは逆説なんだなあ、と思いました。弾けるような若さを羨ましいと感じ、出来ればあの頃に戻りたいと思うかた、たくさんいらっしゃると思いますが、若さというのはとても不安定で若いからこそまかり通った出来事は寿命が短いことがほとんどで、でもそれに気づきもしないで笑っていて、ようやく作者はその若さというものから解放されたところ。いいですね。とてもいいことが書かれていました。大袈裟にいえば、若さというものを憎んですらいるようなニュアンスが、表現のところどころから感じられて、もしかしたら若かったがために失ったもの、あるいは得られなかったものが作者の背景にあるようにも感じられました。そのへんのことが一行、二行程度あったらますます良かったかもしれませんね。とても良い詩でした。佳作一歩前ですね。


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「傘」hikikoさん

hikikoさんこんばんは。

 道行く人々は傘を持たず
 代わりに手を繋いでいるのに

6連目のこちらの部分がとっても良かったです。
自分だけに振り続ける雨。君がくれた傘、どんなに傘をさしたって、もうボロボロの傘では強く冷たい雨をしのげやしない。この心情を、最初は本当に雨が降っているものと思って読んでいましたが、6連以降で雨は本当は降っていないということがわかり、頭上の雨雲がさらに増したように感じました。9連目の「雨雲の上にいる君を思って」ここをどう読むか?と思いました。別々の道へ進んでしまってもしくは別れてしまって昔みたいに会えなくなったと読むか、あるいは天上へのぼってしまった人と読むか?私は後者のほうで読ませていただいたのですが、そのように読むとなおさら寂しいようなやりきれないような、明日も明後日も雨は止みそうにない心情を思って、ボロボロになった傘を想像します。今日もひたすら雨が降っていますね。佳作一歩前でした。


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「真面目な二人」秋冬さん

秋冬さんこんばんは。
今回は散文詩を持ってきてくださいましたね。
はい、これは最高に良いです。花丸の佳作でした。秋冬さんは、散文詩がお上手ですね。
「真面目」という意味を、会話を交えてきちんと掘り下げられていて、うなりながら読み、途中からわくわくしてきて楽しくて、僕がプロポーズをした際に、実はずっと僕をからかっていた君もはるかに真面目であったというオチも「真面目な二人」というタイトルにきちんと落ちていました。これはすごく良かったですよ!本当に良かったです!何のアドバイスもありません。実に良く書けていました。はい、花丸の佳作です。


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「虜(とりこ)」まんまるの森さん

まんまるの森さんこんばんは。初めまして、でしょうかね。井嶋りゅうと申します。どうぞ宜しくお願いします。

この詩はひとことで申し上げますと、したたかですよね。時には魚、時には小鳥として、あなたの好きなようにわたしをあやつって、と。どんなルールでもって接してこようとも必ずやわたしはそれを受け入れる、そうすることで、あなたはわたしの虜になるのだ、と。もはやわたしなしではあなたは生きられないとでも言っているかのような詩。この詩は女性が書いた詩ではないでしょうか。男性だとちょっと思いつかないかもしれません。面白い詩ですね。ぞくっとするようなラストの一行。この一行でそれまでがくるっと反転して、したたかな女の素顔がかいまみれる仕掛けになっていました。良かったですね。面白いです。もう少し読んでみたい詩人さんですね。


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以上ですね。
ご投稿ありがとうございました。
木曜あたりから急に寒くなってきて、暖房をつけてしまいました。
でもまた不意に残暑が戻ってくるのではないかとおびえています。
みなさん、体調管理にご注意ください。

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夢想花  エイジ

僕は夢の中で
仲のいい女友達と
公園を歩いていた
二人で美術の話に
花を咲かせていた

 ピカソが46歳の時
 マリー・テレーズという
 十代の女性をナンパしたんだ

 ピカソは彼女にどう話しかけたの?

 彼は「貴女は面白い顔をしてますね」って
 話しかけたんだって

 あはは!ピカソは面白いこと言う

 そうでしょ?面白いねぇ

こんな具合の気軽な話だった
公園の池の端に
可愛い仔猫が二匹戯れていた

その池の端の道に
僕らは綺麗な花の蕾を見つけた
珍しい虹色だった

 ああ!綺麗な虹の蕾

僕たちが駆け寄るや否や
蕾がたちまち花開いて
虹色の花を咲かした!

五枚の花弁の一重咲き
イエローの雄しべ 雌しべが
中央に立っている

そこで僕は目が覚めた
夢の中でしか
咲かない花があるという
僕はその花を見た
それは気候のいい季節の
夜に見た夢だった

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誕生日の夜  秋冬

せめて
ビールを

まもなく
日付が変わる

とにかく
祝杯を

一本飲んだら
日付が変わった


今年は
間に合わなかった


いつもの
晩酌に変わる

誕生日は
終わったのだ

ビールの後は
第三のビールに変える

新しい
一日が始まった

見下ろす
ビール腹が
年輪に見える

誕生日の
再会は
果たせず

残業疲れなのか
一気に
酔いが回る


亡き
父と母が
現れる


日付が変わり
諦めていたので
嬉しさと
恥ずかしさが

既に
二人を
超えて生きる
図々しい息子は
また
ひとつ
年上になった

どう見ても
二人の方が
若いのだから
嫌になる

それでも
俺は
いつものように
誕生日プレゼントをねだる

父の運転で
どこか
景色の良いところへ

 誕生日は
 昨日だから
 また来年ね

懐かしい
笑い顔で
二人は
薄くなる

なによりの
プレゼントが
消えていく

やはり
誕生日でなければ
叶わないのだ

一気に
酔いが醒め
濃い目のハイボールに
切り替える

編集・削除(編集済: 2022年10月08日 08:21)

俺と星に  理蝶

孤独が心のある峰を

超えそうになる時

俺はさ、壊れたくなるんだ

りんごは青いと君に怒鳴りたくなる

君が顰める眉を剃り上げたくなる

そしてひと通り終えた後ほろ苦くなる

そんな身勝手を許して欲しくなる

でもなんかちがうんだ

星が落ちそうだと

ラヂオが話す夜

俺はさ、壊れたくなるんだ

海が真っ赤だと君に叫びたくなる

君が夢中なアレを取り上げたくなる

そしてひと通り終えた後ほろ苦くなる

そんな身勝手を愛して欲しくなる

でもなんかちがうんだ

こんなバカなこと思うのは

肌寒さのせい

というより

摂氏の低下を

すぐ孤独と絡める

愚かな俺のせいか

そうだ、なあ今夜星になろうぜ

愚かな愚かな星になろうぜ

誰かの願い事2回目で無視して

すごい勢いで夜空を横切って

そしてどこかの惑星と

思い切りぶつかって

塵になってしまうんだ

それがきっと一番きれいな

壊れ方

だから一緒に星になろうぜ

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島秀生様へ 埼玉のさっちゃん

評価をありがとうございます。
自身の未熟さを痛感しています。
結論を出してしまわないこと、
他の方の作品も拝読させて頂きます。
また次回も評価を宜しくお願い致します。

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夏生様 評へのお礼  山雀詩人

「クジラ」(9/21)に評をいただきましてありがとうございました。
佳作とのことうれしかったです。
この詩を作ってから、バス、それも路線バスってかわいいな、と本当に思うようになり、
路線バスの写真を配信している Twitter をフォローしたりしています。
将来、日本各地を路線バスで旅するなんてのもいいなとか思ったり。
また投稿させていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。

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SHOUT UP❗I M HUGRY❗  Diamond poet_muna

ムカつくぜ‼️やってランないぜ‼️
現実に❗自然に、
ムカつくゼ‼️
やってらんないゼ‼️
ただ、ストレートにさ❗

この閉鎖状態に‼️
この管理社会に‼️
監視ガメラに❗
Coronaにさ!
存在に❗

でも、ムカつかない、
Happyなことも在るけど!✌️

女の子が、美しいことカナ💕
矛盾じゃないよ~😋

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鈴 麻月更紗

ちりんちりん
鈴がなる
あなたの言葉に震えて
鈴がなる

音色は
悲しかったり
嬉しかったり

あなたが鈴を
鳴らすのです
私の鈴を
鳴らすのです

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暗数事案 暗沢

空調は整っているが客はない、そんな手頃な密室は
恰も手狭な空間にうごめくものを
別のフロアへと運んでいくようだ。
目覚めと同時に定位置へと戻る、無意味な昇降である。

故にだろうか、臥し所から離れた彼が
ハッした様子で固く閉じたカーテンを
引き開いて、安堵の表情を浮かべる
その有様。曖昧模糊な時間の下で
ビルの間近い、雑多な朝の光景に対してだ。

転落事案にご用心!

寝ぼけ眼で開く掃出し窓
安普請の踏み板へと
習慣のままに足先を委ねた
その始末 空(くう)を踏み抜いたきり

まっさかさま 虚へ

落ちていってしまうかも
誰が気付くことがあろう
投身が消えていくその先
上でも下でもないだろう

そう 誰が気付くことがあろう

一級遮光のカーテンがすっかりと
早朝の日差しを通さなくなった、
そんな時節の
テキストです。

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キリギリス


自転車を停めている時に気が付いた
ハンドルにキリギリスが止まっている

尖塔のようにとがった頭
すらりと伸びたグリーンの胴体
左右の後ろ脚を高く立てて
じっと見ていても動く気配はない

秋にはこんなに大きくなるのか
荷物を置いたらまた見に来てやろう

玄関のドアを開けて
荷物を床に置く
切り花をすぐに水に漬けなくては
スリッパを履いて
室内灯を点ける
パソコンのスイッチを入れよう
シンクで盥に水を張って切り花を漬ける
買って来た消耗品を
それぞれ収納して
パソコンは立ち上がったかな?
Youtubeでニュースチャンネルを視よう
プーチン大統領はいったい
何を考えているんだろう
流行り病はそろそろ
五類に下げてもいいんじゃないか?
『ダンジョン飯』の新刊を買い忘れた!
切り花を花瓶に生けてくれる人が来る前に
観葉植物の水やりをしておこうか
ちょっとトイレへ

翌日の午後 自転車に乗ろうとして
何もいないハンドルに手を掛けた時
キリギリスを忘れていたことに気が付いた

後日ネットで調べてみると
あれは「クビキリギリス」だったようだ
「クビキリギス」とも呼ばれている
どうして「リ」が一つ減ってるんだ?
触角が体長より長いのがキリギリス
体長より短いのがバッタと書いてある
はて そんなに触角が長かったっけ?
もしかしたらあれは
「ショウリョウバッタ」だったのか?

切り花を生けてくれた人に話すと
あまり興味なさそうに
キリギリスでいいじゃない
と言って笑う

そっか キリギリスでいいか

初夏の稲葉のような
瑞々しいグリーンの記憶を
やがて来る冬まで持って行こう

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