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編集・削除(編集済: 2025年01月02日 01:55)

10/8〜10/10 ご投稿分の感想です。  紗野玲空

都合によりお先に失礼致します。
10/8〜10/10にご投稿いただいた作品の感想・評でございます。
素敵な詩を沢山ありがとうございました。
一所懸命、拝読させていただきました。
しかしながら、作者の意図を読み取れていない部分も多々あるかと存じます。
的外れな感想を述べてしまっているかも知れませんが、詩の味わい方の一つとして、お考えいただけたら幸いです。


******* 


☆「許される」 喜太郎さま

喜太郎様、こんにちは。御投稿ありがとうございます。

喜太郎さんって、女性の心がよくわかってらっしゃるなあと、感心してしまいます。
許すことの裏側にある苦しみや優しさを理解してくれるパートナーがいたら幸せですし、自らも許せる人間でありたいと願いながら、拝読させていただきました。
連毎に味わっていきましょう。

1連目…笑顔で許すこと、その裏にある優しさには大きな傷が伴うことが語られます。
2連目…その優しさを軽んじていると、その人を失うことになるという暗示が綴られます。
3連目…2連目を継いで、失ってからの手遅れ〜後からその人の優しさ、大切さに気付くものだと語られます。
4連目…失ったものの大きさ〜「もう二度とあなたは許されないのです」と結ばれ、最終連に続きます。

私は恋愛指南として拝読させていただきましたが、恋愛だけではありませんね。
よくよく味わうと、人間関係全てにおいて言える、普遍的かつ大切なことを詩を通して教えていただいたように感じています。

問題は、こういった普遍的で重要なことを「許される」という題のもとに、いかに詩として表現されているかということです。
「許す」をキーワードとして大きく捉え直しますと、

「許してくれる人をただ優しいと思わないでください」
  ↓
その人は傷ついて「笑顔で許している」
  ↓
失ってからでは
失ったものも人もかけがえなく
「あなたは許されないのです」

となります。

「許される」を題とするならば、あとほんの少しだけ、「許す」「許される」ということに重点をおいてみたらどうかしら…と感じました。

  優しさと冷酷さは紙一重
  紙一重なんです

と結ばれているのを拝読しますと、喜太郎さんが「優しさと冷酷さが紙一重」であることを強調したいのがわかります。
優しさと冷酷さ〜ここに「許す・許される」のキーワードを盛り込み、もう一捻りしてみてはいかがでしょうか。
優しさとはその人の優しさ。
冷酷さとは、許すことに疲れてしまったその人の優しさにようやく気付いたあなた自身の冷酷さなのか、許しに重きを置かなかった二人の間に横たわる冷酷さなのか…。
許すという優しさは愛すること、信じることにも通じると思います。

一貫して抽象的にまとめられていますが、具体的なことを少し挟んでもいいかもしれません。
喜太郎さんだから書けるのであって、とても難しいテーマだと思います。
一つ一つの詩行がとても胸に響きます。
だからこそ、より喜太郎さんらしい調味料を加え、少し煮込んでみてください。
寒くなってきたことですし、詩も煮込んで冷めた処で味がしみて、また温めるとぐっとおいしくなると思います。

人生訓として得る処多い、佳き作品でした。
御作、佳作とさせていただきます。
ありがとうございました。


******* 


☆「とある魔女のハロウィンについての説明」 松本福広さま

松本福広様、こんにちは。御投稿ありがとうございます。

ハロウィン〜毎年10月31日に行われる夜の祭りですね。
カボチャなどをくり抜いて作る「ジャック・オー・ランタン」を飾ったり、子どもたちが魔女やお化けに仮装して近くの家々を訪れてお菓子をもらったりするのが、現在、一般的に言われるハロウィンの風習のようです(日本では渋谷辺りの乱痴気騒ぎが毎年話題になりますが…)。

本詩のハロウィンに登場するのが、魔女と孫の見習い魔法使いのサンドリヨン。
ハロウィンを題材とするに相応しい面白い設定ですね。
題も面白いですね。「……説明」とした処が興味深いです。

初連の導入は昔話のはじまりのようで、一気に引きつけられます。
お話は魔法の世界の楽しいハロウィン…本来あるべき姿のハロウィンとでもいうべき、ケルトの風習を踏襲した行事を思わせるハロウィンと、人間たちのハロウィンに分けて語られています。

さて、サンドリヨン=Cendrillonとは、シャルル・ペローの童話の主人公、日本語表記される処のシンデレラを指すのでしょうか。
0時になると魔法がとけて、元の姿に戻ってしまうシンデレラ〜松本さんの詩文を拝読しますと、0時が子どもとおとなを分ける一つの区切りとして設定されているようですし、やはり、魔法と0時とシンデレラ…これらの言葉は本詩の核心を左右するようです。

人間たちのハロウィンはね……に続く連は、人間の格好をしたモンスターである我々の世界を皮肉っているのでしょうか。
歩んでいるレールも回転速度も、時に無茶苦茶になるアトラクションのような社会で、我々は生活をしているのではないかと気付かされます。
魔女から見れば、人間のハロウィンはハロウィンの日だけに限ることでなく、実は仮面を剥がした顔もまたモンスターなのだと…。
サンドリヨンへの魔女の語りは、人間社会に対する批判として読み手に響きます。

最終連が、松本さんが理想とされるハロウィンなのでしょうね。
魔女の世界だけでなく、人間の世界にも、感謝と祈りを主とした本来のハロウィンを思い出す魔法をかけてほしいものです。

ハロウィンという行事にシンデレラの物語をかけ合わせ、0時を境に子どもとおとなを描きながら、現代社会も風刺する…。
ハロウィン特有の楽しさや近年のハロウィン顔負けの狂気じみた出来事も色々想起させる…。
楽しく、興味深く拝読させていただきました。

ただ一点、欲を申し上げるならば、サンドリヨンが灰かぶり姫であるシンデレラであるのならば、ガラスの靴や南瓜などのモチーフを更に重ね、もう一捻りされるとより深みが増すのではないかと感じました。
御一考いただけたら幸いです。
楽しい佳き作品でした。
ありがとうございました。


******* 


☆「視覚優位の病床で」 荒木章太郎さま

荒木章太郎様、こんにちは。御投稿ありがとうございます。

1連目から、素敵な詩句が並びますね。

  鱗雲が金目鯛の大群のように
  金色の尾鰭をひらめかせながら
  誇張された言葉の波が打ち寄せる
  秋の夕暮れ
  私は双眼鏡を手放さず
  情報の波に飲まれて、ただ眺めるだけだ

この連、個人的にとても好きです。
夕焼けに染まる鱗雲を金目鯛にたとえる面白さ。
そこから双眼鏡を手放さず(遠くまでしっかりと見ようとするんですね)…、しかし、「情報の波に飲まれて、ただ眺めるだけだ」という、この連の最終行に漂う一種の虚無感は、単なる情景描写の美しさに留まらない、次に待ち受ける展開への期待と、詩の奥行きを感じさせます。
素晴らしい初連だと思います。

2連目、双眼鏡で覗き見ることについて、詳しく記されますね。
そう、ああ、…嘆息しながら、監視、観察、批評をするものの…「行動することを恐れ、」「逃げ道を探」すとは、私自身も常々自省していることであり、身につまされました。

3連目はこの詩で一番伝えたいメッセージですね。
詩句も、一語一語、章太郎さんらしい言葉で、苦心されて選び抜いたことが伝わってきます。
四角いなどの図形表現は、前作の「彼岸花」でも月を四角と表わされていたように、章太郎さんの表現の特長とも言えるでしょう。

四角という画一的な世界に閉じ籠もり、目で見えることを主体(視覚優位)として、各々が自らの頭で考えることを放棄し、民主主義を寝たきり状態にさせている……。
問題の先送りの行く方が明日の雲なのは、明日のことは誰にもわからず、雲はただ流れ行き、曖昧に消えてしまうからでしょうか。

短い詩ながらも、展開の素晴らしさ、無駄のなさが読み手を引きつける作品だと感じました。
社会的問題への提起も感じられました。佳き作品でした。
ありがとうございました。
御作、佳作とさせていただきます。

一つだけ申し上げるとするならば、章太郎さんは逃げ道を探しながらも、実際は決して逃げてはいないと思うのです。
明日も雲が浮かぶであろう空を睨みながら、失った言葉を眠りから覚まそうともがいているはずです。
その葛藤を読んでみたくなりました。 

余談ですが、金目鯛は海中では全体的には銀色に近く、釣り上げられた後に赤くなるのだそうです。
大きな丸い目の奥には反射層があり、わずかな光でも感じ取れるために深海でも生息できるんだとか…。
金目鯛の色の変化、金目がわずかな光の中に見る世界〜視覚優位の病床にあって、何かの緒になりそうな気もいたします。


******* 


☆「解放」 津田古星さま

津田古星様、こんにちは。御投稿ありがとうございます。

素直に直接胸に響いてくる、とても素敵な詩だと思います。
初連のオカリナの導入がとても活きていると感じます。
土笛の温かさ、指先に伝わる息の温度や震えが、この詩全体を優しく包み込んでくれているようです。

若い頃の恋が主題を引き寄せているようですね。
二十歳で出会い、互いの魂の響きを感じていたのですね。
しかし、二人は別々の世界に生きることを選んだようです。
離れてしまえば、共に生きた時も幻想のように感じます。
魂の響きを手がかりとして、時の流れと私とあなたの関係の変化がよく描かれていると思いました。

5連目まで読み進めて、私からあなたの前を去ったことに気づかされます。
6連目で、実はあなたが私の思いを退け、私は自ら去らざるを得なかったのだろうと察します。
そして、二人は一生、肉体が魂を離れる時まで、魂を震わせることがないだろうということも…。

あなたは私のふるさとを見ることはなかったけれど、私はあなたのふるさとを知っている…。
あなたの真摯な生き方や、あなたが歩んだ道が必ずしも平坦ではなかったのだろうと私が振り返ることができるのは、私(津田さん)のあなたへの優しさ、信頼の深さであり、そこには、私のあなたへの変わらぬ魂の震えが感じられました。

終連は、離れてそれぞれの人生を生き切る決意の詩文の中に、清々しさすら感じられました。
「解放」とはそこに見出された題なのでありましょう。
おめでとう…互いの人生に最終的にそう言えるのは素敵ですね。

一点だけ、気になった処を申し上げます。
「軽やかなメロディーに乗せて」
一番最後の詩行だけに、強く印象に残ります。
あえて、「軽やかなメロディー」とされたのでしょう。
一方で、少し勿体ない感じもするのです。
初連のオカリナの響きが、本詩には常に響いているように感じられます。
それが最後にどのように響くのか、「軽やかなメロディー」に乗せてみてはどうかしらと感じたのです。 
更に欲を申すならば、私(津田さん)の魂の振動の細かな変化についても、もう少し読んでみたいと感じました(祈りに形を変えたのでしょうか)。

オカリナを吹いたら、会えなくても、おめでとうと思っていても…
やはり魂は何かしらに反響するような気がいたします。
御一考いただけたら嬉しいです。

素敵な佳き作品でした。
ありがとうございました。


*******


以上、4作品、御投稿いただき、誠にありがとうございました。
それぞれに、素晴らしい作品でした。
十分に読み取れていなかった部分も多かったかと存じます。
読み違いはご指摘いただけたら嬉しいです。

急に肌寒くなってまいりました。
しかし、能登の復興も進まず、悲惨な紛争は続き、季節が変わっても、変わらねばならぬものは変わらずに停滞しております。
ある方が「ひとりの人間のすることに限界があることは分かっていても、それでも書くことには、それなりの意味があると信じたい」とおっしゃっていました。
無力に絶望する毎日ですが、それでも、表現に悩みながらぽつぽつ書き続けてまいりたいと思っております。
実り多き秋となりますよう、皆様お健やかにお過ごしくださいませ。   紗野玲空

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雨音様、「怨念」に関する評と感想をありがとうございました。  秋乃 夕陽

雨音様、「怨念」に関する評と感想をありがとうございました。
この作品に興味を持っていただき、誠に感謝しております。
この詩の冒頭についてですが、以前こちらへ別の詩を載せたところ、他の方から読み手側の負担にならぬようあまり重みを持たさずあっさり描いたほうが良いとの指摘があったため、今回その批評を素直に取り入れてそのようにしました。
また、あくまで導入部分であり、二連目から続く出来事のほうが重要度としては高かったため、そちらに重きを置きました。
しかし、雨音様のご指摘通り、湯気を伏線に使うのも終連に効果的に働くので良いかもしれませんね。
また後の詩のために参考にさせていただきます。
三連目の女性が登場してから席に座るシーンですが、これは割とあっさり描いているので、問題ないかと思います。
経験上、人によってはもっと詳細に描くように指摘される方もいらっしゃるかもしれません。
それから八連目から十一連目にかけては、「主人公が会計をすることで話を遮られたから(女性は)怨念を送ってきたのか、それは主人公が読んでいた源氏物語の幻影を負っていたせいなのか」、わからないほど不可思議な出来事であり、この混ぜ合わせた不気味な感じがまさしく「怨念」として鍵を握るこの詩の肝だと確信しております。
書き手側が親切丁寧に書き加えてしまうよりも読み手側がさまざまに想像して解釈する余白があっても良いと思っています。
このように色々書かせていただきましたが、雨音様にこの詩を好きだとおっしゃっていただけたことは本当にありがたいことですし、これからもなにとぞよろしくお願いいたします。

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解放 津田古星

オカリナに息を吹き込むと
陶器に伝わる震えを
穴を塞いだ指先が感じる

音は振動
物質も振動だという
では、魂も振動だろうか

私は死んだらあなたに会えると
若い頃から信じていた
魂が一瞬でも響き合ったのだから
肉体を離れた時には
私はあなたの魂を見つけるはず
あなたが二十歳の私を見つけたように

でも私たちは全く違う世界に
生きていたのかもしれない
私が見ていた世界は
私の脳が見せた幻想でしかない

私があなたの前から去った時の気持ちを
あなたは知ることもなく
あなたの人生を生きてきた
あなたは私のふるさとを見ることもなく
一生を終える

私はあなたのふるさとの海の青さを知っている
あなたの歩いた道が平坦ではなかったこと
それでも真摯に生きただろうことを想像できる
そして、あなたが私の思いを横に退けた
その理由を知ることもなく
私も一生を終える

あなたは今日まで生き 家庭も築いた
あなたの健康と幸せを願ったのだから
私の祈りは届いたと言える
だからもう会えなくても
互いの人生に
おめでとうと言って手を振ろう
軽やかなメロディーに乗せて

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井嶋りゅうさん 評のお礼

はじめまして、飴山瑛です。評をありがとうございます。佳作嬉しいです。この作品としては作品上の表現と作者個人としての体感が並行して二重に走る方式を取っており、裏の流れとしてはこれが自然なようになっています。浮遊感というものを、川の飛び石を渡るように表現したかったのですが、なんとかなっていてよかったです。個人としてはあまり現実から離れすぎた作品にはしたくなかったので、このような形になりました。
改めて評ありがとうございます。これからも書いていきます。

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視覚優位の病床で  荒木章太郎

鱗雲が金目鯛の大群のように
金色の尾鰭をひらめかせながら
誇張された言葉の波が打ち寄せる
秋の夕暮れ
私は双眼鏡を手放さず
情報の波に飲まれて、ただ眺めるだけだ

そう、監視してばかりだ
ああ、観察してばかりだ
批評を繰り返し、
行動することを恐れ、
逃げ道を探している

四角い視覚優位の病床で
主語を失った言葉がベッドに縛られ
民主主義は、静かに眠り続ける
寝たきりの状態へ
問題は明日の雲へと
先送りされてゆく

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井嶋りゅう様 評のお礼です。  荒木章太郎

ありがとうございました。今の私には難しいテーマだったかもしれません。もう神に許しを乞うしかないところまで、自分を追い込んでしまう程の罪悪感を描きました。自分を赦せずに傷ついていたのですね。しかし、まだ神を信じきれない主人公は、苦しみを一人で抱え込まずに他者に助けを求め行動することで「神の下では人は皆平等である。」という意味を体験から理解するのです。 
 信仰による受動的な救いではなく、能動的に自分で考えて、体験から学び理解することで得られる救いを描きたかったのですが....今の私には力不足でした。もう少し色んな詩を書いて力をつけてから、また本作に向き合ってみたいと思います。

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井嶋りゅうさんへ お礼  司 龍之介

評をくださりありがとうございます。
日本語が上手く書けていませんでした。
違和感に気づけず不甲斐ないです。
おっちょこちょいでした笑。
それでも佳作一歩前の評価ありがとうございます。
また投稿します。よろしくお願いします。

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井嶋りゅう様 評のお礼です。  温泉郷

井嶋りゅう様 今回もお読みいただき、ありがとうございました。この作品はご指摘のとおり、デ・キリコ展(東京都美術館・上野)で見た「谷間の家具」という絵から浮かんだ物語を基にして作りました。前回、三浦志郎先生から注釈を付ける方法を教えていただき、早速やってみた次第です。絵に詳しいわけではないので、キリコの作意からはずれているかもしれませんが、書いているときは楽しかったです。アームチェアが部屋に入ると、また離れ離れになるので可哀そうな感じもしていました。佳作の評価をいただき、大変うれしく思っております。今後ともよろしくお願いいたします。また、季節の変わり目ですので、ご自愛いただければと存じます。

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井嶋りゅう様 評をありがとうございます。

ご丁寧な評をありがとうございます。
第一連目のカッコは自分で自分に突っ込んでいます。第二連のそんな私とはどんな私かという説明のつもりで、最初に持ってきたんですが。
私はよく夫の話にに「自分の頭の中でだけ分かっている。せめて主語と目的語を言って。」と言うんですが、私の詩も同じらしいことに気づきました。
何度も読んで頂き、ありがとうございます。考えようによってはハッピーエンドなのかも知れません。

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9/24〜9/26までにご投稿分の評と感想です。  井嶋りゅう

遅れてすみません。
9/24〜9/26までにご投稿分の評と感想です。
ご投稿された詩は、一生懸命書かれた詩ですので私も一生懸命読ませていただいておりますが、上手に意味を読み取れなかったり疑問を書いたり頓珍漢な感想になったりする場合もございます。申し訳ございませんがそのように感じた場合には深く心に留めず、そんな読み方もあるのだとスルーしていただけると助かります。どうぞ宜しくお願いいたします。

*****

「響灘」津田古星さん

津田古星さん、こんばんは。
4連目「電車の窓から夕日が海に沈むのを見て」、ここの風景がタイトルの響灘と繋がっているのでしょうかね。そのように感じました。とても切ない詩ですね。三十八年経ったいまも、まだためらう気持ちが残っているということが、まだ消化できていない想いのやりきれなさみたいなものを感じて胸が痛みました。最後の連で「返信したくなったけれど」とあります。ということは、メールなどのやりとりがあるのだとわかります。三十八年後にまた繋がったのだと推測できます。ご縁があるお二人なのかも知れませんね。そもそもお付き合いをされていたお二人なのか、あるいは幼馴染などで気付けばずっと一緒にいたお二人なのか、詩中の「私」が居なくなったとしか書かれていないのでわかりませんが、確実に恋心が存在していた。この詩を何回か読んで、実は印象が最初と変わったんです。想いは伝えられていないけれどもハッピーエンドなのかしら?と。この先の人生にもう彼はいないと思ったけれど、ある意味彼だけが残ったということかしら?と勝手に想像して、人生というものは不思議だなと思いました。
書き方のお話なんですが、一連目と2連目の置き方が少し気になりました。特に一連目のカッコ書きなんですが、これは自分で自分につっこんでいるという感じなんでしょうか?女性のつっこみに感じましたもので、この詩の主人公は男性なのかと実は最初思いましたが違ったようですね。この一連目と二連目は独立させるより、三連目以降に組み込んでいくほうがスムーズに読めそうです。
宜しかったらご一考ください。佳作一歩前といたします。


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「大丈夫」喜太郎さん

喜太郎さん、こんばんは。
「大丈夫」という言葉ほど、信用してはいけない言葉だと私も思うんです。大丈夫じゃない人ほど大丈夫っていう、ということを知らないといけないと思うのです。「大丈夫」と言わせてはいけないと思うので「大丈夫」と聞かないでほしいと思うこと、あります。この詩はそういうことをとても分かっています。ピンポイントで大丈夫なことはあるんだけれど、全体的には大丈夫ではない。そう、大丈夫は相手から言われたい言葉なんですよね。よく分かります。この詩は恋愛のような感じを受けますが、実は恋愛じゃなくても、悩んで解決策を見出せないすべてのかたに送ってあげたい詩だと思いましたので、おまけの佳作といたします。


*****

「彼岸花」荒木章太郎さん

荒木章太郎さん、こんばんは。
彼岸花の季節ですね。今年は暑すぎて開花の時期が遅くなっているようです。
こちら、淡々と書かれておりますが、心の中が大荒れ感を感じました。牧師さんへ懺悔したのに見上げた月は四角に変形している、そんな心の目が自分を刺すように攻撃的だったり空虚だったり。とても傷ついている様子が伝わってまいりました。自分を赦す、ということも大切かもしれませんね。なかなか難しいですが。最後から二連目の「確かにすべてが平等にみえる」という一文に妙に納得いたしました。佳作一歩前といたします。


*****

「向日葵〜貴方だけを見つめる〜」司 龍之介さん

司 龍之介さん、こんばんは。
この詩はラブレターですね。向日葵のような貴方、なのでしょうか。あるいは、向日葵へ向けた想いなのかもしれません。でも少しだけ、向日葵から貴方へ、というふうにも感じられました。実は今年、神奈川でも有名な向日葵畑へ出かけまして。よくあるじゃないですか、画像ではすごいけど実際行ってみたらたいしたことなかった、みたいな場所って。でもそんなことなくて、本当に見事な向日葵畑だったんです。向日葵って一本でもこちらを見ているような錯覚をおこしますが、それが大量な向日葵だったもので、怖いくらいの視線を真昼に浴びました。この詩はあの日の向日葵を思い出しながら読みました。タイトルは花言葉でもありますね。
冒頭の1行目ですが、「私は誰にでも」なんですが、これに続く言葉が「こんなに/見つめるわけじゃない」になってますが、文章として意味はわかりますが、違和感が残りました。最初と最後を合わせると「私は誰にでも 見つめるわけじゃない」になります。なんとなく違和感ありませんか?ここは「私は誰のことでも」のほうがしっくりくる気がしました。宜しければご一考ください。佳作一歩前といたします。


*****

「沖合」飴山瑛さん

飴山瑛さん、こんばんは。
初めまして、井嶋りゅうと申します。
どうぞ宜しくお願いいたします。
とっても良い詩でした。何というか、久しぶりに詩的な表現を読んだような気持ちになりました。特に三連目以降、すべて素晴らしいですね。表現に感動しました。実は少し内容的にあっちこっち行ってる感がありまして、こちらが迷子になりそうになるんですが、心地よい浮遊感があって、適度に現実的で、ラストですとんと此処に感情が戻ってきたような感じがしました。言葉が拙くて申し訳ございませんが、本当にとても良かったです。佳作といたします。


*****

「つかの間の誓い」温泉郷さん

温泉郷さん、こんばんは。
良いですね〜。この詩は「谷間の家具」という絵画を知らなくとも感動いたしますね。これはこの絵画を観て、インスピレーションを受けて書かれたものでしょうか?感情移入がとても優しく尊いですね。タイトルもまたぴったりでしたね。2脚のアームチェアの会話がまた素敵です。そんな会話をされていたなんて、ロマンチックでどきどきしますね。「急いで誓いの言葉を」と促され、また自宅へ戻ってきた時には何事もなかったかのように2脚はすましているのでしょう。想像が膨らみ、含み笑いをしそうになりますね。私は絵画や写真を見ながら詩を書くことが出来ないので、それが出来るかたを尊敬してしまいます。とても良かったです。佳作といたします。


*****

以上6作品のご投稿でした。
どうもありがとうございました。
急に涼しくなる日がありますね。私は風邪をひいてしまいまして、咳がずっと残っています。
皆さんもどうぞお気をつけください。

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