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読んで頂きありがとうございます。
書かずには居られない、これは書いて残しておきたいと思う気持ちに促されて、詩を書いていましたが、最近迷うようになりました。
私の表現では伝わっていないのかと。
聴力が賜物ではなく、聴力を失ったことが賜物だと言うことが、伝えられなかったとすれば、この詩は失敗ですね。
昔、ローラ・インガルスの「大草原の小さな家」をドラマ化されたものがあり、その中でローラの姉メアリーが目が見えなくなってしまう話がありました。その時、牧師は、神から与えられたものと言いましたが、本人も両親も受け容れられませんでした。メアリーが盲学校に行き、そこで教師となり愛する人と巡り会った時、視力を失ったことが神から与えられたものと納得できたという話でした。
メアリーほどの苦しみではありませんが、病が何かを気づかせてくれた事を残しておきたいと思いました。
みなさま、今日もお疲れさまです。
前日こちらにあげた評ですが、
読み直すと誤字脱字だらけ💦でした。
ほんとごめんなさい。
言い訳しますね。堂々と。
この日、1日パソコンで仕事をしておりました。やっと終わって、今度はこの評を書きながら、いやー目が全然ぼやけて見えない、と思いながら書いていたんです。
というわけで、許してくださいね。
想像力を働かせ、変な誤字脱字を読み取ってくださったみなさまに感謝しております。
叫び
たすけてぇ
やめてぇ
おいていかないでぇ
叫んでいる
朝に夕に
時には真夜中も
静かな通りに鋭い叫び声が響く
叫んでいるのは
お隣の
老母を突然亡くして
心を壊した一人ぼっちの女(ひと)だけではない
すべての孤独な魂が叫んでいるのだ
大切な人を失った人かもしれない
世の中に椅子のない人かもしれない
賑やかに仲間たちとグラスを傾け合っている若者かもしれない
群れているママ友たちの中のママかもしれない
出勤途上のサラリーマンかもしれない
アフリカの原野を歩けない動物園の象かもしれない
一生おさんどんだった私かもしれない
ある日隣家の前にパトカーが三台停まった
お巡りさんが十人ばかり
一時間ほど滞在して帰って行った
通報したのは
壊れることで生き延びたくはない人だろうか
法律は
孤独な魂をとりしまれるのだろうか
二階の小窓から覗く
青白くこけた頬の
叫びは地面に届かない
硬い地面には届かない
今日も叫んでいる
荒野をさすらうかのように
東の地平線で満月が
狡猾な眼をしていた
やがて高度を上げると
おおやけの顔となり
揺るぎなき光を差しのべ
得たいの知れないこの夜を
仮初に照らしてくれた
みんな何処までこの夜を
演じ切るか
みんな何時までこの夜に
持ちこたえるか
この夜は
不安で揺らいでいるのだ
あの夜も
不安で震えていたのだ
「扉座を空に上げるのを忘れていた」
今頃になって
ギリシャ神話のゼウスの便りが
ネットニュースに上がっていた
扉座は実際開閉するらしい
西の地平線で満月が
背中を見せて役を降りる頃
夜空を見上げたら
確かに扉座は存在した
扉の向こうにあるのは
得体の知れないこの世かあの世か
なぜ今頃になって
ゼウスは夜空の星座を塗り替えた
ヒトの進化が追いついたから?
全知全能ではないと
不都合な真実晒されるから?
振り向き様に
月はカラカラ嗤っていた
人工知能が
この世もあの世も
あの夜もこの夜も
いろいろあると答えを弾く
これから俺は
目の前の現象には
捕われないと答えを弾く
お金を稼いで
ロケット飛ばすと夢を弾くと
カランと夜空の扉が開いた
きっとまたこの夏を私は忘れてしまう
夏に限らず最近の私は忘れっぽい
特に夏の海が好きなのに
去年足だけ浸かった海の色さえ
もうあんまり覚えていない
ただ今年は暑すぎたせいもあって
海に行かなかった
このままでは私の大好きな
夏の海まで忘れてしまうかもしれない
そんな焦燥感にかられながら
先週いつも通りベジタブルマルシェに
晩御飯の野菜を買いに行った
自転車を店の前に停める
店の前には花のコーナーがある
はずの場所に花がない
代わりにぽんとひとつ白のぼりが立っていた
入道雲みたいに意志を持って
ひとつ大きく立っていた
夏の海と書いてある
どうやら移動販売のようだ
今日だけなんですと
真っ黒に日焼けした男性が
マルシェの店先に海を並べ始めた
白い砂をさらさらさらさらと
そこにシーグラスを青白茶
それから目にも鮮やかなヒオウギ貝
オレンジに紫に黄色
耳の奥の方にザザーザザー
優しい波の音が響いてくる
それはだんだん静かになって
小さな白っぽいタツノオトシゴがゆらゆら
青い小さなたこくらげもゆらゆら
たこくらげは青色をしていて
くらげらしく透き通っている
少し深い海の中に入っていくようだ
たこくらげはところどころに白っぽい水玉
一定のリズムで伸びたり縮んだり
頼まれてもいないのに
伸びたり縮んだり ただただ繰り返すリズム
目にも鮮やかな夏がここにある
とても綺麗なので
野菜を買いに来たことをすっかり忘れて
青いたこくらげを見つめていた
すると先ほどの男性がにこにこ近づいてくる
夏の思い出にたこくらげと暮らしませんか
男性が青いたこくらげを手に取ると
たこくらげはキラキラ透き通る
ガラス細工のイヤカフになった
そんなことで先週から私は
ずっとほのかな海鳴りと共に
透明な青いたこくらげを耳元に揺らしている
この夏を忘れませんように
青島様こんばんは。温かく読んで頂いていつもありがとうございます。おかげ様で、嗅覚が先週戻ってまいりました。1部、そうですね。一部がしっくりいたします。この間からこんなのが多いです。コロナ後遺症でしょうね(笑)私、詩を書くようになってから改めてあんまり自分の感情が分からないと感じております。最近皆様ラブレターのような愛のようなそんな詩が多いような気がして、私誰かを好きになったり愛したりなんてそんな感情あったかしら?私もラブレターを書きたいと切望していたら嗅覚がどこかに行ってしまい、この寂しさが愛?につながってるようなというわけで私のラブレターになりました。とにかく感情を抑えて生きてきたので、今こちらで感情表出をすることでいろんな発見があって楽しいです。またよろしくお願いします。MYDEARが優しい場所でありがたいなと思います。
拙作、味わっていただけたようで誠に恐縮です。
ご指摘のこと、誠にそのおりで、ありまして、わたしも、物足りなさを感じていました。
やはり、ちゃんと創りこまないといけないことだと、つくづく感じいりました。
にもかかわらず誠に高い評価ありがとうございまいした。
今回のこの詩で私の詩作の幅がひろがりました。
小さな道を照らしてきた
おしゃれな街路灯が
突然 折れた
走っていた車の
ボンネットにぶつかり
乗っていた人がけがをした
倒れてくる街路灯の車載映像
「怖い」と話す
近所の人たちのインタヴュー映像
街路灯は高さ5メートル
立てられてから29年
一度も点検されていなかったと報じられた
折れたのは
下から1メートルあたりの接合部で
断面を見ると
赤黒い錆が中心部まで食い込み
一部は空洞化していた
事故が起きたのは夕刻で
街路灯はもう点灯していた
いつものように
道をオレンジ色に照らしていたら
突然 折れて 横倒しになったのだった
が 電球は割れなかった
街路灯は アスファルトに平べったく
最後の虚しい光を漏らしていた
29年間 道を照らし続け
倒れた数時間後に撤去された
人を傷つけた危険な工作物として
◎2024/08/06~08/08ご投稿分、評と感想です。
☆好きになったら大変だ 喜太郎さん
恋愛感情を内臓的、心臓的な気持ちになった視線で書かれた作品。かなり冒険しましたね。一行目の「こちらコントラロールセンタ!!」は本来なら「こちらコントロールセンター!!」になるのでしょうけど、パニックになって言ってしまったと受け取りました。この一行を拝見した瞬間、私の耳の中では「バァーン!バァーン!」っていう、アニメに出てくるようなコンピューターの警報の音が鳴り響きましたよ。直接、詩の中に鳴り響いたとは書いていませんけれども。好きになってしまったら、もう何をしても無駄。レベルを指し示す針のメーターは、どんどん上がっていく様子。無駄だ……から【大好き】になっている場面は、急加速のスピードメーターをみるように具体的に伝わってくるものがあり、面白く読めました。
人を好きになるっていう感情は、外側から見えないけれど、それを具体的にわかりやすく表現しようという感じが伝わってきました。実にユニークなアプローチ。しかも少しおかしみを誘う雰囲気もあって。全体的には切ない恋愛感情を軽やかな雰囲気で拝見できる作品になっているのですが、印象深い作品にするためには、これぞという独自の表現の一行が欲しかったかな。「見守るしかない/本人のハート次第だからな」で終わってしまうのは、もったいない気がしました。ウントコドッコイショのもうひと踏ん張りの一言を。思い切って冒険した作品は、今すぐではなくても、何年か先、書けない時に振り返った時にも、何らかのプラスを引き寄せてくれると思います。今回は佳作一歩手前で。
☆嗅覚が家出した 紫陽花さん
初のコロナ感染ということで、相当量、体に負荷がかかっただろうと思います。お辛いめにあわれましたね。通常の生活になるまでお時間がかかるかもしれないですが、どうぞ、どうぞおだいじに。
嗅覚を擬人化。嗅覚を一時的になくすことを家出と例えました。家出ということの意味合いとしては、文字にしてはいませんが、自分が望んでこういう結果になったのではないということと、急に今の状況になってしまい、戸惑っている。悲しく、寂しい気持ちになっているということも感じさせてくれました。嗅覚を失うということについて書いているのですが、「白黒世界」という色という視界、「ざらざらとした砂を舐めているよう」という味覚、のように、嗅覚以外のことに重きを置きながら作品を進めています。つまり、嗅覚は単独で嗅覚ではなくて、日常のあらゆるものに繋がっているのだということ。作者さんの、今回はそれを再認識させられたという思いを感じさせてもらえました。
日々の生活の中、嗅覚がなくなったと一番思わされる部分は、やはり食事。食事の例えのメニューの中で「わさびマヨネーズ」を選択されたのは、とてもよかったと思います。色といい、味といい、通常の日々との違いを大きく見せつけてくれる表現に一役買っていると思いました。また、強い匂いを発するものではないですが「ソーダ」や「パンケーキ」のほのかに感じる部分にも焦点を当てていて、心と共に発せられる、ほのかな部分を感じることもできない寂しさを表現しようとしている点も、非常に繊細で、印象に残りました。ところで、一つ気になったのは、「なにせあなたは私の1部」の「1部」です。「1日」「1秒」に揃えましたと言いたいところですが、数字にしてしまうと物品の単位のようで、個人的には、身の中のひとつという意味に用いるのだとすれば、漢字を用いて「一部」にした方が伝わりやすいのではないかと思いました。文字にしていないことを多く感じさせてくれる作品。今回はふんわりあまめの佳作を
☆「下駄の音」 森山 遼さん
下駄の音ですかぁ。いつきいただろうなぁ。もう、音というよりは一種の音楽のリズムのようなところもありますよねぇ。印象に残るというのはそういうところからくるのかな?きいたと言っても、生まれた実家を引っ越しする際、おじいさんのお父さんあたりの人の下駄が見つかって、それで遊んだというぐらいしか記憶がありません。森山さんが作品内でおっしゃる通り、実際に履いている人をみて、その音をきいたという記憶は、はっきりとしないですね。TVや映画ではありますが。TVやSNSなどでは、情報多き現代ですから、いつのまにか見たり聞いたりしていて、実際に体験したような感覚に陥りそうになることは、多いかと思います。この作品はそんなことも思わせてくれます。「下駄の音?」そんなこと知らないヨ!で済ますことなく、実際に得た情報を楽しんでいる気持ちが、三連とも溢れていて、読み手も同時にその様子に引き込まれていくところは魅力的ですね。
各連の末行が同じフレーズになっており、リズム感が生まれてきて、それは下駄のゆっくり歩く音にも似ているようにも思えてきます。えっと、三連目の「舞い子はん」「舞妓はん」のことですよね。人名の舞子にとられることはないですが、一応、お伝えしますね。
三連ともによいのですが、三連とも見たこと、聞いたことを書いて同じようなリズムを持って書き終えているので、その三つをまとめるような連が、一行でもいいのであるとよかったなと思いました。もう一歩踏み込んで、仮に自分自身が下駄を体験したらとか、下駄に関する思いなど、書き上げることができたら、更によい作品になると思いました。今回は佳作半歩手前で。
☆天の賜物 津田古星さん
片方の聴力をほとんど失われたのですね。一連目を拝見していると、その時の不安な気持ちが、ひしひしと読み手にも伝わってきました。しかし一連目末行から二連目にかけてのお気持ちの在り方の表現につきまして、静かな書き出しの中に、私は作者さんの今の状況を受け入れるという強い覚悟を感じさせてもらいました。と、同時に、聴力は天からの賜物だと感じることができたという、前向きなお気持ちには光を感じさせてもらえるような、一人の人としての温度を感じました。
ところで、細かいところでは、四連目の「生きてゆかれる」は「生きてゆける」に。五連目の「人が集る」は「人が集まる」あるいは「集う」にされる方がよいと思いました。
自分の身の上を詩にして表現するということは、読み手に姿かたちは見えないとしても、プライベートを書いて表すということですから、ある意味、とても勇気がいることだと思うのです。ですが、詩を書くということに巡り合えた人には、ある一定のラインを越えてしまうと、強い不安や辛いことを遭遇している時、勇気とか迷いとか、もうそれすらも考えることも超えて、気が付いたら机に向かって詩を書いていたという、詩を書く人しかできない体験をすることがあると思います。そこから、今を生きている私をどうにか確かめることができたり、書くことにより、自分で自分を支えていたのだと思えることもあると思います。個人的には、辛い思いをしている人のためにも、詩は常に近くで存在してくれていると思っています。
静かな音節の流れの中に、作者さんの立派な芯のある覚悟を感じられる作品だと思いました。これからも実のある詩生活をおくることができますように。
☆最低なあなたへ 朝霧綾めさん
かなり複雑な「私」の感情です。「あなた」によって一時は救われたような気持ちになったのかな?だけど、なんらかのきっかけで「あなた」の「私」に向けられた気持ちが、自身のためだけにだと思えた瞬間があったのかも。「あなた」の正体は、かなりの世渡り上手な偽善者、もしくは180度違う、究極のお人好しかもしれません。作中からは詳細が明かされていないので、どちらとも言えないのですが。偽善者とは違うお人好しの「あなた」側の方についてみれば、力になろうと尽くしたのに、自分だけ楽になってズルいって思われるって、一方的な感情だなという方向に映ってしまいます。反対に「私」の方から「あなた」のことを拝見すれば「あなた」は、自分の株をあげるために優しくする、或いは薄情な自分と思われたくない、そうでないと思いたいだけの偽善者のように映ってきます。詳細が描かれていない分、どちら側についても大きな塊のようなものに辿り着いてしまう……そのような思いが渦巻きました。どのようなことがきっかけなのか、核心の部分がいくらかわかるニュアンスがあれば、この作品の読みどころも、はっきりしてくるように思えました。
個人的に気になったのは、人称についてです。喜びなどを表現する時は「あなた」をいくら使っても大丈夫だと思うのですが、幾人かの読み手を想定し、ダイレクトに読み手に向けて、憎しみのような感情を表現する場合、その表現の配分については、かなり繊細なものになってくると思います。なかには「あなた」と言われると、自分が言われているような気持ちで辛くなって、最後まで読んでもらえない可能性も出てくるかもしれません。「あいつ」のようにして直接的に読み手に感情を投げかけることをずらしたりするのもよいかもしれないです。あるいは、一連目の「あなた」という単語の前に具象化、または次元をずらしたような単語を表記し、後の行はそのまま「あなた」と続けていくのもよいかもしれません。例えば「あなたは最低なことをした」を「〇〇〇/あなたは最低なことをした」のような感じで。人称については、個人的なものなので、あくまでこういう方法もあるのだと留めていただければと思います。とても複雑な感情の表現です。日をおいて、熱がすっかり冷めたと感じられた頃にもう一度読み返してみると、作品の推敲の方向も変わってくると思いました。更なるステップアップが期待されます。今回は佳作二歩手前で。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
酷暑続きと思えば、大雨。複数の台風の発生。全然落ち着かない天候。今年の夏です。
夕立や夕涼みという言葉は、どこにいるのだろう。そんなことを思うこの頃です。
どうぞ、おすこやかに。どうぞ、ご安全に。
みなさま、今日も一日おつかれさまです。
濁った空の下
確かな職もなく、行き場の無くなった人々が
カラカラに乾いた精神(ココロ)を持て余し
ただ、何の希望も見い出せずに
その場限りの生活を送っている
彼らのたったひとつの持ち物は
コインロッカーに残された小さな荷物
そう、使い古された歯ブラシや
擦りきれた私服
それらを全部(すべて)僅かな空間に押し込めて
薄汚れた制服姿のまま
その日限りの割り当てられた仕事場へと
出掛けてゆく
まるで暗い、暗い、穴蔵のような部屋で
ただひたすら、機械の部品を
いじくり回す日々
あぁ、いつになったら
この生活から脱する事が出来るのだろう?
オレももう、四十五
マトモな職についてたら今頃は
真っ白なシャツに
パリッとした真新しい背広姿
青空の映るガラス張りのビルの中で
責任に似合うそれなりの権限を
上司から与えられて
せわしなく働いていただろう
たとえ身体が疲れ切って
棒のようになったとしても
温かな家庭の光と匂いが立ち込めるなか
女房・子供の優しい笑顔が
オレを迎えてくれただろう
それなのにオレはたった今
幾ばくか手渡されたばかりの給料を握り締め
ネットカフェの中に設えられた窮屈な寝城で
痛む背中を丸めながら
決して明ける事のない
侘しい夜を過ごしている
そんなオレを見て世間は
白い眼付きをして嘲笑うだろう
お前が今まで
何の努力もして来なかったからだと
しかし、オレだってこんな生活を
決して望んでいたワケじゃない
大学を卒業して人並みに就職したくとも
会社はオレをすぐに虫けらのごとく追い出し
ソッポを向き続けてきた
オレをマトモに使ってやろうなんて気持ちは
さらさらなかったのさ
そこでやっと辿り着いたのが今のこの有り様
それでもオレを
生来の怠け者だと囃し立てるのかい?
世知辛い今の世の中で
無常極まる刹那を
何とかもがき苦しみながら生きるオレを
それでは余りにも酷すぎる
お前はオレやオレと同じ眼に遭っている
連中の立場に立った事があるだろうか?
真綿でジワジワと首を絞めるように
見えない喪失感がオレを蝕んでゆく
大きな闇がオレをスッポリと被い
オレを盲目にして、無気力にすらさせるんだ
灰色に汚れた分厚い壁が
オレの前に立ちはだかるけれど
その正体すら解らず
ただ、抜け道のない迷路をさ迷う
オレ達の現状をもっとシッカリ
瞳に焼き付けてくれ
何とはなしに少しだけ
黒くこびり付いた表面だけ見て
机上の空論ばかり唱えてないで
きちんと伝えてくれ
もうオレのようなヤツを
造り出して欲しくない
もう誰もオレのように、
足掻いて欲しくないんだ
それだけが社会から食み出されてしまった
オレ達の唯一の願い
一筋の希望