倉庫カフェの壁に、お吟さんの俳画を見つけて驚いたと、社宅で一緒に子育てしていたころのWから、40年ぶりに電話を貰った。昔の知り合いに合って昔話をするのは気が進まないが、「俳句を詠むなんてすごい」とおだてられたから、今日は倉庫カフェへ誘ってお茶してきた。Wは社交的でPTAの会長などもしていたので、さぞかし年をとってもアクティブに暮らしているかと思いきや、身ぎれいにはしているけれど、専業主婦におさまって、一時はテーブルセッティングの大会にも出るほどのめり込んでいたが、今は趣味もないと淋しげであった。
俳句の種まきおばさんのお吟さん、「誰でも一句詠める方法」を指南して別れた。来月、インド人がしているカレー屋さんへ連れて行ってくれるそうな。その時までに一句詠むことを課して(笑)。
大玻璃に山霧迫る午後のお茶 小川晴子
りんさんとお吟がお慕いしている猫髭兄さんの永瀬清子論ですとプリントを配ると、茶房の店主の、ジャズ・絵画鑑賞・読書・犬好きの料理研究家の、若いのにろうたけためぐちゃんが、「猫髭様、是非お店にお越しください。ご馳走します」と喜んでおりました(笑)。不在だった館長さんにお渡しくださいと、スタッフさんにもことづけました♪
終戦間際、39歳で生まれ故郷の赤磐へ戻ると、かつて大地主であった生家は、農地改革によって、そのほとんどを失っていた。残された3反ほどの農地で、初めてその手に鍬を持ち、耕作をしながら詩作を続け、4人の子供を育て上げる。自らの汗が食に直結する「農」に携わることを「未来あること」として受け止め、原稿料で足踏みの脱穀機を買い、草を取り畝を作る合間に清子は言葉を考え、家族の寝静まった時間に詩をつくった。
保存会の努力で生家は残った。清子とともにあったモミとカヤの大木の下には、露草・赤まんま・野菊・穂紫蘇・綿の花・冬たんぽぽなどが咲き乱れ、しじみ蝶が低く飛び交っていた。生家の座敷で句会をさせてもらう予定が、ランチや図書館巡りをして時間が足りなくなってしまった。12月に再訪する約束をして帰りましたとさ。
今日は衆議院選挙と吟行句会全49句の披講のまとめと投資詐欺にあったお客の救助と杉並句会の句稿と「ににん」冬号の原稿と来月九日の府中競馬の予約でてんてこ舞いで疲れたび~。
通夜葬儀と慣れないことをしたからか、腰を痛めて、寝返りができなかったり、起き上がるのに時間が掛かったりするうえに、腸壁に炎症を起こしたような、おなかがいつもシクシクした状態がずっと続いていたが、平然と暮らすこと3週間、ほぼ完治した。自分の自然治癒力を祝って、くるくる寿司で一人ランチ(笑)。太刀魚の一汐炙りの美味なことよ♪
ことふれのやうに風くる芒原 雨宮きぬよ
登山口の信号で止まるたびに、旧家の庭に建つ洋館に見惚れていた。今日はそのお宅へ着物を拝見しにいった。畳紙をひらいては、くしゃみが出る。お座敷犬の相手をしてやっては、毛まみれに(笑)。写真では、魅力的な洋館の趣と色彩がなかなか伝わらなくて残念。
水澄みて二十戸と家かたまらず 茨木和生
猫髭様、ありがとうございます。目の前にいらっしゃる、生身の一市井の愛読者さんの、瑞々しい永瀬清子論として、吟行句会でプリントして配りたいと思います。永瀬清子とつきあいのあった、91歳の詩人の句友が体調を崩して来られないので、がっかりしていたところでした。
永瀬清子に影響を与えた上田敏さんとは、こちら有名な訳詩をされた方でした。
ヴェルレーヌ「落葉」(上田敏訳)
秋の日の
?ヴィオロンの
ためいきの
身にしみて
ひたぶるに
うら悲かなし。
鐘のおとに
胸ふたぎ
色かへて
涙ぐむ
過ぎし日の
おもひでや。
げにわれは
うらぶれて
こゝかしこ
さだめなく
とび散らふ
落葉おちばかな。
