ぴのこさん、よそから帰ってくると、我が田舎の多島美が一番と思います♪
和裁の集まりの日。近江縮の反物を預かる。「新之助上布」という、本麻の織物で、たったお一人で染めと機械織りをされているようだ。依頼者さん自ら、説明の通りに、がんばって浴槽で水通しと乾燥をされたという。手触りがよい。
↓スカイブルーの横糸に、半分はオレンジ色の縦糸、半分は黄色の縦糸を用い、銀鼠と柳茶のツートーンカラーの反物になっている。とても好きな色なので、うっとりする。上前の胸元に銀鼠がくる仕立てと、柳茶がくる仕立てがあると申すと、依頼者さん、迷いに迷って、、、「銀鼠」と(笑)。
和すれども同ぜずにゐて白上布 有馬朗人
近くの鷲羽山を歩く。岩とつつじの岬である。松も多く、もちろん松の花粉も多いので、ちょっと前までは春の散策は出来なかったが、老人力のついてきたこの頃は、身も心も鈍くなって平気で歩ける(笑)。
登り窯つつじ明りの火入れかな 高田里江
岡山県の西の端、笠岡市へ吟行にゆく。詩人でもある93歳の句友が、倉敷の茶房へ来られなくなって久しいので、こちらから押しかけた形。身体はがたがたと言われるが、ぱっと見は80歳くらいにしか見えない。頭は冴えていらっしゃる。今年から詩の講師を後輩に譲ったらしい。
詩人行きつけのライブ喫茶にて句会。ママさんのサンドイッチはとても美味しい。壁にずらりとライブをした方々の写真。知っている顔もちらほら。亡くなって久しい高田渡は何度も来て歌ったらしい。下田逸郎やあがた森魚もたびたびライブをするらしい。このような喫茶店は、もう少ないとか。↓お吟が特選に頂いた句。プーチンとトランプの名を並べているだけなのに、「山笑ふ」が絶妙で、意味深な句になっている。
山笑ふプーチンだとかトランプとか 行人
倉敷の茶房にて着物好きさんの集まりあり。道中、街も峠も里も満開のさくらさくら。そして終日雨。四人目をおなかに宿した38歳が、自分で縫った木綿の着物に、雨の日用のお尻の割れたもんぺというか、自分で縫ったものを穿き、これまた自分で縫った頭陀袋を斜め掛けして現れた。おばさんたちの第一声は「可愛い~」で、美しい方なのでなおさら、あとは、「このもんぺどうなってるの?」と彼女、もみくちゃになった(笑)。
美魔女さんの帯が素敵なので、今日は後姿を。
花の雨やがて音たてそめにけり 成瀬桜桃子
ぴのこさん、この小さな家、陶土を角材の形に整え、金太郎飴の要領で切ってつくるんですよ♪
今日は、修行僧は全員異国の人という禅寺、曹源寺へゆく。本堂にて読経が始まるのを待っていると、お吟の前に、白木綿のレースのワンピースにロングヘアーを白いヘアバンドでまとめた、高原のお嬢さんがそのまま年取ったようなお方が座ったので驚く。こんどは二つ隣に、赤い総花柄の振袖をほどいて縫ったようなコートに西陣織の帯でつくったようなパンツ姿のおばさんが座るので、さらに驚く。その後、水色のシャツに紺のパンツの、婦人警官のような格好の女性が、隣に座る。
赤いおばさんは私語がすぎるので、婦人警官風に注意される。読経が始まると、赤いおばさんは、経典をかかげて、運動会の児童の宣誓のような大声で唱え始めた。かなり、テンポがずれている。婦人警官風は、右耳を押えて、お吟の方に向きを変えて、熱心に唱えている。
みなさん、信仰心が厚いのだ。信仰心のないお吟は、読経に合せる太鼓の響き、おなかに響く音の迫力に身を任せながら、個性的な三人の女性に囲まれたことを不思議に思っていた。
住職さんの力強いお説法を聞いたあとは、修行僧と同じ、さくらごはんと味噌汁をいただく。赤いおばさんがまた隣に座る。世間話をしゃべり続けるが早くご飯を済ませないといけないので、悪いけれど、ほとんど無視して食べる(笑)。そしてすぐに茶室に移動。
お正客である住職さんを待ちながら、↓お釜のあたりに目をやると、なにやら可愛い物があるのに気づく。なんだろう?
桜の時期なので、お正客の前に置く煙草盆の代わりに、流木を筏に見立て、色紙でつくった人を乗せ、花びらを散らして、つまり花筏を置いている。煙草盆はそこに置いておくものだが、花筏は流しましょうと、30畳の和室に座る30名ほどの膝の前を順に送って行ったのが遊び心があって、なんとも微笑ましかった。
花筏水に遅れて曲りけり ながさく清江
