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編集・削除(編集済: 2023年10月25日 04:10)

ふたつのそつぎょう  じじいじじい

そつぎょうしき
きれいなふくきてみんなならんだ
むねにはおそろいむねにリボン

6ねんかんいったしょうがっこうと
きょうでさよなら
そつぎょうしょうしょをてにもって
うたをうたった
さみしさでなみだがいっぱいでた

でもねいつからかみれなかった
みんなのなみだ みんなのえがお
マスクのないみんなのすがお
ほんとうのみんながみれてうれしかった
マスクのないそつぎょうしゃしん
みんながさいこうのえがお

きょうでマスクもそつぎょうできそう
ちゅうがっこうもみんなのえがおといっしょにいきたい

編集・削除(未編集)

島様へ、評の御礼

お忙しいなか、評をいただきありがとうございました。
はい、秋はハッカ飴から生まれるという思いつきからシリーズ化してしまいましたが、
春まで作ることができて良かったです。夏も使いたいアイテムだけは浮かびました。
ご指摘いただいたこととても参考になりました。

朝日を孕んだ雫の
楽しげな音色は
何かを呼んでいるようです

今日は待ちに待った日
明け方の浅い眠りのなかで聞いた
数発の花火は開催の合図

子供たちは工場へ
息を切らして走ってきます

両手に抱えた砂糖と洗剤を
落としそうで落とさずに

↑すこしお祭り感を出してみました。
他のご指摘部分も推敲してみました。

雰囲気がすっきりまとまってイメージしやすくなった気がします。
いつも本当に有難うございます。

編集・削除(未編集)

無常  松宮 定家

桜の開花が騒がれるなか
紫陽花並木は芽吹きはじる
ついこのあいだまで
ただの枯れ木に過ぎなかったのに

薄紅のたおやかさのなか
紫陽花並木は芽吹きはじめる
誰の目にも留まらず
メランコリーは産声をあげて・・

その枝の端の生命は
陽光をたっぷり浴びながら
五月雨に霞む舞台を
渇望している

―そう、これはささやかな 世界の秘密だ!
何かが終わるとき、何かが始まる―

新たな季節の主役たちは
静かにその時を待っているのだろう。

編集・削除(未編集)

評、3/3~3/6、ご投稿分、残り。  島 秀生

「労働組合の組織率がなんでこんなに低いんだ」と言ったのは、意外にも2、3ヵ月前にトヨタの会長から出た言葉です。
なぜトヨタの会長がこんなことを言ったのか、なんとなくわかります。自動車業界は昔、アメリカに輸出しようとして、アメリカから物凄いバッシングを受けましたからね。それで現地法人、現地雇用ということを会社として徹底してやりましたから、この人は経営者ながら雇用の重要性にはすごく認識があるのでしょう。
いま春闘やってますけど、春闘に絡んでる労働者は大手ばかりで、労働者全体に占める割合は意外に少ない。非正規労働者が労働者の3分の1を占めるようになり、「春闘なんて、私らに関係ないこと」と思ってる非正規や中小零細の労働者はすごく多い。そもそも労働組合から漏れてる労働者って、今すごく多いんですよ。
そのあたりにもっと陽が当たらないと、日本の経済は、本当の活力を取り戻さないと思う。

なんでか理蝶さんの詩を読んでて、こんなでかい話に、思いが至ってしまいました。(評からすっかり脱線してるんですけどね)


●喜太郎さん「ファーストキス」

えーーーと。
ちょっと抵抗したのは「ああ.....」だけですね。
あとはやられ放題やな・・・。

まあ、男性より女性の方が成長が早いのは、昔も今も変わらんなあーと思いました。

多少の創作があるのでしょうけど、伝わる実感があるので、たぶん似た経験があるんでしょう。あるいは、すごく身近で聞いたリアルタイムの話かもしれない。
いや、ちょっと出来すぎてるから、もしかしてドラマなのかな・・・・・・? だとしても、この生々しさは、完全に自分のものとして消化・昇華できてると思える。だからOKです。

これ、逆に美文だったら、創作っぽさが見え見えになるんだけど、ある意味、美文じゃなくて、文体にたどたどしさがあるのが、妙にこの話とマッチするんだよねーー。
これ、文体と中身、奇跡のマッチングかもしれません。とうことで、秀作プラスにしておきましょう。(たまたまですよ。)


●やまうちあつしさん「琥珀」  

琥珀のことは私は調べる機会があったのでたまたま承知してるんですが、ふつうここまで知らないので、少々説明的でも前半部は書いていいと思いますね。特に化石資料としての価値のところは、その後の詩の本論に関わる部分ですから、書いてOKですね。

また後半、いろんな表情を書いたあとで、「樹脂が宝石化するような長い時間の中にあっては、どちらであっても同じようなものなのだろう。」の言葉は、時の流れの中の真理を突いているようで、非常にいい言葉だなと感心しました。

問題は着地だけですね。どこへ着地させるか、なんですが、

 こんな琥珀を贈られたときの、妻の困惑の表情が目に浮かぶ。気味悪がって、捨てられてしまうかもしれない。

と「妻」に変え、ここでもう終わってしまうのも手ですよ。
で、タイトルは「誕生石」にするのです。


すると、そもそもなんで琥珀の話を始めたのかも理由がわかりますよね。妻にプレゼントする誕生石だったから、こんな話を始めたわけです。話が全部、ストーリーでつながりますよね。こういうまとめ方もアリですよ。

やまうちさんは、私は初回なので、今回、感想のみになりますが、この詩は思考と情感の両方が、いいシンクロをしていて良かったと思います。
この詩はマルですね。


●理蝶さん「夜景」

私もあまり古い時代のことは直接知らなくて、伝え聞くだけなんですけど、昔は労働組合が出す組合員による文芸誌なども結構あったそうです。旧国鉄時代の話ですが。私は詩誌のことしかわかりませんが、今は全国を見渡しても、そういった組織による詩誌はないんじゃないかなと思います。「労働者文学会」も「日本農民文学会」も健在なので、全国組織のものとしてはありますけどね。
ただ、文学史に残る作として、昔のように労働者サイドから生まれたものとなると、近年、これというものは確かにないかもしれません。

いちおう「彼ら」と複数形でこの詩は書かれているので、個人や一部のことでなく、全体の見渡しとして、そういうことを思ったりしながら読みましたが、ちょっと脱線したかな。

詩の「彼ら」の中には作者もいたようで、ストーリーはだんだん自戒へと向かっていきます。

 飼い犬が寄ってきて
 餌欲しげに尾を振る
 これと自分の何が違うのか

この詩行のフラストレーションが、この詩における情感のMAXに思います。ここが一番印象的ですね。

いつも思うんだけど、いくら通販で便利になっても、最後はドライバーが、暑い日も寒い日も走ってくれてる、それを忘れちゃいけないなと思う。

「地にへばりつく労働の星が/涙を流すような光」、いい言葉だと思う。このフレーズ、フレーズだけで泣けます。

えーーと、少しあります。
ちょっと、どこからどこまでが「彼ら」で、どこから「自分」なのかの別。
それと「彼ら」を批判してもいいけれど、結論として批判したいのか、賛辞したいのか、そこもちょっとわかりにくかったかな。

もしかしたらこれは、自分の将来像を迷ってるだけなのかもしれない。だとすると、その割には自分がその現場にいて、知ってるかのように踏み込んで書いてるのがちょっと怪訝。2連を、「彼ら」を主語で書いてるとこね。

そのあたり、若干すっきりしないとこあるんで、とても興味深い詩だけど、秀作プラスにとどめましょう。

終連なんですが、後ろの2行、急に山道を出されてもなあーーなので、初連と呼応する形で、終連は終わってしまってもいいと思う。

 地にへばりつく労働の星が
 きょうも光る
 目的のため ただ光り
 やがて遂行され消える光
 けれど全てに意味がある光

こういうのはどうですか?


●朔音さん「かける」

まずは言いたいこと、全部書くってのは悪くない。
いっぱい書いてると、「当たり」も出てきますからね。書かなきゃ「当たり」は出て来ない。

かけ(駆け)ながら、いろんなものや、ことが、あいだに挟まってゆきます。
役所の書類であったり、重たい体のことであったり、

そんなに急いでも良いことないよ
という老婆の言葉だったり、

ゼロになにをかけてもゼロなんだよ
という罵声であったり
しますが、
でも、

向き合ってくれた貴方へ
アタシはかけます
これが正解だったといえるように

この想いで応戦するようです。
作者のこの反論も良いし、「かけ続ける」雰囲気が、詩全体の統一感を作っている点も良いです。

一点だけ注文は、この詩、

そうだ
全ての事に意味があってたまるか

で、終わりにしましょう。
この言葉がステキだし、そこから後ろの「床につく話」の展開は、いらないと思いますよ。かけてる場面だけで終わりにするのが良いと思う。

これはまあ、書き切ったあとで、推敲する段階で、客観的視点でもって、後ろを切る判断をしたらいいということです。まずもって最初は、言いたいこと全部書いちゃう方法は悪くないです。

うむ、よく書けてると思います。
あれ、朔音さんも、私は初めてなのかな? じゃまあ、今回は感想のみとなりますが、この詩はマルですね。


●凛さん「月と僕と」

えーーーとーーーー
「るんとうるるん」は名前のように感じたんですけど、違うんですかね?
喜びと涙、みたいな感じでしょうか?

まあ、謎を一つ置くみたいなことはアリなんですよ。
でも仮に「るんとうるるん」が、なんらかの意味があると想定しても、1行目の「るんとうるるんとう」の、後ろの「とう」はなんなんでしょうね? これに至っては謎が過ぎます。ミスタッチにも見えるし、謎に謎を重ねてはいけないという意味でもアウトに思います。
1行目はもし置くのだとしても、他のところと同じくの、「るんとうるるん」で置くべきでしょうね。

で、他の詩行の部分なんですが、初連と2連の内容は、陽と陰の対比になっているようです。
ちょっと童話風の作かもしれませんね。陽と陰をはっきりした形で書かれているので。

いずれにせよ、もうちょっと長めに書いてみて下さい。
詩のムードというものを感じる前に、すぐもう終わってしまってる感じになっているので。
また書いて下さい。凛さんは私は初回ですので、感想のみとなります。

編集・削除(編集済: 2023年03月18日 03:44)

評、3/3~3/6、ご投稿分、その1。  島 秀生

残り5作も、1時間後に。


●鯖詰缶太郎さん「やまない雨があるならば、やりきれないはずだ」  

この詩を読んで、沢木耕太郎さん(少しだけ話したことがある)のことをちょっとだけ思い出しましたけど、もしかしたら鯖詰缶太郎さんの名は、沢木耕太郎さんの名をもじってるのかもしれませんね。

ラストの7連(「あんたの潤んだ瞳~」以降終連まで)がすごくいいです。ここだけで詩になります。こことてもステキでした。

えーーと、3点ありまして、

まず1点は、こりゃちょっと小説仕立てすぎる気がします。比喩とか隠喩とかの誇張表現や写し替え表現を超えて、最初から場も人も架空想定でスタートして書いてると思う。

2つ目は人称。「あなた」と「あんた」は同一人物に見えます。でも基本的に人称の呼び方が変わると、文筆の世界では別人ということになります(ちゃんと呼び名が変わる理由を踏まえて変わるのはいいけれど)ので、この理由なき乱れはアウトです。統一しないといけない。これは小説の場合でも同様です。

3つ目、

俺は肩がぶつかったと
因縁をつけ、
その男を殴った

殴られている男の手は
黒にも、赤にも、白にもなりきれない
曖昧な色をしている

その時、
あんたはいつの間にか、
俺の後ろに立っていた

気配に気づき、
殴るのをやめた俺のコールタールを
塗りたくったように、ねばついた手を
あんたの手が包み込んだ

ここの表現なんですが、あんまり良くない。
①後ろに回ったとこから「あんた」が始まるので、男とは違う3人目の存在が登場したように読める
②殴られてる男の「顔」ならともかく、なぜ「手」に視線がいったのか、不自然で説明がいるところ。あとで「ねばついた手」を出してくるために、伏線で先に置いたのが見え見え。上記引用2連目時点では、「手」への視線で書いてることがものすごく不自然。
③「殴るのをやめた」は不要。後ろに立たれた時点で、殴れない。いきなり手が包んだということで、いいと思う。

ああ、この①~③についても、どっちかというと、小説書く上での注意になりますが。

うーーん、
次回はもっと本当の自分に近いところで書いてみて下さい。場は変えてもいいんですけど、あくまで主人公は自分で。

鯖詰缶太郎さんは私は初めてなので、今回感想のみとなりますが、ちょっと異論はあるものの、ラストの7連良かったんで、この作品はいちおうマルです。


●妻咲邦香さん「知ってる人」  

冒頭の1~2連で、この詩はもうグッドですね。
全体がかなり抽象寄りに表現されてるので、これも適度な距離感を持って読めるから、良いです。

少なくとも1~3連の前半は、自分の内の知ってる部分と知らない部分の、自問自答的に読んでいいのだと思う。「操る」についても、自分を操るの意で読みました。本人の意図はともかく、それで読めるからOKです。

5~7連(終連)については、6連のさまざまな人の並列もあるので、他者を主眼で読みました。
前半の主題のことを思うと、その連続(あくまで自己の内の話)で読みたい気持ちがあったけど、ここはそうではなくて、多角展開させてるように見える。
まあ、「知ってる」「知らない」の観点に立てば、自分とか他人とかって区分の仕方とは、また違う切り口の区分になるとも言えるので、「知らない」側に、自分の半分が入っててもおかしくないな、とも思えた。

私はそんなふうに捉えたけど、まあ、作者の意図はともかくとして、それなりに読めるものだった(話に筋があるものだった)のでOKです。
(抽象系はもともと数割当たってれば、御の字なのです)
名作を。

強いていうと、自問自答だと解釈すればすぐに整然とする前半に比べて、後半はロジックが取りにくいかな。
後半は、前半とは視点が変わっている様子なので、読む側としては5連、6連あたりでは、今度はどう展開させる気かな?と、まだ様子を見てる段階のところへ、もう終連が急に走り出してるといった感になるので、
そこは私はゆっくり行った方がベターに思うけど、たぶん字下げ連を挟んで、前3連、後ろ3連の形式を優先させてるんでしょうね。


●江里川 丘砥さん「臨終」  

臨終に立ち会ってあげたんですね。
それは良いことをしました。せめても、だと思います。
逝くのは一人でも、見送る者があったなら、一人ではなかったのだと思いたい。
その瞬間は本人も怖いはずだけど、少しは心強かったことだろうと思いたい。
ショッキングな場なんですが、よく逃げずに、最後までつきあってあげましたね。
それだけで上出来です。
ちょいおまけの名作を。

そこを書けてるだけで、もう一つ価値があるので、いいんですが、
ちなみにこの方、作者にとって、どういう関係の方なんでしょう??? 臨終に立ち会えてるということは、近親のはずなんですが。
亡くなった方への愛情や思い出が語られていてこそ、その想いを共有することが可能になりますが、この詩はそこが全くないので、亡くなった方への共感は難しいです。
ただショッキングな場に立ち会った作者が、偉かったなと思うばかりです。

一つの詩に込めることが難しければ、連作にして、その方の思い出を語る詩も、また書くといいですね。ここでは一作ずつしか見ないのであれですが、ご自分の中では連作、ないしシリーズ化して、この方について、思い出面で補完する詩を書いておかれた方がいいと思います。この詩はまったく臨終の立会い場面しかわからないので。

先日、テレビの某番組で小平奈緒が出ていて、スポーツ競技もスポンサーがつけばいいんですが、スポンサーがつくまでは非常にお金がかかるのを自分で用意しないといけない。ご両親はそのためにずっと共働きで働き詰めだったようで、成長期の小平奈緒の世話を実際にしてくれてたのは、祖父母だったんだそうです。それであの人は祖父母への想いがひとしおあったんだそうです。もしかしたら江里川さんも、そのようなものがあるのではありませんか? それは書かないとわからないですよ。とりわけ祖父母やおじ・おばの話になってくると、人によって親密度が全くバラバラなものなので、書かないと伝わりにくい対象になります。


●秋さやかさん「季節工場【春】」  

「季節工場」シリーズなんですね。
良い雰囲気があって、ほぼほぼOKなんですが、私はもちょっとメリハリを出した方がいいと思う。
ポイントは2点です。

1、門があいていて入ってくるところを見ると、これは近所の子どもたちなのでしょう。これ、もしかしたら創作によるものなのかもしれないのだけど、初めて聞く話で、珍しくておもしろい。これもっと、これがこの土地の風習なのだ的に描かれると、もっと雰囲気が増してよりステキになると思う。いえば、子どもたちにしてみれば、お祭りだってことです。

2、子どもたちが「熱い」息を吹き込んで、それが弾けたシャボン玉が飛び出すから暖かな空気が生まれるという、ちょっと物理的なロジックになっているんですが、実際そんな空気は非常に微量なものなので、そこにこだわる必要なんてなくて、子どもたちが雪解雫でシャボン玉をするという儀式が、春を呼ぶんだと考えに、スパッと変えたほうがロマンチックじゃないでしょうか。
この場合、「子どもたちが作るシャボン玉が 空で弾けるたび 春の陽気がやって来る」という着地だけでOKで、これで充分クライマックスになります。
ただしこの場合、そこで初めて「暖」を出すのがよく、その前には熱源となるものを一切出さない方がいい。「(ストローに)熱い息を吹き込めば」の「熱い」は逆に不可となります。

この2点は、要は、風習と儀式風にもっと仕立てるってことですね。オリジナルであってもいいので。

あと、ポイントではないんですが、わかりにくいのが、

ひとりが泡まみれの腕を引き抜いて
門へと向かえば
みんなもそれに続きます
 
取ってきたストローを
バケツのなかへ 
ひときわ慎重に浸します

ここなんですが、「門へと向かえば」のところで、この表現では手ぶらで門に向かっているように見えて、バケツを一緒に持ってきてる気がしないんです。
だから、次の連でバケツが出てきた時に、あれ?ってなります。(手ぶらで門まで来たのに、またバケツを置いてたところへ引き返してるのかな? みたいなことに思う)
ここの表現は直されたほうがいいです。

「雪解雫」(ゆきげしずく)は、日常ではあまり聞き慣れない言葉なので、私は熟語のままの使用は若干の違和感があるんですが、この言葉で一つの季語のようですし、2連では意味合いを説明するべく丁寧に始めてくれているので、このままでOKにします。

まあ、概ねいいんですけどね、あと一息検討を望みたいという条件つきの、名作としましょう。この詩はもう一歩、良くなれる詩なので。


●エイジさん「風の生まれる場所」

グッド!!!
名作、且つ代表作にしていいです。
個人詩集作る時には、この詩を先頭に持ってきたらいいですよ。
心・技・体じゃないけれど、思考・情感・表現が三位一体にフィットした、とてもいい詩だと思います。

対象(この場合「風」)へのこだわりがまず良くて、いろんな場面の風や、架空の「風が生まれる場所」の話もしている。また、場所のみならず、その時の風がどんな風かということにも想いが至っている。構成もいい。またアタマでっかちにならずに、終盤は情感が色濃くなっていく。
それと詩全体に、作者の孤独感がある。これがこの詩の統一感であり、ムードともなっている。また、まずもって孤独感があるので、終盤の「君」に寄せるものも、実際にいる「君」に語っているわけではなく、どこか希望的です。そこがまた孤独をベースとしたロマンチックでいいのです。
読む人が皆、どこかに持っている孤独に、響くことでしょう。

うむ、言うことないです。
これは日頃、まじめにコツコツと精進してきたことが、開花した一作ですね。


●cofumiさん「灯りをさがして」

cofumiさん、たいへん申し訳ないんだけど、この詩は重症です。

この前、私の担当日に頂いた詩は、たまたま語呂合わせになってたから、異なる角度でもって評価しましたが、あれが良になったのは本当にたまたまですよ。あの時からもう詩形は崩れてて気になってたんですが、今回はいよいよもってダメですね。

あのーーー、私、詩の書き始めは、長く書くようにした方がいいよと言ったし、実は長い詩を書くよりも、短い詩を書く方が難しいんだよということも言ったと思うんですが、cofumiさん、それしなかったでしょう?
基本ができてないうちに、短い詩を書くのは危険なんですよ。cofumiさん、これ、私が危惧していたとおり、袋小路に入ってます。言わんこっちゃない状態ですね。

なんていうか、最初の感性だけで書く時期はもう終わって、今は基本の上に感性を生かす時期に変わってきてるんですが、ここに来て、基本のできてなさがもろに足引っ張ってる状態です。だから、一度、基本をやり直すことをした方がいいです。

2点して下さい。
1つは、誰か短めタイプの詩人の詩集を一冊読んでみて下さい。
金子みすゞでもいい。あの人、語り口には当時の時代性があるから真似しないでいいけれど、詩の構成力や比喩の展開の仕方は、現代でも充分通用する。基本を学ぶにはいいと思う。
村野四郎さんか、銀色夏生さんでもいい。まず1冊読んで下さい。

2つ目は、自分の詩形を一度クリアして下さい。今の詩形は捨てた方がいい。
詩集を読みつつ、自分に合った詩形、自分の新たな基本形となる詩形を、もう一度探し直してみて下さい。

今回の詩は、詩じゃなくて、平文(作文)の形で書いてもらった方が、ずっと気持ちが伝わったことと思う。今の詩形は、自分が伝えたいことを、自分で完全に潰しちゃってますよ。たぶん、平文で書いた時の5分の1も伝わってないと思う。そういう状態ですから、この書き方は、一度クリアしたほうがいいです。

すごく遠回りなことを言っているように聞こえるかもしれないけど、これが結果として、近道になるはずなので、お願いしておきます。

あのーー、最初は自分の才能だけで書けちゃうもんなんだけど、それはすぐに壁にぶつかる。そこから壁を超えようと思うと、詩人の詩集をはじめ「読むこと」(勉強すること)をしないと超えられないです。それは誰でもがそういうものだから、少し「読むこと」をした方がいいです。

編集・削除(編集済: 2023年03月18日 04:55)

夏  ルナ

軽やかな湿った緑が鼻を通る

ひやり

まぶたが重くなる

夏のための声を全力で響かせ地面を揺らしている

チリーン

透明の波音が一滴響く

波紋が侵食する

緑が靡く

ひやり

忘れるなと蝉が水面から顔を出す

冷たさを求めてごろり

また微かにひやり

チリーン

目を開ける

緑の御簾の奥に夏の王様

大きな大きな王様

全てを知っている王様

チリーン

なんだか嫌になる

ごろん

編集・削除(未編集)

たい  まるまる

昼休みの情報番組
生き生き働くおばあちゃんが映る
お歳はなんと74歳

74歳
どうなっているのかな 私
想像めぐらす帰り道
曲がれば家に着く最後の角で
ふいに出会った 見知りの母子
我に返って
 こんにちは

顔上げ笑う 男の子
ご近所のその子は言葉が遅い
大好きなのは乗り物で
バスを見るといつも「たい」
乗りたい 食べたい 見たい 行きたい
望むものはなんでも「たい」
微笑むばかりの お母さん

こっそり 教えたことがある
 の・り・た・い

若いころ
体をちょっと壊した私
ただただ自分の部屋で半年
私のどこにも「たい」はなかった

時間が すごくたくさんあって
やりたいこと だけじゃなく
やりたくないことも 特になかった
楽しいこともひとつもなくて
でも辛くも なかった
たぶん生きていたはずだけど
生きていなかったのか わからない
時間が私を持て余していた

たしかそんな感じ
だって よく覚えてもいない
繰り返したくないもう 二度と

毎日を作るきっかけは「たい」
「たい」があればどうにかなる
休みたい
働きたい
遊びたい
じっとしていたい
どの「たい」にも 無駄はない

ご近所の あの男の子
あの子にはいつも「たい」がある
そうか 心配ない
お母さんは わかっていた

私の74歳
もしも働けなくても
「たい」を携え
どっしり していたい

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東京都杉並区在住軽音楽系専門学生殺人未遂事件  鯖詰缶太郎

実家に帰省している彼女に
電話をすると
聞き覚えのない声の男が出た

電話番号、間違えた?
誰?と、男の声は誰何してきたので
マツミちゃんの彼氏です
と、答えた

俺、マツミの彼氏なんだけど。
と、男は答えた

そうですか
と、言い、
とりあえず、僕はいったん、電話を切った

しばらく、呆然としていた僕に
彼女からのメールが届いた

ごめん。

そうか
ここ、最近、忙しいからとか、
言ってたの、本命の彼氏と会ってたからか

そうか、そりゃそうだ
だって、これって、浮気相手が
僕って事だろ、って事であってるのかな?

神様、一生のお願いです
一度だけ、気を失っているふりでもして
僕の完全犯罪を見て見ないふりしてもらっても
いいですか?

一生のお願いは、一生のお願いであって
もし、このさき、なにか
かなり、しんどい事があっても
絶対に、お願いしないから。

たぶん。

僕はフォークギターを持つ

ららら
初めての彼女が、あんな純朴そうな娘でよかったな
ららら
たぶん、男性とのお付き合いも、
あまりした事ないんだろうな
ららら
こんな事があったから
同じ、専門学校で
今後、顔、合わせづらいんだけど
ららら
こういう時、どんな顔すればいいの?
ららら
愛など、いらぬ
と、たやすく言えたなら
荒廃した世界でも、僕は
一人で戦っていける、というのに。

六本の弦が
すべて、きれている

領収書の宛名を
株式会社マツミ
にして
新しい弦を購入してやる

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うんーバレンタインデーの夜に

ラジオのスイッチを
おもいっきり ひねって
俺 ひとり

口を への字に曲げて
分厚い眼鏡の奥の眼を
上に向けて
「うん」と笑う
うん 俺 ひとり

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世界のどこかで  朔音



世界のどこかで沢山の人が亡くなった

世界のどこかで沢山の桜の花が散った

亡くなった人たちを人々は悲しんだ

何処かで散りゆき亡くなった桜たちを
人々は喜んだ

もし桜が人だったら

もし人が桜だったら

人々は何をどう思うのでしょう

花と人と比べないでというのが
正しいのだろうか?

桜は文句も言わず悲しみもされず

亡くなっていく 散っていく

さぁ楽しんで

アタシ達の最後の姿をといわんばかりに

桜吹雪は舞い踊る

これがアタシ達の喜びなの

悲しまれず 散っていくその様まで

美しいといわれるのは

アタシ達の特権

生き抜いてる人々へ
死してしまった人々へ
桜はおくる どこまでも

綺麗と言われなくなるその日まで

最後の最後の瞬間まで

あっ桜だ、と

見つけられて喜びを得たい

雨にぬれて茶色がかった花弁は

誰にも見られず
そっと風に吹かれたい

何処か何処か遠くへ

美しいと言われたアタシ達だけを
人々には覚えていてほしい

知っていますか?
これから桜の木は万緑を
力強く咲かせていくことを

知っていますか?
命は巡る
それもまた力強い

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